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離婚届は一人でも提出できる?必要書類や期限、提出先について解説

離婚届は一人でも提出できる?必要書類や期限、提出先について解説

離婚することが決まったら、離婚届を提出する必要があります。特に夫婦の話し合い(協議離婚)では、離婚届を提出して、受理されなければ離婚が成立しません。
しかし、離婚届はどこに提出すれば良いのか、誰が提出できるのか、また提出時に必要な持ち物は何かなど気になる部分も多いでしょう。

そこで、この記事では離婚届の提出方法や提出できる人などについて解説していきます。
離婚届を提出する際の参考になれば幸いです。

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離婚届の提出先

離婚届の提出先は、夫婦の本籍地または夫婦の所在地の役所の窓口(戸籍課)となります。
提出先が本籍地の役所の場合で、協議離婚の場合は、離婚届のみで手続きできますが、所在地の役所に提出する際は婚姻中の戸籍謄本が必要になるため、注意しましょう。

また、別居中の夫婦が離婚する場合も同様に、離婚届の提出先は夫婦の本籍地または夫婦の所在地の役所に提出します。本籍地に提出する場合は問題ありませんが、所在地は別居中であると夫婦で異なる場合もあるでしょう。
その場合は、夫婦いずれか一方の所在地にある役所に戸籍謄本と一緒に提出しましょう。

離婚届を提出できる人

離婚届を提出できる人は、離婚の方法により異なります。

協議離婚
夫婦のどちらか、または夫婦以外の方でも提出可能です。その際、委任状などは必要ありませんが、窓口で離婚届を提出する方の本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)の提示が必要です。
離婚調停
調停が成立した日を含めて10日以内に、原則として調停申立人が、調停調書謄本を持参のうえ、夫婦の本籍地または申立人の所在地の役所に提出します。
離婚裁判
判決から10日以内に、訴えの提起者が判決の謄本と確定証明書を持参のうえ夫婦の本籍地または夫婦の所在地の役所に提出します。

離婚届は一人でも提出できる?

離婚届は1人でも提出することができます。別居中で都合が合わなかったり、相手と顔を合わせたくなかったりする場合でも一人で提出して全く問題ありません。
その際注意したいのは、離婚届に不備があった場合です。不備がある場合はそのままでは受理されず、訂正が必要です。

訂正箇所は二重線で消し、余白部分に書き直します。離婚届の欄外に「捨て署名欄」があればそこに、なければ枠外に、あらかじめ夫婦2人の署名をしておくと、届け出の際に不備が見つかっても、軽微なミスであれば、役所で訂正してもらえる場合がありますが、不備がないかを事前にしっかりと確認しておきましょう。

また、離婚届を相手に断りなく勝手に作成し、提出しても、片方に離婚意思がないため、離婚は無効です。

※2021年9月1日より離婚届への押印は任意となりました。

代理人による提出も可能?

離婚届は、当事者だけでなく家族や全くの他人に提出してもらうことも可能です。 その際、委任状は必要ありませんが、提出する人の本人確認のため、運転免許証やマイナンバーカードなどが必要になります。
もっとも、離婚届に不備があると、代理人では訂正ができません。
そのため、離婚届を代理人に提出してもらう場合は、預ける前に不備・不足がないか確認しましょう。

離婚届の提出に必要な書類

離婚届を提出する際には、以下のような書類が必要となります。

  • 離婚届1通(成年の証人2名が署名したもの)
  • 届出人の本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
  • 婚姻中の戸籍謄本(本籍地以外の所在地役所に提出する場合)

その他の必要な書類としては、以下のようなものが挙げられます。

〈離婚調停で離婚が成立した場合〉

  • 調停調書:離婚調停が成立したことを証する文書で、調停成立後に裁判所でもらえます。

〈離婚裁判で離婚が成立した場合〉

  • 判決書の謄本:判決の写しで、判決が出たあと裁判所でもらえます。
  • 判決確定証明書:判決が確定したあと裁判所でもらえます。

離婚届の入手方法

離婚届を提出するには、まず専用の用紙を入手しなければなりません。入手するには、以下のような方法があります。

①役所で入手する
離婚届は市区町村の役所の戸籍を扱う課で受け取ることができます。なお、離婚届は全国共通様式なので職場の近くの役所などご自身のアクセスしやすい所で入手するので構いません。


②ダウンロードする
一部役所のホームページでは、離婚届をダウンロードできる場合もあります。ダウンロードしたらA3用紙に印刷します。その際、モノクロ印刷で構いません。

また、提出先の役所がダウンロードした離婚届を受け付けていない場合もありますので注意しましょう。

どちらの方法でも、訂正するときのことを考え、2・3枚は用紙を用意しておくと安心でしょう。

離婚届と一緒に提出する書類

離婚には、協議離婚離婚調停審判離婚離婚裁判(判決離婚、和解離婚)などいくつかの方法があります。多くの夫婦は話し合いにより離婚を決める協議離婚で成立しています。 離婚の方法によって、離婚届と一緒に役所へ提出する書類が異なりますので、以下の表で確認しましょう。

調停離婚 調停調書の謄本
審判離婚 審判書の謄本、確定証明書
裁判離婚 判決書の謄本、確定証明書
和解離婚 和解調書の謄本

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離婚届の提出方法

離婚届の提出方法には、以下の2つがあります。

  • 役所の窓口で提出する
  • 郵送で提出する

離婚届の提出はどちらの方法でも基本的に24時間365日行うことができます。ただし、平日の受付時間以外の、夜間・休日・それ以外の窓口の受付時間や場所は各役所によって異なるため、事前に確認が必要です。
離婚届の提出後、役所で書類に不備がないか確認され、不備がなければ受理されます。

離婚届が受理されると、相手に離婚届を受理したことの通知が送られます。また、代理人に提出を依頼し、受理された場合は夫婦双方に受理通知が送付されます。
離婚届が受理されたかどうかは戸籍謄本でも確認することが可能です。

土日祝日や夜間の時間外窓口への提出

仕事や家事・育児で、平日の日中に役所の窓口に行けない場合もあるでしょう。そのような場合は土日祝日や夜間などの受付時間外でも提出が可能です。

多くの役所では、時間外受付ポストが設置されており、離婚届と必要書類を投函することで提出できます。
時間外受付ポストがない場合でも宿直室などで離婚届を受け取ってくれる場合もあります。
しかし、時間外窓口で提出した離婚届などの書類に不備がないかのチェックは翌開庁日になります。そこで不備がないことが確認されれば、離婚届の提出日に遡って受理されます。不備があった場合は役所に出向いて訂正する必要があるので注意しましょう。

離婚届が受理されないことはあるのか?

以下のような事情がある場合は、離婚届が受理されない可能性があります。

●記載内容に不備があった場合
記載内容に不備がある場合は離婚届が受理されません。しかし、不備を訂正すればきちんと受理されます。


●未成年の子の親権者が未定の場合
日本では離婚後単独親権となるため、離婚時に父母どちらかを親権者に定めなければ、離婚届は受理されません。離婚届を提出する前に親権について話し合っておきましょう。


●夫婦のどちらか一方が離婚届不受理申出を行っていた場合
「離婚届不受理申出」とは、夫婦の一方が、役所に対して離婚届を受理しないように申し出る制度であり、勝手に相手が離婚届を提出し受理されることを防ぎます。不受理の申し出をした本人が役所で不受理申出の取り下げをしなければ、離婚届は受理されません。

離婚届を提出する前にチェックしておくこと

離婚の手続きをスムーズに進め、離婚後に困らないためにも、離婚届を提出する前には以下の点をチェックしておきましょう。

  • 離婚届に不備はないか
  • 離婚後の氏や戸籍をどうするか
  • 離婚条件について取り決めているか

では、詳しく見ていきましょう。

離婚届に不備はないか

離婚届が書けたら、不備がないか以下の項目を確認しましょう。

□二重線と署名または訂正印で訂正しているか
離婚届に不備があった場合は、不備があった箇所に二重線を引き、その上の余白に正しい記載をした上で、欄外に捨て署名欄がある場合にはそこに、なければ、枠外に署名をしましょう。訂正印は任意ですので、必ずしも押さなければならないわけではありません。


□修正液や修正テープを使っていないか
離婚届の訂正には修正液や修正テープは使用できません。二重線を引いて訂正しましょう。


□鉛筆や消えるタイプのボールペンを使っていないか
離婚届を記入する際は鉛筆やシャープペンシルではなくボールペンを使いましょう。最近では消せるボールペンもありますが、これは使用できないため注意が必要です。

離婚後の氏や戸籍をどうするか

離婚後の氏や戸籍についても離婚届を提出する前に知っておくと良いでしょう。

〈氏について〉
婚姻の際に、夫婦どちらの氏を名乗るか取り決めたと思いますが、離婚すると、氏を改めた一方は離婚後に原則として、婚姻前の氏(旧姓)に戻ります。 仕事の都合などで婚姻時の氏をそのまま使用したい場合は、別途「婚氏続称の届出」を離婚成立日から3ヶ月以内に提出する必要があります。
〈戸籍について〉
婚姻中の戸籍の筆頭者が夫と仮定すると、妻は離婚によって婚姻前の戸籍に戻るか、新たに戸籍を作るかを選択しなければなりません。 新しい戸籍に子供を入れたい場合は、家庭裁判所で「子の氏の変更許可」の審判を受けた後、役所で子供の入籍手続きを行います。

離婚条件について取り決めているか

離婚する際には、離婚届を提出する前に、以下のような離婚条件を取り決めておくべきでしょう。

  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 親権
  • 養育費
  • 面会交流
  • 年金分割 など

上記の項目は離婚後に話し合いをしようとしても、相手方がもう離婚は成立したのだから支払う必要はないという態度に変わり、話し合いに応じてもらえなくなってしまうおそれがあります。
もちろん、離婚後にも慰謝料財産分与養育費を請求することができますが、精神的に大きな負担となってしまうこともありますので、離婚が成立する前に取り決めておくと良いでしょう。

離婚前に離婚条件について取り決めができたら、後から「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにも離婚協議書にまとめましょう。
さらに強制執行認諾文言付き公正証書にしておくことで、離婚後に慰謝料や養育費が支払われなくなった場合に、強制執行の申立てをすることで財産を差し押さえることができます。

離婚準備について詳しくは以下のリンクで解説しています。ご参考ください


離婚問題を弁護士に依頼するメリット

離婚届を提出する前に弁護士に相談するメリット

離婚届を提出する前には、一度弁護士に相談することをおすすめします。
特に話し合いでの離婚(協議離婚)の場合、離婚や法律に詳しくないとなにが請求できるか分からず、請求漏れや不利な離婚条件に気が付いていないケースも多くあります。
例えば、慰謝料や養育費が相場よりも低い、財産分与や年金分割できるのにしていなかった、などのケースがあります。

特に、これから子供を監護・養育していく側にとっては、お金の問題はとても重要です。
離婚に強い弁護士であれば、相談者様へ丁寧なヒアリングを行い、離婚条件は不利になっていないか、請求できる金額は相場となっているか、請求漏れはないかなどの判断ができ、代理人として相手方と交渉することもできます。

少しでもこのまま離婚してもいいのか、お悩みの方は無料相談などを活用し、弁護士にご相談ください。

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離婚届の提出期限

離婚届の提出期限は、下表のとおり、どの方法で離婚したかによって異なります。

協議離婚 期限はない(届出日が離婚の成立日となる)
調停離婚・審判離婚・裁判離婚 調停・和解の成立、審判・判決の確定の日から10日以内

協議離婚には提出期限はありませんが、他の離婚方法には離婚届の提出期限があります。ただし、提出期限を過ぎてしまった場合でも離婚届は受理されるにはされます。
そのかわり、正当な理由なく提出期限を守れなかったと認められると、簡易裁判所から5万円以下の過料に科せられる可能性があります。

離婚届の提出に関するQ&A

離婚調停中に離婚届を提出することは可能ですか?

離婚調停中に離婚届を提出すると受理されてしまう可能性もあります。
しかし、調停中ということは、当事者のどちらかが離婚に対し合意していない状態が推測されます。
双方の合意のない離婚は原則として無効です。勝手に離婚届を提出してしまったことであなたに対する調停委員の心証が悪くなり、不利になってしまうことも考えられます。

また、離婚届を勝手に提出することは、以下のような罪に問われる可能性もありますので、離婚届けを勝手に提出することはやめましょう

  • 無断で夫婦の署名欄を記入し、離婚届を偽造した場合 ⇒私文書偽造罪(刑法159条1項)
  • 偽造した離婚届を実際に役所に提出した場合 ⇒偽造私文書行使罪(刑法161条1項)

協議離婚で提出した離婚届を取り下げることはできますか?

協議離婚で離婚届を提出した場合、原則として取り下げることはできません。
しかし、以下の事情がある場合は裁判所の手続きを利用し、離婚届を取り下げることができる可能性があります。

離婚の取消し
民法上、詐欺または強迫によって離婚届が提出された場合は、騙されたことを知った時または強迫行為が終わった時から3ヶ月以内であれば、協議離婚の取消しが認められています。 例えば、DVや強迫により離婚届を書かされた場合などが該当し得ます。


離婚の無効
・離婚に合意していなかった
・離婚届を偽造され、勝手に提出された

これらはいずれも、離婚届提出時に「離婚意思」がなかったことになります。
離婚意思がなく離婚届が提出された場合は、離婚は当然に無効であると考えられています。

離婚届受理証明書は即日発行してもらえますか?

離婚届受理証明書を欲しい旨を窓口で伝えた場合、即日発行してもらえることがあります。
しかし、離婚届を提出した際の住所や本籍地の関係で、後日発行となることもありますので、まずはいつ発行してもらえるのかを役所に問い合わせましょう。

離婚届を時間外窓口へ提出した場合は、翌開庁日に確認が行われるため、離婚届受理証明書の発行もその後になります。
また、代理人に依頼した場合や郵送で申請書を提出した場合には、およそ1週間~10日後に離婚届受理証明書が自宅に届きます。

離婚届の提出前に一度、弁護士に相談することをおすすめします

「この内容で離婚届を提出していいのかな」と少しでも不安が残る場合は、事前に役所や弁護士に相談しておくと安心です。

離婚届を提出し、受理されると離婚が成立しますが、離婚が成立してしまうと、離婚条件について相手が話しあいに応じないケースも多く、話し合うことは難しくなります。
離婚条件を取り決めていない、不安がある、納得できないという場合は、離婚届を提出する前にまずは私たち弁護士法人ALGにご相談ください。

私たちは離婚問題や夫婦問題に詳しい弁護士が多数在籍しております。女性弁護士も多く在籍しておりますので、話しにくい悩みなどでもお気軽にご相談ください。
私たちはご相談者様のお悩みを丁寧にヒアリングし、離婚や離婚条件についてご相談者様が不利にならないよう相手方と交渉していきます。

少しでも離婚について不安が残る場合は、おひとりで悩まず私たちにご相談ください。

 

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弁護士法人ALG 執行役員 弁護士 谷川 聖治
監修 :弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates執行役員

保有資格 弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:41560)

東京弁護士会所属。私たちは、弁護士名、スタッフ名(司法書士1名を含む)を擁し()、東京、宇都宮、埼玉、千葉、横浜、名古屋、神戸、姫路、大阪、福岡、バンコクの11拠点を構え、全国のお客様のリーガルニーズに迅速に応対することを可能としております。