違法アップロードで逮捕されたら何罪が成立する?罰則や対処法など

違法アップロードで逮捕されたら何罪が成立する?罰則や対処法など

監修
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
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著作権法によって保護されている他人の著作物を違法にアップロードする行為は、違法行為に該当するため、逮捕される可能性があります。違法アップロードを行った場合は、通常、著作権法違反に問われるのが基本です。

しかし、アップロードの内容次第では、「児童ポルノ禁止法違反」や「わいせつ物頒布等罪」にも抵触するおそれがあります。

本記事では、違法アップロードに着目して、違法アップロードで問われる罪や逮捕された場合の流れなどについて、詳しく解説していきます。逮捕された場合の対処法についても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

違法アップロードとは

違法アップロードとは、他人の著作物(音楽や映像など)を著作権者の許可なくインターネット上にアップロード(=公開)する行為のことをいいます。

著作物は、著作権法にて思想又は感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術又は音楽に帰属するものと定義付けられており、無断で使われないように保護されています。

また、著作物を創作した著作権者に限り、著作物の利用をコントロールできる“著作権”が与えられます。そのため、他人の著作物を無断でアップロードする行為は、著作権の侵害に該当し、民事上・刑事上の責任を問われる可能性があります。

違法アップロードに該当する行為

違法アップロードに該当するのは、主に以下のような行為です。

  • CDや音楽サイトで購入した音楽をSNSなどに投稿する
  • 漫画や書籍をスキャンして画像データにし、SNSなどに投稿する
  • ミュージックビデオを共有サイトで公開する
  • 録画した番組をインターネット上に公開する
  • DVDやBlu-rayを複製して、動画共有サイトに公開する など

このような行為は、すべて著作権法で規制されている違反行為に該当します。そのため、アーティストのライブや音楽サイトの大半が、「会場を撮影してアップロードする行為は、違法です」と警告しています。

また、映画館で映画を見る際にも、違法アップロードを禁止する予告が流れています。

一方、最近では、ライブ中の撮影を許可するアーティストも増えてきています。

ライブの途中でアーティストから「今からは撮影して良いです!SNSにもアップしてOKです!」と言われ、ライブ中の撮影が一時的に解禁され、アーティストが明示的に許可した場合は、ライブの様子をアップロードしても違法にはなりません。

違法アップロードをダウンロードする行為も違法

コンテンツが違法にアップロードされたものと知りながら、ダウンロードする行為も違法です。

違法ダウンロードは、違法アップロードされたコンテンツを自分の端末に保存する行為で、アップロード行為とは対照的な行為です。具体的には、以下のような行為が違法ダウンロードに該当します。

  • 漫画や書籍が違法アップロードされたサイトから、それらをダウンロードする
  • 違法動画サイトや違法音楽配信サイトから、動画や音楽をダウンロードする
  • 違法にアップロードされた画像をスクリーンショットして保存する など

ただし、違法にアップロードされたコンテンツを単に視聴する行為は、著作権法で規制されている「複製」に該当しないと考えられています。倫理的な観点からも視聴は推奨されませんが、視聴自体は基本的に違法行為ではありません。

違法アップロードは何罪になる?罰則は?

違法アップロードは、次の罪に問われる可能性があります。

  • 著作権法違反
  • 児童ポルノ禁止法違反
  • わいせつ物頒布等罪

違法アップロードは、基本的に著作権法違反として処罰される違法行為ですが、犯行態様次第では児童ポルノ禁止法違反やわいせつ物頒布等罪にも抵触します。

以下でそれぞれの罪について、詳しく解説していきます。

著作権法違反

著作権法違反とは、著作権者が持つ権利を侵害する行為を指し、他人の著作物を許可なく使用すると成立します。著作権法違反となるのは、主に以下の行為です。

<該当行為>

  • 無断コピー
  • 無断配布
  • 無断アップロード
  • 無断改変
  • 無断公開
  • 無断複製 など

著作権法違反が認められると、内容によって下表の罰則が科せられます。なお、下表は一部で、その他にも内容別で異なる罰則が定められています。

もっとも、私的使用のための複製など一定の場合には例外的に著作権侵害が成立しません。

内容 罰則
著作権・出版権・著作隣接権の侵害 10年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金または併科
著作者人格権の侵害、著作権・出版権・著作隣接権のみなし侵害 など 5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金または併科
有償コンテンツの違法ダウンロード 2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金または併科

児童ポルノ禁止法違反

児童ポルノ禁止法違反とは、18歳未満の男女(児童)のわいせつな写真や電子データに関する行為を禁止する法律に違反する行為のことをいいます。

日本では、児童ポルノ禁止法にて、児童のわいせつな写真や電子データを所持、提供、陳列、製造、運搬、輸出入する行為を禁じています。そのため、違法にアップロードされているコンテンツが「児童ポルノ」に該当する場合は、児童ポルノ禁止法違反に問われる可能性があります。具体的には、以下のような行為です。

<該当行為>

  • 児童ポルノをSNS上にアップロードする
  • 児童ポルノを製造して、それを動画共有サイトで公開する など

児童ポルノ禁止法違反が認められると、行為別で異なる罰則が科せられます。違法アップロードにおいては、「不特定多数への提供」として5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金が科せられます。

児童ポルノ禁止法違反について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

児童ポルノとは?所持でも罪になる?児童ポルノの禁止行為と罰則

わいせつ物頒布等罪

わいせつ物頒布等罪とは、わいせつな画像や文章などをインターネット上で公開したり、人に配ったりすることで成立する犯罪です。 たとえば、次のような行為がこの罪にあたります。

<該当行為>

  • アダルトコンテンツをネット上で公開する
  • 自分の性器を型取りした作品を展示し、その3Dデータを配布する など

この罪では、「頒布(はんぷ)」という行為がポイントになります。これは、お金を取るかどうかに関係なく、不特定多数の人にわいせつなものを渡すことを意味します。

つまり、ネット上で公開したり、イベントなどで配ったりした時点で、罪に問われる可能性があるということです。

この罪が認められると、「2年以下の拘禁刑もしくは250万円以下の罰金もしくは科料」が科されることがあります。

違法アップロードで逮捕される可能性はある?

違法アップロードは逮捕される可能性がありますが、親告罪であるため、著作権者が告訴しなければ逮捕に至ることはほとんどありません。

親告罪とは、告訴権者(被害者や法定代理人など)の告訴が必要な罪のことをいい、告訴がなければ検察官は起訴できません。そのため、著作物を無断で違法アップロードされた著作権者(被害者)が犯人の処罰を求めて告訴しなければ、犯人が処罰を受けることは基本的にありません。

違法アップロードの被害程度が小さい場合は、労力や費用を考えて告訴しない著作権者が多いのが実情です。

したがって、違法アップロードで逮捕される可能性はあるものの、実際に告訴して犯人の処罰を求める著作権者は少ないため、逮捕されないケースがほとんどです。

違法アップロードの有名な事件は、やはり漫画村事件でしょう。
多くの漫画を無断で違法アップロードし、犯人は広告収入によって巨額の利益を得ていました。この事件では、民事と刑事の両方で著作権侵害が認定され、元運営者には※懲役3年の実刑判決が下されました。
※2025年6月1日以降は、拘禁刑として一本化されています。

違法アップロードで逮捕された場合の流れ

違法アップロードで逮捕された場合は、主に次のような流れで手続きが進んでいきます。

  • ①逮捕
  • ②勾留
  • ③起訴・不起訴
  • ④刑事裁判

被害範囲が広く、犯行態様が悪質な場合には、逮捕される可能性が高いでしょう。

①逮捕

違法アップロードは、著作権者からの告訴によって捜査機関が捜査を開始し、証拠をある程度収集できたら裁判官に逮捕状を請求して後日逮捕に至る可能性が高いです。

著作権法違反事件や児童ポルノ事件では、より有効な証拠を押さえるために、捜査機関が家宅捜索を行うケースも多くあります。

違法アップロードの犯行態様が悪質でなく、被害程度も小さいうえに、「逃亡や証拠隠滅のおそれ」もないような場合には、逮捕されずに在宅事件となるでしょう。

在宅事件とは、逮捕による身柄拘束を受けずに通常の日常生活を送りながら捜査や裁判に出頭できる事件のことをいいます。在宅事件となった場合は、捜査機関からの呼び出しには誠実に対応することで、心証を悪化させないようにすることが重要です。

②勾留

逮捕された場合は、しばらく刑事施設で勾留(身柄拘束)を受けながら警察からの取り調べに応じます。取り調べは長時間行われる場合もありますが、逮捕後48時間を超えて行われることはありません。警察は、被疑者を逮捕してから48時間以内に事件と身柄を検察に引き継ぐ必要があるからです。

取り調べで話した会話の内容は、すべて「供述調書」として記録され、裁判で使用される可能性があるため、不利な発言は避けましょう。このとき、弁護士に依頼していれば、取り調べでの対応についてアドバイスをもらえるため、不利な供述調書が作成されるのを未然に防げます。

③起訴・不起訴

事件と被疑者の身柄が検察に引き継がれた後は、検察からの取り調べに応じます。検察は、引き継がれてから24時間以内に被疑者を起訴するか・不起訴とするかを判断しなければなりません。正式起訴された場合は、公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。

悪質な事件では、正式起訴される可能性が高いですが、そうでない軽微な事件であれば、略式起訴となる可能性があります。略式起訴とは、公開の法廷で刑事裁判を受けるのではなく、非公開かつ書面審理で罰金もしくは科料の刑罰を言い渡す起訴方法です。

略式起訴は手続きが迅速で早期の社会復帰が可能ですが、証拠提出や意見陳述の機会が制限されるというデメリットもあり、違法な捜査で得た証拠がそのまま使用される可能性がある点に注意が必要です。

④刑事裁判

検察官が正式起訴すると、公開の法廷で刑事裁判が開かれ、裁判官によって有罪・無罪の判決が下されます。裁判官はどのような判決を被告人に下すべきかを判断するために、期日を繰り返して検察側と被告人双方の主張や証拠を確認していきます。

この期日は、減刑や執行猶予付きの判決を得るうえで重要な機会です。
そのため、少しでも有利な結果で裁判を終結させるには、刑事事件を得意とする弁護士に期日で適切な主張・立証を行ってもらう必要があります。

刑事事件は、想像以上に早く手続きが進んでいくため、弁護士が活動できる時間を確保するためにも、弁護士にはなるべく早めにご相談されることをおすすめします。資力に余裕がある場合は、逮捕直後に弁護士に依頼すると良いでしょう。

違法アップロードで逮捕されそう・された場合の対処法

違法アップロードで逮捕されそう・された場合の対処法には、以下のような方法が挙げられます。

  • コンテンツを削除する
  • 被害者と示談交渉を行う
  • 弁護士に相談する

検察官や裁判官は、犯行態様や被害程度の他、被疑者または被告人の事情など、さまざまな要素を考慮したうえで刑事処分を判断します。そのため、上記の対処法を速やかに行い、心証を良くすることが大切です。

以下で詳しく解説していきます。

コンテンツを削除する

該当するコンテンツを削除することで、著作権者(被害者)から告訴されるリスクを抑えることができます。

そもそも、違法アップロードは著作権者の告訴がなければ処罰されない「親告罪」にあたります。そのため、できるだけ早くコンテンツを削除することで、著作権者の目に触れる可能性を減らすことが重要です。

また、削除の対応は「違法行為であったことを理解し、反省している」という姿勢として受け取られる可能性があります。こうした反省の態度は、被疑者や被告人にとって有利な事情と判断され、刑事処分の軽減につながることもあります。

その結果、告訴を回避できるだけでなく、不起訴処分や減刑の可能性も高まるため、該当するコンテンツは速やかに削除した方が良いでしょう。

被害者と示談交渉を行う

被害者との示談成立は、被害者が存在する刑事事件においてもっとも有利な事情となり、早期釈放や不起訴処分の可能性を高めます。

著作権者である被害者が告訴する前に示談を成立できれば、逮捕や勾留を回避できます。告訴後であっても、早期釈放や不起訴処分の可能性を高めるため、有効な対処法の一つといえます。示談の成立は、被害者に金銭を支払う代わりに、告訴やこれ以上の金銭の支払いを求めないと約束するのが基本です。

違法アップロードの被害程度にもよりますが、数十万円程度が示談金の相場となるでしょう。被害者との示談交渉では、「被疑者や被告人が憎い」「悲しい」といった被害者の心情に配慮しながら話し合いを進める必要があります。柔軟かつ適切に示談交渉を進めるには、法律の専門家である弁護士の力が不可欠です。

弁護士に相談する

弁護士への相談は、著作権法違反や児童ポルノ事件に限らず、すべての刑事事件に有効です。弁護士に相談すると、具体的に以下のようなメリットが得られます。

  • 自首する場合は、途中まで同行してもらえる
  • 逮捕直後から接見(面会)できるため、早期段階から弁護方針を構築できる
  • 有利となる事情の主張・立証を行ってもらえる
  • 被害者との示談交渉を進めてもらえる
  • 捜査機関からの取り調べでの適切な対応の仕方について、アドバイスをもらえる
  • 勾留が長引いても、仕事や人間関係に悪影響が及ばないように代わりにやり取りしてもらえる
  • 起訴後も勾留が長引く場合は、保釈請求の手続きを行ってもらえる など

刑事事件は、検察官が起訴・不起訴の判断を決めるまで僅かな時間しか残されておらず、“初動”が重要となります。そのため、残された時間を有効に使いながら防御活動を行える弁護士の存在は必要不可欠といっても過言ではありません。弁護士が行動できる時間を確保するためにも、弁護士に相談する場合は、なるべく早めに行いましょう。

違法アップロードなど著作権侵害事件に関しては、早急に弁護士にご相談ください

違法アップロードや、違法にアップロードされたものと知りながらダウンロードする行為は、法律で厳しく規制されています。犯行態様が悪質な事件の場合は逮捕される可能性が高いため、早期段階から適切に対処する必要があります。刑事事件に精通した弁護士であれば、豊富な経験や知識を活かした防御活動が可能となるため、早期釈放や不起訴処分の獲得が期待できます。

私たち弁護士法人ALGには、数多くの刑事事件を取り扱い、豊富な経験を持つ弁護士が複数在籍しております。違法アップロードなどの著作権侵害事件は、被害者である著作権者からの告訴がなければ罪に問われることはありませんが、告訴の可能性がゼロになるわけではありません。そのため、著作権侵害事件を起こしてしまった場合には、なるべく早めに弁護士にご相談ください。

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監修 : 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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