ハーグ条約の中央当局による支援とは?サポート内容を弁護士が解説

監修
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

ハーグ条約は、国際離婚や別居により子供が一方の親に連れられ、海外へ移動した場合に、子供の元いた国への返還や面会交流を実現するための国際条約です。

日本もこの条約に加盟しており、子供の返還や面会を希望するときは、「中央当局」と呼ばれる機関に援助を求めることができます。日本では外務大臣が中央当局の役割を担い、幅広いサポートを行っています。

この記事では、中央当局が提供する支援内容について解説しますので、ぜひご覧ください。

ハーグ条約における中央当局とは

ハーグ条約は、国境を越えて子供が一方の親に連れ去られた場合に、子供を元の居住国へ戻すことや、離れて暮らす親との面会交流を実現するための国際ルールです。

加盟国は、こうした手続きを円滑に進めるため、「中央当局」と呼ばれる専門機関を設けることが義務づけられています。各国の関係機関と連携しながら、手続きや当事者をサポートするのが中央当局の役割です。

中央当局の役割

ハーグ条約における中央当局の役割は、大きく以下の2つに分けられます。

他国の中央当局との連携・協力

相手国の中央当局と連携して、必要な情報共有、返還方法や時期の調整、必要な手続きの支援などを行います。国際的な協力を通じて、子供の安全を守りながら、円滑な返還の実現を目指します。

国内の関係機関との調整

裁判所や法務省、警察、自治体などと連携し、子供の安全確保や、心身の健康に配慮した支援、手続きの案内などを行い、子供の返還手続きがスムーズに進むよう支援します。

中央当局による主な支援内容

外務省は、ハーグ条約に基づき、子供の返還や面会交流に関する次のような実務的な支援を行っています。

  • 子供の返還・面会交流手続の援助申請受付
  • 子供の連れ去りに関する相談受付
  • 子供の所在の特定
  • 外国の中央当局との連携・照会
  • 当事者間の話し合い(ADR)手続きの案内
  • 翻訳・通訳支援
  • 面会交流の調整手続きの案内

子供の返還・面会交流の援助申請受付

外務省では、日本に連れ去られた子供の返還や、海外にいる子との面会交流を希望する方からの援助申請を受け付けています。
申請書は日本語または英語で提出することが可能です。ただし、子供が住んでいる国の中央当局が受け付けている言語への翻訳が必要になることもあります。

外務省は申請内容を確認したうえで、支援できるかどうかを判断し、その結果を申請者に知らせます。そして、子供が日本以外のハーグ条約加盟国にいる場合は、その国の中央当局に申請書類を送る流れです。

子供の連れ去りに関する相談受付

外務省では、子供を連れ去られた親からの相談を常時受け付けています。
相談を受けると、返還援助申請請求に必要な書類や申請の流れ、提出先などもわかりやすく説明します。

子供の所在の特定

外務省は、ハーグ条約に基づく子供の返還や面会交流の援助申請を受け、必要と認めるときは、子供の居場所を確認する調査をすることができます。ただし、子供の安全とプライバシーを守るため、子供の居場所の詳細は申請者に伝えられません。

外国の中央当局との連携・照会

外務省は、子供の返還や面会交流についての援助申請を受けると、必要に応じ、子供が元いた国の中央当局と連絡を取り、情報交換や必要な手続きの調整を行います。

当事者間の話し合い(ADR)による解決サポート

ハーグ条約では、親同士の話し合いによる解決が望ましいとされ、その手段としてADR(裁判外紛争解決手続)の利用が推奨されています。

ADRは公正で中立な専門家が仲介し、話し合いで問題を解決する制度です。外務省は子供の返還や面会交流を希望する方にADR機関を紹介しています。

ADRのメリットとして、リモート参加や柔軟な日程調整が可能なこと、外務省の支援により一定回数まで無料で利用できること、監護権や養育費など幅広い内容を話し合えることなどが挙げられます。

ただし、ADRでは相手方に出席を強制できず、協議に応じない場合は手続きが進みません。また、合意が成立しても和解契約書だけでは強制執行ができないため、法的効力を持たせるには追加の手続きが必要です。柔軟な解決手段として有効ですが、限界もあるため、裁判手続との併用も検討されます。

翻訳・通訳支援

日本の裁判所に提出する書類は、すべて日本語で作成する必要があります。そのため、子供の返還や面会交流に関する裁判や調停を行うときに、外国語の書類を提出する場合は、日本語への翻訳が必要です。

こうした負担を軽くするため、外務省では、翻訳業者を通じて証拠書類などを無料で翻訳する支援を行っています。対象となるのは、外務大臣から返還または面会交流の援助決定を受けていて、これから裁判や調停を始める予定の方、またはすでに手続き中の当事者や関係者です。

さらに、裁判外で話し合いを行うADR手続きでも、申立書類の翻訳や通訳者の手配が可能で、費用の一部を外務省が負担します。

面会交流の調整支援

日本ではハーグ条約に基づき、国境を越えて離れて暮らす親子が面会できるよう支援する制度が設けられています。子供を連れ去られた親は、外務省に面会交流のサポートを申し込むことが可能です。

また、両親が同意すれば、外務省が専門の支援団体を紹介し、専門家の立ち会いのもとで面会交流を行うこともできます。この場合、外務省が費用を一部負担し、最大4回まで無料で利用可能です。

また、直接会うのが難しい場合には、オンラインで面会できる「ウェブ見守り面会交流システム」もあります。専門家が見守る中で、親子がビデオ通話を行う仕組みです。このサービスも、外務省が4回まで費用を負担します。

ハーグ条約の手続きで弁護士の支援を受けるメリット

ハーグ条約に基づく子供の返還や面会交流の手続きは、相手国の法律や文化の違いが絡むため、非常に複雑です。ハーグ条約に精通した弁護士に依頼すれば、申立書の作成や証拠の準備を正確に行え、裁判所に認められやすい形で主張を整理できます。

ハーグ条約では、子供の常居所地や監護権の侵害、長期居住の同意の有無など、専門的な判断が求められるため、経験豊富な弁護士の助言が重要です。

また、ADRや調停などの話し合いの場では、弁護士が交渉をサポートし、より良い条件での合意を目指すことができます。そうした場面でも、弁護士であれば裁判所での対応や交渉をしっかり支えてくれるため、安心して手続きを進めることが可能です。

子供の返還請求や面会交流について弁護士法人ALGがサポートします

弁護士法人ALGには、ハーグ条約に精通した弁護士が在籍しており、子供の返還請求や面会交流の手続きを、法律面・実務面の両方からしっかりサポートすることが可能です。

国際的な子の連れ去り問題は、一般的な離婚や親権の問題とは異なり、高度な専門知識と豊富な経験が求められます。ALGはその両方を兼ね備えています。

ALGでは、申立書の作成から証拠の整理、裁判での主張の組み立て、調停・ADRでの交渉まで、ご依頼者がより良い結果を得られるよう、戦略的なサポートを行うことが可能です。

弁護士がいることで安心して手続きを進められます。ハーグ条約に関することでお悩みの方は、ぜひ私たちにご相談ください。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います。
お気軽にご相談ください。

0120-544-064

通話料無料・24時間予約受付・年中無休

メール相談予約受付

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます※法律相談は受付予約後となりますので直接弁護士にはお繋ぎできません ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください

監修

監修 : 弁護士法人ALG&Associates
福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治

保有資格
弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフを擁し()、を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います。
お気軽にご相談ください。

0120-544-064

通話料無料・24時間予約受付・年中無休

メール相談予約受付

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます※法律相談は受付予約後となりますので直接弁護士にはお繋ぎできません ※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください