交通事故の弁護士相談で費用倒れになる5つのケースと回避方法

交通事故の弁護士相談で費用倒れになる5つのケースと回避方法

交通事故を弁護士に依頼することは、慰謝料の金額が増額するなどさまざまなメリットがありますが、弁護士に依頼するには弁護士費用がかかります。 場合によっては弁護士に依頼することで、得られる利益よりも弁護士費用の方が高くなってしまう費用倒れになってしまう可能性もあります。

この記事では、費用倒れになる理由や費用倒れになりやすい5つのケースについて解説していきます。 また、費用倒れを避ける4つの方法についても解説していますので、費用倒れの不安がある方はぜひご覧ください。

主婦の損害賠償額を、提示額から約1000万円増額させた事例
  • 後遺障害等級:併合11級

弁護士依頼前

500万円

弁護士介入

弁護士依頼後

1500万円

約1000万円の増額

交通事故の弁護士相談による費用倒れとは?

費用倒れとは、より多くの利益を得るためにかけた費用が、得られた利益の額よりも高額となり、結果としてマイナスの状態になってしまうことを指します。

交通事故の損害賠償請求にあてはめると、弁護士に依頼したものの損害賠償額がそこまで増額せず、被害者が受け取れる金額が弁護士費用を差し引くことでかえって少なくなってしまう状態を費用倒れと呼びます。
費用倒れの具体的な例を見ていきましょう。

【弁護士に相談し費用倒れとなる具体例】
  • 加害者から提示された損害賠償金の金額:100万円
  • 弁護士が交渉し合意した金額:130万円
  • 弁護士費用:60万円
  • 被害者が受け取れる損害賠償金の金額:70万円

この例では、弁護士に相談したことによって、損害賠償金が増額されました。
しかし、増えた金額よりも弁護士費用の方が高額であったため、被害者が受け取れる金額は当初より減ってしまったのです。

交通事故で弁護士に依頼して費用倒れになる理由

費用倒れが起きてしまう原因は、弁護士費用の中に成果には関係なく請求される固定料金があるためです。
例えば、「交渉着手時には着手金として〇円、交渉で解決せず、調停に移行する場合はさらに着手金〇円、それでも解決せず訴訟に移行する場合はさらに着手金〇円を請求する」というように新たに追加の着手金を支払う必要が出てくるケースがあります。
そのため、弁護士費用がかさみ費用倒れとなってしまうのです。

特に後遺障害等級認定異議申立て、調停や裁判の手続きをする際は追加で弁護士費用がかかってしまうこともありますので、事前に見積もりを取るようにしましょう。 また、保険会社からの示談金提示前に弁護士に依頼する場合は、経済的利益が不明なまま依頼することになるため、知らない間に費用倒れとなることもあります。事前に確認しましょう。

交通事故の弁護士費用の内訳

弁護士に依頼する際に必要となる弁護士費用は、以下の2パターンで計算されます。

  • ①着手金・報酬金方式
  • ②時間報酬方式

着手金・報酬金方式では、弁護士費用は主に以下表の5項目で構成されています。

弁護士費用の種類 解説
法律相談料 ・受任契約以前に法律相談をした場合に請求される費用
・初回無料、または30分5000円~としている弁護士事務所が多い
着手金 ・弁護活動の結果に関わらず事務処理の対価として支払われる費用
成功報酬 ・弁護活動の対価として、成功の程度に応じて請求される費用
日当 ・弁護士が遠方の裁判所に出廷したり、出張したりした場合に請求される費用
・移動距離や要した時間によって金額が設定されていることが多い
実費 ・弁護活動を行う上で必要な経費
・交通費、通信費、収入印紙代などを実費で請求されることが多い

交通事故で弁護士に依頼すると費用倒れになる金額の目安

それでは、具体的に交通事故に関する弁護士費用の例をもとに費用倒れとなる金額の目安を見ていきましょう。

着手金(税込) 成功報酬(税込) 費用倒れになる経済的利益
ケース1 0円 経済的利益の11%+22万円 約25万円以下
ケース2 0円 経済的利益の11%+19.8万円 約22万円以下
ケース3 0円 経済的利益の22%+11万円 約14万円以下

上記の例から、着手金や成功報酬のうち、経済的利益に関係なく請求される固定金額が高くなれば、費用倒れとなりやすい傾向にあることが分かります。

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  • ※諸経費20,000円( 税込22,000円 )がかかります。
  • ※死亡・後遺障害等級認定済みまたは認定が見込まれる場合
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  • ※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。
  • ※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

交通事故で弁護士に依頼すると費用倒れになりやすい5つのケース

交通事故で弁護士に依頼すると費用倒れになりやすいケースには以下のようなものがあります。

  • ①物損事故
  • ②加害者が任意保険に未加入
  • ③怪我が軽症
  • ④被害者の過失割合が大きい
  • ⑤事故の証拠不足

次項でそれぞれについて詳しく解説していきます。

①物損事故

交通事故で受けた損害が物損のみの場合は、弁護士介入による損害賠償金の増額が少なく、費用倒れとなってしまうおそれがあります。

物損事故とは

交通事故によって生じた車両の損傷や積載物の破損など、物に関する損害

物損の損害賠償金は、修理工場が出した修理見積書や市場価格など、客観的な基準をベースにして決まります。
よって、弁護士が介入したとしても損害賠償金の大幅な増額が見込めないのです。

②加害者側が任意保険に未加入

加害者が任意保険に未加入の場合は回収額が少なくなるため費用倒れとなってしまうことがあります。
例えば加害者が自賠責保険のみ加入している場合は、損害賠償請求額は下記の通り上限が定められています。上限を超えた分は加害者本人に請求しなければなりません。

●人身事故:120万円
●後遺障害の残る人身事故:75万~4000万円
●死亡事故:3000万円

任意保険に未加入の加害者は資力に乏しいことも多く、弁護士が介入しても加害者側から十分な損害賠償金を回収できなことも多くあり、その場合には被害者が受け取れる金額は上記のように自賠責保険の上限額までとなります。そのため、費用倒れとなる可能性が高まってしまうでしょう。
対処法として被害者自身の任意保険(人身傷害保険や搭乗者傷害保険など)に保険金を請求することもできるため、保険会社に問い合わせてみましょう。

③怪我が軽傷

1ヶ月程度の通院で、怪我が完治するような軽微な人身事故の場合、弁護士介入による損害賠償金の増額が少なく、費用倒れとなる可能性が高まります。

例)1ヶ月通院し、実通院日数15日だった場合の入通院慰謝料
●自賠責基準:12万9000円
●任意保険基準:13万円程度
●弁護士基準:19万円程度

この例では、弁護士が介入しても増額は6万円程度で、軽微な交通事故は費用倒れとなりやすくなっています。

④被害者の過失割合が大きい

交通事故で、被害者の過失割合が大きい場合は、加害者から回収できる損害賠償金が少なくなり、費用倒れとなってしまうことがあります。

過失割合とは

発生した事故に対する加害者と被害者の責任を割合で表したもの

例えば、交通事故の過失割合が「加害者:被害者=5:5」だとします。 このとき、加害者側保険会社から最初に提示された損害賠償金が100万円で、弁護士が介入することによって150万円まで増額したとします。
この例では損害賠償金額は確かに50万円増額していますが、被害者の過失分50%を減額すると実際の増額分は25万円となります。

弁護士介入後の提示額150万×(1-0.5)-相手方保険会社提示額100万×(1-0.5)=25万

このように、被害者の過失割合が大きいとそれだけ示談金も減額してしまうのです。

加害者側保険会社の提示する過失割合に納得がいかない場合は一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

⑤事故の証拠不足

交通事故の損害を証明する証拠が乏しいと、損害賠償金の増額が困難になり、費用倒れとなることがあります。
例えば、以下の具体例の状況が考えられます。

  • 通院記録や診断書がない
  • 交通事故を警察に伝えておらず交通事故証明書が作成されていない
  • 収入の証明がない

交通事故の損害賠償金はあくまでも客観的な証拠を踏まえて交渉し、金額が決まります。
そのため、そもそも証拠が不足していると弁護士に依頼しても増額することが難しく、費用倒れとなる場合があります。

対処法として、交通事故から早い段階に弁護士に相談し、証拠集めについて適切なアドバイスをもらうと良いでしょう。

交通事故での費用倒れを避ける4つの方法

ここまで費用倒れになりやすいケースについて解説してきましたが、費用倒れを回避する方法はあるのでしょうか? 費用倒れを避ける方法には以下の4つの方法があります。

  • ①弁護士費用特約を利用する
  • ②事前に弁護士に見積もりを出してもらう
  • ③完全報酬型の弁護士に依頼する
  • ④司法書士・行政書士に依頼する

次項からはそれぞれについて解説していきます。

①弁護士費用特約を利用する

弁護士費用特約とは、自動車保険や火災保険に付帯するもので、弁護士相談料、弁護士費用を保険会社が負担してくれるというものです。
一般的には法律相談料10万円まで、弁護士費用300万円までを保険会社が負担してくれるため、費用倒れになる心配がありません。

ご自身の自動車保険に付帯していなくても、ご家族の自動車保険や火災保険に付帯していれば、補償対象となる場合もあります。
まずはご自身やご家族の自動車保険や火災保険を確認し、補償範囲について保険会社に問い合わせてみましょう。

②事前に弁護士に見積もりを出してもらう

弁護士としても、結果を出すことができないと分かっている案件を引き受けることは心苦しいものです。
そのため、相談の段階で費用倒れの可能性があるのかしっかりと聞くこと、見積もりを出してもらい弁護士費用を差し引いて実際に受け取れる金額はいくらなのか確認することも大切です。

③完全成功報酬型の弁護士に依頼する

完全成功報酬型とは、成功報酬しか手数料が発生しない料金形態です。
そのため、相談料や着手金は無料となり、固定費となる弁護士費用を抑えることができます。その結果、費用倒れになる可能性が低くなりますが、まずは見積もりを取ることをおすすめします。

④司法書士・行政書士に依頼する

弁護士以外の士業に依頼する方法も一つの手です。司法書士や行政書士に依頼する場合、一般的に弁護士よりも報酬が少なくなります。
ただし、司法書士に関しては140万円以下の示談交渉にしか対応することができず、行政書士は交渉自体が禁止されています。

そのため、司法書士や行政書士に依頼する場合は、物損事故で少額の交渉がある場合、自賠責保険会社への請求手続きのみ依頼したい場合など、司法書士や行政書士の業務範囲とご自身の依頼事項が合致することを事前に確認しましょう。

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  • ※事案によっては対応できないこともあります。
  • ※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。
  • ※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。

交通事故の弁護士費用は相手に請求できる?

交通事故の被害に遭った場合、弁護士費用を加害者側に支払ってほしいと思うかもしれませんが、結論として、示談交渉では弁護士費用を加害者側に請求することはできません。
示談交渉は弁護士に依頼することで大きなメリットがありますが、ご自身でも可能とみなされます。そのため、示談交渉で弁護士に依頼するかどうかは被害者の自由意志であり、その費用は被害者自身が負担するべきと考えられています。

しかし、裁判となるとより高い専門性が必要であると判断され、被害者が弁護士に依頼することは一般的なことと判断されます。
そのような理由から、裁判になった場合は請求する損害賠償額の10%を弁護士費用として加害者側に請求することができます。

弁護士法人ALGの無料相談では費用倒れの可能性を確認できる

弁護士法人ALGでは、相談料・着手金を無料でご案内できるケースもあります。
成功報酬型の場合、費用倒れの可能性が低く、費用倒れの心配のあるご相談者様でも安心してご相談いただけるかと思います。

また、私たちは受付の段階で事故状況を丁寧にヒアリングし、事前に費用などについてもご説明させていただいています。ご相談者様の費用負担が大きく、費用倒れになるリスクがある場合は事前にその旨をご案内しております。
ご依頼の有無にかかわらずまずはお気軽にご相談ください。

弁護士法人ALGの交通事故の解決事例(約1000万円の増額)

被害者の方は自転車で、丁字路交差点を走行中に、進入してきた加害車両に衝突され、転倒し重症を負いました。その後、後遺障害等級認定を申請し、併合11級とされました。
被害者の方は相手方保険会社から損害賠償金として500万円の提示を受けましたが、妥当な金額か疑問をもたれ、当事務所にご依頼いただきました。

担当弁護士は、損害賠償項目について弁護士基準で計算し直し交渉していくとともに、実況見分調書を取り寄せて、過失割合について8:2から9:1へと、依頼者に1割有利に修正することができました。
その結果、最終的には当初の提示額よりも約1000万円増額した1500万円で示談することができました。

交通事故による弁護士費用で費用倒れが心配な方は、まずは無料相談をご活用ください。

交通事故は弁護士に相談することで、示談金の増額など大きなメリットが得られます。
しかし、本記事で解説した5つのケースでは、費用倒れになる可能性もあるため注意が必要です。

費用倒れが心配な場合はまずは無料相談を活用し、見積もりを取りましょう。
私たち弁護士法人ALGでは、無料相談を行っています。また、受付の段階で費用倒れのリスクがある場合はきちんと説明させていただいています。そのため、安心してご相談ください。

無料相談を活用することで、必要となる弁護士費用や獲得できる示談金の目安を知ることができ、費用倒れにならないことを事前に確認してからご依頼いただけます。

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  • ※弁護士費用特約を利用する場合、別途の料金体系となります。
  • ※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。