学校のように集団で活動する場では、ひとりに対して複数人がいじめ加害者となる集団いじめが起きることがあります。
子供が集団いじめに遭っている場合は、迅速かつ適切な対応が求められますが、学校への相談や対応などをどのように行えばいいかご不安な方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、集団いじめの実態と具体例や集団いじめに遭った場合の対処法などについて解説していきます。ぜひご参考ください。
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集団いじめとは、学校のような集団で過ごす中で、特定の個人を複数人でいじめ、被害児童・生徒に肉体的・精神的苦痛を与える行為のことをいいます。
そもそも、いじめは1対1で行われることはほとんどなく、多くの場合で複数人によるいじめが発生しています。
集団いじめの具体例
文部科学省の「いじめ対策Q&A」によると、学校やクラスで集団いじめが起こりやすい理由として以下のように回答しています。
「学校やクラスは、異質なものを排除して集団の結びつきを強めようとする傾向があり、集団内での不適応や人間関係のゆがみが表れやすいから」
いじめは、ひとりの児童・生徒に対して複数人が攻撃することから始まり、興味本位や恐怖心から加害者が増えていきます。
なかには「いじめは良くない」と思っている児童・生徒もいるでしょう。
しかし、「被害者の味方をすると自分もいじめられるかもしれない」といった不安から、被害者を守る行動が制限されてしまうことが考えられます。
その結果、小規模で始まったいじめがどんどん大規模化し、集団いじめとなって被害者への攻撃が強くなってしまいます。
本来であれば、学校側が即刻集団いじめを止めるべきですが、なかには、学校側が見て見ぬふりをして集団いじめを助長するような対応をしているケースもあります。
子供が集団いじめに遭った場合は、以下の対処法を検討してください。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
集団いじめを解決するためには、学校側の協力が必要です。
まずは、子供からいじめの内容や詳細を聞き、担任教師や学校にいじめ被害を報告しましょう。
その際、以下の点に注意して相談することが大切です。
学校に相談する際のポイント
また、子供はいじめられたことを「恥ずかしい」「親が悲しむかもしれない」という思いから話したがらない場合もあります。
まずは子供に絶対的な味方であることを伝え、安心させてあげてください。
そして、今度の対応についても子供の意見を聞き、尊重することが大切です。
学校側に速やかに調査を行ってもらうためには、集団いじめがあったことを明確に示す証拠が必要です。
また、証拠は損害賠償請求や刑事告訴などの責任を追及する場合にも必要となりますので集めておきましょう。
証拠の具体例
これらの証拠がない場合もあきらめる必要はありません。まずは学校問題に詳しい弁護士に相談してみましょう。
子供が集団いじめに遭っている場合は子供の心のケアが最優先であり、学校へ行くことをやめるのも検討すべきでしょう。
ただし、学校へ行かない選択は学習の機会が失われることが懸念されますので、保護者としては学習機会の確保が求められます。
自主学習できる子供であれば、自主性に任せながら、保護者が学習意欲を刺激するようなサポートを行うと良いでしょう。
一方、子供が自分で学習することが難しい場合には、塾やフリースクールなどを利用して学習できる環境を確保しましょう。
また、自分で勉強することが難しい場合や、サポートが難しい場合には、転校することもひとつの選択肢です。
いじめは決して許されない行為であり、内容によっては損害賠償や刑事罰の対象となる場合があります。
しかし、子供のケアや学習機会を確保しながら損害賠償請求や刑事告訴の手続きをするのは、保護者の負担が大きくなってしまします。
適切な責任追及をするためにも、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
また、被害者の命にかかわったり、犯罪行為に該当したりするような悪質な集団いじめに遭った場合は、警察への相談・通報を忘れずに行いましょう。
子供が集団いじめの被害に遭った場合は、弁護士へご相談ください。
弁護士に相談することで、以下のようなメリットが受けられます。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
集団いじめの場合、加害者が多数になることもあり、加害者側や学校側とのやりとりにかかる労力や精神的負担が大きくなってしまいます。
そこで、弁護士に依頼することで、代理人として加害者側や学校側とのやりとりを任せられ、精神的負担が軽減されるでしょう。
さらに弁護士が入ることで、学校側がいじめの解決に向けてスムーズに対応してくれる可能性が高まります。
これまでの調査内容に疑問がある場合は再調査の要求も可能です。
また、弁護士はいじめの再発防止を強く求めるだけでなく、具体的な提案を行うことも可能です。
法律の専門家である弁護士の視点から再発防止案を検討することで、被害に遭った子供が安心して学校生活を送れるよう配慮した内容にできることが期待できます。
いじめは、民法上の不法行為(民法第709条)に該当しますので、集団いじめによって子供が受けた損害は、加害者等に対して損害賠償を請求できます。
また、学校は「安全配慮義務」を負っています。
そのため、学校の安全配慮義務違反が認められる場合には、学校の設置者に対しても損害賠償を請求できる場合があります。
弁護士に依頼することで、損害賠償請求の準備や対応を任せることができます。
示談交渉や裁判の対応を弁護士に任せることで、被害者やその保護者の負担が軽減されるだけでなく、適正額の損害賠償金を得られる可能性が高まります。
刑事告訴とは、犯罪行為を伴ういじめを受けた被害者が警察などの捜査機関に対して加害者等の処罰を求める意思表示をすることです。
集団いじめに犯罪行為が含まれる場合には、弁護士に依頼することで警察への刑事告訴のサポートが可能です。
具体的には、告訴状の作成や警察官への状況説明などを代行し、集団いじめについて速やかに捜査が開始されるようにサポートします。
犯罪に該当するいじめの具体例
CONTACT
まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います。
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。 ※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
集団いじめの解決に向けて対応を進める際は、以下の点に注意しましょう。
子供に寄り添い、味方であることを伝える
集団によるいじめを受けた子供は、「誰も味方がいない」と感じてふさぎ込んでしまうことがあります。
保護者としては、子供の最大の味方であることを伝え、寄り添うことが大切です。
子供の意見を尊重する
集団いじめへの対応にあたっては、子供の意見を尊重するようにしてください。
子供が無理をしていないかどうかに気を配りつつ、子供の意思を確認しながら対応しましょう。
学校との敵対をできる限り避ける
強硬な態度で学校側の責任を指摘すると、学校側に警戒され、いじめ問題や再発防止策がスムーズに行われないことがあります。
保護者としては、落ち着いた態度で学校側と協議し、スムーズな問題解決への協力を求めましょう。
集団いじめは加害者が多数いることも考えられ、解決に時間を要する場合があります。
お子様が集団いじめに遭ってしまったら、まずは話を聞き、寄り添ってあげてください。そのうえで弁護士のサポートを受けつつ、学校と協力して解決を目指しましょう。
私たち弁護士法人ALGは、学校問題やいじめ問題に詳しい弁護士が多数在籍しております。
いじめの被害に遭った被害者やその保護者の方に寄り添って、学校側や加害者側との交渉や、必要に応じて責任追及についてもサポートしていきます。
また、学校へ行けなくなってしまった場合にも、学習機会が確保されるよう学校へ要請することが可能です。
早期解決となるよう尽力いたしますので、まずは一度私たちにご相談ください。
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監修 : 弁護士 谷川 聖治 / 弁護士法人ALG&Associates執行役員
保有資格弁護士(愛知県弁護士会所属・登録番号:41560)
愛知県弁護士会所属。私たちは、弁護士82名、スタッフ171名(司法書士1名を含む)を擁し(※2021年6月末現在)、東京、札幌、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、広島、福岡、タイの13拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。
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