弁護士依頼前
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交通事故の損害賠償請求は一般的に示談交渉で行われますが、示談交渉がうまくいかない場合は適切な損害賠償を得るために、裁判が必要な場合もあります。
しかし、裁判はどのように行われるのか、費用はいくらくらいかかるのか、分からないことも多いと思います。
また、令和3年度の裁判所の統計によると、交通事故の損害賠償をめぐる裁判は平均して13.3ヶ月ほどかかることが分かっています。裁判が長引く理由にはどのようなケースがあるのでしょうか。
この記事では交通事故の裁判について解説していきます。示談交渉がうまくいかず裁判をお考えの方はぜひご一読ください。
弁護士依頼前
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弁護士依頼後
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目次
交通事故の損害賠償請求事件のすべてが裁判になるわけではありません。多くの場合は示談交渉で解決することができます。裁判に発展しやすいケースは以下のとおりです。
過失割合を決めるのは警察だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、過失割合は事故の当事者が事故状況などに基づき決めていきます。一般的にまずは、加害者側保険会社から過失割合が提示されますが、その過失割合は、加害者側の主張が反映されていることが多く、被害者に不利な過失割合であることも多くあります。
過失割合は1割違うだけでも損害賠償金額に大きく影響するため、適切な過失割合で解決できるよう示談交渉することが大切です
したがって、相手方保険会社の主張する過失割合が不当であったり、話し合いをしても頑なに過失割合を変えようとしない場合は裁判をして適切な判断をしてもらう必要があります。
交通事故の賠償金を算定する際に用いる基準は以下の3つです。
このうち、自賠責基準や任意保険基準で算定された賠償金は、適正な金額とは言えないことが多く、裁判をすれば、弁護士基準を用いて算定されるので、被害者は適切な金額を受け取ることができます。
交通事故の損害賠償請求の時効は、物損事故なら3年、人身事故なら5年となっています。
この期間が経過するまでに示談交渉がまとまりそうにないときは裁判を提起した方が良いでしょう。裁判を提起することによって裁判が終わるまで時効の完成は猶予されます(民法147条1項)。
その結果、判決が確定したり、裁判上の和解が成立して、損害賠償請求権が確定すると、その時点でそれまでの時効が更新され、改めて時効のカウントが始まります(民法147条2項)。
加害者が任意保険に加入していない場合、自賠責保険で補償される範囲を超える損害賠償請求は、加害者本人に行います。
しかし、加害者本人とは示談交渉が中々進まないことも多くあり、そのような場合には裁判をすることで早期解決につながることがあります。
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「裁判」と聞くと難しい印象を持ったり、どのように裁判を提起し、どのような流れで裁判が行われるのか分からなかったりする方は多いと思います。
裁判は以下の流れで進みます。
次項からはそれぞれについて解説していきます。
裁判を始めるには、訴える側(原告)が訴状を作成し、裁判所に提出する必要があります。訴状とは、原告がどのような請求をしたいのかをまとめたものです。
訴状の書式については明確な決まりはありませんが、裁判所のホームページでダウンロードすることが可能です。また、訴状の作成は弁護士に依頼することができます。1ヶ月ほど時間はかかりますが、弁護士が作成することで、請求内容に漏れのない訴状を準備してもらえるでしょう。
訴状は被告(加害者)の数(被告用)+1通(裁判所用)を用意しましょう。被告が1名の場合は2通必要です。
訴状を裁判所に提出すると、裁判所が初回の口頭弁論期日を指定し、加害者に対し訴状を送達します。
一般的には、訴状を受け取った加害者(被告)は答弁書を作成し、第1回口頭弁論期日までに裁判所と訴訟を起こした被害者(原告)に提出します。
答弁書とは、訴状に対する反論書面です。答弁書には訴状に記載されている事実の認否と加害者側の主張が記載されます。
訴状が受理されると、1ヶ月~2ヶ月以内に第1回口頭弁論期日が決まります。
口頭弁論とは、原告と被告が、裁判官にそれぞれの主張を伝え、主張の裏付けとなる証拠を提出することです。
初回の口頭弁論では、原告が法廷に出頭して、訴状の内容を陳述し、被告側は答弁書を提出するだけで、期日には欠席することがほとんどです。そのため、初回の口頭弁論は数分で終わることもあります。
また、原告が弁護士に依頼している場合には、代理人として弁護士が原告に代わり口頭弁論期日に出頭しますので、原告本人が口頭弁論期日に出席しなくても問題はありません。
口頭弁論で提出する証拠には、以下のようなものが挙げられます。
事故状況・過失割合に関係する資料
損害に関する資料
口頭弁論期日や弁論準備期日を繰り返し、原告・被告双方の主張や証拠が出そろった後、裁判官が原告・被告に和解案を提示することがあります。
この和解案はあくまでも、その時点での裁判官の暫定的な印象による解決案です。
したがって、判決となった場合には、必ずしも和解案通りの判決が下されるわけではありませんが、早期に円満解決が図れるというメリットがあるため、和解するか十分に検討する必要があるでしょう。
双方が和解案を受け入れた場合、和解調書が作成され、裁判が終結します。
和解は双方が納得し、合意した場合のみ成立するため、和解案に合意できない場合は和解を拒否することも可能です。
和解が成立しない場合、口頭弁論が再開され、証人尋問や本人尋問が行われます。
尋問は一問一答方式で行われ、証人や本人が作成した陳述書をもとに以下の流れで行われます。
尋問は代理人だけの出席では成立せず、被害者、加害者両名が出席する必要があります。
裁判官の和解案に双方が合意できれば、裁判は和解により終結します。その際、判決と同じ効力を持つ「和解調書」が作成されます。
和解案に合意できず、判決まで進むことになったら、判決が出る前に原告・被告の双方は「最終準備書面」を裁判所に提出します。
最終準備書面では、これまで口頭弁論時に提出した主張書面や証拠書類、尋問内容を踏まえて、自分の請求が認められるべきだということを最後に裁判官に主張するのです。
最終準備書面が提出されると、判決が下される日時が指定されます。
交通事故で裁判になった場合は、解決までにおよそ半年~1年ほどかかることが多くあります。
判決に納得できない場合は、判決書が送達されてから2週間以内に控訴する必要があります。
控訴の流れは以下のとおりです。
なお、控訴が棄却されても、控訴棄却判決に不服がある場合には上告ができます。上告しない場合には、第一審の判決が確定します。
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裁判にかかる費用は、裁判を起こす側(原告)が負担するのが原則となります。
裁判にかかる費用には次のような費用が挙げられます。
次項からはそれぞれについて解説していきます。
訴えを提起するためには、裁判所に対して手数料を支払う必要があります。手数料は訴状に収入印紙を貼る形で支払います。
手数料の金額は以下の表のように請求する金額によって変わります。
請求額 | 収入印紙代 |
---|---|
100万円まで | 1万円 |
500万円まで | 3万円 |
1000万円まで | 5万円 |
10億円まで | 各裁判所の窓口に問い合わせ |
訴えを提起するときには、裁判所からの郵便物の発送に必要な郵便切手代として一定額を原告が裁判所に納めます。
原告・被告がそれぞれ1名の場合には6000円、当事者が1名増えるごとに2388円が加算されます。
裁判を弁護士に依頼した場合には弁護士費用がかかりますが、
弁護士費用特約を使用することで負担を軽減することができます。
弁護士費用特約とは、ご自身やご家族の加入する自動車保険や火災保険に付帯していて、弁護士相談料、弁護士費用を保険会社が負担してくれるというものです。
補償の金額や範囲は、保険会社ごとに異なるため、まずは弁護士費用特約が付帯しているか確認し、補償範囲について保険会社に問い合わせてみましょう。
また、交通事故裁判が和解または判決によって解決した場合には、裁判で認められた賠償金額の5~10%程度を弁護士費用として加害者が負担することになります。
以下の場合には、交通事故の裁判が長引いてしまう可能性があります。
次項からはそれぞれについて解説していきます。
ほとんどの交通事故では、被害者側にも過失が付きます。被害者側にも過失が付くと、損害賠償額に大きく影響するため、過失割合で争うことが多くなります。
特に以下のように、交通事故が起こった状況について、被害者と加害者の意見が食い違っていると、争いになりやすくなります。
事故の状況について、当事者双方の主張が食い違う場合は目撃者の証言や、ドライブレコーダーの映像、防犯カメラ、警察が作成する実況見分調書などを通して証明していくことになるでしょう。
交通事故で被害者に後遺障害が残った場合も、裁判が長引きなりやすくなります。
後遺障害とは、後遺症の中でも交通事故に起因して生じたもので、自賠責保険の定める後遺障害等級に認定されたものを指します。後遺障害等級に認定されると、等級に応じた後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益 を請求することができます。
後遺障害が残ると、請求できる損害賠償項目が増えるため、損害賠償金が高額となり、争いが生じやすくなります。
特に被害者に残存した後遺障害が、将来の収入に影響するのか、するとしてもどの程度影響するのかについては、将来の話なので、裁判の段階では明確に判断しにくいところです。
そのため、後遺障害逸失利益については特に当事者間で争いになりやすく、裁判が長引く原因となります。
交通事故によって被害者が死亡してしまった場合は、死亡慰謝料と死亡逸失利益を請求することができます。
死亡事故の場合は、交通事故からしばらく経ってから被害者が亡くなった場合は、「死亡したことと交通事故に因果関係があるのか」が争点となることがあります。
このような場合、診断書や事故から死亡に至るまでの治療経過、医師の意見書などに基づき主張していくことになりますが、医療分野が争点となりますので判断は難しくなります。 その結果、裁判が長引いてしまうことは少なくありません。
交通事故裁判のメリットには以下のようなものが挙げられます。
●弁護士基準での損害賠償が得られやすくなる
●弁護士費用なども相手に請求できる
交通事故裁判のデメリットには、以下のようなものが挙げられます。
●解決するまでに時間がかかる
●費用がかかる
●負けた場合、交渉段階よりも低い損害賠償金額しか得られない可能性がある
【事案の概要】
依頼者が停車中に後続の加害車両に追突されたという事故で、後遺障害等級8級に認定されました。相手方保険会社からは5200万円の賠償案が提示されましたが、依頼者は、相手方保険会社からの賠償案が適切であるか判断がつかず、当事務所にご依頼いただきました。
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交通事故裁判についてよくある質問にお答えしていきます。
被害者が裁判で負けてしまった場合、示談交渉で加害者側保険会社が提示した金額より低い金額しか認められなかったり、全く損害賠償金が受け取れなくなったりしてしまいます。 また、訴訟提起に必要な手数料、郵便切手代などの訴訟費用は、裁判に負けた方が負担しなければなりません。
そのため、被害者が裁判を提起し、裁判に負けると、裁判所に納付した訴訟費用は被害者自身の負担となってしまいます。
裁判は難しい手続きも多く、被害者の方おひとりでは負担が大きくなってしまいます。裁判に負けないためにも、弁護士に依頼することをおすすめします。
交通事故は刑事裁判と民事裁判の両方の側面を持っています。
民事裁判は、加害者側が支払うべき損害賠賞金がどのくらいであるのかを決める手続きであるのに対し、刑事裁判は加害者を罪に問うことが主になります。
民事裁判と刑事裁判は別々の手続きによって進められますが、民事裁判では刑事裁判の資料が過失割合を判断する際の重要な資料となりますし、刑事裁判では民事裁判で、被害者に対する適切な賠償金の支払が認められたかが刑罰を決める上で考慮されることもあるため、全く関係がないとはいえません。
交通事故裁判をしない方が良いケースは以下のようなものが挙げられます。
交通事故の裁判は弁護士に依頼しなくても行うことはできますが、手続きや裁判所への出廷など被害者の負担になることも多く、また、加害者側保険会社はプロであるため負けてしまう可能性も高くなってしまいます。
交通事故の裁判をお考えの方は私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
交通事故に詳しい弁護士ならば、裁判のメリット・デメリット、納得できる結果を得られるかを判断し、裁判を起こした方が良いかを適切に判断することができます。
弁護士は裁判の流れや手続きを熟知した裁判のプロであるため、代理人として手続きや出廷を任せることができます。その結果、被害者の方の負担が減り、尚且つ納得のいく結果が得られる可能性が高まるでしょう。
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