肺癌手術中、肋骨頭を切離した際に出血を生じたことから可吸収性止血剤(サージセル)を肋間に詰め込んだところ、この止血剤が椎間孔を経由して脊柱管内の脊髄を圧迫したことにより脊髄損傷を来し、敗血症により死亡したことについて、2500万円の訴訟上の和解が成立した事例

代表執行役員 弁護士 金﨑 浩之

監修医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 弁護士

事案の概要

患者は被告病院で肺癌の手術(右肺上葉切除、第4及び第5肋骨合併切除並びに胸壁再建術)を受けました。同手術中、患者の肋骨頭を切離した際に出血を生じたことから、医師は可吸収性止血剤(サージセル)を肋間に詰め込み、これを除去しないまま閉創して、手術を終了しました。

手術後、患者には両下肢の感覚障害・運動障害の症状が生じました。そこで、MRI後、再度手術が施行されたところ、サージセルが大量に摘出されました。患者は、下肢の麻痺が回復することなく、その後肺炎を発症して敗血症により死亡しました。

弁護士の方針・対応

 弁護士は、任意開示によって被告病院のカルテを入手し、それを基に調査したところ、有責との判断に至りました。被告は従前、遺族に対し500万円を呈示しており、訴外交渉で意図する額を得ることは困難と予想されたので、弁護士は訴訟を提起することとしました。

被告は英語の論文を呈示するなどして、当方の主張に反論しました。弁護士は、被告が根拠とする英語の論文を丁寧に読み込み、同論文の問題点(筆者の推論による願望が記載されたものに過ぎないこと)を示してその証拠価値を弾劾しました。

結果

被告の根拠とする英語の論文の証拠価値を弾劾するなどした結果、原告側実質勝訴と言える2500万円での訴訟上の和解を成立させることができました。

弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 医学博士 弁護士 金﨑 浩之
監修:医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員
保有資格医学博士・弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:29382)
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