児童ポルノとは?所持でも罪になる?児童ポルノの禁止行為と罰則
以下では、児童ポルノの禁止行為と罰則などについて解説します。
目次
児童ポルノとは
児童ポルノについて、児童買春、児童ポルノ禁止法2条3項に定義規定があります。
児童ポルノは、18歳未満の児童のわいせつな写真、動画等を指します。
ここでいうわいせつとは、全裸であったり、性交の場面であったりと様々です。
アニメ、漫画等の二次元は、児童ポルノに該当しないため、児童買春、児童ポルノ法違反とはなりません。
児童ポルノに関する法令
児童買春・児童ポルノ禁止法
児童買春、児童ポルノ禁止法では、児童ポルノの定義規定から、児童ポルノ法違反に該当しうる行為、罰則など様々なことが定められています。
平成26年の改正で、児童ポルノの単純所持も処罰対象となりましたので、注意が必要です。
なお、法律の名称が示すとおり、児童買春、児童ポルノ禁止法では、児童買春についても処罰される行為や罰則が定められています。
自治体の青少年健全育成条例
各自治体において定められている条例において、裸の自撮り画像等の児童ポルノの提供を求める行為が禁止されています。
例えば、東京都が制定している東京都青少年の健全な育成に関する条例・第18条の7において、青少年に児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止が規定されています。
かかる規定に違反した場合の罰則は、30万円の罰金刑です。
児童ポルノの禁止行為と罰則
単純所持
児童買春・児童ポルノ禁止法第7条各項において、児童ポルノに関する禁止行為が列挙されています。
まず、児童買春・児童ポルノ禁止法第7条1項は、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持することの禁止が定められています。
この単純所持の禁止の罰則は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
製造・提供
児童買春・児童ポルノ禁止法第7条2項においては、児童ポルノの提供罪が定められており、罰則は、3年以下の懲役又は300万円以下の懲役刑となっています。
児童買春・児童ポルノ禁止法第7条3項においては、児童ポルノを提供する目的で、児童ポルノの製造、所持、運搬、輸入、輸出をすることの禁止が定められており、罰則は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑となっています。
児童買春・児童ポルノ禁止法第7条4項においては、児童ポルノの製造罪が定められており、罰則は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑となっています。
不特定多数への提供・公然と陳列
児童買春・児童ポルノ禁止法第7条6項は、児童ポルノを不特定多数の者に提供し又は公然と陳列することの禁止が定められており、罰則は、5年以下の懲役又は500万円以下の懲役刑となっています。
児童買春・児童ポルノ禁止法第7条7項においては、児童ポルノを不特定多数の者に提供し又は公然と陳列する目的で、児童ポルノの製造、所持、運搬、輸入、輸出をすることの禁止が定められており、罰則は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金刑となっています。
児童買春・児童ポルノ禁止法第7条8項においては、不特定多数の者に提供し又は公然と陳列する目的で児童ポルノの輸出罪、輸入罪が定められており、罰則は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金刑となっています。
児童ポルノの製造目的の買春
児童買春・児童ポルノ禁止法第8条は、児童を児童買春の相手方とさせるための児童の売買、及び児童ポルノを製造する目的で児童を売買することの禁止が定められており、罰則は、1年以上10年以下の拘禁刑となっています。
児童ポルノの製造目的の盗撮
児童買春・児童ポルノ禁止法第7条5項は、盗撮の態様で児童ポルノを製造することの禁止が定められており、罰則は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑となっています。
児童ポルノ事件の時効
時効期間は、定められている法定刑によって異なります。
例えば、5年未満の懲役刑が定められている単純所持、特定の者への提供、特定の者に提供する目的での製造等に関しては、時効期間は3年です。
10年未満の懲役刑が定められている不特定多数の者に対して児童ポルノを提供または陳列する行為についての時効期間は5年です。
児童ポルノ事件の捜査
児童ポルノ関連の事件では、家宅捜索がおこなわれる可能性が高いといえます。
なぜなら、自宅のパソコンやハードディスクに児童ポルノを保管している可能性が高いといえるからです。
逮捕後の流れ
児童ポルノで逮捕された場合、逮捕から48時間以内に検察庁に送られ、検察庁が勾留請求するか、釈放するかを判断します。
検察官が勾留請求した場合、裁判官が勾留を認めるか、釈放するかを判断します。
児童ポルノに関する事件は、児童ポルノという物的証拠があること等から、罪証隠滅のおそれが低く、在宅捜査となることもあります。
児童ポルノで逮捕された場合の弁護活動について
児童ポルノに関する罪で逮捕された場合、勾留を防ぐための弁護活動を行うことが考えられます。
具体的には、検察庁や裁判所に対して、勾留をしないように意見書を提出する、検察官や裁判官と面談して、勾留をしないように説得するなどです。
また、被害児童が特定されているならば、被害児童の保護者と示談するための弁護活動を行うことが考えられます。
児童ポルノの禁止行為をしてしまったら、早期に弁護士へ相談を
児童ポルノに関する罪は、例えば、所持罪では、単純所持なのか、特定の者に提供目的での所持なのか、不特定多数の者に提供する目的での所持なのかで罪が異なります。
また、提供罪においても、特定の者に提供するのか、不特定多数の者に提供するのかで罪が異なります。
このように、児童ポルノに関する罪は、複雑であり、専門家の助力を受ける必要性が高いといえます。
児童ポルノに関する罪を犯してしまったら、早急に弁護士に相談しましょう。