盗撮・のぞきが冤罪ならどうする?逮捕される可能性や対処法など
スマートフォンや小型カメラ等の電子機器が普及し、盗撮・のぞきの検挙件数は近年増加傾向にあります。
特にスマートフォンは、場所を問わず容易に操作できるため、「盗撮されている」と勘違いしてしまう人も少なくありません。そのため、相手の勘違いによって、盗撮の冤罪で逮捕されてしまうケースも起きています。
また、SNSで注目を集めて収益向上を図る人も多く、被害者のふりをして盗撮事件をでっちあげ、その様子を撮影する悪質な行為も増えています。
そこで本記事では、冤罪について注目し、盗撮・のぞきで冤罪をかけられた場合の対処法や逮捕される可能性などについて、詳しく解説していきます。
目次
盗撮・のぞきの冤罪がおこる理由は?
盗撮・のぞき事件で冤罪がおこる理由には、主に次のようなことが挙げられます。
- 被害者の勘違い
- 被害者を装って示談金を狙う
近年では、SNSを利用する人が爆発的に増えており、利益や注目を得たいがために盗撮・のぞきの冤罪をおこすケースも増えています。しかし、盗撮・のぞきの冤罪がおこる理由としては、上記であるケースがほとんどです。
では、それぞれの理由について、次項にてもう少し深く掘り下げてみていきましょう。
被害者の勘違い
被害者の勘違いは、盗撮・のぞきの冤罪が発生する理由の多くを占めています。
スマートフォンを歩きながら操作している人が多いことは、駅構内やエスカレーターの利用中に「盗撮された!」と勘違いしやすくなります。
また、スマートフォンで調べていた商品等の画像を撮影するために生じたシャッター音で、盗撮されたと勘違いする人もいます。こうした相手の勘違いによる盗撮・のぞきの冤罪は、電子機器の普及により増加しています。
靴の足先に小型カメラを設置して盗撮に及んだ事件などが報道されたことで、なかには、靴ひもを結びなおしていただけで盗撮が疑われたケースもあります。
被害者を装って示談金を狙う
被害者を装って示談金を狙う悪質なケースも多く、手口も年々巧妙になってきています。
盗撮の示談金は、10万~50万円程度が相場とされていますが、公にしない代わりに相場以上の金銭を請求してくる、いわゆる「ゆすり」を受けるケースもあります。
このような場合、犯人は、被害者や示談を促す第三者の役割を担う協力者とともに事前準備をしっかりと整えて犯行に及んでいます。こうした金銭目的による盗撮・のぞきの冤罪も増加傾向にあり、スマートフォンで仲間の募集が行われたケースもあります。
また、手口が巧妙になってきているため、弁解を試みる余地がない場合も少なくありません。
盗撮・のぞきが冤罪ならまずは弁護士に相談
身に覚えのない盗撮・のぞき行為により逮捕されてしまった場合は、なるべく早めに弁護士に相談することが大切です。 弁護士に相談・依頼することで、次のようなメリットを得られます。
- 無実を証明できる
- 身柄拘束の期間を短縮できる
- 不起訴を獲得できる可能性が高まる
- 示談金目当てで訴えられた場合は、「虚偽親告罪」として法的処置を取ることができる など
弁護士であれば、冷静かつ倫理的に対応できるため、不利益を受けないように事態を収められます。逮捕による身柄拘束が長期化すれば、「解雇や退学」といった不利益を受ける可能性が高くなるため、まずは弁護士にご相談されることをおすすめします。
なお、刑事事件に精通した弁護士を選択することで、より充実した弁護活動を行ってもらえます。刑事事件の手続きは、想像以上に早く進んでいき、残されている時間は僅かしかないため、できれば刑事事件を得意とする弁護士を選択するようにしましょう。
盗撮・のぞきが冤罪でも逮捕される可能性はある?
盗撮・のぞきが冤罪でも、逮捕される可能性は十分にあります。
逮捕に必要な要件は、「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、逃亡や証拠隠滅の可能性がある」ことです。
そのため、盗撮・のぞきをしていなくても疑いをかけられたことで逃亡した場合は、逮捕される可能性があります。逮捕の時点では冤罪かどうかはっきりしていないため、多くの場合、盗撮・のぞきの疑いを持たれたまま手続きが進んでいきます。
逮捕には、「通常逮捕」「現行犯逮捕」「後日逮捕」などの種類があり、盗撮・のぞき事件では、その場で逮捕される現行犯逮捕が多いです。
現行犯逮捕の場合は、一般人による身柄拘束=私人逮捕も許可されているため、犯行を目にした目撃者による逮捕も少なくありません。
逮捕後の流れ
警察に逮捕されると、主に以下のような流れで手続きが進みます。
<逮捕後の流れ>
- ①逮捕後、警察による取り調べを受けて48時間以内に検察に送致される。
- ②その後、検察による取り調べを受け、24時間以内に裁判所に対して勾留請求を行うかどうかが判断される。
- ③勾留請求がなされ、裁判所が請求を認めた場合は、まず10日間の勾留(身柄拘束)を受ける。
- ④勾留期間中に検察は、被疑者を起訴するかどうかを判断する。
- ⑤起訴された場合は刑事裁判が開かれ、犯した罪について裁判官の審判を受ける。
勾留請求が認められると、まず10日間の身柄拘束が実施され、その後は、捜査状況に応じてさらに10日間の勾留が延長できます。
つまり、最大で20日間の勾留が可能となるため、勾留が長引けば長引くほど不利益を受ける可能性が高くなります。
盗撮・のぞきの冤罪をかけられた場合の対処法
身に覚えのない盗撮やのぞき行為で冤罪をかけられた場合の対処法には、以下のようなことが挙げられます。
- 盗撮・のぞきが冤罪であっても逃げてはいけない
- 盗撮・のぞきをしていないと主張する
- 無罪を裏付ける証拠を提出する
上記の対処法が正しく行えれば、冤罪による逮捕を回避できる可能性を高められます。
では、それぞれの対処法について、次項で詳しく解説していきます。万が一のときのために、頭の片隅に入れておきましょう。
盗撮・のぞきが冤罪であっても逃げてはいけない
盗撮やのぞきが冤罪であっても、決して逃げてはいけません。
なぜなら、「現場から逃走した」という客観的な行動により逮捕される可能性があるからです。
冤罪をかけられて逃げたくなる気持ちはわかりますが、その行動が逮捕の可能性を高めるため、現場からは逃げないようにしましょう。
盗撮やのぞき行為は、比較的軽微な犯罪として扱われているため、「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」などの逮捕の要件を満たさなければ身柄拘束を受けません。
そのため、盗撮やのぞきを疑われたとしても、身柄拘束から逃れるために逃げることはしないようにしましょう。
盗撮・のぞきをしていないと主張する
盗撮・のぞきの冤罪をかけられた場合には、「盗撮・のぞきをしていない」と主張することが大切です。
被害を訴える相手と警察に対して、まずは盗撮・のぞきをしていないことを堂々と主張しましょう。また、電車内や駅構内など、多数の人がいる現場であれば、身近にいた人に協力をお願いするのも有効的です。
自分に不審な動きはなかったと証言してもらえれば、盗撮・のぞきの疑いも晴れやすくなります。警察からいかなる追及があったとしても、盗撮・のぞきの罪を認めないことが大切です。
盗撮・のぞきが冤罪であれば黙秘してもいいのか?
黙秘権は、全ての人に認められている権利であるため、冤罪でなくても黙秘できます。
捜査機関の取り調べに対し、黙秘を貫くことで、発言を不利に扱われずに済みます。ただし、黙秘権は全ての人に認められているため、盗撮・のぞきをしている犯人も当然黙秘できます。
そのため、被疑者が真の犯人かどうか区別がつかず、黙秘によって捜査機関の取り調べがより厳しくなる可能性が高いです。
そこで、無実を主張するという選択肢もありますが、「黙秘を貫くか」「無罪を主張するか」の判断は、きわめて難しいです。
取り調べでの発言は、供述調書として記録されるため、慎重に発言しなければなりません。どちらを選択するべきなのかは、弁護士から助言をもらう必要があるでしょう。
無罪を裏付ける証拠を提出する
無罪を裏付ける証拠が提出できれば、盗撮・のぞきの疑いが晴れやすくなります。
「カメラやスマートフォンに盗撮のデータがない」「犯行時間にアリバイがある」などを裏付ける証拠があれば、無罪の証明に大きく近づけます。
また、目撃者の供述や付近の防犯カメラなども、無罪の証明になり得ます。無罪を裏付ける証拠があれば、嫌疑なしで不起訴処分となる可能性が高いです。
逮捕後72時間以内の弁護活動が運命を左右します
刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。
盗撮・のぞきが冤罪と認められた場合の補償金
刑事事件では、冤罪が立証されて無罪判決が下された場合、刑事補償法に基づき国に補償金を請求できます。
冤罪の疑いをかけられたことで受けた精神的、肉体的苦痛の補償として、拘束された日数に応じて1日あたり1000円~1万2500円の補償金が交付されます。
なお、刑事補償請求は、身柄拘束に対する補償であるため、逮捕による勾留がなかった場合には補償を受けられません。
刑事補償請求で印象に残る事件は、やはり“袴田事件”でしょう。
静岡県で一家4人を殺害したとして死刑判決が下されていた袴田氏は、再審により無罪判決が下されました。袴田氏が受けた不当な身柄拘束は、47年7ヶ月にも及び、刑事補償請求額はおよそ2億1700万円となる見込みです。
盗撮・のぞきの冤罪に関するよくある質問
盗撮の冤罪で相手に名誉棄損として慰謝料請求することは可能ですか?
盗撮の冤罪を理由に、相手に対して名誉棄損で慰謝料請求することは可能です。盗撮の被害者が、加害者の評判を下げるためにSNSや知り合い等に盗撮された旨を広めていた場合には、名誉毀損罪に問われる可能性が高いです。
その場合は、被害者の名誉棄損行為を原因として精神的損害が生じているのであれば、名誉棄損行為を不法行為として、慰謝料請求が認められる可能性が高くなります。
盗撮・のぞきの冤罪で弁護士に依頼した場合、弁護士費用は誰が払いますか?
盗撮・のぞきが冤罪であっても、弁護士に依頼した費用は基本的に依頼者の支払いになります。ただし、裁判で争い無罪が確定した場合には、費用補償請求で弁護士費用を賄えます。
<費用補償請求とは?>
裁判に要した費用(弁護士費用や旅費等)の補償を求める手続きです。実務上では、国選弁護人の報酬が基準とされているため、補償額は現実にかかった費用よりも低額になります。
費用補償請求の手続きにより、支払った弁護士費用のすべてを賄うことはできませんが、ある程度の補償は受けられます。なお、国選弁護人を選任した場合は、法テラスから弁護士費用が支払われるため、費用補償請求の対象外となります。
盗撮・のぞきが冤罪だったとしても会社に知られたら解雇される可能性はありますか?
盗撮・のぞきが冤罪でも、会社から解雇される可能性はあります。
会社からすれば、事件が冤罪であることは不起訴処分や無罪判決が下されない限り、わからないからです。
特にコンプライアンスに厳しい会社であれば、逮捕されただけで刑事処分を待たずに何らかの処分を下す場合も考えられます。
ただし、無実が証明された場合には、会社が行った不当解雇や処分について訴えられます。
また、会社内で盗撮・のぞきをした場合は、従業員への事情聴取などにより会社に事件が知られてしまう可能性が高いです。
しかし、そうでない場合は、基本的に会社に事件が知られる可能性は低いでしょう。
盗撮の容疑をかけられ、怖くなって示談書にサインしてしまいました。冤罪だったと証明できれば示談金を支払う必要はなくなりますか?
被害者が承諾してくれた場合は、示談金を支払わずに済みます。
しかし、基本的に示談書は、一度取り交わすと取り消し・変更はできません。既に示談金を支払っている場合も同様で、返還を求めることはできません。
そのため、示談した被害者に冤罪である旨を伝え、「示談金の支払いは不要である」と承諾を得る必要があります。
ただし、脅迫されて示談書に無理やりサインした場合は、それを証明することで示談を取り消せます。
とはいえ、示談書にサインすることは、示談書に書かれた内容に合意した証となります。示談書は、決して容易にサインしないようにしましょう。
盗撮・のぞきが冤罪・無実であればすぐに弁護士にご相談ください
盗撮・のぞきが冤罪で無罪判決が下されても、冤罪によって不利益を受けるおそれがあります。
身柄拘束が長期化すれば、社会的信用を失い、家族関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。近年では、金銭目的で盗撮・のぞき事件をでっちあげ、示談金を騙し取る悪質なケースも増えています。
犯していない罪で大切なものを失うのは、あまりにも辛く、無念でなりません。無実を証明し、疑いを晴らすためには、冤罪を証明する証拠や主張が必要です。これらを円滑に行い、適切に対応するには、弁護士の力が必要不可欠でしょう。
弁護士法人ALGには、刑事事件を得意とする弁護士が多数在籍しており、豊富な経験と知識を活かしたサポートを提供することができます。盗撮・のぞきで冤罪をかけられお困りの方は、お気軽に弁護士にご相談ください。
