裁判員裁判の対象事件とは?除外されるケースや弁護活動などを解説
裁判員裁判の対象となるのは、法律で定められた重大事件に限られます。
また、対象事件であっても、裁判員の安全を脅かすなどのリスクがある場合は対象外となる可能性があります。
裁判をできるだけ有利に進めるためにも、裁判員裁判の進め方やポイントをあらかじめ把握しておくことが重要です。
この記事では、裁判員裁判の対象事件や対象から除外されるケース、裁判員裁判の流れ、適切な弁護活動などについて解説していきます。
目次
裁判員裁判の対象事件とは?
裁判員裁判とは、国民の関心が高い重大事件について、一般市民が裁判官とともに裁判へ参加する制度です。
対象となるのは、殺人罪や強盗致死傷罪など社会的関心・影響の大きい重大事件に限られます。
- 殺人罪(人を殺した場合)
- 強盗致死傷罪(強盗が人に重傷または死亡をもたらした場合)
- 傷害致死罪(暴行などにより人を死亡させた場合)
- 危険運転致死罪(泥酔運転などにより死亡事故を起こした場合)
- 現住建造物等放火罪(居住中の建物を放火し被害が出た場合)
- 身代金目的誘拐罪(身代金目的で人を誘拐した場合)
- 保護責任者遺棄致死罪(保護者が無視・放置により死亡させた場合)
- 営利目的などの覚せい剤密輸事件(財産目的で薬物を輸入した場合)
- 不同意性交等致傷罪(相手の同意なく性交等を行い、被害者を死傷させた場合) など
他にも、裁判員裁判の対象となる事件は多数あります。詳しくは以下の法務省のページをご覧ください。
裁判員裁判対象事件裁判員裁判の対象事件から除外されるケース
裁判員裁判の対象となる事件でも、以下のような場合は対象から除外される可能性があります。除外された場合、裁判は“裁判官のみ“で進められます。
- 裁判員の安全が脅かされるおそれがある場合
例:暴力団関係者が関与しており、裁判員に対して脅迫や報復が行われる可能性がある事件 など - 審理が著しく長期化するおそれがある場合
公判期日の回数が非常に多い、または審理期間が著しく長期化し、裁判員の職務遂行に支障があると裁判所が判断した場合 など
裁判員裁判は、一般市民の参加を原則としているため、身の安全などは十分確保しなければなりません。
対象から除外されるケースは例外的ですが、裁判員やその家族に危害が及ぶ場合や、継続的な参加が難しい場合、裁判官のみで審理が行われることもあります。
対象事件と非対象事件の両方で起訴されるケースもある
同一の被告人に対し、異なる犯罪事実が複数起訴されることがあります。
たとえば、裁判員裁判の対象事件である強盗致死罪(重大事件)と、非対象事件の窃盗罪(軽微事件)が同時に起訴されるようなケースです。
この場合、同時に起訴された“非対象事件”についても、裁判員裁判の対象事件とまとめて扱われることがあります(併合審理)。
併合審理は、被告人や裁判所の手続きを効率化できる一方、裁判員の負担が大きいなどのデメリットも考えられます。そのため、「区分審理」を採用し、必要に応じて事件を分けて審理する制度も認められています。
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逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。
裁判員裁判の流れ
裁判員裁判は、主に以下のような流れで手続きが進みます。
- 1.公判前整理手続
裁判員の選任前に行われる手続きです。裁判官・検察官・弁護人によって、争点や証拠の整理、スケジュール調整などが行われます。 - 2.裁判員の選任
公判前整理手続とほぼ並行して、裁判員6名と補充裁判員が選任されます。 - 3.公判
裁判員選任後は、冒頭手続→証拠調べ手続→弁論手続の順に裁判が進みます。 - 4.評議
裁判官と裁判員が議論し、有罪・無罪の判決と刑罰内容を決定します。 - 5.判決宣告
裁判長が評議の結果に基づき、法廷で判決を読み上げます。この段階で、裁判員としての任務は終了します。
裁判員裁判の流れについて、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
裁判員裁判の流れとは?裁判員裁判の対象事件では弁護士による活動が重要
裁判員は一般市民から選任されるため、通常の裁判とは進め方のポイントが変わってきます。
そのため、専門的な弁護技術を備えた弁護士のサポートを受けるのが得策でしょう。刑事事件に詳しい弁護士であれば、以下のようなサポートを提供できる可能性があります。
- 公判前整理手続で証拠や争点を整理し、戦略的な準備ができる
- 減刑を目指せる
- 無罪を主張するための適切な準備ができる
- 充実した法的サポートを受けられる など
裁判員は法律の専門家ではないため、検察陳述に傾かないよう、弁護士が聞き取りやすい構成や話し方で主張を伝えることが重要です。裁判員の信頼と理解を得るためにも、弁護士による活動は不可欠と考えられます。
裁判員裁判での弁護活動について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
裁判員裁判における弁護士の重要性裁判員裁判の対象事件に関するよくある質問
殺人未遂も裁判員裁判の対象事件になりますか?
殺人未遂(殺意を持って殺害行為に及んだものの、相手が死亡しなかった場合)も、裁判員裁判の対象になります。裁判員裁判の対象は、法律で
- 死刑又は無期拘禁刑に当たる罪に係る事件
- 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの
と規定されています。殺人未遂罪の刑罰は「死刑又は無期若しくは5年以上の拘禁刑」なので、裁判員裁判の対象です。
自分の事件が裁判員裁判の対象だった場合、取調べの様子を録音・録画できますか?
被疑者本人が取調べの様子を録音・録画することはできません。
裁判員裁判の対象事件で逮捕・勾留された被疑者の取調べは、捜査機関が制度に基づいて録音・録画を行います。
そのため、被疑者本人が録音・録画することは許可されておらず、取調べ室に入室する際も、スマートフォン等の持ち込みは禁止されています。
取調べの録音・録画の有無や内容を確認したい場合は、弁護士を通じて捜査機関に照会をかけましょう。
裁判員裁判になったら刑事事件に精通した弁護士法人ALGにご相談ください
裁判員裁判の対象事件となった場合、一般市民である裁判員が参加するため、通常の裁判とは異なる配慮が求められます。裁判員が理解できない状況は、被告人への不信感につながり、不利益を受けるおそれがあります。
刑事事件の豊富な経験と専門技術を持つ弁護士に依頼し、裁判員の信頼と理解を得るのが望ましいでしょう。
弁護士によって対応方針なども異なるので、事件の内容や相性を踏まえて弁護士を選ぶことも重要です。
弁護士法人ALGには、刑事事件の経験が豊富かつ専門的技術を持つ弁護士が複数名在籍しています。裁判員裁判の対象となり、少しでも納得のいく判決結果を望まれる方は、お気軽にご相談ください。
