任意整理はいくらからできる?効果が期待できる金額の目安など

任意整理はいくらからできる?効果が期待できる金額の目安など

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監修
監修弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長 弁護士

借金がなかなか減らなくて任意整理を検討されている方のなかには、借金はそこまで大きくないけどいくらから任意整理ができるのか、そもそも任意整理で効果はあるのか、不安に感じて躊躇している方もいらっしゃるかと思います。

この記事では、任意整理はいくらからできるのかを、任意整理の効果が期待できる金額の目安任意整理以外の債務整理を検討すべきケースに触れながら、詳しく解説していきたいと思います。

任意整理はいくらから手続きできる?

任意整理は借金の金額にかかわらず手続きが行えます。「最低いくらから」といった金額の条件はありません。

そもそも任意整理は、借金の返済が困難になった人を救済するための手続きです。

借金の金額の多い・少ないに関係なく、返済できない状況かどうかが、任意整理をするべきかの判断基準のひとつとなります。

たとえば、借金が200万円あったとします。毎月の返済が苦しくて滞納するおそれがあったり、借金を返済するために借り入れを繰り返したりしている場合は任意整理を検討した方がよいでしょう。

一方で、問題なく返済の見通しが立てられれば任意整理をする必要はありません。

以下ページでは、どのような人に任意整理がおすすめなのかを解説しています。ご参考ください。 さらに詳しく任意整理とは?メリット・デメリットや手続きの流れ、費用相場など

任意整理の効果が期待できる借金額はいくらから?

任意整理では、借金の金額が30万円以上だと効果を得やすくなります

一般的に、任意整理を弁護士に依頼すると債権者1社あたり5万~15万円程度の弁護士費用がかかります。

任意整理の主な交渉内容は、利息や遅延損害金のカット返済期間の延長ですが、減額できた金額よりも弁護士費用が上回ってしまう費用倒れとなり、かえって損をすることがあります

以下、借金の金額ごとに返済をシミュレーションしてみました。

借金残高 10万円 20万円 30万円
金利(実質年率) 18% 18% 18%
月々の返済額 4000円 8000円 1万1000円
返済回数 32回 32回 36回
利息金額 約2万6000円 約4万5000円 約8万8000円
返済総額 約12万6000円 約24万5000円 約38万8000円

具体的な金利・返済回数や弁護士費用の金額にもよりますが、任意整理によって利息を全額カットできた場合に費用倒れの心配がなく、金銭的なメリットが得られる可能性が高いのは30万円以上が目安になると考えられます。

少額の借金だと効果が期待できない場合もある

借金の総額があまりにも少額のケースでは、任意整理の効果が期待できない場合もあります

たとえば、借金の総額が100万円に満たなかったり、年収の1/3以下だったりするケースはとくに注意が必要です。

債務者の職業や収入・資産の状況によっては、返済ができない状況ではないとみなされて、債権者が任意整理に応じてくれない可能性があります。

また、借金が少額で低金利であるケースでは、任意整理によってカットされる利息よりも弁護士費用の方が高額になって費用倒れとなるリスクもあります。

このように、借金の総額が少額のケースではかえって損をすることもあるので、任意整理したことを後悔する前に、まずは債務整理に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

任意整理はいくらから手続きを検討すべき?

借金総額が年収の1/3以上

借金総額が年収の1/3を超えてしまうと自力での返済が難しくなる可能性が高いので、任意整理を検討すべきタイミングといえます。

貸金業者は「総量規制」と呼ばれるルールによって、年収の1/3を超える個人への貸し付けは禁止となっています。

ただし、銀行や貸金業者以外からの借り入れは総量規制の対象外となるため、複数の債権者から借り入れをしていると年収の1/3を超えてしまうことがあります。

総量規制は、過度な借り入れによって返済できなくなる状況を防ぐことを目的としています。そのため、借金総額が年収の1/3以上かどうかが、返済できない状況かどうかを判断するひとつの基準になるのです。

返済のために別の金融機関から借り入れをしている

借金返済のために別の金融機関から借り入れをしている、いわゆる「自転車操業」の状態にある場合は、早めに任意整理を検討すべきです。

自転車操業を続けていると、借金は膨らむ一方で、借金が一向に減らないばかりか、返済が滞ってブラックリストに載ったり、債権者によって財産を差し押さえられたりするリスクが高まります

自転車操業から抜け出すためには自己破産が有効な手段ですが、借金総額がそこまで高額でなければ任意整理によって生活を立て直せる可能性もあるので、なるべく早めに任意整理を検討しましょう。

債権者から一括請求を受けている

債権者から一括請求を受けている場合、状況が悪化する前に早めに任意整理を検討しましょう。

借金の返済を数ヶ月滞納してしまうと、債権者から一括請求を受けることがあります。

一括請求された金額を払えずに放置してしまうと、最悪の場合、債権者によって財産が差し押さえられてしまいます

こうしたリスクを回避するためには、任意整理が有効です。

任意整理することで分割払いに戻せる可能性がありますし、返済を滞納したことによって発生した遅延損害金を減額もしくはカットできる可能性もあります。

返済のほとんどが利息の支払いにあてられている

毎月返済していても、そのほとんどが利息の支払いにあてられていて元金がなかなか減らないと感じている場合、任意整理を検討すべきタイミングといえます。

返済を続けていても元金が減らない場合、月々の返済額を増額しないかぎり完済は見込めません。

返済額を増額できるほど経済的余裕はなくても、利息さえなくなれば元金を返済できる見込みがあれば、任意整理によって月々の返済の負担を減らし、完済の目途が立てられるようになります。

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借金がいくらになると任意整理以外の債務整理を検討すべきか?

個人再生は借金100万円以上で効果が期待できる

個人再生では、借金が100万円以上だと効果を得やすくなります。

個人再生は、裁判所を介して借金を元金ごと1/5~1/10程度減額してもらい、残りを3~5年で分割返済する手続きです。

ただし、個人再生では最低弁済額が次のように定められていて、借金総額が100万円に満たない場合は全額を返済する必要があるため、個人再生をするメリットがありません

借金の総額(住宅ローンを除く) 最低返済額
100万円未満 借金全額
100万円以上500万円以下 100万円
500万円以上1500万円以下 借金額の1/5
1500万円以上3000万円以下 300万円
3000万円以上5000万円以下 借金額の1/10

このように、借金が500万円、1500万円、3000万円と高額なほど、個人再生の効果が期待できます。

ただし、住宅ローンを除いた借金総額が5000万円を超えてしまうと個人再生は利用できないので注意しましょう。

借金が100万円以上、5000万円以下で、持ち家などの財産を残したまま債務整理をしたい方は個人再生を検討しましょう。

詳しくは以下ページもご参考ください。 さらに詳しく個人再生とは?メリット・デメリットや手続きの流れ、費用など

自己破産は借金50万円以上で効果が期待できる

自己破産では、借金が50万円以上だと効果を得やすくなります。

自己破産は、裁判所を介してほぼすべての借金を免除してもらう手続きです。

任意整理と同様に、借金の金額を問わず返済できない状況にあって、免責不許可事由に該当しなければ手続きが行えます

ただし、自己破産の費用として、裁判所費用・弁護士費用をあわせて最低でも50万円程度が必要になります。

借金総額が自己破産の費用を下回ると費用倒れのリスクが高くなることから、50万円以上が自己破産するべきかの判断基準のひとつとなります。

自己破産を検討するにあたっては、借金の金額のほかに、高額な財産は手放すことになるなどのデメリットについても理解しておく必要があります。

詳しくは以下ページもご参考ください。 さらに詳しく自己破産とは|流れや費用、生活への影響などをわかりやすく解説

任意整理をするか悩んだら弁護士にご相談ください

任意整理の効果が期待できるのは30万円以上がひとつの基準になりますが、誰もが該当するわけではありません。

借金の返済状況や、ご自身の収入・資産の状況などを踏まえて、「任意整理の効果が得られるかどうか」で判断するとよいでしょう

任意整理をするかどうか悩まれている方は、一度弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人ALGでは、借金がいくらかに関係なく、債務整理に関する相談を受け付けています。

ご自身の状況で任意整理の効果が見込めるか、費用倒れの心配なく借金問題を解決できそうか、弁護士からアドバイスが受けられますので、まずはお気軽にご相談ください。

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