逆セクハラとは、女性から男性に対する性的な嫌がらせをする行為をいいます。

本来、セクハラは女性か男性か区別せずに成立し得るはずのものですが、まだまだ「セクハラは男性が女性に対して行うもの」という古いイメージが根強いことから“逆セクハラ”という言葉が広まりました。

一般的に逆セクハラは、職場では立場的に上司である女性が加害者で、部下の男性が被害者となるケースが多いです。

近年、女性の社会進出が増えてバリバリ働く女性が増えてきたことから、立ち位置の弱い男性が増え、逆セクハラが増えています。

いまだ「セクハラの被害者は女性」という固定観念が浸透しており、少数派である逆セクハラの男性被害者が声をあげても理解してもらえない傾向にあります。

また男性は女性より力が強いことを理由に、「身体を触られて嫌なら突き放せばいい」、「男なら力づくで拒否できる」と決めつけられがちです。しかし、力があるからこそ、力の弱い女性に対して身体を使って拒絶したり、触ってきた手を払ったりする行為を行いづらいという側面があります。

女性に対して物理的な力で拒否をして怪我をさせてしまった場合など、男性が被害者のはずが加害者にされてしまうリスクがあるため、自衛のために物理的な抵抗を行えない事情があるのです。

そのため、逆セクハラで苦痛を受けた男性被害者が泣き寝入りしているケースは多いのです。

そもそもセクハラの定義は、『職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境を害されたりすること』をいいます。

セクハラの定義上、男性・女性の区別はありません。

よって、セクハラ被害は女性に限ったものではなく、女性から男性に対するセクハラや同性間でのセクハラも、人格権を侵害する行為と判断されれば違法になり得ます。

女性から男性に対して、どのような言動をすると逆セクハラにあてはまるのでしょうか？

具体的には、次のような言動が逆セクハラになり得ます。

次項でそれぞれ詳しく解説していきましょう。

親しい間柄でもないにもかかわらず、仕事に関係のないプライベートに関する発言は逆セクハラにあたる可能性があります。

具体的に次のような発言が逆セクハラになり得ます。

女性から男性への過度なボディタッチは逆セクハラになり得ます。

「女性に触られて嫌がる男性はいない」と思っている人もいるかもしれませんが、それは偏見に過ぎません。

親しくない相手に体を触られて不快になるのは男性も女性も同様です。

性的な目的の有無や触る部位などは関係なく、ボディタッチをされた男性側が不快になるような行為は、逆セクハラになる可能性があります。

具体的には、次のような行為が逆セクハラになる可能性があります。

性別に対する固定的な考えをもち、「男らしさ」を過度に求める言動も、逆セクハラにあてはまるおそれがあります。

具体的には、次のような発言が逆セクハラになり得ます。

男性の体型や外見などの身体的特徴をからかう行為は、逆セクハラになる可能性があります。

具体的に次のような発言が逆セクハラになり得ます。

職場や学校なのに女性が露出度の高い服装を着て、男性が目のやり場に困る状況は、逆セクハラにあてはまる可能性があります。

具体的には次のような服装が逆セクハラになり得ます。

恋人同士でもないのに、付き合っているような態度をしてくるのは、逆セクハラにあてはまる可能性があります。

仕事中に彼女面をして話しかけてきたり、甘えてくる言動は、業務を妨害する迷惑行為です。

具体的には、次のような行為が逆セクハラになり得ます。

性的行為の強要は、「力の強い男性が力の弱い女性に行う」という固定観念をお持ちの方が多いかもしれませんが、それは古い考えです。

近年では、女性も社会進出するのが当たり前の時代になり、女性のほうが男性より社会的地位が優位になることも珍しくなくなっています。

そのため、社内の地位を利用して女性が男性に対して性的行為を強要するケースもあります。

具体的には、次のような行為が逆セクハラに値する可能性があるものです。

逆セクハラを受けたとき、どのように対処すればいいのでしょうか？

次項より具体的な対処法について解説していきます。

逆セクハラをする女性は、セクハラをしている自覚がない人が多いです。

むしろ、「実は喜んでいるだろう」、「恥ずかしがっているだけだ」と思っていることも多いので、はっきりと「不快です」、「やめてほしい」と伝えることが大切です。

セクハラ被害者が我慢をし続けていると、セクハラ加害者は、被害者が不快に思っていることに気付かず、どんどん行為をエスカレートさせてしまうので、被害者の精神的苦痛が蓄積してしまいます。

セクハラ加害者が女性上司や女性先輩など社会的地位が高い場合、はっきり不快だと伝えるのはとても勇気がいることです。

しかし、加害者に対して自らの行為がセクハラであると気付かせることは、逆セクハラの問題を解決するための一歩になりますので頑張って伝えてみてください。

セクハラ加害者本人に直接伝えたけども開き直られた、そもそも怖くてセクハラ加害者本人に伝えられないなどで、逆セクハラが続く場合は、社内の相談窓口に相談する方法があります。

「男女雇用機会均等法」により、会社はセクハラにより就業環境が害されないよう、セクハラ対策を行わなければならないと定められています。

ただし、逆セクハラの場合は、「男性の自意識過剰なのではないか」などと思われたり、偏見のある対応をされたりするなど増々傷つくケースもあり、相談相手からの理解を得ることが難しい場合もあります。

社内の相談窓口に相談する際は、逆セクハラを受けている事実が客観的にわかる証拠を集めて、セクハラ加害者のどのような言動が業務にどのような支障をきたしているかを具体的に伝えることが大切です。

社内の相談窓口が機能していない、社内の相談窓口に相談しても改善が見られないなどで、逆セクハラが続くようであれば、外部の相談窓口に相談しましょう。

主に逆セクハラに遭ったときに相談できる外部の窓口は次のとおりです。

逆セクハラが重大で悪質なもので被害者が精神的苦痛を被った場合には、加害者に対して不法行為に基づく損害賠償責任としての慰謝料等を請求できる場合があります。

また職場で逆セクハラが起きた場合は、セクハラ加害者本人に加えて、セクハラ加害者の雇用主である会社に対しても使用者責任を問える可能性があります。

また、会社が適切な対応をしなかったことが債務不履行ないし不法行為となる場合は、会社に対して慰謝料等を請求することができます。

なお、セクハラ被害の慰謝料の相場はおよそ30万～300万円程度となっています。

慰謝料の相場に幅があるのは、セクハラの程度や被害状況、加害者の立場など個別の事情によって異なるためです。

逆セクハラの被害に遭い、慰謝料請求を検討されている方は弁護士に依頼して進めることをお勧めします。弁護士に依頼すれば、次のようなメリットがあると考えられます。

セクハラ被害に遭った際の有効な証拠については、下記ページで詳しく解説しています。

セクハラは性別に関係なく起こり得るものです。

しかし、逆セクハラに遭った男性の立場からすると、「セクハラをされた」と言い出しにくい風潮があるのも実情です。

逆セクハラの被害に遭い、対応にお困りの方は、ぜひ弁護士法人ALGにご相談ください。

弁護士法人ALGでは、セクハラ問題を多数解決した実績があります。

もちろん、女性被害者だけではなく、男性被害者のセクハラ問題も解決しております。

弁護士法人ALGでは、セクハラ被害者の被害状況を伺い、法的観点から逆セクハラに該当するかどうかを判断したうえで、セクハラ被害者の要望を伺い、適切に対応いたします。

「どうせ、逆セクハラの被害を訴えても信じてもらえないから」と思わず、まずは行動に移していただきたいです。

ぜひ、お気軽に弁護士法人ALGにお問合せください。