弁護士依頼前
金額提示前
交通事故の事故類型の中に側面衝突という事故があります。
「いきなり横から突っ込まれた」「わき道から出てきた車に衝突された」といったケースが側面衝突に当てはまります。
側面衝突の事故が起きた場合、事故態様によっては、被害者にも過失が付くことがあります。
被害者に過失が付いてしまうと、損害賠償金が被害者の過失分だけ減額してしまいます。
この記事では側面衝突の事故に着目し、事故類型別の過失割合や過失割合に納得できない場合にすべきことなどを解説していきます。
弁護士依頼前
金額提示前
弁護士依頼後
約340万円
適正な賠償額を獲得
目次
側面衝突でよくあるケースは交差点内での事故です。
事故態様としては、交差点を直進中に、交差する道路を右方または左方から直進してくる車が停止せず、車の側面に突っ込んできたケースが考えられます。
交差点内での事故では、信号機の有無によって過失割合の考え方が異なります。
過失割合とは?事故の発生についてどれだけ責任があるかを割合で表したもので、被害者に過失割合が付くと、受け取れる損害賠償金が被害者の過失分だけ減額されてしまいます。
そのため、過失割合と損害賠償金額には密接な関係があります。
信号機のある交差点の場合、交差点進入時の信号の色によって過失割合が異なります。
次項では、以下のケースについて解説していきます。
青信号の直進車と赤信号の直進車の交差点内の衝突事故では、過失割合は「青信号の直進車:赤信号の直進車=0:10」となります。
例えば、自分が青信号で交差点を進行中であったにもかかわらず、相手車両が赤信号で交差点に進入してきて、側面衝突となったようなケースです。
信号が設置されている交差点においては、自動車は信号に従わなければならないため、信号無視をした車両に100%の過失が認められます。
青信号の直進車と青信号の右折車の交差点内の衝突事故では、過失割合は 「青信号の直進車:青信号の右折車=2:8」となります。
自分が青信号で交差点を直進中に、同じく青信号で交差点を右折してきた相手が側面衝突してきたようなケースです。
道路交通法では、右折車は直進車の進行を妨げてはいけないルールとなっています。
そのためルールに違反した右折車が8割の過失を負うことになります。
では、直進車はなぜ2割の過失を負うのでしょうか。
直進車も、前が見えている以上、交差点を右折してくる対向車がないか、十分注意して進行するべきだったからです。
青信号の直進車と青信号の右折車の交差点内の衝突事故では、過失割合は 「青信号の直進車:青信号の右折車=2:8」となります。
黄信号の直進車と黄信号の右折車の交差点内での衝突事故では、過失割合は「黄信号の直進車:黄信号の右折車=4:6」となります。
自分が黄信号で交差点内に進入したが、相手も黄信号で交差点内に進入し、右折をしたため、側面衝突されたようなケースです。
黄信号のうちに交差点に進入して右折する車が多くいるため、直進車もそのような車があることは予想できるはずです。
そのため、直進車が有利であることは変わらないものの、直進車にはより前方を注意する必要があったとして、直進車の過失割合が高まります。
信号が設置されていない、見通しの悪い交差点に進入するとき、車は、道路・交差点の形状によっては、減速しなければなりません。
そのため、信号機のない交差点での出会い頭の事故の場合、道路・交差点の形状や減速したかどうかが過失割合の判断材料となります。
次項では、信号機のない交差点での出会い頭の事故の過失割合を解説していきます。
交差する両道路が同じ幅のケースでは、両車が同程度の速度であれば、過失割合は「右方車:左方車=6:4」となります。
道路交通法では左方から進行してくる車が優先するとの法則(左方優先) が定められているため、過失割合は右方車の方が高くなるのです。
しかし、左方車、右方車のいずれか一方のみが、交差点進入時に減速をした場合には、減速していない側に2割の過失が加算されることになります。
例えば、左方車のみが減速した場合には、「右方車8:左方車2」、右方車のみが減速した場合、「右方車4:左方車6」となります。
一方の道路が明らかに広いケースでは、両車が同程度の速度であれば、過失割合は「狭い方:広い方=7:3」となります。
道路交通法では、一方の道路が「明らかに広い場合」には、広い道路を走行する車が優先すると定められています。
「明らかに広い」とは、運転者が交差点入口において、道路の幅が客観的にかなり広いと一見して見分けられるものをいいます。
一方の道路が他方の道路よりも2倍程度広ければ「明らかに広い」と判断されるでしょう。
そのため、狭い道路を走行する車の方に大きい過失が付きますが、広い道路を走行する車にも、安全確認義務や交差点進入時の徐行義務があるため、一定の過失が付きます。
ただし、一方の車のみが減速している場合、減速していない側に1割の過失がさらに加算されます。
例えば、広い道路側だけが減速した場合の過失割合は「狭い方:広い方=8:2」となり、狭い方だけが減速した場合は「狭い方:広い方=6:4」となります。
一方の道路に一時停止規制があるケースでは、両車が同程度の速度であれば、過失割合は「一時停止規制のある側:一時停止規制のない側=8:2」となります。
道路交通法では、一時停止の標識がある道路を走行する車は、停止線の直前で一時停止したうえで、交差する道路を走行する車の進行を妨げてはならないと定められています。
そのため、一時停止規制がある道路を走行する車に高い過失が付きますが、一時停止規制がない道路を走行する車にも、交差点進入時の徐行義務があるため、2割の過失が付きます。
ただし、一方のみが減速している場合は減速していない方に過失が1割加算されます。
例えば、一時停止規制のある側だけが減速すれば「一時停止規制のある側:一時停止規制のない側=7:3」、一時停止規制のない側だけが減速すれば「一時停止規制のある側:一時停止規制のない側=9:1」となります。
一方の道路が優先道路の場合の過失割合は「優先道路でない側:優先道路側=9:1」となります。
「優先道路」とは、道路標識により優先道路として指定されているもの、または交差点の中まで連続して中央線または車両通行帯が設けられている道路のことです。
「優先道路」の場合は、優先道路を走行する車が優先され、優先道路を走行中の車には交差点進入時の徐行義務もありません。そのため、基本的に優先道路でない側に大きな過失が付きます。
車両が交差点進入時に減速したかどうかは、過失割合に影響しません。
対向車線の右折車に側面衝突されたケースの過失割合は「右折車:直進車=8:2」となります。
この事故の事故形態は、交差点を直進中に、対向車が同じタイミングで右折をしてきて、側面衝突されたケースが考えられます。
このような場合の過失割合を決めるポイントは「直進・左方優先の原則」です。道路交通法では、車が右折するときは、直進車・左折者の進行を妨害してはならないと定めています。
そのため、右折車と直進車の側面衝突の事故の場合は右折車に大きな過失が付きます。
ただし、直進車にも交差点内をできるだけ安全な速度と方法で進行する義務があるため、2割の過失が付きます。
自分の車が右折しようとしていたところ、交差する道路を直進していた車が 横から突っ込んできたようなケースです。
右折をする際には、直進車や左折車に注意しなければなりません。
では、具体的なパターンを見ていきましょう。
①どちらかが信号無視をして交差点内に進入した場合
信号無視をした直進車に100%の過失が認められます。
②右折車が優先道路に出る際の事故の場合
直進車同士の事故と同様に、優先道路走行車1割、右折車9割の過失となります。
③直進車の走行する道路に一時停止規制がある場合
・右折車が左方車の場合→過失割合:直進車7割、右折車3割一時停止規制がある道路を走行する際は停止線の直前で一時停止したうえで、交差する道路を走行する車の進行を妨げてはならないと定められています。
そのため、直進車でも一時停止規制がある車線を走行している場合は過失が大きくなります。
並走車が車線変更してきたことにより、後続していた直進車(車線変更された側)に側面衝突をしたケースの過失割合は「車線変更車:後続直進車=7:3」と定められています。
並走していた車が車線変更する際に横から突っ込んできたケースが考えられます。
道路交通法は、「車両はみだりにその進路を変更してはならない」と定めています。
車線変更する側がもっとも安全に配慮するべき立場であり、過失が大きくなります。
ただし、車線変更された側も、車線変更の合図から車線変更が行われることを予測し、減速するなどして、衝突をさけることはできたであろうと考えられるため、3割の過失が付きます。
車線変更の事故の過失割合については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
直進車がゼブラゾーンを走行していた場合の過失割合は「車線変更車:後続直進車6:4または5:5」となります。
ゼブラゾーンとは、交差点の手前などで多く見られる白色縞模様のゼブラ表示のことです。
運転者としては、ゼブラゾーンにはみだりに進入するべきではないと考えているのが一般的です。
そのため、後続車がゼブラゾーンを進行していた場合は後続車にも過失が上乗せされます。
道路外出入車と直進車の側面衝突の事故の過失割合は「道路外出入車:直進車=8:2」となります。
駐車場などの道路外から道路へ出ようとした際に、道路を走行中の直進車と側面衝突したようなケースです。
道路交通法では、歩行者またはほかの車両の正常な交通を妨害するおそれがあるときは道路外に出入りするための右折または左折をしてはならないと定められています。
そのため、このケースでは、道路外出入車の過失が大きくなります。
ただし、直進車も前方を十分注意していれば、道路外出入車に気が付くことは可能であるため、一定の過失が認められます。
増額しなければ成功報酬はいただきません
24時間予約受付・年中無休・通話無料
最初に相手方保険会社から提示される過失割合は、相手方保険会社が、相手方の話のみを聞いて、一方的に認定したものです。
そのため、相手方保険会社の提示する過失割合が必ずしも正しいとは限りません。
過失割合は示談金額に大きく関わるため、被害者の過失を大きく見積もっている可能性もあります。
以下では、側面衝突事故の過失割合に納得いかない場合の対処法について解説していきます。
交通事故の過失割合に納得がいかない場合はこちらのリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
ただ単に被害者の過失が少ないことを主張しても、相手方保険会社は認めてくれません。
交渉で、相手方保険会社が提示した過失割合を有利に修正するには、被害者の主張する過失割合が正しいことを証明できる、事故当時の状況を示す以下のような証拠が重要です。
様々な事故類型ごとに、過去の判例に基づき、基本的な過失割合が決められています。
しかし、同じ事故類型でも、事故の状況は様々であり、具体的な事故状況を考慮して、基本的な過失割合を修正しなければならない場合があります。
個々の事故状況に応じて、基本的な過失割合を加算・減算する要素を「修正要素」といいます。
被害者に有利な修正要素を主張することで、5~20%程度修正される可能性もあります。
【修正要素の具体例】
過失割合の修正要素については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。
合わせて読みたい関連記事
交通事故に詳しい弁護士であれば、過失割合の知識や過去の判例に詳しいため、適切な過失割合を主張・立証していくことが可能です。
また、弁護士であれば、被害者の代理人として、過失割合の判断で重要な証拠となる「実況見分調書」を参照し、正しい過失割合を主張できます。
示談金額の算定基準は3種類ありますが、弁護士の使う「弁護士基準」は、3種類の中で最も高額になる基準です。
そのため、弁護士に依頼することで、示談金の増額が見込めます。
また、弁護士は過失割合の交渉に限らず、後遺症が残った場合に後遺障害等級認定申請のサポートを行うこともできます。
交通事故に遭われた際はなるべく早く弁護士に依頼することで、示談解決に至るまで、全般にわたってサポートを受けることができるので、被害者の方の不安や負担を減らすことができます。
ご依頼者様がバイクを運転して走行中、右前方にいた自動車が突然車線変更をしてきて衝突した事案です。
ご依頼者様はこの事故で、広く全身にわたる傷病を負いました。
その後物損についての交渉、過失割合の交渉、休業損害についての交渉を、弁護士を通じて行いたいとのことで、弁護士法人ALGにご相談いただきました。
当方弁護士は、物損についてはある程度話が進んでいたことから、弁護士がアドバイスし、本人が解決という形をとりました。
物損の内容やドライブレコーダーの映像について確認し、的確な内容をアドバイスしたことで、物損は解決となりました。
一方、怪我については、当法人において、残存した症状に関する資料を収集し、被害者請求の形で後遺障害等級認定申請を行い、14級5号が認定されました。
過失割合を有利に動かすアドバイスができたこと、後遺障害等級を獲得できたことに加え、資料が十分でないながらも、休業損害等を含めて損害額が認定され、最終支払額としては自賠責からの後遺障害部分の支払いと併せて約340万円を回収することができました。
側面衝突の過失割合についてよくある質問にお答えしていきます。
車線変更の基本的な過失割合は「車線変更車:後続直進車=7:3」となります。
しかし、ウインカーで合図を出さずに車線変更した場合は、車線変更者の過失20%加算修正され、「車線変更車:後続直進車=9:1」になる可能性があります。
道路交通法では、車線変更をするときは、車は手、方向指示器または灯火により、合図をしなければならないと定められています。
そのため、ルールを破った相手方車両に大きな過失が付くことになります。
仮に信号機のない、道路幅が同じ交差点と仮定した場合、自転車と自動車の側面衝突の過失割合は「自転車:自動車=2:8」となります。
自動車側は衝突されたのだから自分の過失が大きくなるのはおかしいと思うかもしれません。
しかし、自転車は交通弱者であり、事故を避ける能力が低いうえ、いったん事故に巻き込まれると自転車に乗っている人が大きな怪我をしかねません。
そのため、自転車の過失割合は低くなり、自動車の過失割合が高くなります。
しかし、無灯火、自転車が2人乗り、携帯電話を操作しながらの運転など悪質な運転をしていた場合には過失修正されることがあります。
この記事では側面衝突の過失割合について解説してきました。しかし、事故態様は個々の事故によって様々で、必ずしも基本過失割合に当てはまるわけではありません。
自分の事故の正しい過失割合を知りたい、相手方保険会社の提示する過失割合が正しいのか知りたいという方は私たちにご相談ください。
過失割合は損害賠償額に大きく影響しますが、側面衝突では被害者に過失が付く場合も多くあります。
相手方保険会社の提示する過失割合は必ずしも正しいとは限らないため、正しい過失割合を主張する必要があります。
しかし、正しい過失割合を主張するためには、実況見分調書などの客観的証拠に基づき、事故状況を正確に把握することが重要です。交通事故に詳しくない一般の方には難しいことでしょう。
そこで、弁護士に依頼することで、事故状況を正確に把握した上で、過去の判例から、正しい過失割合を主張することができます。
また、早期に弁護士に依頼することで、事故の全体的なサポートをすることができ、被害者の方の負担を減らすことができます。
交通事故に遭われた際は私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
増額しなければ成功報酬はいただきません
24時間予約受付・年中無休・通話無料