監修医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 弁護士
患者さん(70代・男性)は、CT検査で心拡大と心嚢液の貯留が認められたため、入院後に胸腔穿刺が実施されました。
ところが、胸腔穿刺実施の約20分後に患者さんは顔色不良となり、呼吸停止に至りました。
その後、救命処置が施されたものの、同日にお亡くなりになりました。
死因は、胸腔穿刺時の針による冠状動脈分枝損傷を誘因とする心タンポナーデと診断されました。
弁護士は、任意開示によって、相手方病院からカルテを入手した後、カルテに加えて、事故分析報告書、解剖記録についても精査しました。
その結果、有責との判断に至り、また、医原性の死亡であることは明らかであるので、訴外交渉での解決の可能性があると考えました。
そこで、相手方に対し損害賠償を求める通知書を送付したところ、相手方からは、一定額の支払いの提示がありました。
しかしながら、相手方は、患者さんに慢性腎臓病や糖尿病の既往があり、透析療法を受けていたこと等を理由として、一般的な平均余命よりも患者さんの余命が短かったとし、逸失利益の金額について争ってきました。
これに対して、弁護士は、患者さんが腎移植を受けていた事実を示し、腎移植後の生存率が透析療法に比べて良好であること医学的な知見の裏付けをもって主張しました。
当初、相手方が争ってきた逸失利益についても、当方の主張が認められ増額を勝ち取り、最終的には、総額約2600万円での訴外での和解が成立しました。
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