セクハラ被害の慰謝料の請求は弁護士法人ALGへ
セクハラ被害で請求できる慰謝料の相場は?増額されやすい6つのケース
セクハラ被害を受けて、精神的苦痛を被った場合には慰謝料の請求ができる可能性があります。セクハラ被害での慰謝料の相場は、30万~300万円程度といわれています。
相場に幅があるのは、個別の事情によって異なるためです。セクハラの程度が軽度なものは数十万円しか認められないケースもありますし、悪質なものは300万円以上となるケースもあります。
そこで、本記事では・・・
- セクハラで請求できる慰謝料の相場はいくらか?
- 高額のセクハラ慰謝料が認められるケースとは
- セクハラの慰謝料を請求する方法と流れ
など、“セクハラ被害の慰謝料の相場“に焦点を当てて、わかりやすく解説いたします。
目次
慰謝料請求が認められるセクハラ行為とは?
セクハラ被害に遭って精神的苦痛を被った場合には、慰謝料請求できる可能性があります。
そもそもセクハラとは、相手の意に反する性的な言動が行われたことによって、働くうえで不利益を被ったり、就業環境が害されたりすることをいいます。
セクハラは主に以下の4種類に分けられます。
- 対価型セクハラ
- 環境型セクハラ
- 制裁型セクハラ
- 妄想型セクハラ
それぞれの種類ごとのセクハラ行為の具体例は次表のとおりになります。
セクハラの種類 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
対価型セクハラ | 何らかの対価として性的関係を要求するセクハラ |
|
環境型セクハラ | 職場での性的な言動、行動によって就業環境を悪化させるセクハラ |
|
制裁型セクハラ | 異性に対して圧力をかけるセクハラ |
|
妄想型セクハラ | 相手が自分に好意があると勘違いして、しつこくつきまとうセクハラ |
|
「セクハラの種類」と「どこからセクハラになるのか」については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
セクハラの慰謝料は加害者と会社に請求できる
セクハラ被害を受けて慰謝料請求したい場合、請求の相手は、実際に性的な嫌がらせをした加害者本人だけではありません。
使用者責任や安全配慮義務違反を問うことで会社にも請求できることがあります。使用者責任とは、会社が雇用している従業員が第三者に対して損害を与えた場合に会社が被害者への損害賠償責任を負うことをいいます。
よって、加害者と会社は被害者の受けた損害に対して連帯して賠償する義務を負います。安全配慮義務とは、会社は労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする義務があることを指します。
よって、セクハラを防止しなかった会社に対しても慰謝料請求することができる場合があります。
セクハラで請求できる慰謝料の相場はいくら?
精神的苦痛の程度は個別の事情によって異なりますので、セクハラの態様、悪質性、両者の関係・年齢など諸事情を勘案して、慰謝料額を決めるため、金額には幅があります。では、具体的な相場について以下で見ていきましょう。
セクハラの一般的な相場
セクハラで請求できる慰謝料の相場はおよそ30万~300万円程度といわれています。ただし、セクハラの違法性が強いケースでは、個別の事情を考慮して、相場より高額になる場合もあります。
どのようなケースが高額になり得るのか、次項で詳しく解説していきます。
セクハラで退職にまで至ったケース
セクハラが原因で退職にまで至ったような場合の損害賠償の相場は100万~300万円程度となります。
高額になっている理由は、慰謝料に加えて、退職に至ったことによる逸失利益が含まれているからです。
逸失利益とは、セクハラ行為がなければ、仕事を続けることができ、引き続き給与をもらえたであろう差額分を指します。
退職に至らなかったとしても休職に追い込まれた場合には、休業損害(セクハラ被害を受けたために働けなくなった減収分)が加味されて損害賠償額が高額になることもあります。
ただし、退職や休職がセクハラ原因であると認められた場合です。
セクハラが刑事事件にも該当するケース
不同意わいせつ罪や不同意性交等罪などの刑事事件に該当するような悪質なセクハラ行為は慰謝料も高額になり得ます。
過去の裁判例では、強制わいせつ罪(当時の刑法)にあたる行為によって多大な精神的苦痛を与えたとしてセクハラ加害者に対して、慰謝料として1000万円の支払いを命じた事例もあります。
セクハラで慰謝料請求が認められた裁判例
- セクハラの慰謝料(弁護士費用含む)として66万円が認められた裁判例
東京地方裁判所 平成26年2月28日判決
【事案の概要】
勤務先の会社の役員であった加害者男性から身体接触を含む度重なるセクハラを受けたことにより、精神的苦痛を受けて不安障害を発症したために通院及び治療を余儀なくされたとして、加害者男性に対して不法行為に基づく損害賠償として慰謝料、治療費等の支払いを求めました。
【裁判所の判断】
被害者女性が主張したセクハラ行為のうち、被害者女性の備忘録に記載のあるものは事実と認めることができるとして、加害者男性の不法行為を認めました。
しかし、セクハラ行為があった期間は約2ヶ月にとどまり、必ずしも頻繁にされたものではないことと、被害者女性がセクハラ行為によって不安障害を発症したと認めることはできないことから、セクハラ行為が重篤なものであったとは言い難いとして慰謝料は60万円、弁護士費用相当額の損害は6万円と認めるのが相当だと判断されました。
- セクハラの慰謝料(治療費、逸失利益などを含む)として約862万円が認められた裁判例
東京地方裁判所 平成15年9月30日判決
【事案の概要】
社団法人で勤務していた被害者女性が、職場の加害者男性から性的嫌がらせのほかに三度にわたる強姦等の被害に遭った結果、PTSDに罹患して職場の退職を余儀なくされたことについて、加害者男性に不法行為に基づく損害賠償を求めるとともに、勤務していた社団法人に対しても使用者責任または債務不履行(職場環境保持義務違反)に基づく損害賠償を求めました。
【裁判所の判断】
約2年間という長期にわたって継続的に行われたものであり、態様も悪質であること、被害女性はPTSDに罹り、現在もなお入院治療中であること等を考慮すると、被害女性が受けた精神的苦痛は大きいとして、治療費として194万3800円、逸失利益として337万7506円、慰謝料として250万円、弁護士費用として80万円とするのが相当として、社団法人と加害者男性に対して、連帯して862万1306円の支払いを命じました。
セクハラの慰謝料が増額されやすい6つの要素
個別の事情によって慰謝料額にはかなり幅があります。具体的に慰謝料額を左右する要素として、次のものが挙げられます。
- セクハラの回数・頻度・期間
- セクハラの態様・悪質性
- 加害者の社内での立場
- 退職を余儀なくされた
- 精神疾患を発症した
- 会社がセクハラ行為を認識していた
それぞれ次項で詳しく解説していきます。
セクハラの回数・頻度・期間
セクハラの回数・頻度が多ければ多いほど、期間が長ければ長いほど、被った精神的苦痛は大きいとして慰謝料が高額になり得ます。
また、「やめて欲しいと何度も伝えて、拒んだのに辞めてもらえなかった」といった場合も慰謝料は高額になり得ます。
セクハラの態様・悪質性
「今日の服装可愛いね」、「恋人いるの?」といった性的な発言をされるケースより、「胸やお尻を触られた」、「突然キスされた」などの身体的な接触があるケースの方が、悪質性が高いとして慰謝料は高額になり得ます。
また、悪質なセクハラ行為は、不同意わいせつ罪や不同意性交等罪などにあてはまり、刑事事件として処罰される可能性があります。
加害者の社内での立場
セクハラ加害者が地位・権力を有している場合には、地位を悪用してセクハラが行われていると考えられて悪質性が高いため、慰謝料が高額になる傾向にあります。
特に、社長によるセクハラは、従業員が断ったり、拒否したりして逆らうことは非常に困難ですので、高額な慰謝料が認められやすいです。
退職を余儀なくされた
セクハラ被害を受けて就労が難しくなり、退職を余儀なくされた場合には、慰謝料額が高額になる可能性があります。
また、慰謝料に加えて、セクハラがなく就労できていればもらえたはずの給料を逸失利益として請求できる可能性があります。
退職による逸失利益は、基本的に次の就職先が決まるまで必要な合理的な期間分の給与を計上できます。
精神疾患を発症した
セクハラ被害によって受けた心の傷がとても大きく、うつ病や適応障害など精神疾患を発症した場合に、セクハラ被害者の損害は大きいとして慰謝料が高額になり得ます。
また治療するためにかかった治療費についても請求できます。
精神疾患を発症した場合の慰謝料請求は、被害状況を主張立証するために医師の診断書や医療費の領収書、通院記録を証拠として準備する必要があります。
セクハラ被害でのうつ病発症については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
会社がセクハラ行為を認識していた
会社がセクハラ行為を認識していたにも関わらず、適切な対応や処分をせずに放置していた場合は、会社に対しても使用者責任を追及できる可能性があり、また、慰謝料は高額になり得ます。
さらに、セクハラ行為が発生した状況が業務との関連性が高い方が会社に対する慰謝料の金額が高額になりやすいといえます。
セクハラを会社が対応してくれないことについては、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
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セクハラ被害で慰謝料を請求するには「証拠」が重要
セクハラ被害で慰謝料を請求するには証拠が必要不可欠です。証拠がないとセクハラを受けたという事実の証明ができないため、交渉や裁判所の手続きを行って慰謝料請求しても思うような結果になりません。
特に、少額訴訟や労働審判、裁判などの裁判所の手続きを行って慰謝料請求する場合は、証拠が最も重要視されます。
そして、証拠は、慰謝料請求する側、つまりセクハラ被害者側が立証責任を負いますので、セクハラ被害者が証拠を準備しなければいけません。
具体的に、セクハラ被害の慰謝料請求をする際に役立つ証拠には、次のようなものが挙げられます。
- セクハラ行為を撮影した写真データや動画データ
- セクハラ発言やセクハラ行為をしたことを認める音声データ
- セクハラ発言やセクハラ行為をしたことを認めるメールやLINEなどのやりとり
- セクハラの内容・日時・場所などを詳細に記載した日記やメモ
- セクハラ行為を受けているところを目撃した第三者の証言
- セクハラが原因で心身の健康が損なわれて病院に通院していることがわかる医師の診断書、通院記録
- 会社や警察などに相談した事実がわかる相談記録
セクハラの有効な証拠については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧下さい。
しかし、多くのセクハラは、密室の空間で予期せぬ状況で行われるため、証拠が集めにくいのが実情です。
セクハラの証拠がない場合については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧下さい。
セクハラの慰謝料を適正額で獲得するなら弁護士に相談
セクハラ被害を受けて慰謝料を適正額で獲得したいなら、弁護士に相談して進めることをお勧めします。
弁護士に相談すれば、どのような証拠を集めればいいのか、どのようにして入手すればいいのかなどアドバイスしてもらえますので、効率的に集められます。
セクハラ加害者や会社が証拠をみれば、言い逃れができないと思い、適正額の慰謝料を支払ってもらえる可能性が高くなります。
また、弁護士に依頼して進めれば、過去の裁判例を参考にして、根拠をもって適正な慰謝料額について主張してもらえますので、不当に拒否されたり、減額されたりする可能性は低くなります。
さらに、弁護士であれば、代わりにセクハラ加害者や会社と直接交渉できます。今まで培った経験や法的知識に基づいて慰謝料獲得のために粘り強く交渉していきますので、セクハラ加害者や会社も真摯に対応する可能性が高くなるといえます。
弁護士に依頼した場合の費用相場は?
セクハラ被害を受けて慰謝料請求する際に弁護士に依頼して進める場合は、相談料、着手金、成功報酬、日当、実費といった弁護士費用がかかります。
弁護士費用の相場は次のとおりです。なお、弁護士事務所によっては、無料相談や完全報酬制で着手金不要などの対応をしてくれることもあります。
項目 | 相場 |
---|---|
相談料 | 30分あたり0円~5500円(税込) |
着手金 | 22万円~55万円(税込)程度 |
成功報酬 | 22万円~33万円(税込)から、または経済的利益の20~30% |
日当 | 半日で3万3000円~5万5000円(税込)程度 1日で5万5000円~11万円(税込)程度 |
実費 | 1万円~5万円程度 |
弁護士費用は決して安いものではありませんが、セクハラ加害者や会社を相手にしてご自身だけで戦うのは、精神的に大きな負荷がかかりますし、交渉スキルや専門的な法律知識がないと対応が難しいこともあります。
ご自身の希望に適う結果を実現したいのであれば、弁護士に相談・依頼して進めることをお勧めします。
セクハラ被害での弁護士費用については、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
セクハラの慰謝料を請求する方法と流れ
セクハラの慰謝料請求する方法と流れは主に次のとおりとなります。
- 内容証明郵便を送付する
内容証明郵便は、日本郵便がどのような内容の郵便を送ったのか証明してくれるサービスです。
請求した事実の証拠となるほか、内容証明郵便を送ることでこちらが本気で請求していることが伝わって、相手が応じる可能性があります。
- 交渉を行う
内容証明郵便送付後、相手から何らかの反応があれば交渉をはじめます。
しかし、被害者の請求どおりに応じるケースは稀で、多くの場合は、減額や拒否をしてきますので、正当な金額の慰謝料を支払ってもらうように交渉します。
- 少額訴訟や労働審判を申し立てる
交渉で解決しなかった場合には、少額訴訟や労働審判など簡易な裁判所の手続きを利用することを検討します。
基本的に少額訴訟は1回の期日、労働審判は3回以内の期日で終結するため早期に解決できる可能性があります。
- 裁判を提起する
交渉や労働審判等でも解決しない場合には、最終的に裁判を提起します。裁判では、証拠を用いて主張立証してセクハラ行為を証明できれば、慰謝料の支払いを命じる判決を獲得することができ、判決が履行されないと強制執行によって支払いを強制できます。
セクハラ被害の慰謝料請求獲得のために、弁護士が寄り添いながらサポートいたします。
セクハラを理由に慰謝料請求する場合、慰謝料の相場は30万~300万円程度となります。
セクハラ行為の悪質性や被害状況などによっては、慰謝料はさらに高額になる可能性もあります。
ご自身のケースでは慰謝料請求できるのか、請求できるのであればいくらくらいが相場になるのかなど、詳しく知りたい方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士にご相談いただければ、個別の事情を考慮して、専門的な法的知識や今まで培ってきた経験を基に、具体的にご説明させていただきます。
また、いざ慰謝料請求するとなった場合の具体的な請求方法や流れ、有利に進めるためのポイントなどもアドバイスいたします。
セクハラ被害で苦しんでいる方のなかには、何も行動できずに泣き寝入りされる方も多いといわれています。
ぜひ、被害回復を図るとともに、これ以上のセクハラ被害を抑止するためにもセクハラ加害者や会社に対して慰謝料請求による責任追及をお勧めします。
まずは、お気軽に弁護士法人ALGにお問合せください。
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