自己破産は後悔する?デメリットや後悔しないためのポイントを解説

自己破産は後悔する?デメリットや後悔しないためのポイントを解説

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監修弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長 弁護士

債務整理のなかでも最終手段といわれる自己破産について、ネガティブなイメージを抱いていて、自己破産して後悔しないのか、ひとりで悩まれている方も少なくないでしょう。

自己破産は借金問題を根本から解決できる有効な手段ですが、「自己破産しなければよかった」と後悔しないためには、あらかじめデメリットについてしっかりと理解しておくことが大切です。

この記事では、自己破産を後悔しないために知っておくべきデメリットやポイントについて解説していきます。

自己破産を検討している方や、自己破産すべきか迷われている方の参考になれば幸いです。

自己破産で後悔することやデメリットとは?

自己破産は、裁判所から免責の許可が下りればすべての借金が免除される、メリットの大きい手続きである一方で、次に挙げるようにさまざまなデメリットを伴います。

  • 一定額以上の財産がなくなる
  • 保証人に迷惑がかかる
  • ブラックリストに登録される
  • 職業・資格制限を受ける
  • 家族の生活に影響する可能性がある
  • 官報に掲載される

自己破産したらどうなるのかを知らないままだと、「自己破産しなければよかった」と後悔する可能性もあるので、事前にデメリットを把握しておくことが大切です。

①一定額以上の財産がなくなる

自己破産では、一定額以上の財産は手放すことになります。

破産者名義の99万円を超える現金や20万円以上の価値のある財産を保有している場合、それらの財産をお金に換えて債権者に配当する必要があります。

生活に必要な最低限の財産は残せるものの、「一定額以上の財産は手放さなければならない」というのは精神的にも、手続き後の生活にも影響を及ぼします。

とくに、持ち家や車をご家族で共有している方や、財産を維持したい方にとって大きなデメリットとなる可能性があります。

自己破産の処分対象となる財産と自己破産しても残せる財産の一例
自己破産の処分対象となる財産 自己破産しても残せる財産の一例
  • 99万円を超える現金
  • 20万円を超える預貯金
  • 20万円以上の価値がある資産
    (不動産、車、保険の解約返戻金など)
  • 99万円以下の現金
  • 価値が20万円以下の資産
  • 衣服、家具、家電などの生活必需品
    (差押禁止動産)
  • 給料・退職金の4分の3
    (差押禁止債権)
  • 年金・生活保護給付金・児童手当
    (差押禁止債権)
  • 破産手続開始後に取得した財産
    (新得財産)

②保証人に迷惑がかかる

保証人が付いている借金がある場合、自己破産すると保証人に迷惑がかかります。

自己破産ではすべての借金が手続きの対象となり、保証人が付いている借金も例外ではありません。

そのため、自己破産によって主債務者が支払義務を免れた借金は、保証人が一括請求されて、借金を肩代わりすることになってしまいます。

配偶者や親が住宅ローンの保証人になっていたり、友人が消費者金融の借金の保証人になっていたりするケースも少なくありません。

親しい人が保証人となっている場合に自己破産すると、主債務者が支払えなくなった借金を保証人となっている配偶者・親・友人が代わりに支払う義務を負うことになって、人間関係の悪化や罪悪感から、自己破産したことを後悔する可能性があります。

③ブラックリストに登録される

自己破産後は5~7年程度ブラックリストに登録されます。

そもそも「ブラックリストに登録される」とは?

ブラックリストに登録されるとは、自己破産したことが事故情報として信用情報機関に登録されることを指します。

信用情報機関ごとにブラックリストに登録される期間が異なります。

信用情報機関 登録される主な信用情報 ブラックリストの登録期間
JICC 消費者金融系 免責確定日から5年
CIC クレジットカードや消費者ローン 破産手続開始決定日から5年
KSC 銀行系のローン 破産手続開始決定日から7年(※)

※KSCの自己破産の登録期間は10年でしたが、2022年11月4日に登録期間が7年に短縮されました。

ブラックリストに載っている間は、次のような影響・制限が生じるため、日常生活上で不便に感じることが予想されます。

自己破産でブラックリストに載ることによる影響・制限

  • クレジットカードの利用・新規作成ができなくなる
  • ローンやキャッシングなどの新たな借り入れができなくなる
  • 賃貸契約の審査が通りにくくなる
  • スマートフォン・携帯電話の端末が分割払いで購入できなくなる
  • 奨学金など、家族や友人の保証人になれなくなる など

④職業・資格制限を受ける

自己破産の手続き中は、一部の職業・資格が制限を受けます。

自己破産により制限される職業・資格

  • 弁護士・司法書士・弁理士・税理士・公認会計士などの士業
  • 公証人・公正取引委員・教育委員などの一部の公務員
  • 銀行の取締役・信用金庫の役員などの金融関連業
  • 警備員
  • 生命保険の募集人
  • 宅地建物取引士
  • 不動産鑑定士
  • 古物商 など

職業・資格の制限は免責が確定すると解除されますが、一時的であっても職業・資格の制限により職業上の影響を受ける場合、仕事やキャリアに支障をきたす可能性があります。

⑤家族の生活に影響する可能性がある

自己破産がご家族の生活に影響を及ぼす可能性があります。

とくに注意が必要なのは、ご家族と同居している場合や、生計を一緒にしているご家族がいる場合です。

  • ご家族と同居している自宅を手放さなければならない
  • ご家族と共有している車を手放さなければならない
  • 家族カードが使えなくなる
  • 手続きに必要な書類を集めるためにご家族の協力が必要になる

など、日常生活上で不便が生じたり、迷惑がかかったりして、ご家族に内緒で自己破産することも難しくなります。

自己破産してもご家族の信用情報や財産に影響はありませんが、ご家族の生活に影響が及ぶことで自己破産を後悔するケースも少なくないので、「自己破産すると家族にどのような影響が出るのか」を事前に把握しておくことが重要です。

⑥官報に掲載される

自己破産すると、氏名や住所が官報に掲載されます。

そもそも官報とは?

官報とは、国が発行する広報誌のことです。
裁判所での決定事項や、国会・皇室に関する情報が掲載されていて、誰でも閲覧することができます。

官報を実際に確認しているのは信用情報機関や金融機関の関係者などの一部の人に限られます。

一般の人が日常的に確認するものではないので、官報をきっかけに自己破産がご家族や職場の人にバレる可能性は低いでしょう。

とはいえ、官報は誰でも閲覧できるので、官報から自己破産がバレる心配や、プライバシー面の不安から、自己破産をためらう方も少なくありません。

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自己破産したからといって後悔するとは限らない!

自己破産はデメリットも多いことからネガティブなイメージを抱いている方もいらっしゃるでしょう。
ですが、自己破産したからといって必ずしも後悔するとは限りません。

そもそも自己破産は、借金で苦しんでいる方が経済的に立ち直るために利用できる救済制度です。

実際に多くの方が、自己破産で借金の返済を免除してもらい、債務に追われる不安から解放されて前向きな人生を再スタートさせています。

たしかにデメリットもありますが、自己破産しても次のとおり普通の生活を送ることもできるので、人生を立て直すための選択肢として検討する価値は十分にあります。

自己破産しても変わらないこと・影響しないこと

  • 生活に必要な最低限の財産は手元に残せる
  • 利用料金を滞納していなければ、スマホや携帯電話はそのまま使用できる
  • 自己破産しても戸籍や住民票に記載されない
  • 自己破産だけを理由に会社を懲戒処分・解雇されることはない
  • 一部の職業を除いて仕事に影響はなく、就職・転職も可能
  • 職業・資格の制限は免責が決定すると解除される
  • 破産手続開始決定後に発生する給料やボーナスは満額受け取れる
  • 年金や生活保護の受給権は失われず、減額もされない
  • 選挙権・被選挙権は失われず、制限もされない
  • 自己破産後に取得した資産は、そのまま手元に残せる

自己破産で後悔しないためにできること

自己破産で後悔しないためには、手続きについてよく理解し、事前に準備することが大切です。

以下、自己破産で後悔しないためにできることを3つ紹介していきます。

  1. 自己破産後の生活の見通しを立てる
  2. 任意整理や個人再生で解決できないか検討する
  3. 早めに弁護士に相談する

自己破産後の生活の見通しを立てる

自己破産で後悔しないためには、自己破産するとどうなるのかを理解し、手続き後の生活の見通しを立てることが重要です。

自己破産では、持ち家を手放すことになる可能性が高いため、手続き後に住む場所を確保しておく必要があります。

また、家計簿をつけたり現金払いを徹底したりして、自己破産後に借金を繰り返さないように生活状況を見直すことも大切です。

必要があれば、生活保護などの公的支援の利用も検討しましょう。

「自己破産して、こんなことになると思わなかった」と後悔しないように、情報を収集して生活の立て直しに向けて事前に準備しておきましょう。

任意整理や個人再生で解決できないか検討する

自己破産はほかの債務整理の方法と比べてデメリットが大きい手続きです。

そのため、いきなり自己破産を選ぶのではなく、任意整理や個人再生で借金問題を解決できないか検討することが大切です。

  • 任意整理・・裁判所を介さずに債権者と直接交渉して毎月の返済の負担軽減を図る手続き
  • 個人再生・・裁判所を介して借金の大幅な減額を認めてもらう手続き

任意整理や個人再生では借金を完全にゼロにすることはできませんが、自己破産よりも影響・デメリットが少ない手続きです。

状況によっては任意整理や個人再生を選択した方が、自己破産よりもメリットが大きいこともあるので、それぞれの制度についてしっかり理解したうえで、ご自身に合った方法を選択することが後悔しないためのポイントです。

任意整理や個人再生の手続きについて詳しくお知りになりたい方は、以下のページをご参考ください。

さらに詳しく任意整理とは?メリット・デメリットや手続きの流れ、費用相場など さらに詳しく個人再生とは|メリット・デメリットや手続きの流れ、費用など

早めに弁護士に相談する

自己破産を考えたら、早めに弁護士に相談することで、より負担の少ない方法で借金問題を解決できる可能性が高まります。

借金問題や債務整理について、だれにも相談できず悩まれている方も少なくありません。
ですが、ひとりで抱え込んでいても解決しないどころか、状況が悪化するおそれもありますので、まずは弁護士に相談してみましょう。

弁護士に相談すると、借金の状況や収入・財産の有無などから、最も適切な解決策を提案してもらえます。

借金から解放されて、新たな生活をスタートできるようにサポートしてもらうこともできます。
後悔のない選択ができるよう、自己破産や債務整理を考えたらまずは弁護士に相談しましょう。

よくある質問

自己破産すると結婚に影響する?

自己破産をしても法的に結婚が制限されることはないので、直接的な影響が出ることはありません。

ただし、自己破産すると一定期間はクレジットカードが利用できなくなったり、ローンの審査に通らなかったりして、結婚生活上の不便が生じる可能性はあります。

過去の自己破産について、「できれば結婚相手に知られたくない」という方もいらっしゃるでしょう。
自己破産したことは戸籍や住民票からバレる心配はありませんが、ブラックリストに載る影響や身辺調査から知られてしまう可能性はゼロではありません。

隠し事は信頼関係にヒビが入る原因となりかねないため、意図せず自己破産がバレてしまう前に、ご自身から結婚相手に伝えておく方がよいでしょう。

自己破産したことは戸籍に記載される?

自己破産したことは戸籍には記載されません。

そもそも戸籍は、出生・結婚・死亡などの身分関係を記載するものです。
個人の信用情報や資産状況を載せるものではないので、自己破産したことが戸籍に載ることはありません。

自己破産の事実は、官報や信用情報機関(ブラックリスト)に記録されます。

免責を受けられなかった場合など、例外的なケースでは破産者名簿にも掲載されますが、信用情報機関(ブラックリスト)同様に一般の人が自由に閲覧できるものではないのでご安心ください。

自己破産すると就職や転職に影響する?

自己破産したことが就職や転職に影響することは、ほとんどありません。

そもそも借金や自己破産は個人的な問題なので、就職先や転職先に自己破産したことを申告する義務はなく、個人の信用情報を企業側で調べることも基本的にありません。
そのため、ほとんどの職業において就職・転職に大きな影響はないといえます。

ただし、自己破産によって制限を受ける資格が必要な職業の場合は、免責が確定して資格が復権されるまでは就職・転職が難しくなるので注意しましょう。

自己破産で後悔しないためにもお困りの際は弁護士法人ALGにご相談ください

自己破産はデメリットの多い手続きですが、借金に困っている人のための救済制度なので過剰に心配する必要はありません。

とはいえ、自己破産するとどうなるのか、どのようなデメリットに注意が必要なのかを知らないままだと、「こんなことになると思わなかった」と後悔することになりかねません。

自己破産を検討している方は、後悔のない選択をするためにも、まずは弁護士法人ALGまでご相談ください。

状況に合った最善の解決策を提案し、生活を立て直して前向きな再スタートが切れるよう、全力でサポートいたします。

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監修:弁護士 谷川 聖治 / 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長

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