監修医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 弁護士
多発性嚢胞腎の既往を有していた患者は、慢性腎不全等の教育目的で相手方病院に入院した際、頭部MRI・MRAを撮像しました。同検査画像上には脳動脈瘤が認められましたが、相手方病院の医師は、明らかな脳動脈瘤は認めないと読影し、患者に対し脳動脈瘤の存在を指摘することも治療方法の説明をすることもしないまま、患者を退院させました。約1年7ヶ月後、患者は前期脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血を発症し、18日後に死亡するに至りました。
弁護士は、任意開示によって相手方病院のカルテを入手し、それを基に調査したところ、有責との判断に至りました。相手方に対する請求前に、弁護士は、争点を絞り、交渉による妥協の余地を探る目的で、相手方に頭部MRI・MRA検査の目的や、同検査画像の客観的所見、脳動脈瘤の見落としがあったのかどうかなどの質問を行いました。相手方は質問に対し、見落としがあったことは認めましたが、有責との判断は示さなかったため、弁護士は訴訟も視野に、相手方と交渉を行うこととしました。
交渉当初、相手方は因果関係を否定し、低額な賠償金しか呈示してきませんでした。しかし、弁護士が速やかに訴訟を提起する旨を連絡するなどしたところ、相手方から増額を検討するとの回答があり、最終的には2600万円で和解が成立しました。
訴訟提起を視野に入れ、訴訟提起を相手方に対する交渉のカードの1つとして使うなどの交渉術を駆使した結果、高額な和解を成立させることができた事案です。
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