保険会社に支払い拒否されてしまった場合はどうしたらいい?

保険会社に支払い拒否されてしまった場合はどうしたらいい?

交通事故の加害者が自動車保険に加入していた場合は、加害者側の任意保険会社が加害者に代わって示談交渉を行うのが一般的です。
その際に、加害者側の任意保険会社から治療費などの支払いを拒否されてしまってお困りではありませんか?

被害者側の過失が大きい場合や交通事故との因果関係に問題がある場合などに、任意保険会社の判断により被害者への支払いを拒否することがあります。
本記事では、保険会社が支払いを拒否する理由やその対処法に着目し、詳しく解説していきます。

過失割合や休業損害、逸失利益について争い、こちらの主張に近い賠償額の支払いを受けることができた事例
  • 症状:頚部痛、両小指のシビレ等
  • 後遺障害等級:併合11級(脊柱変形11級7号、両小指のシビレ等14級9号)

弁護士依頼前

提示前

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弁護士依頼後

2,000万円

適正な賠償額を獲得


弁護士依頼前

50対50

弁護士介入

弁護士依頼後

80対20

過失割合を有利に修正

保険会社が交通事故被害者に支払う賠償金とは?

保険会社が交通事故被害者に支払う賠償金は、事故の形態によって異なります。

●物損事故の場合
  • 修理費
  • 買い替え差額
  • 評価損
  • 代車代
  • 休車損
  • 登録手続き関係費
●人身事故の場合
  • 治療費
  • 付添看護費
  • 将来介護費
  • 入院雑費
  • 通院交通費
  • 装具代
  • 自宅改造費・休業損害
  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 後遺障害逸失利益
●死亡事故の場合
  • 死亡慰謝料
  • 死亡逸失利益
  • 葬儀費用

大まかには上記のような内訳となりますが、事故ごとに他にも様々な損害があります。

このうちの治療費について、加害者側の任意保険会社が直接病院に支払い対応することを一括対応といいます。
保険会社による一括対応により治療費の負担が軽減されるため、被害者にとっては非常に便利ですが、あくまで保険会社によるサービスに過ぎないため、保険会社によっては一括対応を拒否する場合があります。

保険会社に治療費の支払いを拒否されるケース

被害者にとって治療費の負担が軽減されるなど、保険会社による一括対応は非常に便利なサービスです。ですが、あくまでサービスであるからこそ、保険会社から一括対応をしてもらえない場合があります。

では、保険会社に治療費の支払い(一括対応)を拒否されるケースには、どのようなものが多いのでしょうか?
次項で解説していきます。

事故との因果関係が低いと判断された場合

治療費の支払いを受けるためには、交通事故が原因で生じた怪我の治療であること、つまり、事故との因果関係が必要となります。
医師から指示のない整骨院(接骨院)、心療内科などの受診や、事故からある程度の時間が経ってからの受診などは事故との因果関係が低いと判断され、治療費について、加害者に賠償義務があるのかどうかが争点になりやすい傾向にあります。

また、治療費は原則として必要かつ相当な実費についてのみ認められますので、必要性や相当性がない場合には過剰診療・高額診療として、加害者に賠償義務はないと否認されることがあります。

被害者側の過失が大きい場合

交通事故の過失割合とは、被害者と加害者の責任がどのくらいあるかを数値で表したものです。
被害者の過失割合が大きいのに、保険会社が治療費の一括対応をしてしまうと、一括対応により支払った治療費が、被害者に本来支払うべき賠償金額を上回ってしまう可能性があるため、保険会社は一括対応を拒否することが多くあります。

一般的には被害者の過失割合が3割までであれば一括対応をしてもらえますが、4割以上になると一括対応をしてもらえない可能性が高くなります。

保険の契約内容と合わなかった場合

任意保険は、保険者本人だけでなく家族も利用できる場合があります。
そのため、加害者本人が保険に入っていなくても、加害者の家族が入っている任意保険を利用することができます。
ですが、任意保険には運転者年齢条件が設定されているため、加害者の家族が設定していた年齢を加害者本人が満たしていない場合は、対象外となり任意保険を使用することができません。

加害者が示談代行に同意しない場合

加害者側の任意保険会社が示談代行を行うには、当然契約者である加害者から同意を得なければなりません。
治療費支払いの一括対応自体は任意保険会社による示談代行サービスのひとつとして行われることが多いため、加害者が示談代行に同意しないのであれば一括対応を行うことができません。

加害者が示談代行に同意しない理由としては、加害者が自分の非を認めない、自分には過失がないと主張している場合や任意保険会社ではなく弁護士をつけようとしている場合などが考えられます。

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保険会社に支払いを拒否された場合の対処法

加害者側の任意保険会社に一括対応を拒否されると、被害者は治療費の立替えをしなければなりません。
治療費の立替えをすることは、一時的に出費がかさみ家計を圧迫させてしまいます。

治療費の立替えによる家計の圧迫を防ぐためにも、いくつか対処法があります。
どのような対処法があるのか、次項で詳しくみていきましょう。

加害者側の自賠責保険に被害者請求をする

被害者請求とは、加害者の加入している自賠責保険会社に被害者が直接治療費などの請求を行うことです。

交通事故証明書や診断書などの必要書類を揃え、加害者の自賠責保険会社へ提出・請求することで、保険金を受け取ることができます。
ただし、自賠責保険から支払われる保険金には限度額があり、治療費や通院交通費、休業損害などの傷害部分に関する損害については被害者1名につき120万円までと定められています。

被害者請求については、以下リンクにて詳しく解説しておりますので、併せてぜひご一読ください。


人身傷害保険を利用する

被害者自身が人身傷害保険に加入している場合、人身傷害保険を利用することができます。

人身傷害保険とは、交通事故により自身や搭乗者が怪我や死亡してしまった場合に、治療費などの損害を過失割合に関係なく補償してもらえる保険です。
人身傷害保険金の支払いだけであれば、基本的に等級が下がることはありません。
ですが、対人賠償や対物賠償保険を使う場合は、等級が下がってしまうおそれがありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。

労災保険や健康保険を利用する

業務中の事故の場合は労災保険を利用し、治療費の支払いを受けることができます。
一方、業務外の事故の場合は、健康保険を利用することができます。

健康保険を利用すれば治療費の窓口負担が3割に軽減されるため、立替えの負担が減ります。
ですが、交通事故の治療で利用する場合は、自身が加入している保険組合等に第三者行為による傷病届を提出する必要があります。
第三者行為による傷病届の書類は、加入先の保険組合等から取り付けることができます。

保険会社から治療費を打ち切られるケース

加害者側の任意保険会社が行う一括対応は、示談代行サービスの一環であり義務ではありません。
そのため、以下のような場合には保険会社の判断により一括対応を打ち切られてしまうことがあります。

●治療期間が平均的な長さを超える場合
打撲やむち打ちの治療期間は、一般的に3~6ヶ月程度といわれています。
3ヶ月を超えてくると治療の必要性を問われやすくなります。

●病院への通院頻度が著しく低い場合
通院が1ヶ月以上空いてしまう場合は、治療の必要性を問われやすくなります。

●漫然治療が確認された場合
医師の診察もなく、治療内容がマッサージ・電気療法や湿布・薬の処方のみで漫然と続けられているような場合は、治療の必要性を問われやすくなります。

治療費の打ち切りについては以下リンクにて詳しく解説しておりますので、ぜひご一読ください。


途中解除された場合の対処法

加害者側の任意保険会社に治療の必要性を伝える 治療の必要性を問われているため、まだ治療が必要であることを伝えましょう。
医師に一括対応を解除された旨伝え、どういった理由で治療を継続する必要があるのか医師の見解を確認し、診断書や意見書の形にして、保険会社に伝えると良いでしょう。

健康保険を使用し治療を続け、あとから請求する 一括対応打ち切り後は健康保険を使用して治療を継続しましょう。
この時の治療費は、示談交渉時に加害者側の任意保険会社へ請求することができます。
ただし、請求するには領収書の原本が必要となりますので、治療費の領収書は大切に保管しておきましょう。

治療を途中でやめた場合のリスク

まだ治療が必要であるにもかかわらず一括対応を解除されたときに治療を終了してしまうと、以下のようなリスクが生じるおそれがあります。

  • 入通院慰謝料が低くなってしまう
    入通院慰謝料は入通院期間をもとに計算されるため、治療期間が短くなると、入通院慰謝料も低くなってしまいます。
  • 後遺症が残り後遺障害等級の申請を行っても、認定とならない可能性が高くなってしまう
    入通院期間が短くて済んだということは、後遺障害等級に該当するような症状ではなかったのではないかと判断されてしまう可能性があるためです。

一括対応の解除後に治療を続けようとすると、治療費を一時的に自己負担しなければなりません。
ですが、上記のようなリスクを回避するためにも健康保険の使用や被害者請求を行い、有効活用しながら最後まで治療を続けるようにしましょう。

保険会社が一括対応での支払いを拒否したため弁護士が介入し、被害者請求を行った事例

当法人の弁護士により、最終的に過失割合や休業損害などに関してもこちらの主張に近い賠償金の支払いを受けることができた事例です。

加害者側の任意保険会社は、ご依頼者に不利で不合理な事故態様を主張して一括対応を拒みましたが、治療費などは加害者の自賠責保険へ被害者請求をして回収しました。
また、事故態様が争点であったことから、刑事記録など、事故態様に関する資料を収集し事故分析を行い、ご依頼者様が主張する事故態様はタイヤ痕等の客観的資料と整合することを主張しました。

その結果、こちらの主張が認められ、ご依頼者様に満足いただける解決を導き出せました。
※被害者の過失割合は、弁護士の介入により5割から2割まで減らすことができました。

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保険会社の支払い拒否に関するよくある質問

比較的、軽微な事故の場合は保険会社に支払いを拒否されますか?

軽微な事故の場合は、事故と治療費に因果関係がないとして、加害者側の任意保険会社から支払いを拒否される場合があります。
「軽微な事故であれば、怪我がないはずだ」と考えるからです。
そのため、加害者側の任意保険会社によっては事故による怪我そのものの発生を認めないと主張し、治療費の支払いを拒否する場合が多くあります。

軽微な事故であることを理由に加害者側の任意保険会社から支払いを拒否された場合は、加害者側の自賠責保険に被害者請求を行うことを検討しましょう。
自賠責保険は交通事故による被害者の救済を目的としているため、加害者側の任意保険会社が因果関係を認めなくても、自賠責保険では認められる可能性があるからです。

加害者が任意保険会社の使用を拒否してきたらどうしたらいいですか?

加害者が任意保険会社の使用を拒否した場合、任意保険会社は示談交渉業務を行うことができません。
その場合は、加害者側の自賠責保険に被害者請求を行いましょう。
被害者請求を行うことで、治療費や慰謝料などの賠償金を加害者側の自賠責保険から回収することができます。

なお、加害者が任意保険会社の使用を拒否する理由としては、自分は悪くない、任意保険会社ではなく弁護士に示談交渉業務を任せたいと検討しているといった背景が考えられるでしょう。

物損事故で修理代金の支払を拒否された場合はどうしたらいいですか?

加害者が被害者に対し、修理代金の支払いを拒否するケースは少なくありません。
加害者の経済的理由などが考えられますが、拒否された場合には以下のような対処法があります。

裁判を起こす 加害者が妥協案にすら応じない場合は、裁判を起こして強制執行を行いましょう。
強制執行を行うことで加害者の給与や不動産などを差し押さえることができます。

加害者が対物超過補償特約(対物超過修理費用特約)に加入しているか確認する 対物超過補償特約とは、交通事故により損害を与えてしまった相手車の修理費用が時価額を超えた場合に、超過した修理費用を補償する自動車保険特約です。
経済的全損であっても一定額の修理費用を請求することができます。

物損事故の損害賠償について以下リンクにて詳しく解説しておりますので、ぜひご一読ください。


保険会社が支払いを拒否した場合は弁護士にご相談ください

加害者側の任意保険会社は、治療の必要性や因果関係の有無を理由に支払いを拒否してくることがあります。
また、加害者側の保険会社であるにもかかわらず、強硬な態度をとる場合も少なくありません。
そうなれば、被害者自身で行う交渉がさらに困難となってしまいます。
この先の不安にも拍車がかかり、大きな精神的負担となるでしょう。

弁護士であれば、これまでの豊富な経験や法的知識をもって加害者側の任意保険会社と交渉することができます。たとえ強硬な態度であっても、加害者側の任意保険会社の主張が適切かどうかすぐに判断することができます。

加害者側の任意保険会社から支払いを拒否されお困りの方や治療中だけど今後に不安を抱かれている方は、ぜひ一度弁護士法人ALGにご相談ください。

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弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。