監修医学博士 弁護士 金﨑 浩之弁護士法人ALG&Associates 代表執行役員 弁護士
患者は腹痛と嘔吐で被告病院を受診したところ、癒着性イレウスと診断されました。癒着性イレウスの治療中、約1ヶ月半絶食とされました。絶食期間中の栄養は末梢静脈栄養によりなされましたが、このとき投与された輸液にはビタミンB1が含まれていませんでした。そのため、患者はウェルニッケ脳症を発症して意識障害などを生じ、栄養を再開した後に誤嚥性肺炎を発症し、最終的には急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、DIC(播種性血管内凝固症候群)を併発して死亡しました。
弁護士は、任意開示によって被告病院のカルテを入手し、それを基に調査したところ、有責との判断に至りました。被告の従前の態度から訴外交渉での妥結は困難と予想されたので、弁護士は訴訟を提起することとしました。
ウェルニッケ脳症は今となっては珍しい疾患であることから、弁護士は、国会図書館で古い文献を探すなどして訴訟を追行しました。
珍しい疾患が対象となっていることや事案が複雑であることから、当初から高額な賠償を得るのは困難であると予想された事案でしたが、最終的には300万円で訴訟上の和解を成立させることができました。
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