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2024年2月22日~3月末までの法令などのアップデート
『民商法典改正法に基づき発布される省令案2件、仏歴…年免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令案(第…号)、投資目的のデジタルトークン(Investment Token)による資金調達促進のための税務措置、仏歴…年付加価値税の免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令案(第…号)デジタル資産取引を対象とする税負担軽減措置の適用期間延長』

最新法律アップデート

Topic 1. 最新法律アップデート。

官報に掲載された最新のビジネス関連法律は、以下の通りです。

所轄官庁 題名 通達日 適用日
1 財務省 所得税及び付加価値税に関する歳入局長通達(第444号)
主題:歳入法典第65の3(3)に定める公共福祉、教育及びスポーツに係る損金について。
2024年2月22日 2024年2月22日
2 財務相 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第811号)
主題:公共慈善団体又は機関、診療所及び教育機関について
内容:ポンサックウィタヤコーン財団を第903号として追加。
2024年3月23日 2015年11月13日
3 財務省 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第812号)
主題:公共慈善団体又は機関、診療所及び教育機関について
内容:シーナカリン王妃のご支援によるサトリ―ウィタヤ財団を第1025号として追加
2024年3月23日 2024年3月23日
4 財務省 財務省通達
主題:インターネットによる申告書の提出及び納税期限の延長措置(第8号)
2024年3月18日 2024年3月19日
5 財務省 財務省通達
主題:会社又は法人格を有する組合で雇用されている従業員の研修及び訓練を受け入れる教育機関又は職能訓練機関について
2024年3月12日 2024年3月12日
6 財務省 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第813号)
主題:所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第2号)により改正された公共慈善団体、診療所又は教育機関について。
2024年3月18日 2024年3月18日
7 財務省 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第814号)
主題:公共慈善団体又は機関、診療所及び教育機関について
内容:財団第30号の名称を、「チェンマイ県児童及び家庭裁判所財団」に変更。
2024年3月18日 1992年10月12日
8 財務省 仏歴2567(2024)年免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令(第781号)
主題:チュラポーン財団に対する不動産譲渡に起因する所得及び文書の作成に係る租税の免除
2024年3月21日 2024年3月22日
9 財務省 仏歴2567(2024)年免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令(第781号)
主題:公平教育基金に対する金銭又は資産の寄付を対象とする租税の免除について。
2024年3月21日 2024年3月22日
10 財務省 所得税及び付加価値税に関する財務省通達(第815号)
主題:公共慈善団体又は機関、診療所及び教育機関について
内容:「チェンマイ大学技術学部卒業生財団」を第1026号として追加
2024年3月27日 1.2024年度の課税所得を対象として適用
2.2024年3月以降における事業者の課税標準の価額(Value of Tax base)に対して適用。
11 財務省 歳入局長通達
主題:技術及び革新の研究開発者名簿(第294号)
2024年3月27日 2024年3月27日
12 財務省 財務省通達
主題:租税に関する国際協定に遵守するための情報交換に関する緊急勅令に基づき報告せれるべき財務情報の報告義務者について
2024年3月29日 官報掲載日の翌日より適用
13 財務省 財務省通達
主題:租税に関する国際協定に遵守するための情報交換に関する緊急勅令に基づき報告せれるべき財務情報の報告義務を有しない者について
2024年3月29日 2023年8月16日
14 財務省 職員の任命に関する財務省通達(第77号)
主題:歳入法典に基づく査定官吏の任命
2024年4月2日 2024年4月16日
15 投資委員会
(BOI)
投資委員会命令第1/2567号
主題:事業審査小委員会の構成員の改正について
2024年1月29日 2024年1月29日
16 投資委員会
(BOI)
投資委員会通達第1/2567号
主題:コミュニティ及び社会開発のための投資奨励措置
2024年2月7日 2023年12月26日
17 投資委員会
(BOI)
投資委員会通達第2/2567号
主題:従来の生産拠点維持及び拡張措置
2024年2月7日 2024年2月7日
18 投資委員会
(BOI)
投資委員会通達第3/2567号
主題:包括的事業拠点移転奨励措置
2024年2月7日 2024年2月7日
19 投資委員会
(BOI)
投資委員会通達第4/2567号
主題:経済回復のための投資刺激措置
2024年2月7日 2024年2月7日
20 投資委員会
(BOI)
投資委員会通達第5/2567号
主題:東部経済開発区域(EEC)における投資奨励措置の改正
2024年2月7日 2024年1月2日
21 投資委員会
(BOI)
投資委員会通達
主題:低所得者住宅事業に対する投資奨励措置
2024年3月15日 2024年3月15日
22 投資委員会
(BOI)
投資委員会通達
主題:デジタル産業への投資奨励措置の更新
2024年3月15日 2024年3月15日

※調査対象は、歳入局、投資委員会(BOI)、関税局、財務省、タイ工業団地公団(IEAT)、入国管理局、労働省、労働福祉保護委員会、商務省、国防省、農業・協同組合省、運輸省、天然資源・環境省、エネルギー省、工業省、内務省(ビジネス関連のみ)、タイ中銀、デジタル経済社会省を範囲としております。

トピックス・ニュース

1.民商法典改正法に基づき発布される省令案2件。

内閣は、商務省の提案に基づき法制委員会で検討した仏歴2565(2022)年民商法典改正法(第23号)に基づく2件の省令案を承認するための閣議決定をしました。同省令は、以下の通りです。

  1. 仏歴…年株券付き株式を有する株式会社における、電子媒体による株主総会招集通知の広告掲載に関する省令案。
  2. 仏歴…年会社の合併に反対する株主が存在し、株式買取価格について合意できない場合の鑑定人選任に関する省令案

同省令案の要点

1.仏歴…年株券付き株式を有する株式会社における、電子媒体による株主総会招集通知の広告掲載に関する省令案。

(1)株主に対して株券(無記名式)を発行している会社の場合、会社は地方紙への掲載に代替して電子媒体に広告掲載することができる。
(2)電子媒体に掲載する招集通知は、一般にアクセスされるウエブサイトに掲載する。
(3)広告する文章又は文書には、開催日時及び議題を記載する。
(4)招集通知の電子媒体への掲載は、掲載日から総会の開催日までに、当該広告した文章又は文書が表示されてなければならない。

2. 仏歴…年会社の合併に反対する株主が存在し、株式買取価格について合意できない場合の鑑定人選任に関する省令案

(1)定義
「株主」とは、合併の特別決議を行った際に反対した株主の株式の買取のために会社が手配した買取人を意味する。
「反対した株主」とは、会社合併の決議のための株主総会に出席し、合併のための特別決議の反対投票をした株主を意味する。
「鑑定人」とは、反対した株主が保有する株式の買取価格の鑑定及び決定に従事する者を意味する。
(2) 反対した株主の保有する株式の買取価格の鑑定人は、会社が選任する。
(3) 鑑定人の資格は、以下の通りである。

  1. 公認会計士であること。
  2. 裁判所の資産鑑定分野において登録された仲裁人であること。
  3. 裁判所に登録した資産鑑定分野における裁判所所属の専門家であること。
  4. 証券取引所により認可された資産鑑定会社又は鑑定人であること。
  5. 証券取引所により認可された財務アドバイザー又は業務監督者であること。
  6. タイ独立鑑定人協会及びタイ国家鑑定評価協会に登録した鑑定人であること。

2.仏歴…年免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令案(第…号)「投資目的のデジタルトークン(Investment Token)による資金調達促進のための税務措置」

2024年3月12日において、内閣は財務省の提案の通り、仏歴…年免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令案(第…号)「投資目的のデジタルトークン(Investment Token)による資金調達促進のための税務措置」を承認する旨の閣議決定がされました。

当該勅令案の要点は、投資目的のデジタルトークンの保有によって利益分配金(配当金)又はその他の便益として取得し、15%の税率により源泉徴収された所得について、個人所得税の申告の際の算入が免除される点です。(通常では、納税者は年末における個人所得税の申告(PND.91)の申告の際に当該所得を個人所得税の申告における課税所得に算入しなければなりません。)尚、本勅令案は、2024年1月1日以降に取得した利益分配金及びその他の便益を対象としております。本勅令案は、投資目的のデジタルトークンの監督水準を証券の基準に格上げ(証券への投資:利益分配機(配当金)又は利息による報酬を取得し、10%の源泉徴収をされた場合には、投資者は当該所得を個人所得税計算上に算入するか否かを選択する権利を有しております。)するほか、テクノロジーを使用した資金調達による国家におけるデジタル経済促進及び開発、さらに政府のデジタル経済促進及び開発方針に対応することを目的としております。

本勅令の内容の要旨は、以下の通りです。

ポイント 詳細

1.恩恵を受ける者

-個人

2.税務上の恩恵

-投資目的によるデジタルトークンの保有による利益分配金(配当金)又は同一の性格を有するその他の便益を取得し、15%による源泉徴収をされた所得を対象とした所得税の免税。但し、当該所得者が源泉徴収された分について全体又は一部にかかわらず還付の請求又は税額控除を希望しない場合に限る。

3.適用日

-2024年1月以降

3.仏歴…年付加価値税の免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令案(第…号)「デジタル資産取引を対象とする税負担軽減措置の適用期間延長」

内閣は、財務省の提案の通り、仏歴…年付加価値税の免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令案(第…号)「デジタル資産取引を対象とする税負担軽減措置の適用期間延長」を承認する旨のの閣議決定をしました。同勅令案の内容は、以下の通りです。

以前 勅令案

付加価値税の免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令(第744号)

仏歴…年付加価値税の免税に関して規定する歳入法典に基づく勅令(第…号)

-デジタル資産取引センター(Exchange)におけるクリプトカレンシー又はデジタルトークンの売却により発生する付加価値税(VAT)を免除。
-2023年4月1日~同年12月31日まで適用

-以下を経由してクリプトカレンシー又はユーティリティデジタルトークンを売却したことにより発生する付加価値税(VAT)を免除。
-2024年1月より適用。

本省令案のポイントは、以下の通りです。

ポイント 詳細

1.恩典を受ける者

-個人及び法人

2.税務上の恩恵

-以下の場合を対象とする付加価値税の免除
1)デジタル資産事業に関する法律に基づくデジタル資産取引センターで行われたクリプトカレンシー又はユーティリティデジタルトークンの売却
2)デジタル資産事業に関する法律に基づくデジタル資産取引仲介人を通じて行われたクリプトカレンシー又はユーティリティデジタルトークンの売却
3)デジタル資産事業に関する法律に基づくデジタル資産取引者(買手)を通じて行われたクリプトカレンシー又はユーティリティデジタルトークンの売却

執筆弁護士

弁護士法人ALG&Associates
バンコクオフィス 所長 弁護士
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