自己破産すると家族はどうなる?影響を最小限にするためのポイント

自己破産すると家族はどうなる?影響を最小限にするためのポイント

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監修
監修弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長 弁護士

「自己破産をすると家族はどうなるのか」
多くの方が心配するポイントですが、基本的にはご家族に直接的な影響が生じることはありません。

ただし、自己破産によってご家族が間接的な影響を受ける可能性はあるので、注意が必要です。

この記事では、自己破産をした場合の家族への影響について、わかりやすく解説します。

影響を最小限にするためのポイントや、よくある質問も紹介しますので、自己破産を検討するための参考になれば幸いです。

自己破産すると家族はどうなる?影響があること

自己破産「破産者本人の手続き」なので、直接的な影響は本人に限られます。
ご家族に直接的な影響はほとんどないものの、状況によっては間接的に影響が生じるケースがあります。

「自己破産をした場合の家族への影響」は次のとおりです。

  • 現金や預貯金を失う
  • 家族が保証人の場合は返済義務が生じる
  • 持ち家を失う
  • 車が処分される
  • 家族カードが使えなくなる
  • 保険が解約される
  • 保証人になれない

現金や預貯金を失う

自己破産をすると、破産者名義の99万円以上の現金20万円以上の預貯金は回収され、債権者への返済に充てられます。

たとえ家族の生活費として積み立てていた貯金であっても、法律上は「本人が自由に使えるお金」と判断されるため、基本的には残すことができません。

家族のためにコツコツ積み立てていた現金や預貯金が回収されてしまうと、自己破産後の生活費が少なくなって、これまで通りの生活を続けるのが難しくなる可能性があります。

家族が保証人の場合は返済義務が生じる

ご家族が借金の保証人や連帯保証人になっている場合、自己破産後は返済義務がご家族に移ってしまいます。

自己破産の効力が及ぶのは破産者本人だけで、保証人の返済義務は残ってしまうためです。

たとえば、ご家族が住宅ローンや奨学金の連帯保証人になっているケースでは、自己破産すると債権者からご家族に「まとめて支払ってください」と請求が行くことがあります。

どうしても支払えない場合は、ご家族も債務整理を検討することになります。

持ち家を失う

自己破産をすると、多くの場合、破産者名義の持ち家は失うことになります。

自己破産では、20万円以上の価値がある財産は換価処分されて、売却代金が債権者への返済に充てられるためです。

ご家族と同居していても持ち家を残すのは難しく、結果として転居が必要になることも多いです。

引っ越しに伴い、転職や転校を余儀なくされるなど、ご家族の生活環境に影響が及ぶこともあります。

早めに状況を把握して準備を進め、負担をできるだけ抑えるようにしましょう。

車が処分される

自己破産をすると、破産者名義の車が処分の対象になる場合があります。

ご家族の送迎や買い物など、日常の移動に車を使っていると、生活に不便が生じることもあるので注意が必要です。

自動車ローンが残っていれば、車はローン会社に引き上げられます。
ローンを完済していても、評価額が20万円以上だと売却されて債権者への返済に充てられる可能性があります。

もっとも、「車がないと通勤や通院に支障が出る」など、生活に深刻な影響が及ぶケースでは、裁判所の判断で車を残せる場合もあります。

家族カードが使えなくなる

自己破産をすると、破産者名義のクレジットカードが解約され、これに紐づく家族カードも使用できなくなります。

家族カードで公共料金やサブスクリプションサービスなどの支払いをしている場合、変更の手続きが必要になります。

家計の支払い方法やご家族の買い物手段について、あらかじめ代替手段を用意しておくことが大切です。

保険が解約される

保険の解約時に払い戻される「解約返戻金」が20万円を超える場合、自己破産をすると保険が解約され、返戻金が債権者への返済に充てられることがあります。

生命保険や学資保険など、ご家族のための保険も対象です。
自己破産で保険が解約されると、将来の保障がなくなるリスクがあります。

大切な保険を残す対策としては、「自由財産の拡張を申し立てる」、「受取人が介入権を行使する」などが考えられます。

保証人になれない

自己破産をすると、しばらくの間は保証人になることができません。

「自己破産をした」という事実は、信用情報機関に事故情報として登録され、5~7年ほどは保証人の審査に通りにくくなるためです。
いわゆるブラックリストの状態です。

ただし、保証人になれないのはあくまで破産者本人だけです。
たとえば子供の奨学金で連帯保証人が必要になった場合、配偶者が保証人になることは問題ありません。

両親ともにブラックリスト状態であるような場合は、機関保証という制度を利用すれば、保証人を立てなくても奨学金が利用できます。

自己破産しても家族へ影響がないこと

自己破産のご家族への影響について、誤解されているケースも少なくありません。

自己破産の効力は破産者本人だけに及ぶため、ご家族の財産や信用情報への影響はほとんどありません。
以下、「自己破産をしてもご家族に影響しないこと」を紹介します。

  • 家族名義の財産や貯金は没収されない
  • 家具や家電は残せる
  • 進学や就職の制限はない
  • 結婚に不利益は生じない
  • 信用情報に傷はつかない

家族名義の財産や貯金は没収されない

自己破産で回収・処分の対象となるのは「破産者名義の財産のみ」なので、ご家族名義の財産や貯金が没収されることはありません。

ただし、名義がご家族であっても、「実質的に破産者本人の財産・預金」と判断される場合は、例外的に没収の対象になる可能性があります。

没収の対象になる可能性があるのは、次のようなケースです。

  • 子供名義の貯金でも、実際に積み立て・管理をしているのは破産者
  • 配偶者名義の貯金でも、破産者の収入から積み立てをしている
  • 配偶者名義の車でも、実際に破産者が購入資金を出し、日常的に使用している

など

家具や家電は残せる

自己破産をしても、「日常生活に必要な家具や家電」は処分されません。

たとえば、ベッド・タンス・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・エアコン・テレビ・パソコンなどは、生活必需品として残すことが認められています。

一方、2台以上所有している家電や、高級オーディオ、アンティーク家具などの「生活に不可欠とはいえない高額品」は処分の対象となる可能性があります。

進学や就職の制限はない

自己破産によって、ご家族の進学や就職が制限されることはありません。

自己破産の手続き中は、破産者本人の職業や資格に一時的な制限がかかりますが、ご家族には制限が及びません。

そのため、ご家族の現在の仕事はもちろん、将来の進学や就職にも直接的な影響が及ぶ心配はないといえます。

結婚に不利益は生じない

自己破産によって、ご家族の結婚に不利益が生じる可能性は低いです。

自己破産をしても、破産者本人はもちろん、ご家族についても結婚が法的に制限されることはありません。

戸籍や住民票に記載されることもありませんから、相手方が自己破産の事実を知る可能性はきわめて低いでしょう。

債務整理による結婚への影響について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

さらに詳しく債務整理は結婚に影響する?

信用情報に傷はつかない

自己破産をしたことが事故情報として信用情報機関に登録されるのは破産者本人のみで、ご家族の信用情報に傷はつきません。

そのため、ご家族がクレジットカードを作成したり、ローンを組んだりすることは可能です。

信用情報の審査の対象となるのは、基本的に申し込みをする本人の信用情報や収入状況のみです。

ただし、金融機関によっては同居家族の事故情報の照会が行われ、破産者の事故情報が影響して審査が通らないケースもごくまれに見られます。

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家族に内緒で自己破産することはできる?

ご家族に内緒で自己破産するのは難しいです。
手続き中は、以下のような理由で家族にバレる可能性が高いためです。

  • 自宅に債権者や裁判所からの郵便物が届く
  • 同居家族の通帳の写しや収入証明など、家計の収支を示す資料が必要
  • 持ち家や車、生命保険などの財産が処分される
  • クレジットカードが使用できなくなる
  • 保証人になっている家族に直接請求が行くことがある

生活上の変化から同居家族に気付かれる可能性が高いため、ご家族に内緒で自己破産をするのは難しいでしょう。

家族にバレずに自己破産できるケース

別居している場合や、一人暮らしの場合、自己破産の手続きに必要な資料は「破産者本人の分だけ」で済むことが多いため、ご家族にバレずに手続きを進められる可能性があります。

ご家族と同居していなければ、郵便物から自己破産が知られる心配もありません。

同居していても、ご家族と生計が別であれば、世帯全体の収支資料を提出しなくてよいケースもあり、バレるリスクを抑えられます。

ご家族に知られたくない方でも、状況によっては安心して手続きを行える可能性があるでしょう。

自己破産による家族への影響を最小限にするためのポイント

自己破産はご家族にも影響が及ぶことがありますが、工夫すれば負担を抑えることができます。
「ご家族への影響を最小限にするためのポイント」は、以下のとおりです。

  • 財産を隠さない
  • 偏頗弁済をしない
  • 自己破産前の離婚は避ける
  • 弁護士に相談する

財産を隠さない

財産を意図的に隠したり、事実と異なる申告をしたりすると、自己破産が認められず、ご家族に余計な負担をかけることになります。

自己破産で返済義務を免除してもらうためには、裁判所の免責の許可が必要ですが、財産隠しや虚偽申告は「免責不許可事由」に該当すると判断され、免責が認められないおそれがあります。

免責が認められないと、自己破産をしても借金はゼロになりません。
余計なトラブルを避けるためにも、自己破産をする際は所有している財産を正確に申告することが大切です。

偏頗弁済をしない

ご家族に迷惑をかけないため、一部の借金(滞納していた家賃など)を優先して支払うと、偏頗弁済(へんぱべんさい)とみなされて、自己破産ができなくなる可能性があります。

偏頗弁済とは、特定の債権者にだけ返済することをいいます。

偏頗弁済によって債権者の公平が害されると、免責不許可事由に該当するとして免責が認められず、かえってご家族の負担が増える原因になりかねません。

ご家族に迷惑をかけないためにも、偏頗弁済は避けることが大切です。

自己破産前の離婚は避ける

「自己破産で家族に迷惑をかけたくない」、「家族に財産を残したい」と考えるのは自然なことですが、自己破産前の離婚や財産分与には思わぬ落とし穴があります。

離婚をきっかけに財産分与をすると、意図がなくても財産隠しと判断され、免責が認められないばかりか、財産を受け取ったご家族が返還を求められるリスクもあります。

また、配偶者が保証人になっている場合は、離婚しても保証人の責任は消えません。

ご家族に迷惑をかけないためにも、離婚のタイミングや財産分与の内容は慎重に検討することが大切です。

弁護士に相談する

自己破産によるご家族への影響を最小限にするためには、弁護士への相談がおすすめです。

弁護士に相談すると、現在の状況を整理しながら、自己破産を含めた適切な解決方法を知ることができ、ご家族への影響を最小限に抑えるためのアドバイスが受けられます。

また、依頼後は督促や返済がストップし、債権者からの連絡も弁護士が窓口となるため、ご家族が巻き込まれる心配もぐっと減ります。

適切なサポートを受けることで、ご家族への影響を最小限に抑えながら、円滑に生活の立て直しを図ることができるでしょう。

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家族への影響が少ない債務整理の方法

債務整理には、自己破産以外にも個人再生任意整理といった方法があります。

いずれも、自己破産のように借金がゼロにはなるわけではありませんが、ご家族への影響を最小限に抑えられる可能性があります。

  • 個人再生は持ち家を残すことができる
  • 任意整理は借金を選んで債務整理ができる

個人再生は持ち家を残すことができる

個人再生では持ち家などの財産を残せるので、ご家族への影響を最小限に抑えながら借金を大幅に減らせる可能性があります。

個人再生とは?

個人再生とは、裁判所を通して借金を大幅に減額してもらい、残りを通常3年(最大5年)かけて分割返済する手続きです。

自己破産とは異なり、住宅やローンを完済している財産は手元に残せます。

住宅ローン特則を利用すれば、ローン返済中の持ち家を手放さずに借金を減額できるのが個人再生の特徴です。

個人再生のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

さらに詳しく個人再生とは

任意整理は借金を選んで債務整理ができる

任意整理は「どの借金を整理するか」を自分で選べるので、ご家族が保証人になっている借金や、住宅ローン、自動車ローンを除外すれば、ご家族に迷惑をかけずに返済の負担を軽くできる可能性があります。

任意整理とは?

任意整理とは、利息のカットや返済期間の延長について債権者と直接交渉し、借金の返済計画を見直して3~5年で分割返済する手続きです。

自己破産とは異なり、裁判所を通さず、整理する借金を選べるので、柔軟な対応が可能です。

ただし、任意整理をしても借金の元金までは減額されません。
利息のカットなどにより、返済計画を立て直す手続きと理解しておきましょう。

任意整理のメリットやデメリットについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

さらに詳しく任意整理とは?

自己破産による家族への影響に関するよくある質問

自己破産で家族はどこまで調べられる?

自己破産では、ご家族名義の財産そのものが詳しく調べられることは基本的にありません。

ただし、同居家族の収支状況を確認するため、ご家族の通帳の写し収入証明(給与明細・源泉徴収票)の提出が求められる場合があります。

ご家族名義の財産が、実質的に破産者本人のものと疑われるケースでは、車検証や登記事項証明書など、名義や所有状況を説明できる資料の提出を求められることもあります。

いずれも「財産隠しがないか」を確認するための手続きなので、誠実に対応すれば問題なく進められます。

家族も破産手続きに出席する必要はある?

ご家族は、自己破産の破産手続きに出席する必要はありません。

自己破産は「破産者本人の手続き」なので、ご家族の同席が求められる場面は通常ありません。

手続きの過程でご家族の収支状況を確認されることはありますが、必要な資料を提出すれば手続きは進みます。

そのため、ご家族が裁判所に呼ばれるケースはほとんどなく、生活や仕事に影響が出る心配も少ないです。

親が自己破産したら子供はどうなる?

親が自己破産をしても、子供の財産や信用情報、戸籍に直接的な影響はありません。

たとえば、進学や就職は子供本人の能力が試されるものですし、結婚も本人たちの意思で決まるため、親の自己破産は影響しません。

とはいえ、同居していれば持ち家の処分によって転居や転校が必要になったり、奨学金を借りるときに連帯保証人になってもらえなかったりして、間接的に影響が及ぶ可能性はあります。

子供が親の保証人になっている場合は、債権者から一括請求される可能性もあるので注意が必要です。

自己破産による家族への影響が心配な方は弁護士法人ALGにご相談ください

ご家族への影響を心配して自己破産に踏み出せずにいると、借金問題が解決しないばかりか、状況が悪化するおそれもあります。

今以上に状況が悪化すれば、ご家族に余計な負担をかけることになりかねません。
自己破産によるご家族への影響が心配な方は、一度弁護士法人ALGまでご相談ください。

状況を丁寧に伺ったうえで、ご家族への影響を最小限に抑えられる解決方法をいっしょに検討しましょう。

ご依頼いただいた際には、ご本人やご家族の負担を軽減できるよう、前向きなスタートに向けて全力でサポートいたします。

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監修:弁護士 谷川 聖治 / 弁護士法人ALG&Associates福岡法律事務所 所長

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