弁護士依頼前
約130万円
交通事故の慰謝料にはどのようなものがあるかご存じでしょうか?交通事故では一口に「慰謝料」といっても、「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3種類がありますが、その算定基準にも「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」と3種類の基準があり、どの基準を用いるかで、慰謝料の金額は大きく変わります。
例えば、むちうちで6か月通院(実通院日数は60日)し、後遺障害等級14級の認定を受けた場合、入通院慰謝料は自賠責基準では51万6000円なのに対し、弁護士基準では89万円と約2倍になります。後遺障害慰謝料も自賠責基準では32万円なのに対し、弁護士基準では110万円と約3倍になります。
このように、どの基準で算定するかによって、慰謝料の額は大きく変わります。適正な金額を知らないと、相場よりも低い金額で示談を成立させてしまう可能性もあります。
しかし、被害者の方が保険会社から提示された金額を見て「これは妥当ではない」と分かるには専門知識が必要で難しいことですよね。
この記事では、「慰謝料の相場」に着目し、慰謝料の種類による相場と計算方法、正しい相場で慰謝料を獲得するポイントなどについて解説していきます。
弁護士依頼前
約130万円
弁護士依頼後
約300万円
約170万円の増加
目次
交通事故の慰謝料を計算する際の算定基準には3種類あり、どの基準を使うかによって慰謝料の金額が大きく変わります。一般的な金額の順番としては自賠責基準≦任意保険基準<弁護士基準となります。
各算定基準の概要を以下にまとめましたのでご覧ください。
【自賠責基準】
【任意保険基準】
【弁護士基準】
ここまで、慰謝料には3つの算定基準があると解説してきましたが、算定基準ごとに計算方法が異なるため、専門知識がないと慰謝料の相場を正確に計算することは困難です。
しかし、相場を知らなければ適切な慰謝料の金額を知ることはできません。
そこで、下記のリンクでは、慰謝料の金額を簡単に算出できる計算機を用意しました。ぜひご活用ください。
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交通事故の慰謝料には「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3種類がありますが、これらの慰謝料はいったいどのような場合に支払われるのでしょうか。
下記でそれぞれについて解説していきます。
【入通院慰謝料】
交通事故による怪我で入院、通院した場合に支払われる慰謝料のことです。怪我の種類や程度・入通院期間、通院頻度などで金額が変動します。
怪我の治療、入通院による精神的苦痛に対して支払われます。
【後遺障害慰謝料】
事故で後遺障害が残った場合の精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。一般的に「後遺障害等級申請」という手続きを踏み、残った症状が一定の要件を満たし、後遺障害等級認定を受けると請求できます。
【死亡慰謝料】
事故で被害者が亡くなってしまったことによる精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。亡くなった被害者本人の慰謝料だけでなく、遺族の慰謝料も請求することができます。また家族内の被害者の立場によって相場が異なります。
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実際に交通事故に遭った場合を想定し、どの程度のケガに対して、いくらの慰謝料が支払われるものなのか、例を挙げて計算してみましょう。
慰謝料には
の3つがありますので、一つずつ見ていきましょう。
自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準それぞれの慰謝料相場を計算してみましょう。
入通院慰謝料 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
1ヶ月(実通院日数10日) | 8万6000円 | 軽症:19万円/重症:28万円 |
2ヶ月(実通院日数20日) | 17万2000円 | 軽症:36万円/重症:52万円 |
3ヶ月(実通院日数30日) | 25万8000円 | 軽症:53万円/重症:73万円 |
4ヶ月(実通院日数40日) | 34万4000円 | 軽症:67万円/重症:90万円 |
5ヶ月(実通院日数50日) | 43万円 | 軽症:79万円/重症:105万円 |
6ヶ月(実通院日数60日) | 51万6000円 | 軽症:89万円/重症:116万円 |
任意保険基準は、各任意保険が独自に設定をしているため、非公開となっています。そのため、被害者が計算方法を知ることは困難でしょう。任意保険基準の慰謝料目安を検討する手段としては、基準が自由化する前にすべての任意保険会社が共通で使っていた統一基準を参考にする方法が挙げられます。
自賠責保険の入通院の慰謝料は1日当たり4300円です。この日額に
のどちらか少ない方をかけて計算します。
例えば、通院3ヶ月(90日)、実通院日数30日の場合は、
弁護士基準の入通院慰謝料は、「赤本」と呼ばれる弁護士会発行の本に掲載してある慰謝料算定表を用いて算出します。
1ヶ月を30日として、入院期間、通院期間に応じて金額が変動します。
弁護士基準で用いる慰謝料算定表には「別表Ⅰ」「別表Ⅱ」があり、基本的には別表Ⅰを使います。
軽い擦り傷・打撲、他覚所見のないむちうちなど軽症の場合は別表Ⅱを使用します。
入通院慰謝料算定表の見方
【軽症の場合】(別表Ⅱ)
【重症の場合】(別表Ⅰ)
軽い擦り傷・打撲や、他覚所見のないむちうちなど軽症の場合3ヶ月通院(実通院日数30日)したとすると、弁護士基準の慰謝料の相場は53万円となります。自賠責基準(実通院日数30日)が25万8000円のため、約2倍も差があることが分かります。
自賠責基準は被害者救済のための最低限の補償となるため、このように低い金額になるのです。一方弁護士基準では、裁判を起こした際と同じ基準を使います。つまり、弁護士基準によって算定された慰謝料こそが被害者が本来受け取るべき金額と言えるでしょう。
なお、任意保険会社は独自で算定基準を持っているため割愛させていただきます。
治療を続けていてもこれ以上良くならず「症状固定」と診断された場合は「後遺障害等級認定」を申請することができます。後遺症の症状の重さによって後遺障害等級が認定されると後遺障害慰謝料を請求することができます。後遺障害慰謝料の金額は等級ごとに決まっています。任意保険基準は各任意保険会社によって計算方法が異なるため割愛します。
それぞれの基準の相場は下表でご確認ください。自賠責保険1級2級の()内の数値は、寝たきりなど介護を要する場合の数値です。
下表を見てみると、弁護士基準が自賠責基準より2~3倍ほど高額となることが分かると思います。
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
1級 | 1150万円(1650万円) | 2800万円 |
2級 | 998万円(1203万円) | 2370万円 |
3級 | 861万円 | 1990万円 |
4級 | 737万円 | 1670万円 |
5級 | 618万円 | 1400万円 |
6級 | 512万円 | 1180万円 |
7級 | 419万円 | 1000万円 |
8級 | 331万円 | 830万円 |
9級 | 249万円 | 690万円 |
10級 | 190万円 | 550万円 |
11級 | 136万円 | 420万円 |
12級 | 94万円 | 290万円 |
13級 | 57万円 | 180万円 |
14級 | 32万円 | 110万円 |
死亡慰謝料は、交通事故が原因で亡くなった被害者や遺族の精神的苦痛に対する補償です。自賠責保険の場合には、死亡したのが誰であっても、被害者本人の死亡慰謝料は一律400万円となっています。一方弁護士基準では、亡くなった被害者の家族内での立場によって死亡慰謝料の目安が決められています。
下表のとおり、亡くなった被害者が一家の支柱であった場合にもっとも高額となり、その次に母親・配偶者、その他として独身の方や子供に分けられています。任意保険基準は自賠責と同等か少し高額になる程度でしょう。
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
一家の支柱 | 400万円 | 2800万円 |
母親・配偶者 | 2500万円 | |
その他 | 2000万円~2500万円 |
交通事故により被害者となってしまった際には、適切な慰謝料を受け取りたいと思うでしょう。
では適切な慰謝料を受け取るためにはどのようにしたらいいのでしょうか。
正しい相場で慰謝料を獲得するためには以下の点がポイントになります。
通院を続けていると、相手方保険会社から、「そろそろ治療は終わりにしませんか?」と治療打ち切りを打診されことがあります。
しかし、痛みが残っている場合はむやみに治療の打ち切りに応じる必要はありません。
また、治療を続けていても症状が改善せず、医師に「症状固定」と判断され、後遺症が残った場合は、後障害等級認定を申請しましょう。後遺障害等級申請には医師に書いてもらう「後遺障害診断書」が重要なポイントとなります。
治療を続けてからある程度経つと、相手方保険会社から「そろそろ治療を終わりにしませんか?」と治療の打ち切りを打診されることがあります。これは、相手方保険会社が支払う治療費や慰謝料を低額にしたいという狙いがあるためです。治療打ち切りの打診は受け入れなければならないのでしょうか。
答えはNOです。安易に受け入れるべきではありません。そもそも、治療を継続するかを決められるのは専門家である「医師」だけです。相手方保険会社から治療の打ち切りを打診されても痛みやしびれなどの症状が残っている場合はまず医師に相談しましょう。医師が治療を必要と判断しているのに、保険会社から治療を打ち切られた場合は、健康保険を利用するなどして治療を続けるべきです。
あまりにも通院頻度が少ない場合には「大した怪我ではない」と判断され、治療打ち切りを打診される可能性があります。
他方で、慰謝料のためと自己判断で毎日通院すると過剰通院として治療費の自己負担が発生することもあります。通院頻度は自己判断せず医師の指示のもと、週3日を目安としましょう。
医師から症状固定と判断された場合は、「後遺障害等級認定」を申請することができます。
後遺障害等級とは、交通事故による後遺症の程度に応じて認定される1~14級までの等級のことを指します。数字が小さくなるほど残った症状が重くなります。
後遺障害等級認定では、医師が作成する「後遺障害診断書」に、残存している症状の状態が正確に書かれているかがとても重要となりますので、自分の症状を正確に医師に伝えましょう。
交通事故で残った後遺症が「後遺障害等級」に認定されると、認定された等級に応じた後遺障害慰謝料を請求することができるようになります。ですが、後遺障害等級認定は申請すれば誰もが該当するわけではありません。早めに弁護士に相談しましょう。
被害者本人が弁護士基準を示談交渉の段階から保険会社に主張しても、保険会社は「交渉段階だから裁判基準と同じ弁護士基準は使えない」などといって、応じないことがほとんどです。
しかし、示談交渉でも、弁護士が介入すれば、弁護士基準を用いて慰謝料を請求することができます。弁護士基準を使うためには、弁護士に依頼するのが一番の近道となるでしょう。
「弁護士に依頼するなんて大袈裟かな」と思い相談することをためらってしまう方もいらっしゃると思います。そう思っている方に向けて弁護士に依頼するメリットをまとめます。
弁護士依頼のメリット
弁護士依頼にはこのようなメリットがありますが、デメリットを挙げるならば弁護士費用ではないでしょうか。弁護士費用は「弁護士費用特約」があれば心配はないでしょう。今一度ご自身の自動車保険やご家族の保険に「弁護士費用特約」が付帯していないか確認しましょう。
弁護士費用特約については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
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交通事故では、慰謝料のほかにもさまざまな賠償金を受け取ることができます。
下表では慰謝料以外の損害賠償項目についてまとめましたのでご参考ください。
賠償金の種類 | 内容 |
---|---|
治療関係費 | 怪我の治療のために医療機関へ支払った診療費など |
器具等購入費 | 怪我の治療、リハビリ、日常生活の補助を目的とした装具や器具の購入費用 |
通院交通費 | 医療機関に通院するためにかかった費用。原則として公共交通機関の料金となる |
付添看護費 | 家族が交通事故に遭い、通院や入院のために付添が必要になった場合にかかった付添費用 |
家屋等改造費 | 怪我や後遺障害のために住宅を改造した場合の費用 |
葬儀関係費 | 被害者が亡くなった場合の葬儀費用、仏壇購入費用、墓石建立費等 |
休業損害 | 休業による収入の減少に対する補償 |
逸失利益 | 事故に遭わなければ将来得られたであろう収入の減少分に対する補償 |
車両破損による損害費用 | 事故により車両が破損した場合の修理費用 |
積み荷等の損害に関する費用 | 時計や衣類などの損害費用 |
慰謝料とは、「精神的苦痛に対する補償」です。そのため、主婦(夫)の方でも請求することが可能です。
また、主婦(夫)の方でも家事は立派な労働だと認められているため、休業損害や逸失利益を請求することも可能ですが、給与所得者とは計算方法が異なります。休業損害や逸失利益の計算方法は難しく、専門知識がないと困難であるため、交通事故に詳しい弁護士に相談してみましょう。
交通事故の被害者にとって慰謝料がいつ受け取れるのかは気になるポイントだと思います。
以下で流れを解説していきます。
【示談成立までの流れ】
示談終了から慰謝料が支払われるまでは約2週間かかります。
具体的には示談終了から慰謝料の支払いまでには以下のような日数がかかります。
【示談終了から慰謝料支払いまでの流れ】
示談書の返送から1週間たっても示談金が支払われない場合は一度相手側保険会社に連絡してみると良いでしょう。
交通事故慰謝料のよくある質問にお答えしていきます。
交通事故の慰謝料請求には消滅時効があります。
消滅時効が成立してしまうと、加害者への慰謝料請求は基本的にはできなくなるため、それまでに示談交渉を成立させなければなりません。
損害賠償請求権の消滅時効が成立するまでは下表のとおりです。
事故の内容 | 時効の起算日 | 時効期間 |
---|---|---|
物損事故 | 事故の翌日 | 3年 |
人身事故 (後遺障害なし) |
事故の翌日 | 5年 |
人身事故 (後遺障害あり) |
症状固定時の翌日 | 5年 |
死亡事故 | 死亡の翌日 | 5年 |
交通事故の慰謝料には原則として税金はかかりません。
慰謝料とは「精神的苦痛に対する補償」です。そのため、利益を得ているわけではありません。
交通事故に遭い、損害を受けると、事故に遭う前より損をしたことになります。慰謝料を支払うことにより、損害を補償し元に戻しているだけなので、非課税となるのです。
しかし、社会通念上過剰に高額な慰謝料は課税対象となる場合もあります。適切な慰謝料の金額については弁護士に相談しましょう。
整骨院に通院していた場合でも慰謝料の請求は可能です。しかし、整骨院で治療を受けるには「医師の許可が下りているか」がポイントとなります。なぜなら、整骨院には医師がいないため、適切な治療を受けていると判断されにくいからです。
医師の許可があり、病院での治療のほかに整骨院での治療が「必要であった」と判断される場合には慰謝料請求が可能となります。整骨院に通う場合でも、必ず病院で医師の判断を仰ぎ、病院には継続して受診するようにしましょう。
弁護士に依頼すれば、弁護士基準を使った適正な慰謝料を請求できるだけでなく、怪我の内容に応じた通院頻度のアドバイスや後遺障害診断書作成のサポートなど、それぞれの段階に応じて必要な助言を受けられので、「今後に対する不安」という精神的苦痛を回避することができます。
また、示談交渉自体を任せることができるため、被害者の方が治療や仕事に専念でき、ストレスから解放されることも大きなメリットです。
交通事故に遭われた方はショックで精神的負担も大きいと思います。私たち弁護士法人ALGは交通事故に詳しい弁護士が多数在籍しており、被害者の方の精神的負担を少しでも軽くしたいと考えています。
交通事故でお困りの際は私たちにご相談ください。
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