いじめを許さない

SNSいじめを受けたらどうする?事例や4つの対処法など詳しく解説

SNSいじめを受けたらどうする?事例や4つの対処法など詳しく解説

監修
監修弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

SNSによるいじめとは、LINEやX(旧Twitter)、Instagramなどを通じて行われる、インターネット上のいじめのことです。

SNSのトラブルが原因でいじめに発展するケースも多く、早期の対応が重要な鍵となります。

被害に悩む方は、法的知識を持つ弁護士に相談することで、証拠収集や加害者等への対応、投稿削除などの具体的な対策が可能です。

この記事では、SNSいじめの事例や原因、対処法、弁護士に相談するメリットまで詳しく解説していきます。

SNSのいじめとは?

SNSいじめとは、LINEやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSを通じて行われる誹謗中傷、仲間はずれ、なりすましなどの嫌がらせ行為を指します。

これらは、インターネット上で行われるため、「ネットいじめ」ともいわれ、匿名性や拡散力の高さから被害が広がりやすい特徴があります。

実際に、文部科学省の調査によると、ネットいじめの件数は年々増加しており、深刻な社会問題となっています。

SNSいじめの件数(文部科学省調査)

  • 2015年度:9187件
  • 2016年度:1万779件
  • 2017年度:1万2632件
  • 2018年度:1万6334件
  • 2019年度:1万7924件
  • 2020年度:1万8870件
  • 2021年度:2万1900件
  • 2022年度:2万3920件
  • 2023年度:2万4678件

参考:文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要

SNSが関係するいじめは、学校や家庭だけでは対応が難しいケースも少なくありません。

被害者の心身に深刻な影響を与える可能性があるため、早期の対応と専門的な支援が重要です。

SNSいじめの原因

SNSいじめは、誰もが気軽に書き込めるインターネットの匿名性や、教員、保護者など身近な大人が児童・生徒のSNSの利用状況を把握しにくいという、インターネットの特性から、いじめ問題に保護者や教員が気づきにくい構造的な問題が多く、それがいじめが表面化しないまま深刻化してしまう原因となっています。

ここでは、SNSいじめが起こりやすい主な原因について整理します。

誰でも簡単に投稿できる匿名性

インターネットでは、顔や名前を隠して気軽に投稿できるため、加害者は罪悪感を持ちにくく、誹謗中傷や嫌がらせがエスカレートしやすくなります。

匿名性の高さが、いじめを助長する要因となっています。

教員や保護者が把握しづらい

SNSの利用はスマートフォンなど個人の端末で行われるため、身近な大人がいじめの兆候に気付きにくいという問題があります。

学校や家庭での様子だけでは、SNS上でのトラブルを見逃してしまうことも多く、対応が遅れる原因になります。

24時間アクセス可能なSNSの特性

SNSはいつでもどこでもアクセスできるため、被害者は常に攻撃にさらされる状態になります。

夜間や休日でもメッセージが届くことで、精神的な負担が長期化し、心身に深刻な影響を与えることがあります。

SNSいじめの問題点

SNSいじめによる被害者が受ける精神的なダメージは非常に大きく、場合によっては不登校や自殺といった重大な事態に発展することもあります。

SNS上での誹謗中傷や嫌がらせは、24時間いつでも目にすることができるため、被害者は常にプレッシャーにさらされ、心の休まる時間がありません。

また、SNSの特性上、投稿された個人情報や画像が不特定多数に拡散されるリスクが高く、悪用される可能性もあります。

さらに、加害者が匿名アカウントを使用している場合、身元の特定が難しく、問題の解決までに時間がかかることも少なくありません。

学校や保護者がSNS上のやり取りを把握しづらいことも、いじめの発見を遅らせる要因となっています。

このように、SNSいじめは被害児童・生徒の生活や安全を脅かす深刻な問題であり、早期の対応と専門的な支援が不可欠です。

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SNSによるいじめの事例

SNSによるいじめは、誹謗中傷や無視、仲間外れ、個人情報や性的な画像を投稿する、なりすまして嫌がらせをするなど多岐にわたります。

次項では、具体的な事例を通じて、SNSいじめの実態を詳しく見ていきます。

LINEでの既読無視やグループ外し

LINEを利用したいじめは、日常的なやり取りの中で巧妙に行われることが多く、被害者が気づかないまま孤立してしまう危険があります。

代表的な手口としては、以下のような行為が挙げられます。

  • メッセージを送っても既読無視される
  • グループチャットから突然外される

これらは一見些細なことのように見えますが、繰り返されることで被害者に強い疎外感や不安感を与え、学校生活や人間関係に深刻な影響を及ぼします。

さらに、周囲が「いじめ」と認識しづらいため、対応が遅れるケースも少なくありません。LINEいじめは、目に見えにくくても確実に心を傷つける行為であり、早期の対処が重要です。

X(旧Twitter)での誹謗中傷や悪口の投稿・拡散

X(旧Twitter)では、匿名性と拡散力の高さから、誹謗中傷や悪口の投稿がいじめの手段として使われることがあります。

例えば、以下のようなケースが多く見られます。

  • 被害者の容姿や性格をからかう投稿が繰り返される
  • 虚偽の情報を流され、名誉を傷つけられる
  • リポストやいいね機能によって第三者が加担し、投稿が広く拡散される

このような投稿は、被害者に強い精神的苦痛を与えるだけでなく、半永久的にインターネット上に残る可能性があるため、学校や家庭での対応だけでは限界があり、法的な措置や専門家のサポートが必要になることもあります。

いじめの様子や性的な画像・動画を撮影してSNSにアップする

SNSいじめの中には、いじめの様子や被害者のプライバシーを侵害する画像・動画を撮影し、SNSに投稿・拡散する悪質なケースもあります。

例えば、以下のような行為が報告されています。

  • 暴力や嫌がらせの様子を撮影して仲間内で共有する
  • 被害者に性的な行為を強要し、その様子を動画に収めて拡散する
  • 本人の写真を加工・合成して侮辱的な投稿を行う

これらは、深刻な人権侵害であり、被害者の精神的苦痛は計り知れません。

また、名誉毀損罪や児童ポルノ禁止法などの犯罪に該当する可能性が高く、被害に気付いた時点で速やかに警察や弁護士に相談しましょう。

被害者になりすましてSNSでトラブルを起こす

SNSいじめの中には、被害者になりすましてトラブルを引き起こす悪質なケースもあります。

例えば、被害者の名前やプロフィール画像を使って偽アカウントを作成し、問題のある投稿やコメントを繰り返すことで、周囲からの信頼を失わせたり、さらなる誹謗中傷を誘発することがあります。

本人が知らないうちに「加害者」と誤解されることもあり、学校や家庭での人間関係に深刻な影響を及ぼします。

こうしたなりすまし行為は、被害者の名誉や信用を著しく傷つける深刻な問題であり、状況によっては法的な対応が必要になることもあります。

被害が広がる前に、弁護士などの専門家に相談することが大切です。

SNSいじめを受けたときの対策・対処法は?

SNSいじめを受けた場合、冷静に状況を把握し、適切な対処を行うことが重要です。

具体的には、以下の対処法を検討しましょう。

  • SNSいじめの証拠を集めて学校に対応を求める
  • SNSの投稿に対して発信者情報開示請求や削除要請をする
  • SNSいじめが犯罪に該当する場合は警察に相談する
  • 弁護士に相談して法的措置を検討する

ここからは、SNSのいじめに対して取るべき上記4つの対処法について詳しく解説します。

①SNSいじめの証拠を集めて学校に対応を求める

SNSいじめの被害に気付いたら、まず最初に行うべきことは証拠の確保です。

LINEやX(旧Twitter)などでの誹謗中傷や嫌がらせの投稿は、スクリーンショットや保存機能を使って日時や内容を記録しておくことが重要です。

学校や第三者に相談する際、いじめを客観的に証明する証拠があることで、学校側の対応もスムーズになるでしょう。

学校はいじめ防止対策推進法に基づき、いじめの早期発見と迅速な対応に努める義務があります。

特に、いじめが疑われる場合には、事実確認を行い、必要に応じて加害者への指導や被害者への支援を行うことが求められています(同法第23条2項~6項)。

ただし、学校が十分な対応をしてくれない場合は、教育委員会や弁護士への相談も検討しましょう。証拠がしっかり残っていれば、第三者機関も動きやすくなり、問題解決への第一歩となります。

②SNSの投稿に対して発信者情報開示請求や削除要請をする

SNSいじめの投稿には、法的手続きを通じて対応することが可能です。主な方法として、以下の2つがあります。

発信者情報開示請求

SNS運営会社やプロバイダに対して、投稿者のIPアドレスや契約者情報の開示を求める手続きです。

加害者を特定することで、損害賠償請求などの次の対応につなげることができます。

削除要請

SNS運営会社やプロバイダに対して、問題のある投稿の削除を求める手続きです。

投稿が拡散される前に削除することで、被害の拡大を防ぐことができます。

これらの手続きは個人で行うには複雑で負担が大きいため、弁護士に相談することでスムーズかつ確実な対応が可能になります。

③SNSいじめが犯罪に該当する場合は警察に相談する

SNSいじめの内容が悪質で、名誉や人格を著しく傷つける場合、それは犯罪行為に該当する可能性があります。

犯罪行為に該当する可能性のあるSNSいじめの具体例

  • 「殺すぞ」など相手に恐怖を与える投稿 脅迫罪(刑法第222条)
  • 抽象的な悪口(例:「死ね」「バカ」)で他人を侮辱する投稿 侮辱罪(刑法第231条)
  • 事実の有無にかかわらず、他人の社会的評価を下げる投稿(例:「犯罪者」) 名誉毀損罪(刑法第230条)
  • 性的な画像や動画を同意なく投稿・拡散する行為 リベンジポルノ防止法違反
  • 本人の同意なく氏名や住所など個人情報を投稿する 個人情報保護法違反、プライバシー権の侵害

犯罪の可能性があるSNSいじめを受けた場合は、早期に警察へ通報することで、被害の拡大を防ぐことができます。

④弁護士に依頼して法的措置を検討する

SNSいじめの内容が悪質で、精神的苦痛や名誉の侵害が認められる場合には、弁護士に依頼して法的措置を検討することが有効です。

民事訴訟(損害賠償請求)

SNSいじめによって精神的苦痛を受けた場合、加害者等に対して慰謝料を請求することができます。

弁護士は、投稿内容や被害状況をもとに、請求の根拠や金額を法的に整理し、加害者との交渉や訴訟を代理します。

刑事告訴

SNS上での誹謗中傷や侮辱行為が、刑法上の犯罪に該当する場合は、警察や検察に対して刑事告訴を行うことができます。

刑事告訴が受理されれば、加害者等に対して罰金刑や拘禁刑などの処罰が課される可能性があります。

学校やSNS運営会社が対応してくれない場合でも、弁護士が介入することで、問題解決の糸口が見つかることがあります。

いじめ被害の慰謝料や損害賠償請求については、以下のページで詳しく解説しています。

さらに詳しくいじめを受けたら慰謝料を請求できる?相場や請求方法などを解説 さらに詳しくいじめで損害賠償請求できる?誰に何を請求できるのか・相場など

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SNSによるいじめを弁護士に相談するメリット

SNSいじめは、精神的な苦痛が大きいだけでなく、証拠の収集や加害者側・学校側との対応など、被害者自身が一人で抱えるには負担が大きすぎる問題です。

こうした状況で頼れるのが、法律の専門家である弁護士です。

SNSいじめの被害を弁護士に依頼するメリットには、以下のようなものがあります。

  • 加害者等や学校とのやり取りを任せられる
  • 必要な証拠のアドバイスができる
  • 発信者情報開示請求や削除要請ができる

では、上記3つの具体的なメリットについて、詳しく見ていきましょう。

いじめ問題を弁護士に依頼するメリットについては、以下のページで詳しく解説しています。

さらに詳しくいじめ被害は弁護士に相談すべき?メリットや費用などを解説

加害者等や学校とのやり取りを任せられる

SNSいじめの被害を受けた際、加害者や学校とのやり取りは、被害者本人や保護者にとって大きな精神的負担となります。

感情的になってしまったり、適切な対応が得られなかったりすることで、問題が長引いてしまうことも少なくありません。

こうしたときこそ、弁護士に相談・依頼することが有効です。
弁護士が間に入ることで、やり取りの窓口をすべて任せることができ、精神的な負担を大きく軽減できます。

さらに、弁護士であれば以下のような対応が可能です。

  • 学校に対してSNSいじめの事実確認や調査を働きかけることができる
  • SNSいじめに対して、学校側に再発防止策の提示等の対応を促すことができる
  • 加害者等に対して、謝罪や損害賠償請求など、法的根拠に基づいた対応を行うことができる

このように、専門家である弁護士が介入することで、問題がより早く解決へと向かう可能性が高まります。

必要な証拠のアドバイスができる

SNSいじめの被害を学校や第三者に理解してもらうには、客観的な証拠を残すことがとても重要です。

証拠があることで、いじめの事実を明確に伝えることができ、学校や教育委員会などの専門機関も適切な対応を取りやすくなります。

証拠として有効なものの一例

  • SNS(X、Instagramなど)やLINE、メール、掲示板でのやり取りのスクリーンショット
  • 問題のある投稿のURL投稿日時
  • 画像・動画・音声データ
  • 被害の経緯をまとめたメモや日記
  • 加害者のアカウント名やプロフィール情報

どのような証拠が必要か、どのように保存すればよいかは、被害者自身で判断するのが難しい場合もあります。

そのようなときは、弁護士に相談することで、法的に有効な証拠の種類や収集方法について具体的なアドバイスを受けることができます。

発信者情報開示請求や削除要請ができる

SNSいじめの投稿に対して、「加害者等を特定したい」「投稿を削除したい」と考えたときは、弁護士に相談することで、法的に適切な対応が可能になります。

例えば、投稿者の身元を明らかにしたい場合、発信者情報開示請求を行います。これは、SNS運営会社やプロバイダに対して、投稿者のIPアドレスや契約者情報を求めるもので、通常は裁判所を通じて行われます。

また、誹謗中傷やプライバシー侵害に該当する投稿を削除したい場合には、削除要請を行います。弁護士が代理人として申立てを行うことで、投稿の削除が認められる可能性が高くなります。

これらの手続きは、法律やITに関する専門知識が必要で、個人で対応するのは非常に難しいのが現実です。
弁護士に依頼することで、迅速かつ確実に被害の拡大を防ぐことができます。

SNSいじめの解決に向けて私たち弁護士法人ALGがサポートいたします

SNSいじめは、被害者の心身に深刻なダメージを与えるだけでなく、学校や家庭だけでは対応しきれない複雑でデリケートな問題を含んでいます。

投稿の削除や加害者の特定、損害賠償請求など、法的な対応が必要になる場面も多く、専門的な知識と経験が求められます。

弁護士法人ALGでは、SNSいじめに関する豊富な対応実績をもとに、被害者一人ひとりの状況に寄り添ったサポートを提供しています。

証拠収集のアドバイスから、学校側や加害者側との交渉、発信者情報開示請求や削除要請、さらには慰謝料請求や刑事告訴まで、幅広い法的手続きに対応可能です。

SNSいじめに悩んでいる方は、どうか一人で抱え込まず、まずは私たちにご相談ください。

弁護士が、あなたやご家族の不安や悲しみに法律の力でしっかりと向き合い、解決に向けて支援いたします。

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