児童ポルノとは?所持でも罪になる?児童ポルノの禁止行為と罰則
近年、18歳未満の児童を対象とした児童ポルノ関連犯罪が増加しており、多くの児童が深刻な被害を受けています。
日本では、児童ポルノに関する行為のほとんどが法律で厳しく取り締まられているため、身近な行為でも逮捕される可能性があります。
本記事では、児童ポルノに着目して、法律で取り締まられている禁止行為や罰則、逮捕された後の流れなどについて、詳しく解説していきます。
逮捕された場合の弁護活動についても解説しますので、最後までご覧ください。
目次
児童ポルノとは
児童ポルノとは、18歳未満の男女(児童)のわいせつな写真や動画等のことで、児童の人権を踏みにじる記録物です。
ここでいう「わいせつ」は、性行為の様子や性器などを露出した姿を指しており、児童の人権を守るために児童ポルノは各国で規制されています。
児童ポルノの定義は、児童ポルノ禁止法第2条3項で定められていましたが、平成26年7月の法改正によって定義がさらに明確化されました。
具体的には、下線部が条文に追加されました。
「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」
児童ポルノに関する法令
児童買春・児童ポルノ禁止法
児童買春、児童ポルノ禁止法では、児童ポルノの定義規定から、児童ポルノ法違反に該当しうる行為、罰則など様々なことが定められています。
平成26年の改正で、児童ポルノの単純所持も処罰対象となりましたので、注意が必要です。
なお、法律の名称が示すとおり、児童買春、児童ポルノ禁止法では、児童買春についても処罰される行為や罰則が定められています。
自治体の青少年健全育成条例
各自治体において定められている条例において、裸の自撮り画像等の児童ポルノの提供を求める行為が禁止されています。
例えば、東京都が制定している東京都青少年の健全な育成に関する条例・第18条の7において、青少年に児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止が規定されています。
かかる規定に違反した場合の罰則は、30万円の罰金刑です。
児童ポルノ禁止法で定められる禁止行為と罰則
児童ポルノ禁止法では、以下の行為を禁止行為として厳しく規制しています。
- 所持・保管
- 製造・提供
- 不特定多数への提供・陳列
- 製造目的の売春・盗撮
次項では、これらの禁止行為にどのような罰則が科せられる可能性があるのか、行為別に解説していきます。
所持・保管
児童ポルノを持っていたり、データとして保存していたりする行為は、児童ポルノ禁止法により処罰の対象となります。
- 所持
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した場合
例: DVDや写真などに児童ポルノを保存している - 保管
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを電子データとして保管した場合
例:クラウドや外付けのハードディスクなどに児童ポルノを保管している
たとえば、自分の興味や好奇心を満たすために児童ポルノを所持していた場合は単純所持とされ、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
これは、DVDや写真だけでなく、パソコンやクラウド上に保存されたデータも含まれます。
法律上は「所持」と「保管」が区別されていますが、実際の運用ではほとんど同じ行為として扱われることが多く、どちらも厳しく取り締まられています。
製造・提供
児童ポルノを製造・提供する行為も、児童ポルノ禁止法で処罰の対象とされています。
- 製造
児童ポルノを自ら新たに作り出した場合
例:児童にわいせつな姿を自撮りさせて、その写真を送らせる - 提供
児童ポルノを第三者に提供した場合
例:インターネットを経由して児童ポルノを第三者に配る、ファイルを共有する
児童ポルノを製造した場合は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金に科せられ、特定の人数に児童ポルノを提供した場合、製造と同様の罰則が科せられます。
児童ポルノを製造・提供する行為は、社会的な危険性の増大や犯罪の拡大を助長するおそれがあるため、児童ポルノを所持・保管する行為よりも重い罰則が科せられます。
不特定多数への提供・陳列
児童ポルノを不特定多数に提供または不特定多数が認識できる状態で陳列する行為は、児童ポルノ禁止法にて処罰の対象とされています。
児童ポルノを不特定多数が認識できる状況は、社会への影響や被害の拡大が格段に大きくなるため、厳しい罰則が定められています。
- 不特定多数への提供
児童ポルノをSNSなどで公開した場合
例:インターネット上に児童ポルノを公開して、第三者が確認できる状態にする - 不特定多数が認識できる状態での陳列
児童ポルノを公開の場で陳列した場合
例:児童ポルノを店舗や施設で展示する
児童ポルノを不特定多数へ提供または陳列した場合は、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金が科せられます。
これらの行為は、児童ポルノが拡散されるリスクを高めるだけでなく、被害者の尊厳がさらに侵害される可能性が高いため、重い罰則が科せられます。
製造目的の買春・盗撮
児童ポルノ禁止法では、児童ポルノを作る目的で児童を買春したり、盗撮したりする行為も、重大な犯罪として処罰の対象になります。
- 製造目的の買春
児童ポルノを製造する目的で、児童に金銭を支払って性行為に従事させた場合
例:児童にお金や物品を報酬として渡して性的行為をさせ、その様子を撮影する - 製造目的の盗撮
児童ポルノを製造する目的で、児童のわいせつな姿を盗撮した場合
例:更衣室にカメラを設置して、児童のわいせつな姿を撮影する
たとえば、児童にお金を渡して性的な行為をさせ、その様子を撮影するような児童買春は、1年以上10年以下の拘禁刑という非常に重い刑罰が科せられます(罰金刑はありません)。
また、児童のわいせつな姿を隠れて撮影する盗撮も、児童ポルノの製造を目的としていた場合は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科せられます。
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児童ポルノ事件は逮捕される?
児童ポルノ事件は、証拠隠滅しやすい側面があるため、逮捕される可能性が高いです。
児童ポルノの多くは、デジタル証拠(パソコンやスマートフォンに記録されたもの)であり、データの削除を容易に行えます。
児童ポルノが紙の写真であっても、燃やすことで簡単に証拠を隠滅できるため、捜査機関は「逮捕する必要がある」と判断します。
その際に、証拠隠滅のおそれがあるだけでなく、被写体となった児童に危害を加える危険性を考え、逮捕に至る場合もあります。
また、児童ポルノの削除や暗号化による証拠隠滅を防ぐために、家宅捜索が行われる可能性が高いです。
家宅捜索では、大勢の捜査員が早朝に自宅を訪れ、その場で証拠を押さえます。犯罪事実を裏付ける証拠を押さえられた場合は、そのまま逮捕される可能性があります。
児童ポルノで逮捕された後の流れ
児童ポルノで逮捕された後は、主に以下のような流れで手続きが進んでいきます。
- 警察から取り調べを受けて、逮捕後48時間以内に検察へ送致される
- 検察から取り調べを受けて、送致後24時間以内に勾留請求の判断が下される
- 勾留請求が認められると、まず10日間の勾留が実施される(さらに10日間の延長が可能)
- 勾留満了日までに、検察官によって起訴・不起訴の判断が下される
- 起訴されると、刑事裁判が開かれる
児童ポルノ事件は、児童ポルノという物的証拠があると、証拠隠滅のおそれが低いと判断されるため、在宅事件として処理される傾向にあります。
そのため、物的証拠がなく、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断された場合は、逮捕されて上記の流れで手続きが進むことになります。
なお、在宅事件とは、逮捕による身柄拘束を受けずに日常生活を送りながら捜査が進められる事件のことで、捜査機関からの呼び出しがあればそれに応じていきます。
逮捕の流れをさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
児童ポルノで逮捕された場合の弁護活動
児童ポルノに関する罪で逮捕された場合、勾留を防ぐための弁護活動を行うことが考えられます。
具体的には、検察庁や裁判所に対して、勾留をしないように意見書を提出する、検察官や裁判官と面談して、勾留をしないように説得するなどです。
また、被害児童が特定されているならば、被害児童の保護者と示談するための弁護活動を行うことが考えられます。
児童ポルノ事件の時効
児童ポルノに限らず、刑事事件には必ず時効が定められています。
民事上の時効は、加害者に対して損害賠償請求できる権利が消滅する期間を指しますが、刑事上の時効は公訴時効を指します。
公訴時効とは、犯罪が行われてから一定期間が経過すると、検察官が犯罪について公訴できなくなる制度、つまり、犯人を起訴できなくなる制度のことをいいます。
児童ポルノ事件では、所持や製造・提供に関しては3年の公訴時効が定められています。
また、不特定多数が児童ポルノを閲覧可能な状態にする行為である不特定多数への提供や陳列は、5年の公訴時効が定められています。
児童ポルノの禁止行為をしてしまったら、早急に弁護士法人ALGにご相談ください
児童ポルノは、犯行態様によって科せられる罰則が異なる犯罪類型です。特に児童ポルノを不特定多数が確認できる行為をした場合は、より重い罰則が科せられる可能性が高くなります。
児童ポルノ事件に関与してしまった場合は、できるだけ早く弁護士に相談することが重要です。
弁護士によって適切な弁護活動を行えば、早期釈放や不起訴処分の獲得を目指せます。
また、弁護士から法的サポートを受けられる状況は、不安の軽減にも大きくつながります。
私たち弁護士法人ALGには、刑事事件を得意分野とする弁護士が多数在籍しており、これまでの経験を活かした弁護活動が行えます。
児童ポルノの禁止行為をしてしまいお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
