浮気の証拠がつかめない!証拠がないときにできること
「夫や妻の行動が怪しい…」と不倫していることは間違いないのに確実な証拠がない場合はどうしたらいいのでしょうか。
確実な証拠がない場合は相手や不倫相手に不倫の事実を認めさせることが難しかったり、慰謝料請求が難しかったりする場合もあります。
この記事では不倫しているのは確実なのに証拠がない場合について、証拠がなくても慰謝料請求できるのか、証拠がない場合の対処法などについて解説していきます。
目次
浮気の証拠がない場合でも慰謝料請求はできる?
夫婦の話し合いで合意ができるのなら、浮気の証拠がなくても慰謝料の請求をすることができます。
決定的な浮気の証拠がなくても、浮気を強く疑わせる事実や相手が言い訳・言い逃れ出来ない事実を伝えることによって、相手が慰謝料の支払いに合意すれば、相手に慰謝料を請求できます。
しかし、相手があくまで不倫の事実を認めない場合、裁判などの法的手段で慰謝料請求をすることになりますが、浮気の決定的な証拠がないと、慰謝料請求が認められるのは難しいです。
浮気の証拠がない場合のデメリット
浮気の証拠がない場合のデメリットは以下のとおりです。
●慰謝料を請求できない
慰謝料請求の裁判では、慰謝料請求側に、相手の浮気の事実を証明する責任があります。したがって浮気をした相手が浮気を否定した場合、証拠の提出ができなければ、慰謝料を支払ってもらう事が難しくなります。
●離婚が簡単に認められない
裁判で離婚が認められるためには、法定離婚事由が必要です。浮気は立派な法定離婚事由ですが、相手が認めず離婚自体を争う場合、浮気の証拠がなければ、裁判所は離婚判決を出してくれません。そのため、裁判で離婚が認められるためには浮気の証拠が重要です。
浮気の証拠がない場合の対処法
話し合いで慰謝料請求の合意ができない、できそうにない場合は、やはり浮気の証拠が必要となります。
しかし、SNSやブログ・メールなど意外なものが証拠になり得る場合もあります。また決定的な証拠ではなくとも、些細な証拠の組み合わせで十分な証拠となることもあります。
自分でできる対処法としては以下のような方法が挙げられます。
- 自分で証拠を探し続ける
- 探偵・興信所に浮気調査の依頼をする
- 配偶者に浮気の自白を促す
それぞれについて次項で解説していきます。
自分で証拠を探し続ける
浮気を疑い始めたら、まずは自分で浮気調査を行いたいと考える方も多いでしょう。
自分で証拠を探す方法には以下のような方法があります。
- クレジットカードの利用明細をチェックする
- 車の走行履歴や車内の様子を確認する
- 自宅や車に小型カメラを設置し録音・録画する
- 自分で尾行して撮影する
自分で証拠を集める注意点として、違法性の高い行動をとってしまう危険性があります。
どこまでの行動が許されるかの判断には専門的な知識が必要です。
そこで、浮気の証拠集めは弁護士に相談することをおすすめしています。弁護士であれば、法的な観点から違法とはならない証拠集めの方法や強力な証拠についてアドバイスをもらう事ができます。
強力な証拠となるもの
浮気の確実な証拠とは肉体関係があることが分かるものです。以下のようなものが挙げられます。
●動画・写真
性交渉をしている動画や写真は直接的な浮気の証拠になります。また、ラブホテルに出入りする写真や動画(ただし顔がはっきり認識できるもの)も有力な証拠になります。一方、外でデートしている様子だけでは直接的な証拠としては弱いでしょう。
●浮気の自認書・音声データ
配偶者や浮気相手が肉体関係を認めた自認書・音声データがあれば強力な浮気の証拠となります。
●メール・SNS等
メールやSNSのやり取りに、性交渉したことが直接書かれていたり、ホテルや旅行に行った、不倫相手宅に泊まったなど、肉体関係を推測させるものがあれば浮気の証拠として強力です。
●調査報告書
探偵事務所や興信所に尾行調査してもらい浮気の現場をおさえられたら、ほぼ確実な浮気の証拠になります。
複数の組み合わせで証拠となるもの
証拠には様々なものがありますが、以下の証拠は単体では肉体関係の証明として弱いが、複数を組み合わせることにより有力な証拠になる可能性があります。
●LINEなどSNSでのやり取り
SNSでのやり取り、ブログの投稿内容、メールなどに恋人同士のような愛情表現が頻繁に見られるなど、肉体関係があることの直接的な証拠にはならなくても、2人が親密であることが分かるケースがあります。
●手紙・メモ・日記
相手から渡された手紙や自身の日記・メモの内容によっては、浮気が推測できることもあります。
●ビジネスホテルなどの領収書
ビジネスホテルでの宿泊の領収書も、浮気を推測させる証拠の一つになる場合があります。
●クレジットカードの利用履歴
浮気相手とデートした際にホテルやレストラン、映画・テーマパーク入場料などの支払いをしていればクレジットカードに記録が残ります。明細書も証拠になります。
●通話履歴
携帯電話の通話履歴において同じ相手と毎晩のように電話しているなど不自然な通話があれば浮気の証拠の一つとして使える可能性があります。
証拠を集めるときの注意点
浮気の証拠がない場合は焦る気持ちも大きいかと思いますが、まず相手や不倫相手のプライバシーの侵害に気を付けなければなりません。
気持ちが急ぐあまりに写真の捏造、不倫相手宅への侵入、盗聴、浮気調査アプリの利用などは犯罪行為に当たる可能性もあるため注意が必要です。
証拠集めのために過度に逸脱した行為をすると、裁判で証拠として認められないばかりか、反対にあなたが訴えられてしまうかもしれません。
また、携帯やパソコンの暗証番号、ID、パスワードなどを無断で入手または推測して勝手に相手のデータを見ると、不正アクセス禁止法に違反したとして刑事罰の対象になるおそれがあります。
証拠集めは相手に気付かれてしまうと証拠を隠蔽されてしまうおそれもありますので、慎重に、また犯罪を犯すリスクを理解した上で行動しましょう。
探偵・興信所に浮気調査の依頼をする
浮気の証拠集めは専門家に依頼することが確実でしょう。
専門家といっても「探偵事務所」と「興信所」のどちらに依頼すればいいのか悩むのではないでしょうか。
かつては興信所と探偵では調査内容や調査方法に違いがありましたが、現在ではほとんど違いはなくなっています。
探偵や興信所が不倫の調査を行う場合は、
- 聞き込み
- 尾行
- 張り込み
の3つの方法を用いて進めていきます。
探偵は、公安委員会から認可を受けているのであれば、探偵業法に定められた範囲内で上記の調査をし、浮気の証拠や浮気相手の特定をすることができます。
探偵の作成する「調査報告書」は有効な証拠となりますが、すべての調査報告書が証拠となるわけではありません。
以下のようなチェックポイントをクリアした調査報告書は有効な証拠となるでしょう。
- 浮気の証拠となる写真が鮮明であるか(特に顔がはっきりと識別できるか)
- 証拠写真が撮影された時刻が分かるようになっているか
- 調査の内容が時系列でまとめられ、読みやすくなっているか
- 調査現場の最新地図情報が添付されているか
- 主観ではなく、客観性のある報告書か
配偶者に浮気の自白を促す
浮気をした配偶者が離婚を望んでいる場合は、証拠がなくても、話し合いで浮気を認める可能性もあります。
浮気をした配偶者や浮気相手の自白は裁判での確実な証拠となります。しかし、後から、脅されて「言わされた」と言われないように、会話の内容を自白部分だけでなく全体的に録音しておくことも大切です。
ただし、配偶者に浮気の自白を促しても、自白しないだけでなく、浮気を疑われた配偶者が徹底して証拠を隠滅する可能性もあることに注意しましょう。
また、浮気相手が浮気を自認・自白した場合には、慰謝料の請求が可能です。慰謝料の支払いについて合意ができたら、公正証書に残しておくとよいでしょう。
離婚のご相談受付
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証拠のない浮気の慰謝料請求を、弁護士に相談するメリット
浮気の証拠がなかなか集められないと、慰謝料請求を諦めてしまいたい気持ちになるのも分かります。しかし、まずは一度、弁護士にご相談ください。弁護士に依頼するメリットは以下のとおりです。
●浮気の証拠集めのアドバイス
浮気の証拠集めは注意しなければ法的に適切でないやり方をしてしまうこともあります。弁護士に相談することで、法的に適切で有効な証拠集めのアドバイスをしてもらう事ができます。
●相手方との話し合いのサポートをしてもらえる
弁護士は交渉のプロとしてあなたに代わり配偶者や浮気相手と話し合いをすることができます。また、配偶者や浮気相手に弁護士が介入することで、慰謝料請求に本気であることを示すこともできます。
●弁護士事務所が探偵事務所を併設している場合もある
弁護士法人ALGでは探偵事務所を併設しています。そのため、探偵と情報協力し、スムーズに話し合いを進めることができます。
浮気の証拠がない場合のQ&A
浮気の証拠がない場合のよくある質問にお答えしていきます。
LINEのやりとりを浮気の証拠にして、慰謝料の請求はできますか?
LINEのやりとりでも、肉体関係があるとわかる文章や写真のやり取りは浮気の有効な証拠となるでしょう。
しかし、LINEの内容から頻繁にデートしていたり、キスをしていたりすることが分かる程度では、浮気の証拠としては不十分なので「不貞行為」としての慰謝料請求は難しいです。ですが、「夫婦の平穏・円満な結婚生活」を破壊したといえるような場合には、慰謝料を請求できるケースもあります。
スマートフォンにあった浮気の証拠を消されてしまいました。どうすればいいですか?
まずはスマートフォンの復元機能を試してみましょう。復元には自分でできるやり方もありますが、業者に頼む方法もあります。しかし、これらの方法は相手のスマートフォンを借りなければならないため、難しい方法といえるでしょう。
そこで、スマートフォンにあった証拠以外の証拠を集めましょう。証拠一つ一つは些細なものであっても、たくさん集めればグレーが黒に近づきます。SNSをよく見たり、第三者から情報を得ることもできるでしょう。
また、弁護士や探偵に依頼することもおすすめです。
自分で証拠を集めようとすると、プライバシーの侵害や不正アクセス法に引っかかってしまうおそれもあるため、新たな証拠が消されてしまった場合は、これ以上相手に警戒されないようにするためにもまずは弁護士や探偵に相談しましょう。
浮気の証拠を隠蔽してさらに浮気を続けようという行為は悪質で慰謝料増額が見込めます。あきらめず、新たな証拠を探していきましょう。
浮気の証拠がない場合は、早めに経験豊富な弁護士にご相談ください。
相手が話し合いで合意すれば、浮気の証拠がなくても、慰謝料の請求はできます。しかし、証拠がなければ、相手が浮気を認めるケースは少ないでしょう。
浮気の有力な証拠となるものは肉体関係があることがわかるものですが、証拠の収集が難しい場合もあります。
そのような場合は離婚や夫婦問題に詳しい私たち弁護士法人ALGにご相談ください。
ひとつの証拠では肉体関係が証明できなくても複数の証拠を集めることで有力な証拠となる場合もあります。
ご依頼者様のケースに沿って有力となる証拠のご提案をさせていただきます。
また、弁護士を介入して話し合いを進めることで、慰謝料請求や離婚に対し本気であることを相手方に示すことができますし、有利に話し合いを進めることができる可能性もあります。
浮気の証拠がない場合でもあきらめず、まずは私たちにご相談ください。
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保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)