セクハラ被害の慰謝料の請求は弁護士法人ALGへ
セクハラの証拠がない場合はどうすればいい?対処法について【弁護士監修】
職場や学校などでセクハラを受けていて、セクハラ被害を“相談したい”、“訴えたい”と思ったら、まず必要なのがセクハラの証拠です。
しかしながら、セクハラは一般的に証拠が残りにくく、物証がない場合が多いのが実情です。
そこで、本記事では、“セクハラの証拠がないとどうなるのか?”や“セクハラで証拠がないときの対処法”などについて、わかりやすく解説します。
目次
セクハラの証拠がないとどうなる?
セクハラ被害を訴える際は、セクハラ被害に遭った事実がわかる客観的な証拠が必要不可欠です。
証拠がなければ、セクハラ加害者がセクハラを認めない、裁判所もセクハラを認定しないということになり得ます。
しかし、セクハラは密室で誰にも見られない状況で行われることが多く、証拠がないというケースが多いのが実情です。
セクハラの証拠がない場合は、自分自身である程度時間をかけて継続的に証拠を作っていけば、セクハラ被害に遭った事実が認められる可能はあります。
セクハラの証拠について、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
被害者の証言の信用性が認められてセクハラの事実が認定された裁判例
名古屋地方裁判所岡崎支部 令和5年1月16日判決
【事案の概要】
医療事務として勤務していた被害者女性は、勤務先である医療法人の病院の理事長から二の腕を触られる、胸ポケットのペンを直接取られる、足で足を触られる、顔に顔を近づけられる、すれ違いざまに抱きつかれるなどのセクハラ行為を受けました。
被害者女性は、上司に複数回相談しましたが改善されず、心療内科で急性ストレス反応があると診断され、最終的に退職に至りました。
被害者女性は、医療法人に対して安全配置義務違反に基づいて、加害者理事長に対して不法行為に基づいてそれぞれ慰謝料を請求しました。
【裁判所の判断】
加害者理事長は各セクハラ行為の存在を否認し、かつセクハラ行為を裏付ける客観的な証拠が必ずしも多くない案件でした。
しかし、セクハラを受けた直後に上司に被害を申告する内容のメッセージを送信したり、勤務先病院に対して被害の遭った日あるいはそれに近い時期に被害申告したり、警察署への被害相談をしたりしていることから、裁判所は被害者女性の被害に関する供述は一貫しており信用できると判断し、複数のセクハラ行為があったと認めました。
そして、被害者女性の精神的苦痛に対する慰謝料として、医療法人には70万円、加害者理事長に30万円を認め、弁護士費用と併せて合計110万円の支払いを命じました。
セクハラで証拠がないときの対処法
セクハラ被害に遭っているけれども証拠がないときはどうしたらいいのでしょうか?
まずは、自分自身で証拠を集めてから、セクハラ相談を対応してくれるしかるべき相談先に相談するのがいいでしょう。
証拠を集めていないと、本当にセクハラ被害に遭ったのか事実確認ができず、相談しようにも証拠がないと取り合ってくれないおそれがあります。
ひとつひとつは証拠として小さくても、証拠を積み重ねていけば、大きな証拠になり得ます。
些細のものでもいいので、可能な限り多くの証拠を揃えて、相談するようにして下さい。
次項では、どのようなものが証拠になるのか、どこに相談したらいいのかを詳しく解説します。
証拠を集める
事実を認める内容の証言をとる
セクハラ加害者本人に直接、あるいは電話やメールなどで「なぜあんなことをしたのか」とセクハラ被害のことを問いただし、その会話を録音したり、メールのやり取りを残したりしておくと証拠になり得ます。
相手の承諾のない録音は、SNSツールを利用して公開したりしなければ、録音している人物が会話の一方当事者なので録音自体は違法にはなりません。
実際に過去の裁判例で証拠能力が認められています。
ただし、会話を録音する際は、できれば最初から最後まで録音するようにしてください。
自分に都合の良い部分だけを切り取って証拠として提出しても裁判所は信用しないおそれがあるからです。
通院している場合は診断書をもらう
セクハラ被害に遭って、外傷を負って整形外科に通っていたり、うつ病やPTSDなど精神疾患を患って心療内科に通っていたりする場合には、医師が作成した診断書が有効な証拠になります。
担当医師には、セクハラの被害状況を詳しく説明しておき、カルテにセクハラ行為の内容を詳しく記載してもらうようにしてください。
そして診断書を作成してもらう際は、病院に通院している原因がセクハラ被害にあることをきちんと記載してもらうようにしましょう。
証言してくれる人を探す
セクハラ被害を受けている現場を目撃した人がいれば、第三者の証言が有効な証拠になり得ます。
また、セクハラ加害者は類似行為を繰り返している可能性が高い傾向にあります。
よって、ご自身と同じようにセクハラ被害を受けている方がほかにいれば、その証言を得られると説得力が増します。特にすでに退職した従業員の方は、裁判になっても証言してくれる可能性は高いでしょう。
なお、第三者の証言は、被害者や加害者との関係性が遠いほど、証拠価値が高いと評価される傾向にあります。なぜなら、親しい関係であれば、口裏合わせや証拠の隠滅を図られる可能性があるからです。
相談するメール等を送る
信頼のおける先輩や同僚などにセクハラ被害にあったことを相談するメールやLINEなどを送信したものも証拠になり得ます。
ポイントとしては、誰にいつ、どのようなセクハラに遭ったかを具体的に相談しておくようにしましょう。
過去に先輩や同僚に相談していないかメールやLINEなどを掘り下げて確認してみてください。
日記やメモを書く
セクハラ行為があったときの出来事を自ら日記やメモにしておき、信憑性が認められれば有力な証拠になり得ます。
信憑性を高めるためには、「いつ、どこで、誰が、何を、どのように」セクハラをされたかを詳細に書いておき、ある程度期間をかけて継続的に残しておくことが大切です。
また、日記やメモをまとめて一気に書いてしまうと同じような内容になったり、抽象的になったりして信頼性が低くなるおそれがあるので、セクハラを受けたその日のうちにできるだけ詳細に書いておくようにしてください。
相談する
会社や外部機関の相談窓口
会社は、労働者を安全に働かせる義務(安全配慮義務)を負っています。
安全配慮義務の一環として、ハラスメント相談窓口の設置義務があります。
会社によりますが人事部やコンプライアンス窓口に相談すれば、会社として問題解決に向けて動いてくれる可能性があります。
その際、証拠がなくても、話を聞いて事実確認の調査を行ってくれる場合もありますが、セクハラ加害者がセクハラ行為を否定した場合には、証拠がなければ何ら解決しない可能性が高いです。
会社の相談窓口に相談しても何ら解決しなかった、もしくは会社には相談しづらいという方は、労働基準監督署や労働局などといった外部の相談機関に相談することもできます。
相談すると、必要に応じて会社に対して助言や指導、あっせんなどを行ってくれます。
ただし、セクハラの事実がわかる客観的な証拠がなければ、窓口で相談は聞いてくれても、会社に働きかけてくれず解決に至らないケースもあります。
警察
違法性の強いセクハラ行為を受けた場合は、警察に被害届を提出すると警察が動いてくれる可能性があります。
警察が動いてくれれば、金銭で被害を回復するだけでなく、犯罪として刑事責任を問える可能性があります。
具体的には、強制わいせつ罪、強制性交等罪、強要罪、名誉棄損罪、傷害罪などが挙げられます。
ただし、警察はそもそも民事不介入の姿勢を取っているため、証拠がない状態だと動いてくれない可能性が高いです。
弁護士
相談窓口のなかでも最も解決力が高いのが弁護士への相談です。
弁護士が被害状況を確認して、自分自身では証拠にならないと思っていたものでも、弁護士の観点からだと証拠になり得るものがある可能性があります。
また今からどのような行動をすれば有力な証拠を獲得できるかなど有益なアドバイスをもらうことができます。
証拠を確保できれば、弁護士が代理人となって加害者本人や会社に対して直接話し合うことが可能です。
また、労働審判や裁判など法的な手続きによる解決を行うことも可能です。
弁護士を探す方法として、知人の紹介、弁護士会、法テラス、インターネット検索などがあります。
弁護士を選ぶ際は、セクハラ問題を取り扱った実績や経験が多い弁護士に依頼すると有用です。
また無料相談に応じている弁護士や法律事務所もありますので、上手に活用すれば信頼できる弁護士に巡り合えるでしょう。
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セクハラを受けて証拠がない場合はALGの女性弁護士にご相談ください
セクハラ被害を受けて、相談窓口に相談したい、加害者本人や会社を訴えたいと考えているのに証拠がない場合は、できるだけ早くに弁護士法人ALGにご相談ください。
セクハラ行為を明らかにするには証拠は必要ですが、過去の裁判例では、証拠が少なくてもセクハラが認められた事例もあります。
個別の被害状況を確認したうえで、法的観点から証拠の集め方や今後どのように解決していくかなど具体的にアドバイスいたします。
また弁護士の介入により真剣な請求であることが伝わり、加害者本人や会社側の態度を軟化させて解決が実現できる場合もあります。
一人で抱え込まず、まずは弁護士法人ALGにお問合せください。
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