いじめを許さない

いじめに時効はある?過去のいじめでも損害賠償を請求できるのか

いじめに時効はある?過去のいじめでも損害賠償を請求できるのか

監修
監修弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

学校で児童・生徒がいじめの被害に遭った場合、加害者側や学校側に損害賠償請求をしたり、加害者本人に刑事告訴をしたりして、民事、刑事上の責任を追及できる可能性があります。

ただし、こうした訴えには時効があるため、過去のいじめについて責任を追及したい場合には、時効の完成前に対処する必要があります。

この記事では、いじめに関する訴えの時効や、時効の中断方法などについて詳しく解説していきます。ぜひご参考ください。

いじめに時効はある?

いじめの被害を受けた場合、被害者は加害者側や学校側に法的責任の追及として、損害賠償請求刑事告訴をすることができます。

損害賠償請求とは、被害者が被った精神的苦痛や治療費、転校にかかった費用などの請求を求めるものです。

これに対し、刑事告訴は加害者に対して刑事責任を追及することです。

ただし、これらの請求には時効があります。
以下、時効の違いなどについて詳しく見ていきましょう。

いじめに関する損害賠償請求の時効

いじめ被害に遭った場合に請求できる損害賠償金には、以下のようなものがあります。

  • 慰謝料
  • 治療費
  • 逸失利益
  • 転校・転居に要した費用

いじめが犯罪行為に該当しない場合でも、不法行為に該当し、それによって被害に遭った児童・生徒が損害を被った場合には損害賠償を請求できます。

ただし、いじめの損害賠償請求には以下のような時効がありますので、注意が必要です。

  • いじめによって、被害者が怪我をした、または亡くなった場合
    • 被害者(または法定代理人)が損害および加害者の存在を知ったときから5年
    • いじめのときから20年
  • 怪我や死亡が生じていないいじめの場合
    • 被害者(または法定代理人)が損害および加害者の存在を知ったときから3年
    • いじめのときから20年

いじめに関する刑事告訴の時効

いじめの刑事告訴とは、犯罪を伴う重大ないじめ被害に遭った場合に、加害者に刑事責任を追及することです。

刑事告訴できるいじめ行為には、主に以下のようなものがあります。

  • 暴力(怪我を負わなかった場合も含む)➡暴行罪、傷害罪
  • 金品のカツアゲ➡恐喝罪、強盗罪
  • 万引きの強要➡強要罪
  • 持ち物を摂取する➡窃盗罪
  • 性的行為の強要➡強制わいせつ罪、強制性交等罪、不同意性交等罪
  • ネットでの誹謗中傷➡名誉棄損罪、侮辱罪

いじめの刑事告訴の時効には、その犯罪の公訴時効(※)が適用されます。
(※)検察官が起訴することができる期間の制限

例えば、傷害罪で告訴する場合の公訴時効は10年、恐喝罪で告訴する場合の公訴時効は7年となります。

いじめの時効の完成を猶予させる方法はある?

いじめによる損害賠償請求の時効が迫っている場合、以下の方法で時効の完成を猶予させることができます。

  • 内容証明郵便の送付
  • 裁判の提起

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

内容証明郵便の送付

内容証明郵便とは、「誰が・誰に・いつ・どのような内容の郵便を送った」ことを証明してくれる特別な郵便です。

内容証明郵便と聞くと、相手に慰謝料の支払いを求める手段と思われるかもしれませんが、時効の完成を猶予させる効果もあります。

例えば、損害賠償請求権の時効が迫っていたとしても、内容証明郵便を加害者側や学校側に送付し、損害賠償請求をすることを告知すれば、そこから6ヶ月間、時効の完成を猶予させることができます。

ただし、内容証明郵便による時効の完成猶予は一回限りしかできません。

裁判の提起

裁判を提起することで、時効の完成を猶予させることができます。

裁判は時間や費用がかかってしまうため、できれば裁判まで発展させたくないと思われるかもしれません。

しかし、時効の完成が間近の場合は、裁判を提起することにより時効の完成が猶予されるため、裁判中は時効が進行しません。

そして、裁判上で和解が成立したり、判決が下された場合には、時効が更新され、その後10年間は時効が完成しません。

いじめの時効について弁護士に相談するメリット

いじめ問題による時効はケースにより様々であり、時効が成立するかどうか、被害児童・生徒や保護者の方が判断するのは難しいでしょう。

そのため、いじめ問題については弁護士への相談をおすすめします。
いじめ問題を弁護士に依頼するメリットには、以下のようなものがあります。

  • いじめの状況や証拠から時効の判断ができる
  • 損害賠償請求や刑事告訴についてサポートを受けられる
  • 適切な損害賠償額を漏れなく請求できる
  • 損害賠償請求や刑事告訴に必要な証拠のアドバイスをもらえる
  • 加害者側や学校側への対応を任せられる
  • いじめ再発防止策を提案できる

このほかにも、弁護士は個別事情に応じたサポートをしていくことができます。
いじめ問題はおひとりで悩まず、まずは弁護士にご相談ください。

いじめ被害に遭われた場合は時効前に弁護士法人ALGにご相談ください

いじめの被害に遭われた場合は、加害者側や学校側に「損害賠償請求」や「刑事告訴」の訴えが可能です。

ただし、これらの請求には時効があるため注意が必要です。

特に、刑事告訴はどのような罪に問うかによって公訴時効が異なりますので、弁護士にご相談ください。

私たち弁護士法人ALGは、学校問題に詳しい弁護士が多数在籍しております。

いじめ問題に詳しい弁護士だからこそ、ご相談者様の状況に応じて時効期間を導き出すことが可能であり、時効期間が迫っている場合には、時効の完成猶予の対応も任せることができます。

私たちはご相談者の味方となってサポートしていきます。
いじめ問題でお悩みの場合は、まずは一度お問い合わせください。

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