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別居中に不倫が発覚!配偶者以外と付き合うのは許される?慰謝料請求できるのか?

別居中に不倫が発覚!配偶者以外と付き合うのは許される?慰謝料請求できるのか?

将来を誓い合った夫婦でも、婚姻生活を続けていれば価値観の違いやさまざまな要因によって、「一緒にいられない」と思うこともあるでしょう。
お互いに冷却期間を置こうと別居に踏み切る夫婦は少なくありません。

しかし、別居をすると配偶者が浮気・不倫をする確率が高くなる傾向にあります。

別居中でも配偶者が不倫をすれば、「許せない」「慰謝料を請求したい」と思う方も多くいらっしゃるでしょう。
では、別居中に不倫されたら慰謝料を請求できるのでしょうか。

この記事では、別居中に不倫された場合に慰謝料を請求できるケースなどについて解説していきます。

離婚の別居については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。


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そもそも不倫とは?別居中の配偶者以外との交際について

別居中の夫婦であっても婚姻関係にある以上、配偶者以外の異性と肉体関係を持てば不貞行為(不倫)となります。

民法が婚姻関係の夫婦について保護している権利の中に夫婦共同生活の平穏があります。不貞行為が、この「夫婦共同生活の平穏」を侵害したといえる場合には慰謝料の請求が認められます。

配偶者以外とデートする、手をつなぐ、愛情表現のあるメールをやり取りするなど、肉体関係を伴わない行為は一般的には不貞行為にあたりません。

別居中に浮気・不倫されたら慰謝料請求できるのか?

不貞行為により慰謝料請求が認められるためには、不貞行為によって夫婦共同生活の平穏が侵害された、つまり、「婚姻関係が破綻した」といえる必要があります。

そのため、すでに婚姻関係が破綻していたような場合には浮気・不倫をしたとしても、慰謝料請求は認められません。
婚姻関係のある夫婦には同居し、協力して相互に扶助する義務があります(民法第752条)。

別居している場合には同居・協力・扶助義務を守っていないことから夫婦関係が破綻しているとみなされる可能性が高くなります。

別居によって既に夫婦関係が破綻していると判断された場合、不貞行為によって夫婦関係が破綻したことにはならないため、慰謝料請求はできません。

不倫慰謝料については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

夫婦関係が破綻していたかどうかはどう判断する?

裁判所は婚姻関係が破綻しているかの判断については慎重に行う傾向にあります。
裁判所が別居中だからという理由だけでは直ちに婚姻関係の破綻を認めることはありません。

どうして別居に至ったのか、婚姻期間に対し別居期間はどのくらいなのか、別居中に夫婦間でやりとりはあるか、再同居の予定はあるかなどの事情が考慮されます。

では、夫婦関係が破綻していたと判断されるケースや判断されないケースにはどのようなものがあるのでしょうか。次項で見ていきましょう。

「夫婦関係が破綻していた」と判断されるケース

以下のようなケースでは「夫婦関係が破綻している」と判断され、不倫の事実が発覚しても慰謝料を請求することが難しくなります。

別居状態が長年続いていた
別居期間が3~5年に及ぶ場合、夫婦関係が破綻しているとみなされるのが一般的です。もっとも婚姻期間が長い場合には、より長期の別居期間が必要になるケースもあります。

再同居の予定のない、離婚前提の別居だった
夫婦に婚姻関係を続けていく意思がないため夫婦関係が破綻していると判断されます。

長期間の別居で夫婦間の交流が一切なかった
夫婦ともに夫婦関係を修復する意思が低いため夫婦関係が破綻していると判断されます。 

協議離婚中、離婚調停中、離婚裁判中だった
婚姻継続の意思はなく、夫婦関係が回復する可能性が低いため夫婦関係が破綻していると判断されます。

「夫婦関係が破綻していなかった」と判断されるケース

以下のようなケースでは「夫婦関係が破綻していない」と判断され、不倫の事実が発覚した場合に慰謝料を請求できる可能性が高まります。

別居を開始したばかりだった
夫婦関係が回復する可能性があるため、夫婦関係が破綻していないと判断されます。

あくまで一時的な別居だった
お互いにやり直す意思があり、冷却期間を置くための別居のような場合は、夫婦関係を修復できる可能性が残っているため、夫婦関係が破綻していないと判断されます。

別居せざるを得ない事情があった
単身赴任・両親の介護・学校の都合・実家での里帰り出産など別居せざるを得ない事情があったうえでの別居は夫婦関係が破綻していないと判断されます。

別居中に離婚の話は一切出ていなかった
お互いに離婚意思はない可能性があるため夫婦関係が破綻していないと判断されます。

一方的な別居で、配偶者は離婚を考えていなかった
夫婦双方が離婚意思を共有していたわけではないため夫婦関係が破綻していないと判断されます。

別居に関するお悩みは弁護士にご相談ください

別居中の不倫で夫婦関係の破綻が争点となった判例

(事案の概要)
原告(妻)が夫と被告の不貞行為で婚姻生活の平穏を害されたとして、被告に対し慰謝料請求をした事案です。

原告と夫は婚姻の届出をし、その6年後には、茨城県に自宅として購入したマンションに夫婦で転居しました。その後、夫は福岡に単身赴任し、被告と出会い交際を始めました。

(争点)
被告は原告の夫との交際関係は認めましたが、肉体関係はなく、その頃までに原告夫婦の婚姻関係は破綻していると主張しました。

一方、原告は夫との婚姻関係が破綻したことはなく、夫が転勤後も原告が赴任先を訪れ仲睦まじい日常を送っていたことや、夫が一度は離婚を切り出してからも、メールのやり取りや結婚記念日を祝っており、原告が夫との復縁を心から希望していることから、原告と夫の間で婚姻関係は破綻していないというべきであると主張しました。

(裁判所の判断)
裁判所は、原告と夫の婚姻関係が破綻していると認められるか判断するには以下の点が考慮されとしました。

  • 原告と夫の別居期間は2年11ヶ月であるが、同居期間は10年4ヶ月に及んでおり、別居期間自体から直ちに原告と夫の婚姻関係が破綻したと認めるには困難である
  • 別居後も原告と夫との間で、定期的にメールのやり取りが続いている
  • 原告が夫婦関係の修復のため努力をしている

以上より、夫が原告に離婚届を手渡し、夫婦関係調整調停の申立てを行い、離婚に向けた動きを次第に強め、婚姻関係の継続に向けた意思が乏しかったことを考慮しても、原告と夫の婚姻関係は破綻の危機に瀕していたと認められるにとどまり、すでに破綻していたとまでは認めるに足りないと判断し、離婚は認められず、被告に40万円の慰謝料請求が認められました。

【東京地方裁判所 平成30年1月23日 判決】

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家庭内別居の場合は夫婦関係が破綻したと言える?

家庭内別居とは、夫婦が同じ家で生活を続けているけれども、夫婦として共同生活を行わない状態をいいます。しかしながら、明確な定義はありません。

例えば一緒に食事をとらない、夫婦間の会話がない、寝室を別にする、家計を別々にするなど夫婦の数だけ家庭内別居の状態も変わります。
一般的に家庭内別居の夫婦は同居をしていても、お互いに協力して扶助する義務を果たしているとはいえません。

そのため、夫婦双方が離婚に合意しており、家庭内別居期間が長期にわたっているような状態であれば、夫婦関係が破綻しているとみなされる可能性が高いといえます。

このような場合には、家庭内別居中に配偶者が不倫したとしても、慰謝料を請求することはできません。

もっとも、家庭内別居は通常の別居と違い、外からは別居しているのが分かりにくく、家庭内別居状態であったことを客観的に証明することは難しいのが現状です。

家庭内別居状態であることを証明できなければ、すでに夫婦関係が破綻していたとは認められず、慰謝料請求される可能性が高いです。
家庭内別居状態であるからといって、安易に不貞行為に及ばないようにしましょう。

家庭内別居については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

不倫の慰謝料相場はどれぐらい?

不倫の慰謝料は夫婦が離婚をしたか・しなかったかによって金額が変動します。その理由として、離婚した方が夫婦共同生活の平穏が侵害されたとして精神的苦痛が大きくなると判断されるからです。

慰謝料は下記の相場から婚姻年数、不貞行為の頻度・期間、子供の有無によって増減します。

不倫された場合、ご自身のケースではどの程度慰謝料を請求できるのか、弁護士に確認すると良いでしょう。

不倫が原因で離婚した場合 100万円~300万円程度
不倫が原因で離婚しなかった場合 50万円~200万円程度

不倫で慰謝料請求するには証拠が必要!

不倫した配偶者や不倫相手に慰謝料を請求するには「証拠」が何より大切です。証拠が十分になければ配偶者や不倫相手に不倫の事実を否定され、言い逃れされてしまう可能性もあります。

また、裁判に移行した場合に証拠不十分では不倫の事実を認めてもらえない可能性が高まります。

以下では不倫の証拠として有力なものを解説します。

配偶者と不倫相手に肉体関係があったと推測できる写真・動画
写真や動画は肉体関係を証明するためのとても有効な証拠です。以下のような写真・動画があれば配偶者と不倫相手に肉体関係があったと推測することができるでしょう。

  • ラブホテルに出入りする写真・動画
  • 配偶者が不倫相手の家に長期間出入りする写真・動画
  • 性行為中の写真・動画 など

不倫したことを認めている音声データ
不倫したことを認める音声データも有効です。しかし、後から「強引に言わされた」と言われる可能性もあるため、やり取り全体を残しておきましょう。

LINEやメールなどの記録
単体では証拠として弱いですが、他の証拠を補強する証拠として役に立つでしょう。

浮気の証拠集めについては以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

不倫慰謝料の請求手順

不倫慰謝料の請求手順は以下のとおりです。

  • まずは夫婦で話し合い
  • 話し合いでまとまらなければ調停
  • 最終的には裁判で決める

次項でそれぞれについて詳しく解説していきます。

①まずは夫婦で話し合い

配偶者と直接話し合えるのであれば、まずは夫婦で話し合いましょう。話し合いの際は感情的にならず冷静に話し合うことを心がけましょう。
話し合いがまとまった際は、合意内容を書面に残しておくのも大切です。書面を作成しておけば後から「言った・言わない」などのトラブルを未然に防ぐことができます。

また、できれば書面は公正証書として残しましょう。公正証書は公証人が作成し、公証役場に保管される公文書であるため、紛失や偽造のおそれがありません。

また、強制執行認諾文言付き公正証書に残すことで、相手が慰謝料を支払わなかった場合に訴訟を起こさず、直ちに財産を差し押さえることができます。

また、話し合いが進まない場合は弁護士に相談することもおすすめです。弁護士ならばあなたの代わりに配偶者と離婚について話し合うことができます。

話し合いがスムーズに進むだけでなく、慰謝料や財産分与といった金銭のやり取りについても適切に交渉できるため、あなたに不利益のない離婚が成立する可能性が高まるでしょう。

協議離婚と離婚の公正証書については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

協議離婚で損をしないために弁護士にご相談ください

②話し合いでまとまらなければ調停

話し合いで合意できない場合は家庭裁判所へ離婚調停を申し立てましょう。

調停では男女1人ずつの調停委員がいる部屋にあなたと配偶者が交互に呼び出され、お互いの主張を行います。調停委員が間に入ることで冷静に話し合うことができます。

調停では離婚を前提とした別居ではなかったかなど調停委員から質問されることがあります。論理的かつ明確な答えができるよう準備しておきましょう。

調停の段階で弁護士に依頼するメリットとして第一に、配偶者や調停委員に慰謝料請求や離婚に対し本気であるとアピールすることができます。

また、調停の段階で弁護士に依頼をすれば、弁護士はあなたの代理人として、基本的にあなたと調停に同席し、あなたの代わりに主張することができます。

調停の場自体初めての方も多くいらっしゃるでしょう。あなたが緊張してうまく話せなくても弁護士があなたの代わりに調停委員にあなたの希望や意見を伝えることができます。

離婚調停については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

離婚調停は経験豊富な弁護士法人ALGにご依頼ください

③最終的には裁判で決める

調停が不成立となった場合は裁判に移行します。
裁判では最終的に裁判官が判断を下します。そのため、不倫の事実を証明する証拠が何より大切です。

多くの方は裁判手続きなど分からないことが多く、不安ではないでしょうか?

訴状・準備書面・陳述書など裁判で使用する書面の作成には専門知識が必要です。そこで、弁護士に依頼し、ご自身の言い分を伝えることで、書類を作成してもらえます。

また、弁護士はあなたの代理人として裁判に同行、またはあなたの代わりに裁判に出席します。

たとえ、証拠があり有利な立場であっても主張方法や提出方法が間違っていると裁判官に言い分や証拠を認めてもらえない可能性があります。

弁護士に依頼することで専門家として事案に応じた有効な主張方法や証拠の提出方法を選んでくれます。
また、弁護士はあなたの味方です。弁護士がついていることで、裁判に対し安心感が生まれるでしょう。

離婚裁判については以下のリンクで詳しく解説しています。ご参考ください。

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別居中の不倫に関するQ&A

別居中の不倫に関する質問にお答えしていきます。

別居後すぐに夫の不貞が発覚しました。慰謝料を請求できますか?

別居して間もない場合は、たとえ離婚を前提とした別居であっても、完全に夫婦関係が破綻しているとはいえないでしょう。

裁判実務でも、夫婦関係が破綻していると認められるには3~5年別居していることが必要となります。そのため、別居直後では夫婦関係が破綻しているとは認められない可能性が高く、慰謝料を請求できる可能性は高まります。

別居中に配偶者以外の異性と遊ぶのは不倫にあたりますか?

別居中に配偶者以外の異性と2人きりで遊ぶことは控えた方が良いでしょう。裁判実務上、不貞行為とは、一般的に配偶者以外の異性と肉体関係を結ぶこととされているので、異性と2人きりで遊ぶこと自体は不貞行為にはなりません。

しかし、配偶者以外の異性とただ遊ぶだけの関係だったのが、魔がさして肉体関係を結んでしまうこともあり、そうすると法律上の不倫とみなされ、慰謝料が発生しますので注意が必要です。

肉体関係なしの慰謝料請求については以下のリンクで詳しく解説していきます。ご参考ください。

別居婚だった場合でも不倫慰謝料を請求できますか?

別居婚とは、入籍して夫婦になったとしても一緒に暮らさず、別々に暮らす夫婦のかたちです。

ここでいう別居婚は、夫婦仲が悪くなり別居しているのではなく、夫婦仲が良好であることが前提です。
別居婚であっても、婚姻関係があることには変わりはないため、同居している夫婦と同様に不倫された側は慰謝料を請求できます。

ただし、別居婚が長期間にわたり、夫婦のコミュニケーションがほとんどない状態であれば夫婦関係の破綻とはいかなくてもそれに準ずるものとして、慰謝料が減額される可能性があります。

別居中の不倫で慰謝料請求するなら、実績豊富な弁護士にお任せ下さい。

別居中であっても夫婦関係が破綻していなければ慰謝料請求できる可能性が高いです。
しかし、何をもって夫婦関係が破綻していないと判断するのかは難しいでしょう。

そのため、別居中の不倫による慰謝料請求は弁護士にご相談ください。

弁護士であれば婚姻関係の実態についてヒアリングをして、慰謝料請求ができるのかどうか判断し、慰謝料請求に必要な手続きを代理で行えます。

私たち弁護士法人ALGは夫婦問題や離婚問題に詳しい弁護士が多数在籍しています。ご相談者様の現状や希望を丁寧にヒアリングし、解決に向かって全力を尽くします。

別居中であっても配偶者の不倫にはつらい気持ちになるでしょう。そして、慰謝料請求をできるのか、今後についても不安だと思います。別居中の慰謝料請求は私たち弁護士法人ALGにお任せください。

 

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弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。