個人再生したらどうなる?その後の生活や財産への影響・注意点など

個人再生したらどうなる?その後の生活や財産への影響・注意点など

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監修
監修弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長 弁護士

個人再生をすると借金を減らせると聞いたけれど、その分、生活や財産への影響も大きいのでは・・・?
このように、個人再生をするべきか悩まれている方も多いのではないでしょうか。

個人再生は借金を元金ごと大幅に減額できる一方で、ローン返済中の財産が回収されたり、ブラックリストに載ったりして、手続き後の生活に影響が及ぶ可能性があります。

そのため、個人再生を検討している場合は、個人再生をしたらどうなるのかを理解したうえで手続きすることが大切です。

本記事では、個人再生したらどうなるのか、生活や財産への影響について注意点に触れながら詳しく解説していきます。

個人再生したらどうなる?

個人再生とは、裁判所を介して借金を大幅に減額してもらう手続きです。

住宅などの財産を残したまま借金を1/5~1/10程度まで大幅に減額できるメリットがある一方で、ブラックリストに載ったり、官報に掲載されたり、様々なデメリットも伴います。

そのため、「個人再生するとどうなるのだろう・・・」と、不安に感じている方も多いでしょう。

ここからは、個人再生すると借金がどうなるのか、手続き後の生活や財産にどのような影響があるのかを、次の12項目に分けて詳しく解説していきます。

  • 借金が大幅に減額される
  • 借金の督促が止まる
  • 給与の差し押さえを止めることができる
  • ブラックリストに載る
  • 官報に掲載される
  • 保証人に迷惑がかかる
  • 住宅(マイホーム)を残せない場合がある
  • 自動車は手放さずに済む場合がある
  • 現金・預貯金は残せるが高額な場合は返済額が高くなる
  • 年金・退職金は資産とみなされる場合がある
  • 生命保険・学資保険の解約が必要な場合がある
  • 仕事や家族への影響は基本的にない

借金が大幅に減額される

個人再生すると、財産を残したまま借金を元金ごと1/5~1/10程度まで大幅に減額できる可能性があります。

減額された借金は3年(最大5年)で分割返済していくことになるので、返済の負担が減り、生活を立て直しながら完済を目指しやすくなります。

個人再生が向いている人

  • 任意整理では返済しきれないほど高額な借金を抱えている人
  • 自己破産で手放したくない財産がある人 など

ただし、個人再生では法律で最低限返済しなければならない最低弁済額が定められています。

最低でも100万円の支払義務が残りますし、借金の総額・保有する財産・収入によって最低弁済額が決まるため、「思ったほど借金が減らない」と感じる場合もあります。

借金の督促が止まる

弁護士に個人再生の手続きを依頼し、受任通知が送付されると借金の督促が止まります。

そもそも受任通知とは?

受任通知とは、弁護士が代理人となって個人再生を行うことを伝える書面のことです。
受任通知を受けた債権者は、法律によって正当な理由なく債務者と直接連絡することを禁止されるため、督促が止まります。

貸金業者から督促の電話や郵便が来て悩んでいた方も、弁護士に個人再生を依頼することで督促が止まり、精神的な負担が軽減される方も多くいらっしゃいます。

また、督促が止まるのと同時に借金の返済も一時的にストップするので、その間に個人再生の手続きに充てる費用を積み立てるなど、落ち着いて個人再生手続きを進められるようになります。

給与の差し押さえを止めることができる

借金の返済を滞納してしまい、強制執行により給与が差し押さえられている場合、個人再生することで給与の差し押さえを止めることができます。

個人再生を申し立てて裁判所から再生手続開始決定が出されると、自動的に給与の差し押さえは中止されます。

また、個人再生の申立て後に強制執行中止(停止)命令を申し立てることで、開始手続開始決定よりも前に差し押さえを中止することも可能です。

差し押さえが中止された後、手続きが進んで再生計画案の認可決定が確定すると、給与を全額受け取れるようになります。

給与の差し押さえを中止した後にすぐ給与を全額受け取る方法は?

給与の差し押さえによって生活が苦しい場合は、差し押さえが中止された後に給与差押取消命令を申し立てることで、再生計画案認可決定の確定を待たずに給与を全額受け取れる可能性があります。

ブラックリストに載る

個人再生すると、信用情報機関に個人再生したことが事故情報として登録されます。

いわゆる「ブラックリストに載る」という状態で、ブラックリストに載っている間(5~7年程度)は次のような影響を受けます。

ブラックリストに載ることの影響

  • クレジットカードの利用、新規作成ができない
  • ローンやキャッシングなどの新たな借り入れができない
  • スマートフォンや携帯電話の端末を分割払いで購入できない
  • 保証人になれない
  • 一部の賃貸物件の契約ができない場合がある など

官報に掲載される

個人再生すると、住所・氏名が官報に掲載されます。

そもそも官報とは?

官報とは、国が発行する広報誌のことで、裁判所での決定事項や国会・皇室に関する情報が掲載されています。

個人再生の場合、個人再生手続開始の決定後・書面決議の決定後・認可決定後の合計3回、官報に掲載されます。

官報は誰でも閲覧できますが、実際に定期的に確認しているのは税務署や信用情報機関、金融機関の関係者などの一部の人に限定されます。

そのため、官報に掲載されたからといってご家族や会社の関係者に個人再生したことを知られる可能性は低く、過剰に心配する必要はないでしょう。

保証人に迷惑がかかる

個人再生すると、保証人に迷惑がかかることがあるので注意しましょう。

個人再生では、すべての借金を手続きの対象としなければなりません。
保証人が付いている借金がある場合、それだけを除いて個人再生することはできず、保証人が、あなたの代わりに減額前の借金を一括で支払うよう請求される可能性があります。

保証人に迷惑がかかることを避けたい場合は、保証人付きの借金を手続きの対象から除外できる任意整理を検討する必要があるでしょう。

住宅(マイホーム)を残せない場合がある

個人再生では、住宅ローン特則(住宅資金特別条項)という仕組みを利用することでマイホームを手放さずに借金を大幅に減額できます。

ただし、住宅ローン特則の利用条件を満たさない場合や、住宅ローンを完済していて住宅ローン特則がそもそも利用できない場合には、マイホームを手元に残せない可能性があります。

住宅ローン特則の利用要件

  • 住宅ローンとしての借り入れであること
  • 個人再生を行う本人が所有する住宅であること
  • 個人再生を行う本人の居住用の建物であること
  • 不動産に住宅ローン以外の債権の抵当権が設定されていないこと
  • 滞納による代位弁済後、6ヶ月以内に個人再生を申し立てていること

こうした利用条件を満たしていないと特則が利用できず、当然ながらローン返済中のマイホームは手放すことになります。

一方で住宅ローンを完済している場合、基本的にマイホームを手元に残したまま個人再生ができますが、マイホームの価値分の借金を返済しなければならなくなります。

返済資金が不足する場合には、マイホームを売却せざるを得なくなることがあるので注意しましょう。

自動車は手放さずに済む場合がある

個人再生の場合、ローンを完済している自動車や、ローンを返済中でも所有権留保が設定されていない自動車は手元に残すことができます。

所有権留保とは?

所有権留保とは、代金を全て払い終えるまで、その自動車の所有権は販売者に留保することをいいます。
銀行ローンで自動車を購入する場合、所有権留保が設定されていないことが多いです。

一方、所有権留保が設定されている場合、自動車の所有権はディーラーやローン会社にあるため、ローンの完済前に個人再生をすると自動車が回収されてしまう可能性が高いので注意しましょう。

自動車を残したまま個人再生したい場合は、契約内容や車検証の所有者欄をよく確認したうえで、弁護士に相談することがおすすめです。

現金・預貯金は残せるが高額な場合は返済額が高くなる

個人再生は、自己破産のように強制的に財産が没収されることはないので、現金や預貯金はそのまま手元に残すことができます。

ただし、清算価値保障の原則により、多額の現金・預貯金を保有していると手続き後の返済額が増えることがあります。

清算価値保障の原則とは?

清算価値保障の原則とは、個人再生の再生計画案で定める最低弁済額は、自己破産した場合に債権者へ配当される金額を下回ってはならないというルールのことです。

たとえば、借金の総額が300万円だった場合、法律が定める最低弁済額は100万円です。

このとき、現金や預貯金を含めた財産の清算価値が100万円を上回る場合は、清算価値が最低弁済額となるため、手続き後の返済額が高くなって個人再生の効果が実感しにくくなってしまいます。

年金・退職金は資産とみなされる場合がある

個人再生しても年金や退職金を受け取る権利はなくならず、将来受け取る金額にも影響しません。

ただし、個人年金や退職金は資産とみなされて清算価値に計上されるため、高額になる場合は手続き後の返済額に影響する可能性があります。

個人再生した場合の年金の扱い

個人再生しても年金の受給権に影響はありません。
年金のうち、解約返戻金のある個人年金は実際に没収されることはありませんが、清算価値に計上される可能性があります。

清算価値に計上される可能性がある年金 清算価値に計上されない年金
  • 解約返戻金のある個人年金
・公的年金
・確定拠出年金などの私的年金

個人再生した場合の退職金の扱い

個人再生しても退職金に影響はありませんが、退職時期によって、財産の一部として次のように清算価値に計上されます(実際に退職する必要はありません)。

退職時期 清算価値として計上される割合
退職済みで、退職金をすでに受け取っている 全額
退職済みで、これから退職金を受け取る予定 退職金の1/4
しばらくは退職の予定がない 退職金見込額の1/8

生命保険・学資保険の解約が必要な場合がある

個人再生では、生命保険や学資保険を必ずしも解約する必要はありません。

ただし、積立型の保険については注意が必要です。
これらの保険には解約返戻金(かいやくへんれいきん)があり、この金額が資産とみなされて、返済額の計算に影響するケースがあります。

もし解約返戻金が高額な場合であれば、返済額が増えてしまう可能性もあります。

その結果、収入や預貯金だけでは返済が難しくなることもあり、そのような場合には、保険を解約して返戻金を返済に充てる方法を検討する必要があります。

仕事や家族への影響は基本的にない

自己破産のように職業や資格の制限がないので、個人再生しても仕事に影響しません。

ご家族に直接的な影響を与えることも少なく、個人再生がご家族の信用情報や仕事・結婚に影響することもありません。

もっとも、次のようなケースではご家族や会社の関係者に個人再生の影響が及ぶ可能性があるので注意しましょう。

個人再生が会社や家族に影響するケース

  • 裁判所へ提出する書類を集めるために会社や家族に協力してもらう必要がある
  • 家族や会社の関係者が保証人になっていて一括請求を受ける
  • ローン返済中の自動車が債権者によって回収される
  • 家族カードが使えなくなる
  • ローンの審査に通らなくなる
  • 奨学金などの保証人になれなくなる など

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個人再生をする場合の注意点

個人再生をするにあたっては、次のようなことに注意が必要です。

  • 個人再生をしても減額できない借金がある
  • 一次的に銀行口座が凍結されるケースがある

個人再生したことを後悔しないためにも、それぞれの注意点について詳しくみていきましょう。

個人再生をしても減額できない借金がある

個人再生では全ての借金が整理対象になりますが、なかには減額されない債務もあります。

次に挙げる債務は、個人再生をしてもそのまま支払義務が残るので、手続き後は当然ながら、手続き中も継続して支払いが必要になる債務もあるので注意しましょう。

個人再生しても減額されない債務

  • 税金(所得税、住民税など)
  • 社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、国民年金保険料など)
  • 扶養義務に関する債務(養育費、婚姻費用など)
  • 罰金
  • 不法行為による損害賠償金
  • 家賃や、水道光熱費などの公共料金 など

一時的に銀行口座が凍結されるケースがある

個人再生すると、借り入れのある銀行の口座は、債権回収のために凍結されて一時的に使えなくなります。

凍結される時点で口座に預金が残っていると、銀行によって債務の残りと預貯金が相殺されてしまいます。

債務の返済がなされると口座の凍結は解除されますが、凍結されている間は預金を引き出すことは当然ながら、引き落としや入金もできなくなります。

そのため、口座が凍結される前に、次のような対策を講じておく必要があります。

口座凍結に備えた対策

  • あらかじめ預金をすべて引き出しておく
  • 給与や年金の振込先を別の銀行口座に変更しておく
  • 公共料金などの引き落とし口座を変更しておく

個人再生についてご不安な点は弁護士にご相談ください

多額の借金を抱えて不安を感じている場合や、債権者からの督促に悩まれている場合、個人再生することで借金を大幅に減らして生活を立て直せる可能性があります。

ただし、個人再生の手続きは複雑で、手続き後の生活や財産への影響も配慮しなければ「個人再生しなければよかった」と後悔する原因になりかねません。

弁護士であれば状況に応じた借金の解決策を提案できて、生活の立て直しに向けたサポートをすることが可能です。

個人再生したらどうなるのか、不安を払拭するためにも、まずは弁護士法人ALGまでお気軽にご相談ください。

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