債務整理をしたら保証人はどうなる?影響を抑える方法や対処法など
債務整理をすると保証人に迷惑がかかるのでは?と不安に感じている方も多いでしょう。
実際に債務整理をすると保証人や連帯保証人に大きな影響が及ぶ可能性があり、思わぬ迷惑をかけてしまうことがあります。
この記事では、債務整理をしたら保証人はどうなるのか、保証人への影響を最小限に抑える方法や対処法についてわかりやすく解説していきます。
目次
債務整理をしたら保証人はどうなる?
債務整理をすると、保証人や連帯保証人が主債務者(借金をした本人)に代わって借金の返済を求められる可能性があります。
債務整理の効力が及ぶのは、あくまで主債務者本人のみです。
保証人や連帯保証人に借金の返済義務が移り、債権者から一括請求を受けるケースも少なくありません。
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」といった複数の方法があり、選択する手続きによって保証人・連帯保証人への影響は大きく異なります。
以下で債務整理の方法ごとに、保証人にどのような影響が及ぶのかを詳しくみていきましょう。
任意整理の場合
任意整理とは、債権者と直接交渉して借金返済の負担軽減を図る手続きです。
利息免除や返済期間延長について債権者と合意できれば、返済総額や月々の返済額が減らせます。
任意整理は、整理する債務を選べる柔軟性や、官報に掲載されないため周囲に知られにくいのが特徴で、保証人がついている債務を整理対象に含めるかどうかで、保証人への影響が異なります。
保証人がついている債務を整理対象に含める場合
保証人がついている債務を整理対象にすると、主債務者からの返済が一時停止し、債権者が保証人に対して「代わりに支払ってください」と請求できるため、保証人に返済義務が移る可能性があります。
保証人がついている債務を整理対象から外す場合
保証人がついている債務を整理対象から外す場合は、返済義務が保証人に移ることはありません。
個人再生の場合
個人再生とは、裁判所を介して借金を大幅に減額してもらう手続きです。
裁判所に認められると、借金を元金ごと1/5~1/10程度まで減らせて、残りを3年(最大5年)で分割返済すればよくなります。
個人再生は、すべての債務が整理対象になりますが、条件を満たせば住宅ローンを返済しながら借金を減らせるのが特徴です。
個人再生によって主債務者に請求できなくなった部分の借金は、保証人に返済義務が移ります。
保証人には個人再生による減額効果は及ばないため、債権者から一括請求を受けた保証人の返済負担が大きくなってしまいます。
自己破産の場合
自己破産とは、裁判所を介して借金の返済義務を免除(免責)してもらう手続きです。
裁判所から免責の許可が下りれば、税金などの非免責債権を除いたすべての借金がゼロになって、返済しなくて済むようになります。
自己破産は、すべての債務が整理対象になり、高額な財産は処分される、手続き中は一部の職業・資格が制限されるなど、デメリットが大きいのが特徴です。
自己破産で主債務者の返済義務が免除されると、残りの借金の返済義務はすべて保証人へ移ります。
主債務者が自己破産しただけでは、保証人の返済義務は免除されません。
一括請求を受けた保証人が返済できない場合には、保証人自身も債務整理を検討する必要があります。
そもそも保証人と連帯保証人の違いとは?
保証人と連帯保証人は、いずれも返済困難となった主債務者に代わって返済する義務を負いますが、負う責任の重さが異なります。
主債務者が債務整理を行い、債権者から一括請求された保証人は、「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」「求償権」という4つの権利を行使できます。
| 催告の抗弁権 | 債権者から請求されたとき、まずは主債務者に請求するよう主張できる権利 |
|---|---|
| 検索の抗弁権 | 債権者から請求されたとき、まずは主債務者の財産を差し押さえるよう要求できる権利 |
| 分別の利益 | 複数の保証人がいる場合、保証人の人数で按分した金額を支払えばよいとする権利 |
| 求償権 | 保証人が代わりに借金を返済した場合、本来の債務者にその金額を請求できる権利 |
抗弁権が認められる保証人は、債権者からの返済請求に対抗することが可能です。
一方、連帯保証人が行使できるのは求償権のみで、抗弁権は認められていないうえに、主債務者と同等の返済義務を負います。
連帯保証人が債権者から返済請求を受けた場合、無条件で応じなければなりません。
債務整理で保証人への影響を抑える方法
任意整理で保証人がついている債務を整理対象から外す
保証人がついている債務を任意整理の対象から外すことで、保証人への影響を最小限に抑えられます。
個人再生や自己破産と異なり、裁判所を介さない任意整理では、整理対象とする債務が選べます。
任意整理の対象から外した借金は、引き続き主債務者が返済義務を負うので、返済が滞らない限りは保証人が返済請求されることはありません。
「保証人に迷惑をかけずに借金をなんとかしたい」とお考えの方は、まずは整理対象を選べる任意整理を検討しましょう。
保証人と連名で任意整理を行う
保証人と一緒に任意整理を行えば、債権者から保証人に一括請求されるリスクを減らせます。
通常、主債務者が任意整理を始めると、契約上の「期限の利益」が失われ、保証人は残った借金の全額を一括で返済するように債権者から求められることがあります。
保証人と連名で任意整理を行い、債権者との交渉で分割返済が認められれば、一括請求を回避できる可能性が高いです。
ただし、保証人も任意整理を行うことで、保証人自身も信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリストに載る)点には注意が必要です。
デメリットも踏まえ、事前に保証人と相談し、理解を得たうえで任意整理を行うことが重要です。
弁護士に交渉を依頼する
保証人に迷惑をかけずに債務整理したいことを、弁護士に相談・依頼するのもひとつの手段です。
債務整理に詳しい弁護士であれば、保証人への影響を最小限に抑えつつ、借金問題を解決する方法を提案・アドバイスできます。
<弁護士ができること>
- 借金や収入・資産の状況などから、最適な債務整理の方法をアドバイスできる
- 保証人への影響を予測し、どうすれば最小限に抑えられるかアドバイスできる
- 保証人に迷惑がかからないような条件で債権者と交渉する
- 保証人も債務整理が必要かどうか判断できる など
保証人に影響が出ないように債務整理を行うなら、任意整理が有効な選択肢です。
ただし、借金や収入などの状況によっては、保証人がついた借金も任意整理の対象に含める必要があったり、個人再生や自己破産が選択肢となったりして、保証人への影響を回避できないケースもあるでしょう。
そんなときは、おひとりで悩まず、まずは弁護士に相談してみましょう。
自己破産後に得た収入を保証人に返済する
自己破産の破産手続開始決定後に得た収入は、保証人への返済に充てることができます。
破産手続開始決定後に得た収入は「新得財産」として、自己破産後も手元に残り、自由に使うことができるためです。
ただし、自己破産の手続きが終わる前に返済してしまうと、免責不許可事由に該当して、裁判所から免責が認められなくなる可能性があります。保証人に対しては、自己破産の手続きが終わった後で収入から任意返済するようにしましょう。
借金が高額だったり、安定した収入が見込めなかったりすると、自己破産が有効な選択肢になりますが、主債務者が自己破産すると、保証人への一括請求は避けられません。
自己破産の手続きが終わった後で任意返済することを保証人へ説明し、理解を得たうえで手続きを行うとよいでしょう。
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※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
債務整理で保証人が一括請求に応じられない場合はどうする?
債務整理によって保証人が一括請求を受けたものの、一度に返済できない場合もあるでしょう。
だからといって一括請求を放置してしまうと、遅延損害金が発生して返済額が増えたり、信用情報機関に事故情報が登録されたり、最悪の場合は訴訟を起こされて財産を差し押さえられてしまうリスクがあります。
このような事態を回避するためには、保証人自身も次のような対処法を検討しなければなりません。
- 分割払いの交渉をする
- 保証人も債務整理をする
①分割払いの交渉をする
保証人が一括請求に応じられない場合、まずは債権者と分割払いの交渉を行いましょう。
通常は一括請求を受けたら、請求された金額全額を一度で支払う必要がありますが、債権者によっては、交渉次第で分割払いに応じてもらえるケースもあります。
一括での支払いが困難な場合は、放置せず、早めに債権者に連絡しましょう。
丁寧に事情を説明して、分割払いの相談をすることで、柔軟な対応をしてもらえる可能性があります。
②保証人も債務整理をする
分割払いに応じてもらえない場合や、分割払いでも支払いが難しい場合には、保証人自身も債務整理を検討する必要があります。
おひとりで悩んでいると状況が悪化するおそれがあるので、早期の対応が重要です。
請求された金額や、保証人の方の収入・資産状況などから、任意整理・個人再生・自己破産といった方法のなかから、ご自身に合った方法を選ぶことになります。
債務整理後に子供や配偶者の保証人になれるのか?
債務整理後、事故情報(ブラックリスト)に登録されている期間は信用情報の審査に通りにくくなるので、基本的に子供や配偶者の保証人・連帯保証人になることができません。
新たに借り入れをするときや、保証人になるときにも審査があるためです。
子供が奨学金を借りる際、親が連帯保証人になるケースは多いでしょう。
信用情報が回復していないと、債務整理をした親は連帯保証人にはなれないので、もう一方の親が連帯保証人になるか、機関保証を利用するか、検討が必要です。
同様に、住宅ローンを組む際も配偶者の保証人になるのが難しくなりますが、賃貸契約の保証人などは例外もあります。
住宅の賃貸契約の場合、信用情報を重視しない保証会社は審査が通りやすいので、債務整理をした直後でも保証人になれる可能性はあります。
債務整理による保証人への影響が心配な方は弁護士法人ALGにご相談ください
保証人への影響が心配で、債務整理をするべきか悩まれている方は、一度弁護士へ相談してみましょう。
債務整理には任意整理・個人再生・自己破産などの複数の方法があって、保証人への影響を最小限に抑える選択肢も人それぞれです。
弁護士であれば、保証人への影響を配慮しながら、状況に合った債務整理の方法を検討し、アドバイスができます。
保証人との関係を守りながら借金問題を解決したいとお考えの方は、ぜひ私たち弁護士法人ALGまでご相談ください。
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まずは専任の受付職員が丁寧にお話を伺います。
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※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。
※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
監修:弁護士 谷川 聖治 / 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長
監修:弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates 福岡法律事務所 所長
保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)
福岡県弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ 名を擁し()、東京、を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。