コラム

コラム

更新日: 2025年1月17日

建設業界

監修弁護士 川村 励 弁護士法人ALG&Associates バンコクオフィス 所長

タイの建設業界に参入する日本企業の課題

タイの建設業界に参入する際の課題としては、成長するタイの建設部門と建設資材部門は多くの側面において課題に直面しています。

例えば、ロシアとウクライナの紛争に起因する運営費の上昇、業界における競争上の課題、そして、最も重要なことは環境面での課題です。

現在、環境問題はタイの全業界にとっての主要課題です。

アメリカ合衆国、日本、欧州連合(EU)等のタイの主要貿易相手国は、物品やサービスの輸入に対して各種措置や非関税貿易障壁を課す環境政策を採用しており、これらの政策はタイの輸出、特にタイの建設部門と建設資材部門の成長を妨げる主な障害になっています。

現在まで継続的に請負業者が直面している最もよく知られている課題は、建設労働者の不足です。特に、政府が交通インフラ開発政策を加速しているので建設部門における労働者への需要が高まっています。

労働力不足は持続的に解決できない問題になっています。但し、特定の時期に発生する労働力不足は、あまり深刻な影響を与えないかもしれません。

発展途上国や非先進国においてさえ、労働力不足は多くの人々に問題をもたらす悪循環になっていると言うことができます。日本、韓国、台湾、シンガポール等の先進国は過去に労働力不足を経験しましたが、それは社会の発展に起因するものです。

これら先進国は外国人労働者を受け入れる選択をしてきました。
その結果、海外に出稼ぎに行く多くの労働者を抱えるタイは国内労働者の不足に直面しています。それらの不足する労働者を補うために、近隣諸国から労働者を雇わなければなりません。

一方、労働力不足が建設業界からこれまで無くなったことはなく、より悪化する可能性の高い危機になっています。

タイの建設業界に関する外国投資規制

タイの「外国人事業法」は、外国人による事業運営の監督に責任を負う最上位の法律です。すべての国にとって、外国人の権利と活動に対して特定の制限を課すには有効な理由が不可欠です。
同法は、タイ国民に対する過剰な影響力を外国人が得ることを防止するものです。

しかし、国家の繁栄を促進し、タイが開発を目指す特定技術を活用するためには、外国投資に対して過度に厳しくしないことによって、規制のバランスを取ることもタイには必要です。

それ故、同法は、タイ国民の利益の保護と外国投資の促進との繊細な均衡を維持することを目的としています。
同法は、タイで会社を設立しようとする外国人投資家の特定の必要条件を定めています。

当該条件には、最低登録資本、事業制限、株主持分規制、外国人事業ライセンスの形によるまたは証明書の代わりとしての事業開発局(DBD)に対する届出によるDBDの許可の取得手続きが含まれます。

同法は2000年から施行されています。

民間建設プロジェクトに関する規制

「外国人事業法(FBA)B.E. 2542(1999年)」によれば、建設業はリスト3「タイ国民が外国人と競争する準備ができていない事業」に定められています。

10. 建設、以下を除く:

  • 特殊な器具、機械、技術、専門知識の使用を必要とする公益事業(電気、ガス、水道等)または公共交通の分野におけるインフラ公共サービスの提供のための建造物の建設。外国人の最低出資金が5億バーツ以上であること。
  • 省規則において定めたその他の種類の建設。

リスト3は、タイ国民が競争する準備ができていない事業活動のリストです。特に、卸売業、小売業、サービス業が含まれます。

リスト3で定めた事業活動に従事したい外国人は「許可」すなわち、商務省(MOC)事業開発局(DBD)の長官から「外国人事業ライセンス(FBL)」を取得する必要があります。

外国人事業法のリスト2とリスト3で定めた事業活動に対する免除には、外国人が投資委員会(BOI)の投資促進対象になった場合、タイ工業団地公社から承認を得た場合、米国親善・経済関係条約、アセアン包括投資協定、アセアン物品貿易協定等の条約上の免除を受ける資格がある場合が含まれます。

上記の当局のいずれかから承認を取得後、事業者は「外国人事業証明書(FBC)」を申請しなければなりません。FBC申請手続きは、承認手続きというよりもむしろ行政手続きです。

誰が「外国人投資家」とみなされるのでしょうか? 特定の国からの投資のみが対象でしょうか?

外国人事業法(FBA)によれば、「外国人」は以下の通り定義されています。

  • タイ国民ではない自然人。
  • タイで登録されていない法人。
  • 以下に該当する法人。
    (a)上記(1)および/または(2)の者が株式の50%以上を保有するタイで登録された法人、または、
    (b)マネージング・パートナー(業務執行社員)もしくはマネージャーとして上記(1)の者を有するリミテッド・パートナーシップ(有限責任事業組合)もしくは登録済みの通常のパートナーシップである法人。
  • 上記(1)、(2)および/または(3)の者が株式の50%以上を保有するタイで登録された法人。

公共プロジェクトに関する規制

公共建設プロジェクトにおける透明性に関する汚職防止協力委員会の告知:

「公的調達・供給管理法 B.E. 2560(2017年)」の第17条2項により、汚職防止協力委員会は、公共建設プロジェクトにおける透明性に関して告知しました。

公共建設プロジェクの透明性は公的調達における公共部門の参加を促進する手段として告知されました。ガイドラインと運営方法は以下の通りです。

第1条 本告知は「公共建設プロジェクトにおける透明性に関する汚職防止協力委員会の通知」という。
第2条 本通知は、政府官報に記載の通知日から240日経過後に発効するものとする。
第3条 公共建設プロジェクトにおける透明性に関する汚職防止協力委員会の告知は、2019年9月24日付で取り消されるものとする。
第4条 本通知

「インフラ透明性イニシアチブ(CoST)とは、建設プロジェクトを有する政府機関が建設プロジェクト期間中を通して建設プロジェクトに関する情報を公開しなければならないプロジェクトを意味します。県レベルでのCoST作業部会とデータ評価作業部会があります。

CoSTは開示情報の検証を行い、情報の開示結果を評価し、公共部門の建設における透明性を促進する小委員会に提出するデータ監査結果報告書を作成します。
同小委員会は、公共部門と民間部門を代表する複数の利害関係者グループ(MSG)として活動します。

同小委員会は、上記報告書の公開を検討し承認するC.P.T.の取締役会に対して当該報告書を提出する専門組織であり市民団体です。略して「CoSTプロジェクト」と言います。

「公共建設透明性プロジェクト責任者」とは公共建設透明性プロジェクトに責任を負う者を意味します。同責任者は建設プロジェクトに関する情報を開示するプロジェクトオーナー機関により任命されます。
略して「CoST責任者」と言います。

外国人に関する雇用規制

外国人が従事することを禁止される建築職とエンジニアリング職を以下説明します。

労働省は「在留外国人労働管理令 B.E. 2560(2017年)」(国王令(No. 2)B.E. 2561により修正)に基づき、2020年4月21日付の政府官報において公表された「外国人に禁止される仕事の割り当てに関する労働省の通知」を出しました。

この労働省の公表では、外国人が従事することを禁止される様々な仕事が4つのリストに分けて定義されています。

建築職(換言すれば、建築業を営むことができる外国人)(規制対象外の建築職と規制対象の建築職の両方)の場合、仕事の種類(建築家に関する法律に基づく規制対象の建築職に関する省規制で定義)に関係なく、建築業を営む者は、建築家協議会から「特別建築家(建築家協議会が公表した条件に従って働くことを許可された者)として建築業を営むライセンス」を取得した者でなければなりません。

当該ライセンスを取得していない場合、2007年11月19日付で署名された「建築業に関するアセアン相互承認協定(MRA)」または今後締結される他の国際協定に従って建築業を営む者でなければなりません。

建築職とエンジニアリング職は、ライセンスまたは証明書を取得した専門家を必要とする職です。
外国人は、法で定めた許可または証明書の取得後のみ、労働許可証を申請することができます。

技術者の資格制度

土木(シビル・エンジニアリング)は、コンサルティング、プロジェクト企画、設計、計算、建設監督、生産、検査、管理、体系化、調査、試験に関する仕事です。

「アセアン専門職資格共同承認協定」に基づくエンジニアリング実務家と制御エンジニアリング職は除きます。

これには、越境エンジニアリングサービスの提供に関するその他の国際協定が定めた者や、技術者に関する法に従って土木において制御エンジニアリング業を営むライセンスを受けた者が含まれます。

建築職の仕事は、プロジェクト調査、設計、建設の管理と監督、検査、コンサルティングに関する仕事です。

「建築業におけるアセアン専門職資格共同承認協定」および建築家協議会の越境建築家の業務に関するその他の国際協定に基づく建築実務家と規制対象の建築職、建築家に関する法が規制する建築業を営むライセンスを受けた者は除きます。

「建築業に関するアセアン相互承認協定(MRA)」の場合、建築家協議会はタイ人建築家の準備状況を考慮した上で、同協定で定めた義務を果たし、平等性および職務実施規則における類似性と差異の認識に基づき、外国人建築家とタイ人建築家の協力を促進するための原則とガイドラインを制定しました。

それ故、タイでの外国人建築家の職務実施が国際協定に従っていることを確実にするために、「タイ人建築家と外国人建築家の共同職務実施のための基準、手続き、登録条件に関する建築家協議会の通知 B.E. 2556」が出されました。

建設プロジェクトの基準を規制する主な法律

建築規制法は、建物の建設が建物利用者にとって安定し強く安全なものになるよう規制する法律です。

建物の設計、防火システム等の安全システム、公共排水路に放出する前の廃水処理システムの環境品質管理について定めています。同法は建設の監督に役立ちます。結果、都市全体が綺麗で美しくなります。

「建物」とは、人が占有または利用する家屋、納屋、店舗、いかだ、倉庫、事務所、その他の建造物を意味します。公衆が集まる円形劇場やその他の建造物、ダム、橋、トンネル、パイプ、排水管、船渠、船梁、マリーナ、フェンス、壁、公共の場所や公用の建造物に付属または近接する門が含まれます。

都市計画法は、全部門からの意見の聴取を通じて公衆の参加を生み出すことを目的とする法律です。
それ故、第9条では全5種類の都市計画の企画と作成において、公聴会を開催しなければならないという政策ガイドラインを定めています。

各都市計画において誰が影響を受けるかを考慮しなければならず、人々、地域社会、環境、生物多様性への影響、人々や地域社会が被る損害に対する救済策を公衆が理解するのに十分な情報を様々な方法により公表しなければなりません。

建築規制 建物の安全等に関する建築基準
建築規制法 建設工事に関する要件と基準
都市計画法 都市計画と建設現場に関する制限
工場法 都市計画と建設現場等に関する制限
国家環境品質法の強化と保護 建設プロジェクトの環境への影響を考慮した規制
省規則 発出N. 33(1992年) 高層ビルに関する規制
建築規制に関するバンコク規則2001年 バンコクにおける建築規制
国王法、掘削・土地埋立法 掘削と土地埋立に関する規制

タイにおける建設業に関する登録、許可、条件

タイにおけるライセンスの登録および建設業の運営の条件と手続きは、以下の通りです。

  • 建設業の登録は、タイの事業開発局(DBD)および工業事業局(DIW)の法令に従わなければなりません。
  • 事業者は、工業事業局(DIW)に建設業ライセンスを申請し、事業開発局(DBD)で事業を登録しなければなりません。
  • 事業者は年1回、ライセンス料と手数料を支払わなければなりません。
  • 事業者は、建設業を運営するためのライセンスを取得しなければなりません。

ライセンスを受けた建築家を必要とする仕事は、以下の通りです。

主要建築
150㎡以上の居住用建物または400㎡以上の農業用建物における計画工事。

都市計画建築
複合都市計画が適用される地域のみで実施される都市計画工事。土地改良を伴う土地計画工事、土地配分を伴う土地計画工事、観光保護地域、防火地域、防災地域における計画工事、工業団地における計画工事、大規模建物群、公共建物、高層ビル、30,000㎡以上の複合地域を伴う特殊建物における計画工事。

景観建築
1,000㎡以上または500名以上の人々が集まる公共建物地域における工事、土地配分地域(農地および個人宅を除く)における工事。

インテリア建築および装飾美術
500㎡以上の公共屋内地域における工事。

建築職ライセンスは、エンジニアリングライセンス弁護士ライセンス等の他分野のライセンスと同じです。換言すれば、専門職ライセンスを持たない者は当該職に就くことはできません。

違反した場合、各専門職組織が定めた罰が科されます。建築家の場合、建築家法(2543)で定めた罰は3年以下の禁固、6万バーツ以下の罰金、またはその両方です。

タイの建設業界に関するその他の制度

建設入札は、建設プロジェクトを実施または管理する提案(入札書)を提出するプロセスです。このプロセスは、詳細な計画資材除去費用見積りから始まります。

入札は、特定の金額(固定価格)または特定の利益額(費用の返済または実費精算)で仕事をする提案であると見なされます。

一般的に、競合他社も推定数量またはその他の要件に基づいて請求する見積書を提出しますので、入札依頼者は妥当性が高い仕事の発注ができます。

それ故、建設プロセスにおいて「履行保証」が重要です。建設会社(規模の大小を問わない)と契約を締結する際には、建設条件が適切であるか否かを十分に質問または確認することが必要です。

契約入札制度

多くのプロジェクト、特に政府から資金提供を受けるプロジェクトにおいて、契約入札は開発プロセスのほとんどの段階において実施されます。

但し、大抵の場合、設計が承認され、完全に文書化された後に実施されます。ディベロッパー(開発業者)または元請業者の候補者に対して、プロジェクトに入札するよう通知または招待されます。

入札に招待された場合、入札書類を送付します。入札書類の提出期限および入札企業リストの公表期限は一般的に2~4週間ですが、数カ月を要するプロジェクトもあります。

元請業者選定の一般的な方法は、以下の通りです。

  • 入札:指定日時に入札に参加することに関心のある請負業者に対して入札が告知されます。
  • 選定:入札書類を提出する機関や請負業者の数社のみ対して招待状を送付します。関心表明(EOI:Expression Of Interest)または関心登録(ROI:Registration Of Interest)が示される場合があります。これには、入札者の資格を開示できない民間プロジェクトが含まれる場合があります。
  • 予備入札:これは、有資格の事業者に対してオファー提出または価格交渉を要請する招待状です。
  • 交渉および契約:ディベロッパーは、お気に入りのまたは以前一緒に仕事をした事業者または請負業者を抱えている場合があり、費用、期間、特別条件等について交渉します。合意に達すると、元請業者を指名する契約書に署名します。

他の種類の契約には、設計・建設契約、エンジニアリング契約、調達・建設契約(EPCs)等があります。プロジェクトが建設中の場合、建設者自身もBCIが報告する非公式な被選定者です。

要約:

  • 事業者に提案/入札書を提出するよう要請する告知
  • 資材、労働力、関連サービスの提供に関する事業者による入札
  • 事業者に入札を要請する予備選定
  • 価格、品質、経験、期間等に基づく事業者の評価
  • 元請業者との契約締結

履行保証制度

履行保証は、建設計画に従ってすべての点が整然として、安全で、美しく、強固で、完全になるように、雇用主が住宅建設会社と正確かつ公正な合意を結ぶ契約の一部です。

簡潔に言えば、建設を完了する約束に追加されるものです。建設会社は自社が行った工事も保証しなければなりません。

履行保証は、プロジェクトを起こす予算に関する制限として定義されます。ほとんどの場合、住宅建設会社に対して分割払いする場合、一部の資金が先ず控除されます。

当該資金は、建設会社が工事を歪ませず、かつ、建設中または建設後に建造物が損害を受けた場合に喜んで責任を負うという保証を雇用主が維持するために請負業者に対して分割で支払わなければならない予算から支出されます。

この資金は、工事が完了した際、「工事保証」と呼ばれます。この資金は全額払い戻されます。

保証控除率
一般的に、雇用主が建設会社から保証として控除する金額は双方の合意により決定されますが、ほとんどの場合、各建設期間中に支払われる金額の5~10%に設定されます。

例えば、住宅1棟を建設する契約金額が100万バーツの場合、雇用主は住宅建設会社に対して1回当たり20万バーツを分割で支払わなければなりませんが、支払日に1回当たり5%に相当ずる1万バーツを控除できます。

住宅建設会社は雇用主に対して計5万バーツの保証金を持っていることになります。この資金は住宅建設会社に返還されます。

保証の種類
各建設会社は契約の履行に関して様々な条件を設定する場合があります。すなわち、工事の種類や環境の適切性に基づき、契約期間や保証料率等が建設会社によって異なります。

主要建造物
主要建造物の工事は建設工事において最も重要です。一般的に、大規模な建造物工事はパイプの設置が必要です。建設後の保証期間は3~10年です。
自然災害によることなく建物/家屋が崩壊した場合には、建設会社は無償で修理する責任を負います。

屋根
大企業であるほとんどの建設会社の保証期間は通常2~5年ですが、中小企業は1~3年と短いです。

塗装工事
保証期間は通常約1~3年ですが、塗装会社が指定する仕様に合致した標準塗装であることが条件です。

ドア、窓、網戸、錬鉄
これらの工事の保証期間は1~2年ですが、元の資材選定契約の内容次第でもあります。

履行保証が無い工事
雇用主と建設会社が文書の適法性を慎重に確認しない場合、履行保証はありません。
例えば、プロジェクト計画や住宅計画が違法な場合、環境法に違反する事業用建物の建設の場合、様々な損害を引き起こす建物の誤用の場合には、工事の保証は無効です。

それ故、保証は、専門家によって建設が行われ、安心して安全に暮らすことができ、建設工事が金額に見合う価値があることを雇用主に保証する手段の一つです。

従って、住宅を建てる前に履行保証に注意することを忘れないでください。

建設機械、重機等に関する契約

機械契約は重要です。
機械リース契約は、機械運用に関係する事業を行う際に非常に重要な文書です。

リース契約は、賃貸人と賃借人の間で機械のリース条件を決定する重要な役割を担っており、プロジェクトや事業活動の機能と成功に最終的に影響を及ぼします。

機械リースの重要性に影響を及ぼす事項:

  • 明確性と確実性
    機械リース契約は、機械の運用に関する範囲と要件を定めるのに役立ちます。例えば、リース期間、レンタル価格、メンテナンス等の条件です。賃貸人と賃借人が果たすべき責任の全体像を理解するのにも役立ちます。
  • 機械レンタル費用を管理する能力
    機械のコスト管理に関して役立つ能力です。レンタル契約は月額レンタル料や違約金を明確に定めるので、賃借人は事前にそれらを確認して財務計画や予算を正確に立てることができます。
  • 機械リースのリスク軽減
    賃借人は機械不具合の場合の条件と責任を定めることができるので、事業リスクを軽減できます。これにより、賃借人は保護され、潜在的なリスクを軽減することができます。
  • 機械の標準化と品質
    評判が良く信頼できる賃貸人からのレンタルは高品質で十分にメンテナンスされた機械を賃借人に提供します。更に、賃借人による機械利用の効率と効果を保証するために、機械の設置とメンテナンスを専門とする賃貸人もいます。

機械リース契約は、機械運用に関係する事業を行う際の重要な手段です。機械リース契約により、責任、コスト管理力、リスク軽減、機械品質に関して賃借人は安心できます。

機械リース契約の締結は、プロジェクトや事業活動を開始する際の重要なステップです。

このため、賃貸人と賃借人の両方を利用したい事業者が機械リース契約を締結する際、契約内容に留意することが重要です。
リース契約は会社組織の会計に影響を与える両当事者の会計資産として、および、他の場合に使用される事業履歴文書として保管することもできるからです。

外国企業による土地の所有

土地法によれば、外国人および外国企業はタイで土地を所有することができません。
第97条は次のように定めています。

「外国人が登録資本の49%を超える登録株式を保有するまたは外国人株主が株主総数の過半数を占める有限責任会社または公開有限責任会社については、この章により、同社が株主に対して発行した株券は外国人により保有されているものとみなし、外国企業とする。」

第96条は次のように定めています。

「第86条1項で定めた条約の規定に基づく外国人による土地の取得に関する規定は、省規則で定めた4,000万バーツを超える資本投資を行う外国人には適用されないものとする。居住目的での土地取得は、その土地面積が1ライ(rai)を超えてはならず、大臣により承認されなければならない。

第1項に基づく外国人による土地取得は、省規則で定めた規則、手続き、条件に従うものとする。省規則における最も重要な事項は、以下の通りである。

  • 外国人が投資する事業の種類は、経済的もしくは社会的に国家に利益をもたらす事業、または、法で定めた投資促進の適用を受ける資格があると投資委員会が宣言した事業とする。
  • 投資の維持期間は少なくとも3年以上でなければならない。
  • 外国人が取得できる土地は、バンコク首都圏、パタヤ市、自治市町村、都市計画法で定めた住宅地に指定された地域内とする。」

第97条に従って、外国企業は外国人と同じ権利を享受することができます。

土地所有の例外

第1の例外
投資促進法の第27条は、土地所有の例外について次の通り定めています。

「投資促進対象者は、たとえ他の法で定めた許可限度を超える場合でも、投資委員会が適切であると判断する範囲内で、投資促進活動を継続するために、土地の所有を許可されるものとする。」

それ故、タイの投資委員会(BOI)が支援する企業は、上記の条文に従って、BOIからの支援を受けた事業を行うために土地を所有することができます。

第2の例外
タイ工業団地公社法の第44条は、土地所有の例外について次の通り定めています。

「工業または商業に従事する事業者は、他の法で定めた許可限度を超える場合でも、投資委員会が適切であると判断する面積で、事業運営のために、工業団地または自由運営地域において土地の所有を許可される場合がある(場合による)。」

それ故、工業団地(IEAT)において工業またはサービスに従事する許可を得た企業は、事業運営のために工業団地内で土地を所有することができます。
投資促進法により、外国人の土地所有はBOIの決定に従います。

外国人は、土地法が定めた部分を超えて土地を所有できますが、事業解散または事業譲渡の場合は、当該解散または譲渡の日から1年以内に土地を売却しなければなりません。土地局の長官がその後、当該土地を売却する権限を有します。

工業団地法には投資促進法の規定と同様の規定があります。工業団地委員会は、土地法が定める面積を超えて外国人が土地を所有できるか否かを決定します。

事業解散または事業譲渡の場合は、3年以内に土地を売却しなければなりません。土地局の長官がその後、当該土地を売却する権限を有します。

建設業界における労働災害および企業が取るべき措置

補償基金の統計によれば、建設業界の事故件数は過去5年にわたって第1位です。

深刻度と事業の種類で分類した職業上の危険や病気に関する統計には、従業員が仕事をできない期間が3日以下から4日以上までの負傷を伴う建設事故のすべての事例について、興味深いデータがあります。

事故件数合計94,906件の12%に相当する11,599件が身体障害を伴う事故でした。建設事故に起因する死亡事故件数は死亡事故件数合計639件の29%に相当する186件に達しました。

一方、過去10年間では、2009年には、事故件数合計149,436件の10%に相当する15,184件の建設事故が発生しました。

データを比較すると、労働安全衛生局(OSHA)がまとめた米国の建設業界における死亡事故件数の内、約5分の1(20%近く)が建設工事に起因すると報告されています。

上記の情報から、建設工事は依然として、深刻な被害を引き起こすリスクが大変高いと言えます。これは労働集約型の建設工事に特に当てはまります。

大型重機が使用される場所、高所からの落下、地滑り、感電のリスクがある場所、場所の状態を変える工事として分類される建設工事を行う危険な場所で建設工事は行われます。使用する道具や工作機械の種類も様々です。

これらの要因のすべての組み合わせが、深刻な被害を引き起こすリスクと可能性を高めています。

建設工事における安全対策に関しては、安全管理の基準を定めた省規則があります。

「労働衛生・労働環境法 B.E. 2551(2008年)」は、建設工事のほとんどすべてを対象とする労働安全対策を定めた主要法です。

同法は、掘削、補強工事、機械、クレーン、電気、建設用エレベーター、高所からの落下防止に関する安全対策を定めています。更に、建築規制法(1979年)、バンコク条例、地方の行政組織の条例、高層足場に関する新たな省規則、機械に関する新たな省規則等、多くの関連法令があります。

それ故、政府および建設工事に関わる民間部門は、工事基準およびリスクの分析と評価(従業員の安全、労働条件の監視を含む)、設備と機械に関する厳しい条件と安全対策に関して、持続可能で安全な職場環境の実現に向けて、死亡事故につながる可能性のある建設工事リスクが徐々に確実に減少するよう、法律と法的要件の両方に注意を払うべきです。

お問い合わせ

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います。

0120-529-006

受付時間平日10:00〜20:00/土日祝10:00〜18:30

メールでのお問い合わせ

執筆弁護士

弁護士法人ALG&Associates タイオフィス 所長

弁護士川村 励

プロフィールはこちら