弁護士依頼前
評価損:0
物損事故であっても、相手方に車の修理費等の損害賠償金を請求するためには、示談交渉をする必要があります。
示談交渉を進めるときは、相手の言いなりにならず、対等にやり取りすることが大切です。
そのため、示談交渉で話し合うべき内容や、有利に進めるためのポイントをあらかじめ理解しておくのが望ましいといえます。
この記事では、示談交渉の流れや請求できる示談金の内訳、示談の注意点などを幅広く解説します。
これから示談交渉を始める方、示談交渉でお悩みの方など、ぜひ参考になさって下さい。
弁護士依頼前
評価損:0
弁護士依頼後
修理費用の3割相当額
評価損が発生しうる根拠を立証
目次
物損事故とは、死傷者がおらず、車や建物などの物だけに損害が発生した事故のことです。
物損事故の示談では、車の修理費や廃車費・壊れた物の弁償金額・過失割合などについて当事者同士で話し合います。
なお、物損事故における示談金の相場は、修理費の数万円~30万円程度になることが多いです。
物損事故の示談交渉は、車などの修理見積額が出てからスタートするのが通常です。
物損事故では、車の損害がメインとなるため、整備工場等が作成した見積書の取り寄せが完了すれば、交渉を開始することができるからです。
ケガの治療終了後に示談交渉が行われる人身事故よりも、より早く交渉がスタートする傾向にあります。
つまり、示談交渉までの準備期間が短いことを意味しますので、早めに示談の注意点等の知識を得ておき、準備しておくことが必要です。
物損事故で示談せずにいると、多くのデメリットがあります。
まず、示談しなければ、加害者側から示談金を受け取れません。つまり、車の修理費や買替費用などをすべて自己負担しなければならないことになります。
また、物損事故の損害賠償請求には、事故翌日から3年という時効があり、時効期間を過ぎると示談金を請求できなくなります。
よって、時効が成立する前に、示談を終わらせる必要があります。
そのため、「示談交渉が面倒」「相手と話し合いたくない」と思っても、きちんと示談交渉を行うことが必要です。
少しでもケガがあったり、体に違和感があったりするなら、人身事故に切り替えましょう。
医師の診断書を警察に提出して申請すれば、人身事故に切り替えることが可能です。
ただし、事故から時間が経ちすぎると、ケガとの因果関係を疑われて、人身事故への切り替え申請が受理されない場合があるため、事故発生から1週間以内に切り替えを行うのが望ましいでしょう。
ケガをしているのに物損事故のままにしておくと、以下のようなリスクが発生します。
人身事故の示談交渉についての詳細は、以下のページをご覧ください。
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物損事故の示談交渉の流れは、下図のとおりです。
物損事故が起こったら、まずは警察に連絡するようにしましょう。
相手から「警察に連絡しないでほしい」と言われたり、自分も「ケガもないし、車が壊れただけだから警察に連絡するまでもない」と思ったりする方がいるかもしれません。
しかし、警察への通報を怠ると、道交法違反により、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、警察に連絡しないと、相手方への損害賠償請求や、自分の加入する保険会社に保険金を請求するのに必要な交通事故証明書が発行されません。
賠償金や保険金の支払いがスムーズに行われない、もしくは支払われない可能性もあるため、どんなに小さな物損事故でも、忘れずに警察に通報しなければなりません。
警察に通報したら、次に加害者と連絡先を交換しましょう。相手の名前、住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先を聞いて、メモなどに控えておくことが必要です。
警察が来るまでに、相手が「とりあえず自宅に帰る」などと言って、その場を走り去ってしまう可能性もあります。
相手の連絡先がわからないまま、立ち去られてしまうと、その後の賠償金請求が困難となるため、万が一を考え、相手の連絡先を確認しておくことが重要です。
現場での事故対応が一通り終わったら、自分が加入する自動車保険会社に連絡を入れましょう。
物損事故で使える保険は、対物保険や車両保険などになります。
保険会社により適用条件が異なるため、自分のケースは保険の適用の対象になるのか、保険会社に確認することが必要です。
ただし、物損事故では、自賠責保険は適用されません。
保険会社には、事故後、なるべく早いうちに連絡するべきでしょう。
保険の契約内容によっては、事故後一定期間内に連絡をしなければ、保険が適用されないケースもあるからです。
物損事故で車が壊れたときは、自動車ディーラーや整備工場から、車の修理費の見積書を取り寄せて、相手方の保険会社に提出しましょう。
修理費の見積もりを出すことで、損害額が確定されます。
なお、事故車両を修理するときは、相手方の保険会社に見積書を提出し、修理内容や修理費を確認してもらったうえで、行うことが必要です。
保険会社に無断で修理を済ませてしまうと、「この修理はやりすぎだ」「この傷は今回の事故によるものではない」などと言われて、修理費の支払いを拒否されるおそれがあるからです。
車の修理費や買替え代金の見積額、代車費用など、すべての損害額が出ると、加害者側の保険会社から示談案が届き、示談交渉がスタートするのが通常です。(加害者が保険に未加入ならば、加害者本人と交渉します。)
示談案には損害額や過失割合、事故状況などが書かれていますので、十分に検討したうえで、納得がいかない場合は、サインしないよう注意する必要があります。
加害者と被害者どちらも保険に加入していて、被害者にも一定の過失がある場合は、お互いの保険会社同士で示談交渉を行います。
一方、被害者に過失がない事故の場合は、被害者側の保険会社の示談代行サービスが使えないため、被害者自身で加害者側の保険会社と交渉するか、弁護士などに交渉を任せる必要があります。
加害者と被害者が示談案に合意すると、加害者側の保険会社から示談書が届きます。
示談書に書かれている内容は、主に以下のとおりです。
示談書の内容に不備がないか、よく確認しましょう。
示談書に一度署名・捺印してしまうと、基本的には、示談内容の撤回や追加での損害賠償請求ができなくなります。
内容が正しいか判断できない場合は、弁護士に相談し、示談案を精査してもらうことをおすすめします。
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物損事故でいう示談金とは、事案を解決する代わりとして加害者から被害者に支払われるお金のことで、当事者間の話し合いによって詳細が決まるのが基本です。
物損事故で、加害者に請求できる示談金として、主に以下のものが挙げられます。
以下で、各詳細について見ていきましょう。
物損事故で壊れた車の修理にかかった費用のことです。交換部品代や工賃なども修理費に含まれます。
事故によって壊れた部分の修理費のみが対象となるため、事故に無関係な損傷部分の修理や、事故以前よりもグレードアップした部品への交換費用などは対象外となります。
なお、修理費が高く、同車種または同規模の車に買い替えた方が安い場合は、車の損害として請求できる金額は、買い替え価格が上限額となります。
車の修理を行う場合は、事前に見積書を加害者に渡して、金額の同意を取っておくのが望ましいでしょう。
修理が終わった後に修理費を請求すると、「この修理はやりすぎではないか」などと言われて、修理費の一部の支払いを拒否されるおそれがあるからです。
物損事故によって車の修理が不可能になり、車を買い替えることになった場合の費用です。
「買い替え差額」と「買い替え諸費用」を合計したものを、買い替え費用として請求するのが通常です。
買替差額とは、事故当時の事故車の車両価格と事故車を売却した価格との差額です。
一方、買い替え諸費用とは、事故車と同車種、同年式、同程度の走行距離等の車を中古車市場で買うのに必要な費用のうち相当額を指します。
単純に買い替えにかかった金額を請求できるわけではないため、注意が必要です。
評価損とは、車が事故により損傷したことにより、中古車としての市場価値が下がることをいいます。つまり、事故前と事故後の車の価格の差額を意味し、この差額を賠償請求することが可能です。
評価損は、以下の2つに分けられます。
評価損の請求が認められるかどうかは、車種や初年度登録から経過した年数、購入価格、走行距離、損傷の程度、修理の内容や費用などをもとに、判断されるのが通常です。
損傷箇所がフレームやバンパーなど重要部位であること、修理費が高額であること、高級車であること等の事情があると、評価損が認められやすくなる傾向にあります。
過去の裁判では、およそ修理費の10%~30%程度の評価損が認められています。
代車費用は、車の修理中や、車を買い替えて新しい車が届くまでの間に、代車を手配したり、レンタカーを借りたりした場合にかかった費用のことをいいます。
代車費用の請求が認められるには、以下の3要件を満たす必要があります。
よって、バスや電車で移動可能な場合や、過度に高級な車を借りた場合、必要以上に長期間、代車を使ったような場合は、請求した代車費用が認められない可能性があります。
休車損害とは、営業車両が事故で破損し、修理や買い替えの間、営業ができなかったことで生じた利益の損失分のことです。
営業車両とは、タクシー、トラック、バスなど、緑ナンバーの営業車両のことを指します。
休車損害額は、以下の計算式で算定します。
(事故前の1日あたりの平均売上額-経費)×休車日数
経費とは、事故車を使用できなくなったことで支払わずに済んだ経費のことです。
例えば、ガソリン代、有料道路料金、修理費、人件費などが挙げられます。
ただし、別の車を使って営業することができた場合は、休車損害は請求できません。
トラックなどに入れておいた荷物が、交通事故が原因で破損したときには、その物の修理費、あるいは、修理費が荷物の時価額を上回る場合には、時価額を請求することができます。
例えば、事故の衝撃によって、トラックに載せていた納品予定のパソコンが壊れてしまったようなケースが挙げられます。
ただし、積荷損については、保険会社から事故との因果関係を疑われやすく、容易に認めてもらえない傾向にあります。
そのため、壊れた荷物の写真を撮影しておく、壊れた積載物を捨てずに、そのまま保管しておくなどして、事故と荷物の破損との因果関係を証明する証拠を残しておくことが賢明です。
ただし、以下のように、例外的に請求できるケースがあります。
物損事故の示談における注意点を以下に挙げますので、ご確認ください。
示談交渉の相手は、加害者が加入する任意保険会社となるケースがほとんどです。
ただし、加害者が任意保険に未加入の場合や、保険を使用しない場合には加害者本人と交渉します。
また、被害者も、基本的に自身が加入する任意保険会社に示談交渉を代行してもらえます。
しかし、被害者に過失がない「もらい事故」の場合、被害者自身で対応しなければなりません。
なぜなら、任意保険会社が示談交渉を代行できるのは、加入者に損害賠償責任がある場合のみだからです。
被害者自身が示談交渉に自信が持てない場合には、早めに弁護士に相談し示談交渉をすることをおすすめします。
示談金を決めるのに過失割合は重要です。
過失割合とは、交通事故が起きた責任が、加害者と被害者にどれくらいあるかを数値で示したものです。被害者にも過失割合が付くと、その割合分、受け取れる賠償金が減額されます。
以下の具体例をみてみましょう。
一度示談が成立すると、撤回・やり直しや、追加で示談金を請求することは、基本的にできません。
例えば、示談成立後に、車に載せていた時計が壊れていたことに後から気が付いたとしても、追加で損害賠償金を請求することができなくなります。
そのため、あせってサインする前に、相手方の保険会社から提示された示談案の内容をしっかりと検討し、適正なものであるか確認することが必要です。
個人で判断できない場合は、一度弁護士に見せて、精査してもらうことをおすすめします。
物損事故の損害賠償請求には、事故日の翌日から3年までという期限があり、これを時効といいます。
時効が成立すると、それ以降は基本的に示談金を請求できなくなるため注意が必要です。
ただし、時効があるからといって、あせって示談するのは禁物です。
なぜなら、相手方保険会社が提示する示談金は低額であることが多く、安易に応じると、適正な慰謝料を受け取れなくなる可能性があるからです。
納得できなければ、示談はしないようにしましょう。
事故の種類 | 起算日 | 時効 |
---|---|---|
物損事故 | 事故日の翌日 | 3年 |
人身事故(後遺障害なし) | 事故日の翌日 | 5年 |
人身事故(後遺障害あり) | 症状固定日の翌日 | 5年 |
死亡事故 | 死亡日の翌日 | 5年 |
加害者不明の事故(判明) | 加害者を知った日の翌日 | 5年 |
加害者不明の事故(不明) | 事故日の翌日 | 20年 |
自動車保険には、法律上加入が義務付けられている「自賠責保険」と、運転者が任意で加入する「任意保険」があります。
自賠責保険は、人身事故の被害者の救済を目的としているため、物損事故は適用外となります。
そのため、加害者が任意保険に未加入の場合や、対人賠償の任意保険にしか加入していない場合は、直接、加害者本人に対して、損害賠償金を請求しなければなりません。
請求する際は、加害者に直接連絡したり、内容証明を送ったりするのが一般的です。
なお、無保険の加害者は、経済的に余裕がないことが予想されるため、賠償金を請求したとしても、支払いが滞ったり、踏み倒されたりするリスクが高くなります。
そのため、加害者と直接示談交渉する必要がある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
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被害者自身で示談交渉をすることもできますが、難しいのが現実です。その理由を以下で見ていきましょう。
示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼すれば、これらのデメリットをしっかりカバーすることができます。
示談交渉が進まない場合、以下のような対処法があります。
いずれにしても、交通事故に強い弁護士に依頼することでスムーズに進み、適切な内容で解決できる可能性が高まります。
物損事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリットとして、以下が挙げられます。
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物損事故では、加害者と被害者の間で、示談金額を左右する過失割合を巡って、争いになるケースが多くあります。
弁護士に対応を依頼すれば、事故状況に基づき、基本的な過失割合と修正要素をチェックし、正しい過失割合を算定できるため、適正な賠償金を受け取れる可能性が高まります。
また、弁護士が示談交渉や、必要資料の収集等を代行して行いますので、保険会社との面倒なやり取りから解放され、心身の負担が軽くなるというメリットもあります。
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