
コラム
更新日: 2024年11月6日
タイの入国ビザと労働許可証について
監修弁護士 川村 励 弁護士法人ALG&Associates バンコクオフィス 所長労働許可証とは、外国人がタイで就労する際に付与される許可証を指します。ビジネス目的の場合、あるいは一定期間他国で働くために入国する際に重要な書類となります。
タイの雇用主は、タイ労働省に許可を申請する義務があり、期限が切れたら直ちに更新しなければなりません。労働者の勤務先や雇用主が変更した場合は、新たな許可を申請する必要があります。
タイで労働を希望する外国人は、就労ビザと労働許可証を取得する必要があります。特に日本人投資家はその両方を取得しなければならないので注意が必要です。
タイでの就労で必要なビザと労働許可証の概要
この記事では、タイのビザや労働許可制度について解説しています。さらに詳しい情報は、ALG&Associates(Thailand) Co., Ltd.までお問い合わせください
タイの就労ビザ(B Visa)とは
就労目的でタイに入国する場合、「ノンイミグラントビザ・タイプB」(Bビザ)を取得しなければなりません。Bビザは就労またはビジネス目的でタイに入国する外国人に対して発行される滞在許可証です。
ただし、就労ビザを取得しても、すぐに仕事を始めることはできません。法律に基づき、労働許可証を取得しなければなりません。
タイの労働許可証(ワークパーミット)とは
労働許可証は、事業や会社経営、一定期間の就労を目的としてタイに渡航する外国人へ発行される公的な許可証です。
タイの雇用主が許可証の申請をタイ労働省に行い、その承認を得なければなりません。有効期限が切れたら、直ちに更新する必要があります。
また、外国人労働者が転職する、あるいは外国人労働者の雇用主が変更になる場合、新たに許可証を取得する必要があります。タイでの労働許可申請には一定の条件を満たす必要があります。
タイでの就労ビザと労働許可証の取得方法
タイでの就労を希望する外国人がタイに入国する場合、自国のタイ大使館または領事館でBビザを取得しなければなりません。
Bビザを取得してタイに入国すると、税関の入国審査官がパスポートに一時滞在許可証のスタンプを押し、最長90日間の滞在が許可されます。
就労ビザの申請
タイへの入国を希望する外国人は、居住国のタイ大使館・領事館、または居住国を監督するために任命された大使から証印またはビザを取得しなければなりません。
当該外国人は、タイへの入国目的に合致したビザを取得する必要があります。この発給許可はタイ大使館・領事館の判断によります。
申請時に必要な書類
外国人が就労ビザを申請する場合に必要となる書類は以下のとおりです。
- 有効残存期間が6か月以上あるパスポート
- ビザ申請書
- 6か月以内に撮影した申請者の写真(4×6 cm)
- 卒業証明証および職務経歴書
- 十分な資産を有していることを証明する書類(出身国による)
- 労働省による認証状(タイ国内の申請者たる雇用主は、労働省または各県の雇用局にこの認証状と申請フォームを提出する)
- 労働省が発行した労働許可証のコピーと、個人所得税申告書(P.N.D.91)(過去にタイで就労したことがある場合のみ)
タイ国内の雇用主が用意する書類は以下のものがあります。
- 法人登記簿と許可証
- 株主一覧(BOJ5)
- 会社業務説明書
- 外国人労働者の一覧(国籍、組織内の地位に関する情報を含む)
- 会社の場所を示す地図
- 貸借対照表、損益計算書、法人所得税申告書(直近会計年度のP.N.D 50とP.P30)
- 付加価値税登録書(P.P20)
労働許可証の申請
外国人労働者がB Visaを取得後、当該外国人はタイで合法的に労働できるようにするための労働許可証を申請しなければなりません。
申請時に必要な書類
申請には2つのケースに分けることができます。
(1) 当該外国人労働者がすでにタイに入国しており、初めて労働許可証を申請する場合または期限切れの労働許可証の更新を行う場合
労働許可証を申請できる外国人の要件は以下のとおりです。
- タイに居住している外国人、またはタイ移民法(Immigration Act)に基づき、観光客や通過旅行者ではなく、ノンイミグラントとしてタイに一時的に入国する許可を得た外国人。これは、初めて労働許可証を申請する場合、または有効期限が切れた労働許可証を更新する場合に適用されます。
- 労働許可証に記載された職務に関する知識と能力を有する者であること。
- 犯罪歴がないこと、精神的に不安定な状態にないこと、伝染病に感染していないこと、社会的に望ましくない症状を呈していないこと、結核の伝染期にないこと、象皮病の蔓延期にないこと、薬物中毒や慢性アルコール中毒でないこと、梅毒第3期にないこと
- 労働許可申請日前1年以内に、タイ移民法または外国人労働者に関する法律に基づく犯罪で服役していないこと。
労働許可証を申請する場合に提出する書類は以下のとおりです。
- BorThor.25申請フォームと、6か月以内に撮影された正面を向いた顔写真(3×4cm、帽子や眼鏡を着用しないこと)
- 雇用・職務証明書
- パスポートまたは居住証明書と外国人証明書の原本とコピー
- 卒業証明書または政府が求める申請書
- 法律により特定の業務を行うにあたり免許または許可が必要な場合(エンジニア等)、当該業務の遂行が可能であることを証する文書のコピー
- 当該外国人が上記記載の症状等に該当しない旨を証する、1か月以内に発行された医師の診断書
- 10バーツの収入税を添付した、当該外国人からの委任状(代理人による申請の場合)
- 10バーツの収入税を添付した、雇用主からの委任状
- 雇用主がタイ国民の場合、当該雇用主の身分証明書のコピーを添付する。
- 雇用主が外国人の場合、権限のある取締役の労働許可証を添付する。
- 雇用主がタイで就労せず、労働許可証を有しない場合、公証人とタイ大使館が当該委任状を認証し、授権された代理人に対して、雇用主の代理で署名する権限を付与する。
雇用主の会社(私企業の場合)が用意する書類は以下のとおりです。
- タイ企業の現在事項証明書(アフィダビット)の謄本と、株主一覧のコピー(6か月以内のもの)。外国企業の場合、外国からの送金が行われたことを証する書面を添付したビジネスライセンス
- 営業の種類を示した付加価値税登録証明書(PorPor01)。営業の種類の変更または追加があった場合にはPorPor09証明書
- 雇用主が外国人の場合、当該雇用主の労働許可証のコピーを添付する。雇用主がタイで就労せず、労働許可証を有しない場合、公証人とタイ大使館が当該委任状を認証し、授権された代理人に対して、雇用主の代理で署名する権限を付与する。
- 法律による許可または政府機関による認可が必要な業務を行う場合、該当の許可証または認可証(工場操業許可証、宿泊業許可証など)
- 給付金受給の領収書(1か月分)、財務諸表(直近の会計年度)、Por.Por.30証明書(過去3か月分)。これらは担当官による確認が行われたら返却される。
(2) 外国人労働者がまだタイに入国していない場合には、雇用主が当該労働者を代理して労働許可証の申請を行わればならない
労働許可証を申請する場合に必要となる書類は以下のとおりです。
- BorThor.32申請書
- 雇用・職務証明書
- パスポートのコピー(写真と氏名があるページのみ)
- 卒業証明書または政府が要求する申請書
- 法律により、特定の業務を行うにあたり免許または許可が必要な場合(エンジニア等)、当該業務の遂行が可能であることを証する文書のコピー
- 10バーツの収入印紙を添付した雇用主の委任状と雇用主の身分証明書のコピー
雇用主の会社(民間企業の場合)が用意する書類は以下のとおりです。
- タイ企業の現在事項証明書(アフィダビット)の謄本と、株主一覧のコピー(6か月以内のもの)。外国企業の場合、外国からの送金が行われたことを証する書面を添付したビジネスライセンス
- 営業の種類を示した付加価値税登録証明書(PorPor01)。営業の種類の変更または追加があった場合にはPorPor09証明書
- 雇用主が外国人の場合、当該雇用主の労働許可証のコピーを添付する。雇用主がタイで就労せず、労働許可証を有しない場合、公証人とタイ大使館が当該委任状を認証し、授権された代理人が雇用者の代理で署名する権限を付与する。
- 法律による許可または政府機関による認可が必要な業務を行う場合、該当の許可証(工場操業許可証、宿泊業許可証など)
- 給付金受給の領収書(1か月分)、財務諸表(直近の会計年度)、PorPor30証明書(過去3か月分)。これらは担当官の確認後に返却される。
雇用主の会社が提出すべき書類は、労働許可証を初めて申請する場合または既存の許可証の更新時に提出する書類と同じです。
労働許可証の受領
労働許可証の有効期間は、労働に関する書類の適切性に基づいて検討されます。担当官は、1回の申請につき3カ月、6カ月、1年、1年3カ月、1年6カ月、2年の労働許可証を発行しますが、通常は1年です。
労働許可の期間は、就労ビザまたは滞在許可証の期間と一致しない場合があります。申請書と書類を提出した後、外国人労働者は労働局から労働許可証を受け取ります。
就労ビザと労働許可証の更新
ビザの有効期限の1年延長
最初の入国時のビザは90日有効のノンイミグラントビザです。就学、ビジネス、投資、退職後の生活、その他の目的でタイへの入国を希望する外国人に発給されます。
このビザの保持者は、タイ国内での90日間の滞在期間が与えられ、その後1年間延長することができます。外国人は、有効期限の30日前までに延長を申請することができます。
労働許可証の更新
雇用主またはその代理人は、滞在期限の満了前に、BorThor.25申請書を入国管理局に提出し、タイでの滞在期間の延長を申請することができます。必要書類は最初に労働許可証を申請する場合と同じです。
もし労働許可証の期限が満了した場合または申請が遅れてなされた場合、当該許可証は更新がなされず、BorThor.25申請書を提出し、新たな労働許可を得なければなりません。
新しい労働許可証を申請する際、外国人労働者は最新かつ有効なBビザを有していなければなりません。
BOIの投資促進策と労働許可証
タイ投資委員会(Board of Investment Thailand, BOI)は、ASEAN内での競争力を高めるため、国内外に投資の機会を促す機関です。
また、外国人投資家によるタイへの投資を誘致し、経済発展と持続可能な成長を促すことも目指しています。
BOIは、タイを生産・輸出の拠点とすることに関心を持つ投資家に対し、さまざまな特権や恩恵を提供しています。
BOIを通じて得られる投資促進にかかる各種恩恵には以下のものがあります。
-
税制優遇
- 最長13年間の法人税の免除(業種や各種条件により異なる)
- 上記に追加して、5年間の法人税50%控除(重点地区のみ)
- 機械設備輸入税の減免
- 輸出製品に使用される原材料輸入税の減免
- 研究開発に使用される物品の輸入税の減免
-
非税制面での優遇
- 外資100%による会社所有(外国人事業法(Foreign Business Act)の第1種規制事業および他の特別法で定められている事業を除く)
- 土地所有の認可
- 能力の高い外国人労働者、専門職の外国人労働者のタイ国内での就労
BOIによる投資促進を受けることで、外国人労働者のための就労ビザや労働許可証の取得手続きが容易になるSingle Windowなど、通常のビジネスに比べてより利便性の高い制度の利用が可能になります(外国人雇用主はハードコピー形式で書類を提出することも可能です)。
また、BOIの下での事業の利便性を高めるワンストップサービスセンターが用意されています。 ALGのウェブサイトでは、BOIに関連する記事を随時更新しています。
さらに、タイ政府は、技術革新を通じて経済を活性化させる重要なメカニズムとなる知識集約型ビジネスへの投資促進に注力しており、いわゆる「Sカーブ産業」(S-Curve industries)を発展させるために、高度な技能を有するハイテク人材を誘致する施策を追加しました。
例えば、スマートビザ(SMART visa)は、高度技術専門家、投資家、上級幹部、スタートアップ企業の起業家などを誘致するためのビザです。
スマートビザは、労働省に労働許可証を申請することなくタイで労働できるなど、保有者に多くのメリットを提供しています。
スマートビザ
スマートビザは、タイで以下の産業での労働、または投資を考えている高度技能労働者を呼びこむために創設された特別なビザです。
- 次世代自動車産業
- スマートエレクトロニクス産業
- 高所得者向けの観光業
- 農業・バイオテクノロジー産業
- 自動化・ロボット産業
- 航空・物流産業
- 化学および石油化学
- デジタル産業
- 医療ハブ産業
- 国家保安に関する産業
- バイオ燃料・バイオ化学産業(水資源管理、廃棄物からの燃料生成など)
- 航空および宇宙産業
- 科学技術分野における人材開発産業
- 環境および代替エネルギーマネジメント産業
- テクノロジー・マネジメント、イノベーションおよびスタートアップ・エコシステム
- 特定テクノロジーの開発
- 国際ビジネスセンター(IBC)
- 裁判外紛争解決関連サービス産業(ADR)
| ビザの種類 | カテゴリ | 目的 |
|---|---|---|
| スマートビザ | T | 高度技能者 |
| I | 投資家 | |
| E | 上級幹部 | |
| S | スタートアップ起業家 | |
| O | スマートビザ保持者の配偶者および嫡出子 |
公式サイトでスマートビザの種類とその基準を確認することも可能ですし、申請手続きの迅速化支援のため、ALGへ直接お問い合わせいただくことも可能です。
就労ビザと労働許可証に関する注意点
タイの法律では、外国人労働者がタイで労働することは認められているものの、すべての職業が外国人に門戸を開いているわけではありません。
タイ人に対してのみ従事することが認められている職業がある一方で、一部の職業では、外国人労働者が就く場合、該当する機関から許可を得る必要があります。
外国人に対する就業規制
第1種:特別の理由により外国人が従事することが禁止されている事業。
- 木材彫刻
- 国内輸送機械運転または国内非機械運転(国際線空輸またはフォークリフトの運転を除く)
- 競売
- 宝石の切削や研磨
- 散髪師、理容師または美容師
- 手作業による機織
- ござ織りまたはアシ、藤、麻若しくは竹を原料とする加工用品の製造
- 手すき紙製造
- 漆器製造
- タイ特産楽器製造
- ニエロ細工
- 金銀細工
- 青銅器生産
- タイ特産玩具の製造
- 金属鉢の製造
- 絹手工芸品の製造
- 仏像の製造
- 紙製または布製の傘の製造
- 仲介業または代理店業(国際業務を除く)
- タイ式マッサージ
- 手巻きタバコ
- 観光ガイドおよび観光業
- 行商および露店業
- タイ語のタイピング
- 手作業による絹製糸
- 秘書
- 法律または訴訟に関する業務(仲裁人業務およびタイ法以外に関連する紛争に関する仲裁支援または仲裁代理を除く)
外国人の就業が原則として禁止されているものの、国際協定やタイ法の規定下で外国人の労働が認められている職種もあります。
- 会計業務の管理、監査、実施または提供。ただし以下のものを除く。
- 臨時の内部監査業務
- 国際協定に基づく業務で、職能協会が証明書を提供するもの。
- 土木工学のコンサルティング、プロジェクト立案、設計・計算、工事監理または製造、検査、 システムを組織するための管理業務、研究および試験に関する業務。ただし、ASEAN相互承認協定(MRA)、技術業務の提供に関する国際協定に基づき登録された者、または技術者に関する法律に基づき土木工学の免許を取得した者は除く。
- プロジェクト調査、設計、施工管理・監督、検査、または コンサルティング等、建築に関する専門業務。ただし、建築サービスに関するASEAN相互承認協定、建築家評議会による建築家の役務提供に関する国際協定、または建築士法に基づく建築士免許を取得した専門建築家を除く。
リスト3: (半)熟練労働者に対する例外措置
(半)熟練労働者である外国人労働者に対する就業規制の例外措置が設けられている職種としては以下のものがあります。
- 農業、畜産業、林業および漁業
- レンガ積み、大工その他の建設作業
- 寝具の製造
- 刃物の製造
- 靴の製造
- 帽子の製造
- 衣服の製造
- 陶磁器類の製造
リスト4: 条約による例外措置
タイ政府と外国政府間の覚書または協定に基づき、雇用主がいることを条件に外国人労働者の労働が許可され、入国管理法によりタイへの入国が許可される禁止職業は以下の通りです。
- 肉体労働および体力を必要とする単純労働
- 店員(卸売店や小売店での商品販売、市場や道端にある露店や店舗での商品販売)
労働場所および業務の性質による制限
外国人に対する労働許可証発給の検討基準には、経済発展や雇用を促進するかどうか、輸出や観光など国内への所得拡大を促進する事業かどうか、新しい技術を活用しタイ人に知識を伝える事業かどうか、タイ人ができない仕事や労働者が不足している仕事かどうか、外国人の労働が禁止されていない職業かどうかなど、さまざまな要素が含まれます。
労働許可証には、氏名の他に、労働を許可された職種名、および労働場所が明記されます。したがって、当該外国人は労働許可証に明記された内容に従って労働しなければなりません。
投資促進に関する法律に従って投資を促進された外国人、タイの工業団地に関する法律またはその他の法律に従って輸出のための工業または商業組織で労働を認可された外国人は、認可された労働以外の労働をした場合、5年以下の懲役または2,000バーツから100,000バーツの罰金、または懲役と罰金の両方が科されます。
90日レポート義務
入国管理法B.E.2522によると、一時滞在許可を得て90日以上タイに滞在する外国人は、90日以内に入国管理官に在留届を提出しなければなりません。
当該外国人は自ら届け出を行うことも、代理人を通じて行うこともできますが、90日の期限満了の15日以内から期限満了7日後までに、タイ国営郵便の書留郵便で、居住地の入国管理局に届け出なければなりません。
また、タイ移民局ホームページ(www.immigration.go.th)の利用規約に従い、外国人がインターネット経由で届け出ることも可能です。必要となる書類は以下のとおりです。
- パスポート
- 出国記録カード(TM6)
- 前回提出した90日以上滞在する旨の申請書(該当者のみ)
- 本人の署名入り申請書(TM47)
外国人労働者は、タイ国営郵便の書留郵便を通じて上記手続きを行うことが可能です。その場合、以下の書類を準備する必要があります。
-
パスポートのうち、以下のページをコピーしたもの
- 氏名が記載されているページ
- パスポートナンバー
- 現在有効なビザ
- 直近の入国時のスタンプがあるページ
- 直近のビザが更新された旨があるページ
- 出国記録カード(TM6)の表表紙と裏表紙のコピー
- 前回提出した90日以上滞在する旨の申請書(該当者のみ)
- 本人の署名入り申請書(TM.47)
- 担当官のTM.47申請書返信用として、10バーツ分の収入印紙を貼り、返送先住所を明記した封筒。返送された用紙は、90日以上滞在する場合の証拠として保管すること。
上記書類は、更新日の15日前までに外国人が居住する地域の入国管理局に書留で郵送しなければなりません。
書留郵便を発送したことを証明する書類は、書類が返送されるまで保管する必要があります。返送されるまでの期間は約30日です。90日以上経過後に滞在ビザの延長申請を行うことはできません。
外国人が90日を超えて滞在するにもかかわらず、入国管理官に滞在を届け出なかった場合、あるいは定められた期間より遅れて届け出た場合は、本人が直接届け出る必要があり、罰金2,000バーツが徴収されます。
90日以上滞在の届け出をしなかった外国人が逮捕された場合、5,000バーツの罰金と、法律が遵守されるまで1日ごとに200バーツ以下の罰金が加算されます。
また、90日間の滞在期間中にタイを出国し再入国した場合、滞在日のカウントが再入国日から再開されます。
一旦出国し、90日間の滞在期間後に再度入国した場合は、再入国日の1日目からカウントされます。
再入国許可(リエントリーパーミット)
一時的な滞在許可を得た外国人がタイ国外に出国した場合、滞在許可はその時点で将来的に失効します。当該外国人は、タイ出国前に再入国許可を取得する必要があります。
外国人が再入国ビザを取得せずにタイに戻る場合、通常の入国ビザを申請する必要があります。
再入国ビザ申請時に必要となる書類は以下のとおりです。
- パスポート
- 6か月以内に撮影した4×6cmの写真を添付した再入国許可申請申込書(TM.8)
-
以下の文書のコピー
- パスポートの個人情報が掲載されているページ
- 最新のビザのスタンプが押されているパスポートのページ
- 最新の出国カード(任意)
- 最新の再入国カード(任意)
- 労働許可証原文とその謄本
- 関係当局発行の文書とその謄本(国外へ出ることが禁じられていた場合)
1回の出入国毎に必要となる再入国許可の手数料は1,000バーツ、何度でも出入国が可能な再入国許可の手数料は3,800バーツになります。
労働許可証の取消義務
労働許可証を取り消すには、雇用主と労働者の双方が労働省雇用局と入国管理局に届け出る必要があります。雇用主は必要な書類を準備し、会社の所在地または被用者の勤務地を管轄とする雇用局に提出する必要があります。
もし会社がバンコクにある場合、10の地域に分かれているため、雇用主は会社がある地域を管轄する雇用局に書類を提出する必要があります。会社がバンコク以外に所在する場合、雇用主は会社が所在する県の雇用局に書類を提出します。
労働許可をの取消申請を行うケースは以下の2つに分けることができます。
(1) 当該雇用主が取消手続を行うにあたり、以下の文書の用意ができている場合
- 雇用主の署名入りの労働許可証取消通知書2通とそのコピー
- 労働許可証の原本とそのコピー
- 会社の法人証明書など、6か月以内に発行された当該事業体の登記証明書のコピー
- 雇用主のタイIDカードのコピー、または、雇用主が外国人の場合、雇用主の労働許可証のコピー
- 雇用主自身が手続きしない場合、10バーツ分の収入印紙を付した雇用主からの委任状と、委任者の身分証明書のコピー
雇用主は、当該外国人労働者が自らの下で労働を終了した日から15日以内に労働許可証の取り消しを届け出る必要があります。届出が遅れた場合、最高2万バーツの罰金が課せられます。
(2) 当該外国人労働者が取消手続を行い、以下の文書の用意ができている場合
- 外国人労働者が署名した労働許可証取消通知書(コピー2部)。
- 雇用契約解除通知書のコピー2部
- 労働許可証とそのコピー
- 外国人労働者本人が手続きしない場合は、10バーツの収入印紙を貼った外国人労働者からの委任状と、当該代理人のIDカードのコピー。
- すべての書類のコピーには署名を附すこと
- 雇用主からの書類については、権限を与えられた者が社印(任意)または委任者の署名をしなければならない。外国人労働者本人からの書類については、外国人労働者が署名するか、代理人が署名しなければならない。
- 法律で定められた期限内に手続きを行わなかった場合、20,000バーツ以下の罰金が科せられる。
労働許可証の取り消し後、外国人労働者は入国管理局に雇用契約終了の届け出をしなければなりません。
バンコクで就労していた場合には、ワンストップ・サービス・センターへ申請し、バンコク以外で就労していた場合には、当該県の入国管理局へ申請を行います。
また、雇用契約終了の報告をする際に必要となる書類は以下のとおりです。
- 入国管理局宛の雇用契約終了報告書(雇用契約終了日が明記されているもの。雇用終了日が明記されていない場合は、申請日を終了日とみなす)。代表権のある取締役または代表パートナーの署名が必要。
- 6か月以内の登記官が公証した会社登記証明書またはパートナーシップ登記証明書のコピー
- 最新のPND.1納税申告書のコピーと歳入局発行の証明書
- 代表権のある取締役または代表権のあるパートナーの身分証明書またはパスポートのコピー
- 外国人労働者のパスポート(入国管理局の職員がパスポートに雇用終了のスタンプを押す)
- 外国人労働者の労働許可証の原本
タイにおける不法労働に対する罰則
政令によると、労働許可証を持たずに、または許可された労働許可証の範囲外で就労した外国人は、5,000バーツから50,000バーツの罰金が科され、国外退去となります。さらに、罰せられた日から2年間は労働許可証の取得が禁止されます。
また、外国人がタイでの労働を許可されても、労働許可証を担当官または登録官に提示できるようにしなければなりません。これを怠ると、5,000バーツ以下の罰金が課せられます。
従って、外国人はタイで労働活動を行う前に、正規の書類と認可証を必ず所持していることが不可欠です。
タイでのビザ取得や労働許可証の取得には多くの書類が必要であり、複雑であることにお気づきでしょう。
必要書類に不備があった場合、当局はビザや労働許可証の発給を拒否することができ、不法入国や不法労働とみなされる恐れがあります。
そのため、ALGでは、お客様の利便性と効率性を考慮し、確実に手続きを進められるようサポートさせていただいております。
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