任意整理は家族に影響する?影響があるケースや対策などを解説

任意整理は家族に影響する?影響があるケースや対策などを解説

コラムイメージ
監修
監修弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長 弁護士

任意整理は裁判所を介さずに手続きが行えるので、多くの方に利用されています。
とはいえ、ご家族に対する影響が心配で、任意整理するべきか躊躇されている方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、任意整理が家族に与える影響について、どのようなときにご家族に影響が及ぶのか、ご家族に影響を与えないためにどう対策すればよいのかを解説していきます。

任意整理をしても家族に影響はほとんどない

任意整理をしても、ご家族に直接影響が及ぶことはそれほど多くありません。
家族というだけで借金を肩代わりさせられることはありませんし、ご家族の信用情報や就職・結婚に影響することもありません。

任意整理とは、裁判所を介さずに債権者と直接交渉をして、利息のカットや返済期間の延長によって毎月の返済額を減らす手続きです。

債務者を経済的に立ち直らせるための救済制度であって、債権者に制裁を与えるものではありません。
そのため、債務者本人が処罰を受けることは当然ながら、ご家族が直接的に不利益を受けることもほとんどありません。

以下、任意整理をしてもご家族に影響しない4つのケースをご紹介します。

家族でも借金を肩代わりさせられることはない

任意整理をしても、「家族だから」という理由だけでご家族が借金を肩代わりさせられることはありません。

借金の契約の効力が及ぶのは契約者本人のみで、そのご家族には及ばないのが基本です。
契約者本人が返済を怠ったり、任意整理によって契約者本人に請求できなくなったりしても、ご家族に借金の支払義務が及ぶことはありません。

ただし、ご家族が借金の保証人となっている場合は例外です。

借金の保証人は、契約者本人が支払義務を履行できない場合に、代わりに借金を支払う義務を負っているので、「家族だから」という理由ではなく、「借金の保証人になっているから」という理由で、ご家族が借金を肩代わりすることになるので注意が必要です。

家族の信用情報に影響はない

任意整理しても、ご家族の信用情報には影響しません。

信用情報は個人単位で管理されるので任意整理したことが事故情報として信用情報機関に登録される、いわゆる「ブラックリストに載る」のは、任意整理をした本人のみです。
同じ世帯であってもご家族の信用情報に影響することは基本的にありません。

ブラックリストに載ることでクレジットカードの利用や新たな借入れが制限されるのも、基本的には任意整理をした本人のみです。
ご家族名義のクレジットカードはこれまで通り利用できますし、ご家族が新たに借入れをすることも可能です。

子どもの進学・就職・結婚に影響はない

親が任意整理をしても、お子さんの進学や就職、結婚に影響することはありません。

お子さんの進学や就職は、あくまでお子さん本人の実力が確認されるものなので、親が任意整理していても影響はありません。

お子さんの結婚についても、結婚は本人たちの意思で決まるものですし、お子さんが保証人となっていない限り迷惑がかかることもないので、直接的な影響はないと考えられます。

とはいえ、「親が任意整理したことがバレると子供の心証が悪くなるのでは・・・」と心配になるのも無理はありません。

任意整理したことは戸籍や住民票に記録されませんし、個人が第三者の信用情報の開示を請求しても、そもそも信用情報機関に応じてもらえません。
お子さんが自ら言わないかぎり、学校や企業、結婚相手に知られる心配はないでしょう。

家族の財産に影響はない

任意整理しても、ご家族名義の財産に影響が及ぶことはありません。

また、債務者本人名義の住宅や車についても「任意整理することで手放さなければならないのでは・・・」と不安になるでしょう。
住宅や車を手放すことになると、ご家族の生活が変化することになるので、財産への影響も避けたいところです。

任意整理では、自己破産のように高額な財産を手放す必要はありません。
車や住宅のローンが残っていても、これらを任意整理の手続きの対象から外すことで、手元に残したまま、ほかの借金を整理することができます。

家族の収入などの開示の必要がない

任意整理をしても、家計の状況や財産の開示を求められることはほとんどないので、ご家族に迷惑がかかることもありません。

裁判所を介する個人再生自己破産では、債務者本人だけでなく、同居するご家族の収入証明や家計収支表などの資料の提出が求められます。
これらの資料は、ご家族の協力なくしては取得・作成が難しいため、ご家族の手を煩わせることになります。

その点、任意整理では、債権者から同居するご家族の収入証明や給与明細の提出を求められることはほとんどないので、ご家族に迷惑がかかる心配はありません。

任意整理によって家族に影響があるケース

任意整理をしてもご家族に直接的に影響が及ぶことは少ないですが、状況次第ではご家族に間接的な影響が及ぶことがあります。

ご家族に影響がある代表的なケースは、次の4つです。

  • 家族が借金の保証人になっている場合
  • 子どもの奨学金の保証人になる場合
  • 家族カードを利用している場合
  • 稀にカード作成やローン契約ができない場合がある

家族が借金の保証人になっている場合

ご家族が保証人になっている借金を任意整理すると、ご家族が「保証人になっているから」という理由で債権者から一括請求を受ける可能性があります。

任意整理をきっかけに、残っている借金について保証人に対して一括請求が行われることがあります。

保証人となっているご家族が一括請求された場合に支払えないと、ご家族もブラックリストに載ったり、ご家族名義の財産が差し押さえられたりして、多大な迷惑がかかることになります。

任意整理では、手続きの対象とする借金を選ぶことができるので、ご家族が保証人になっている借金を任意整理の対象から除外することで、ご家族への影響を回避することができます。

子どもの奨学金の保証人になる場合

親が任意整理をすると、お子さんの奨学金の保証人になれないことがあります。

任意整理をしてブラックリストに載っている間は、保証人になることができません。
これはお子さんの奨学金の保証人になる場合も同様で、任意整理してから5年ほどは保証人の審査に通らなくなるため注意しましょう。

ブラックリストに載っている期間にお子さんの奨学金の保証人が必要になる場合は、ブラックリストに載っていない方の親が保証人になるか、もしくは保証料を払って保証機関制度の利用を検討しましょう。

家族カードを利用している場合

任意整理の対象にしたクレジットカードは強制解約され、これに紐づく家族カードも利用できなくなります。

家族カードで生活費や光熱費などの支払いを設定している場合や、ポイント・マイルなどの付帯サービスを活用している場合は、家族カードが使えなくなることで迷惑がかかってしまいます。

任意整理して家族カードも使えなくなることを事前に伝えて、支払方法を変更するなどの対応を忘れないようにしましょう。

なお、任意整理の対象から除外したクレジットカードも、更新の際に審査が通らずに利用できなくなる可能性が高いので注意が必要です。

更新できなかった本カードに紐づく家族カードも利用できなくなってしまうため、任意整理後はクレジットカードの利用を極力控えるようにしましょう。

稀にカード作成やローン契約ができない場合がある

任意整理をしてもご家族の信用情報に影響することはほとんどありませんが、稀に同居しているご家族がクレジットカードを作成したり、ローンを組んだりすることが難しくなることがあります。

これは、審査の際に住所や電話番号から同居家族の事故情報が判明し、「生計を同一にしている家族であること」が考慮されて、審査が慎重に行われるためです。

とくに、任意整理からさほど時間が経っていないと、同居しているご家族の審査が通らない可能性が高くなるので注意が必要です。

お問合せ

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います。

0120-197-051
  • 24時間予約受付
  • 年中無休
  • 通話無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

任意整理をすると家族にバレることはある?

基本的に、任意整理をしたことがご家族にバレることはありません。
その理由として、「裁判所を介さずに手続を行えること」が挙げられます。

任意整理がご家族にバレにくい理由

  • 任意整理したことは官報に掲載されない
  • 家族の収入や世帯全体の収支状況を報告する必要がない
  • 家族にバレやすい借金を手続きの対象から外すことができる
    (車や住宅のローン、家族からの借金、家族が保証人になっている借金など)

任意整理は、個人再生や自己破産と比べて、手続きの過程でご家族にバレる可能性は低いものの、「債権者から自宅に郵便物が届いた」、「クレジットカードが利用できなくなったなどがきっかけでご家族にバレてしまう可能性はあるので注意しましょう。

債務整理がご家族にバレる原因や内緒にしたいときのポイントについて、以下ページで詳しく解説していますのでご参考ください。

さらに詳しく債務整理は家族にバレる?原因と内緒にしたいときのポイント

任意整理で家族に影響を与えないための対策

無理のない返済計画を立てる

ご家族に影響を与えないためには、ご自身の収支に見合った無理のない返済計画を立てて完済を目指しましょう。

「早く借金から解放されたい」、「債権者の合意を得たい」などの理由から無理な返済計画を立てても、再び支払いが行き詰ってしまう可能性があります。

支払いが滞ってしまうと、一括請求されたり、遅延損害金が発生したりするほか、個人再生や自己破産などのほかの債務整理の方法を選択せざるを得なくなる可能性もあります。

ほかの債務整理の方法に移行した場合、財産を手放すことになるなど、ご家族に多大な迷惑がかかることになるので、任意整理を行う際には、家計に支障をきたさず、現実的に完済が可能な返済計画を立てることが大切です。

整理対象の借金を選ぶ

ご家族に影響を与えないために、任意整理の対象とする借金をしっかり選ぶことも大切です。

任意整理は、手続きの対象とする借金を選ぶことができるのが特徴です。
たとえば、次に挙げるような「ご家族に影響が及ぶ借金」を手続きの対象から外すことで、ご家族の生活に必要な財産を残すことができますし、ご家族への一括請求を防ぐこともできます。

債務整理すると家族に影響が及ぶ借金

  • 家族と同居している自宅のローン
  • 家族と共有で使用している車のローン
  • 家族からの借金
  • 家族が保証人になっている借金

弁護士に相談する

弁護士に相談することで、ご家族への影響に配慮しながら任意整理が進められるようになります。

無理のない返済計画を立てたり、任意整理の対象とする借金を選んだり、ご家族に影響を与えないようにアドバイスが受けられます。

また、弁護士に任意整理を依頼することで、債権者とのやり取りは弁護士が窓口となって行われるため、債権者からの連絡や郵便物からご家族に任意整理がバレる心配もなくなります。

家族に影響なく任意整理をしたい方は弁護士にご相談ください

ご家族への影響を恐れて任意整理を躊躇っていると、かえって状況が悪化して、任意整理では問題が解決できなくなるおそれがあります。

個人再生や自己破産となった場合、財産を手放すことになったり、手続きにご家族の協力が必要になったりして、ご家族に迷惑がかかることも少なくありません。

任意整理を検討されている方は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
「家族に迷惑をかけたくない」という希望を弁護士に伝えておくことで、ご家族への影響を含め、ご自身の状況に合った、よりリスクの少ない借金問題の解決方法を提案・アドバイスしてもらえます。

まずは、不安や疑問に感じていることを解消するためにも、弁護士法人ALGまでお気軽にご相談ください。

お問合せ

まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います。

0120-197-051
  • 24時間予約受付
  • 年中無休
  • 通話無料

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

監修:弁護士 谷川 聖治 / 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長

監修

監修:弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 所長

保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

福岡県弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ 名を擁し()、東京、を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。

プロフィールを見る

日本弁護士連合会の通達により、依頼主と会わずに債務整理事件の依頼を受任することは原則できません

0120-197-051

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。