道路交通法違反とは?違反点数や罰金・反則金、違反例について
道路交通法違反の中には、無免許運転、飲酒運転、ひき逃げ、スピード違反等、刑事事件として取扱われる犯罪が多く含まれています。
ここでは、道路交通法違反でよく問題となる点を解説します。
目次
道路交通法違反とは
道路交通法違反は、道路上の交通の安全を確保するための法律です。
飲酒運転の車が道路を走行していると、歩行者や他の車が危険にさらされることは、容易に想像がつきます。飲酒運転をした運転者に対は、法律違反として刑事罰の対象となります。
また、飲酒運転をした運転者に対しては、違反点数が課され、免許の停止や免許の取消処分の対象とすることにより、悪質な運転者を道路上から排除することになります。
道路交通法に違反した場合の処分
飲酒運転をしたドライバーが行政処分として免許停止や取消の対象となることは、道路上の交通の安全を脅かすドライバーを排除するということでしょう。
同時に、飲酒運転は犯罪ですので、飲酒運転をしたドライバーは、刑事事件として罰金や拘禁刑の対象になりえます。
違反点数
交通違反をした場合、違反に応じて、違反点数が加算されます。そして、累計の違反点数によって、免許停止、免許取消といった行政処分が課されます。
例えば、過去に行政処分歴が無い場合を前提とした場合、30キロ以上50キロ未満のスピード違反の場合、違反点数は6点で免許停止30日の行政処分の対象となります。
また、ひき逃げをしてしまった場合、違反点数は35点であり、免許取消となり、3年間は免許が取得できません(欠格期間)。なお、ひき逃げをしたということは、人身事故となっているので、人身事故の点数も加算されます。
また、ひき逃げは、道路交通法違反として刑事罰の対象であり、ひき逃げをしてしまうと、罰金で済む略式手続きはなく、公判請求(正式裁判)されてしまう可能性が高いでしょう。
ひき逃げをすると、長期間自動車が運転できなくなること、刑事裁判となってしまうことを覚悟しなければならないということです。
罰金・反則金
罰金と反則金は、どちらも一定額のお金を支払うことから、混同されやすいものです。
反則金は、比較的軽微な交通違反に行政処分として科されるものです。罰金は、重大な交通違反に対して刑事罰として科せられるものです。
大きな違いとしては、反則金は前科とはなりませんが、罰金は前科となります。
【一覧】道路交通法違反の行為例
飲酒運転
飲酒運転した場合に犯罪となるのは、酒気帯び運転と酒酔い運転の2つがあります。
酒気帯び運転は、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15以上であれば、成立します。次に、酒酔い運転は、呼気中のアルコール濃度にかかわらず、アルコールの運転によって正常に車両の運転ができない状態であれば成立します。
酒気帯び運転の法定刑は、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。酒酔い運転の法定刑は、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
酒酔い運転の方が、法定刑が重いのですが、これまでの多数の刑事事件を取り扱った経験からすると、飲酒運転で処罰されているのは、酒気帯び運転ばかりというのが実感です。
おそらく酒気帯び運転は、呼気検査の数値等、客観的な証拠があるため立件が容易であるためと考えられます。
ひき逃げ・当て逃げ
ひき逃げは、当て逃げは、どちらも、交通事故をおこしたにも関わらず、事故現場から逃走することを指しますが、ひき逃げは、人身事故であった場合、当て逃げは、物損事故にとどまった場合です。
ひき逃げと当て逃げでは、下記のように刑の重さが大きく異なります。
ひき逃げをした場合、救護義務違反となる可能性があり、人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであった場合、10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
当て逃げをした場合は、道路における危険防止措置義務違反となる可能性があり、1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金となる可能性があります。
あおり運転
従来、あおり運転を直接処罰する規定はありませんでしたが、2017年に発生した東名高速道路あおり運転事故をきっかけに、あおり運転は妨害運転罪として処罰の対象となりました。
妨害運転罪は、他の車両等の通行を妨害する目的で、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法で、一定の違反行為をした場合です。
一定の違反行為とは、例えば、車間距離を極端につめる行為、しつこくクラクションを鳴らす行為、
幅寄せや蛇行運転、危険な追い越し行為等です。
妨害運転罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。高速道路における妨害運転罪であれば、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金となっています。
自動車以外の道路交通法違反について
自動車を運転していて人身事故をおこした場合、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律が適用され、過失運転致死傷罪等で処罰される可能性があります。
自転車を運転していて人身事故をおこした場合、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律は適用されません。
自転車で人身事故をおこした場合は、刑法の重過失致死傷罪が適用され、処罰される可能性があります。実務上、自転車の運転者が重過失致死傷罪で処罰される例は、少なからずあります。
重大過失にあたる事故として逮捕されるケース
交通事故をおこした場合、他事件と比べて逮捕されないケースも多いといえますが、逮捕されるケースもあります。
比較的、逮捕されていることが多いと感じるのは、死亡事故等、結果が重大なものであった場合、交通事故に飲酒運転を伴っていた場合、ひき逃げの場合等です。
道路交通法違反やそれにより逮捕された場合は弁護士にご相談ください
飲酒運転、ひき逃げ等の事案で逮捕されることはあります。
ただ、逮捕されたとしても、交通事犯の場合、適切な弁護活動により勾留を防ぐことが可能なこともあり、仮に勾留されたとしても、不服申立をして勾留されたことを争うべき事案であることが多々あります。
交通事犯で勾留を防いだこと、勾留された事案について、不服申立をして釈放を勝ち取ったことは何度もありますので、道路交通法違反関連で逮捕された場合、ぜひ、ご相談ください。