盗撮・のぞきは軽犯罪法違反?迷惑防止条例との違いや対処法など
相手の許可を得ずに勝手に撮影したり、盗み見たりする行為等は、犯罪行為に該当します。
これらの行為は、いわゆる「盗撮」「のぞき」といわれ、軽犯罪法や迷惑防止条例などによって厳しく取り締まられています。
また、昨今では、民法改正によって新設された法律によってさらに厳罰化されています。
そこで本記事では、「盗撮・のぞき」に着目し、盗撮・のぞき行為で問われる罪や逮捕された場合の流れなどについて、詳しく解説していきます。
目次
盗撮・のぞきは軽犯罪法違反に該当する?
民法改正となる前、盗撮・のぞき行為は、軽犯罪法違反または迷惑防止条例違反として処罰されていました。
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軽犯罪法とは?
比較的軽微な犯罪行為に対して、拘留・科料を科す法律です。
「1日以上30日未満の身柄拘束」または「1000円以上1万円未満の罰金」が科せられます。 -
迷惑防止条例とは?
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止するための条例です。
各都道府県によって定められているため、条例の内容に若干の違いがあります。
盗撮・のぞき行為の犯行態様によっては、上記2つのどちらか、もしくはその両方が適用されます。
しかし、小型カメラやスマートフォンなどの普及により、盗撮・のぞき行為はより増加していく一方であったため、民法改正によって新しい法律が施行されました。
法改正により撮影罪が新設
令和5年7月に行われた法改正により、性的姿態等撮影罪=撮影罪が新設されました。
具体的には、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」である、性的姿態撮影等処罰法で規定されています。
撮影罪の施行は、令和5年7月13日に行われたため、その日以降の盗撮・のぞき行為は原則として撮影罪が適用されることになります。
そのため、施行日前の盗撮・のぞき行為は、従前取り締まられていた軽犯罪法または迷惑防止条例が適用されます。
ただし、施行日以降であっても、盗撮・のぞきの犯行態様によっては撮影罪が適用されないケースもあります。
盗撮の状況によっては他の罪にも問われる
盗撮・のぞきをするために、無許可で他人の住居や建造物に侵入した場合には、住居侵入罪や建造物侵入罪などの罪に問われる可能性があります。
正当な理由なく、他人の住居や管理する建造物に侵入することは、犯罪行為です。
なお、住居・建造物侵入罪は、未遂であっても罪に問えるため、侵入できなかったとしても未遂罪が成立します。
また、盗撮した被写体が18歳未満の児童の裸や半裸、性交等の様子等であった場合は、児童ポルノ禁止法に抵触する可能性があります。科せられる刑罰内容については、盗撮した写真やデータの使用目的等によって異なります。
たとえば、自分の性的好奇心を満たすためだけに所持していた場合は、単純所持として処罰されます。
軽犯罪法と迷惑防止条例の違い
法改正前に盗撮・のぞき行為を取り締まっていた軽犯罪法と迷惑防止条例は、規制の対象や刑罰内容に違いがあります。
たとえば、迷惑防止条例の規制対象は、駅構内や公衆の風呂場といった「公共の場所での盗撮・のぞき行為」が主です。
それに対して、軽犯罪法は、ビル内のトイレや会社の更衣室といった「公共の場所以外」についても規制対象としています。
また、刑罰の内容にも以下のような違いがあります。
| 刑罰 | |
|---|---|
| 軽犯罪法 | 1日以上30日未満の拘留または1000円以上1万円未満の科料 |
| 迷惑防止条例 (東京都の場合) |
1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
軽犯罪法にあたる盗撮
軽犯罪法は、主に公共の場所ではないところで行われた盗撮・のぞき行為を規制しています。
具体的には、以下のような場所が該当します。
- 会社の更衣室
- ビル内のトイレ
- 私有地の風呂場 など
このような、公共の場所ではないところで盗撮・のぞき行為を行うと、軽犯罪法違反として処罰される可能性が高いです。
ただし、法改正後の犯行である場合には、軽犯罪法違反よりも厳しい撮影罪に問われる可能性があります。
どの罪で処罰されるかは、犯行態様や犯行動機などのさまざまな事情が考慮され、総合的に判断されることになります。
迷惑防止条例にあたる盗撮
一方で、迷惑防止条例は、主に公共の場所で行われた盗撮・のぞき行為を規制しています。
具体的には、以下のような場所が該当します。
<東京都の場合>
- 住居、便所、浴場、更衣室、その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
- 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシー、その他不特定又は多数の者が利用し又は出入りする場所又は乗物
このような、公共の場所といえるところで盗撮・のぞき行為を行うと、行った都道府県の迷惑防止条例違反として処罰される可能性が高いです。
盗撮・のぞきの軽犯罪法違反で逮捕されるケース
軽微な犯罪に適用される軽犯罪法違反は、身柄拘束を受けない在宅事件として手続きされる場合が多いです。
在宅事件として処理されれば、日常生活を送りながら警察や検察の捜査・裁判を受けることができます。
しかし、軽犯罪法違反に問われている場合でも、逮捕の必要性が認められると、警察から逮捕されてしまいます。
なお、逮捕されるケースとしては、現行犯逮捕もしくは後日逮捕が挙げられるでしょう。現行犯逮捕と後日逮捕について、次項にて詳しく解説していきます。
現行犯逮捕
盗撮・のぞき行為で逮捕されるケースのほとんどが、現行犯逮捕によるものです。
たとえば、駅構内のエスカレーターや電車内で盗撮しているところを被害者または付近にいた目撃者に知られてしまい、その場で取り押さえられるなどが挙げられます。
現行犯逮捕は、「犯罪を行っている最中」または「犯罪を行った直後」に行える逮捕の方法で、逮捕状がなかったとしても誰でも逮捕できる私人逮捕が認められています。
その理由は、犯罪を行っている最中または犯罪を行った直後であれば、犯人を間違える可能性が低いと考えられるからです。
後日逮捕(通常逮捕)
盗撮・のぞき行為で後日逮捕(通常逮捕)されることも稀にあります。
たとえば、盗撮のために設置したカメラが発見されて犯人特定に至った場合などが挙げられます。駅構内で盗撮された被害者が恐怖で声を上げられず、後日警察に相談した結果、駅の防犯カメラから犯人特定に至る場合なども考えられるでしょう。
後日逮捕は、通常逮捕のことで、警察が犯人を特定した後に裁判所に対して逮捕状を請求し、発布された逮捕状に基づいて行う逮捕の方法です。
後日逮捕される場合は、警察から任意出頭を求められるか、もしくは、早朝に警察が自宅を訪ねてくるかのいずれかの手続きがなされます。
逮捕後72時間以内の弁護活動が運命を左右します
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逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。
盗撮・のぞきで逮捕された場合の流れ
盗撮・のぞき行為の疑いで逮捕された場合は、主に以下のような流れで手続きが進みます。
- 逮捕後48時間以内に検察へ送致される
- 送致後24時間以内に勾留の有無が決定する
- 勾留が決定すると、はじめに10日間の身柄拘束を受ける(最大20日間)
- 検察によって起訴・不起訴の判断が下される
- 起訴されると、刑事裁判が開かれる
警察に逮捕されてから最大23日後には、起訴・不起訴の判断が検察から下されます。
起訴されれば、刑事裁判を受けることになるため、起訴・不起訴の判断が下されるまでに早期釈放や不起訴獲得に向けた弁護活動を行う必要があります。
軽犯罪法違反で逮捕されると前科がつく?
盗撮・のぞき行為の疑いで逮捕されても、刑事裁判で有罪判決が下されない限り、前科は付きません。
前科は、「過去に有罪判決を受けた経歴」を意味するため、有罪判決を受けなければ捜査機関の捜査対象となった履歴である“前歴”しか付きません。
前歴によるデメリットはありませんが、前科によるデメリットは多数あります。
<前科によるデメリット>
- 仕事上 ➡ 解雇・懲戒処分のおそれ、就職活動等の制限
- 家庭上 ➡ 離婚のおそれ
- 社会生活上 ➡ ネット上に事件の詳細が残り、他人に前科を知られる、海外旅行の制限 など
このようなデメリットを受けないためには、前科を回避すべく不起訴処分の獲得を目指す必要があります。
盗撮・のぞきの軽犯罪法違反について弁護士に相談するメリット
盗撮・のぞき行為で逮捕された場合は、弁護士に相談することで事態の悪化を防げます。弁護士に相談することで得られるメリットには、具体的に次のようなことが挙げられます。
被害者との示談交渉を任せることができる
被害者の存在する犯罪である盗撮・のぞき行為は、被害者との示談成立の有無が重要視されます。
被害者との示談は、事件の当事者同士の「和解」を意味するため、刑事処分を判断する際に有利な情状として考慮されやすいです。
ただし、被害者の大半は、加害者側との接触を拒む傾向にあります。
加害者に対して、処罰感情や怒り・悲しみの感情を抱いている被害者が容易に示談交渉に応じることは少ないです。
また、身柄拘束を受けている加害者本人は身動きが取れません。
この点、弁護士であれば、加害者に代わり被害者側と示談交渉を行えます。被害者の心情に配慮した交渉は、示談成立の可能性をより高めます。
早期の身柄解放が期待できる
逃亡・証拠隠滅のおそれがある場合は、逮捕されて最大で23日間の身柄拘束を受けます。長期間の身柄拘束は、解雇・懲戒処分や退学となる可能性を高めるため、早期に身柄拘束を解く必要があります。
弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉や事件に常習性や悪質性が認められないなどを理由にして、捜査機関に早期釈放を働きかけてもらえます。
早期釈放が叶えば、身柄拘束によって受けるさまざまなデメリットを回避できます。
早期釈放されるタイミングが早ければ早いほど、受けるデメリットの範囲を抑えられるため、なるべく早めに弁護士に相談することが大切です。
起訴されたとしても減刑や不起訴処分を目指せる
弁護士であれば、起訴されたとしても減刑や不起訴処分を目指せます。
検察官から起訴されると、刑事裁判が開かれ、裁判所から審判が下ります。
日本は、“99.9%”という高い有罪率を誇っており、起訴されれば100%に近い確率で有罪判決が下る傾向にあります。
そのため、不起訴処分を目指す必要がありますが、弁護士であれば効率的に弁護活動が行え、減刑や不起訴処分が獲得できる可能性を高められます。
特に刑事事件に精通した弁護士であれば、より適切な弁護活動が行え、有利な条件で解決できる可能性を高められるでしょう。
盗撮・のぞき行為による軽犯罪法違反で逮捕された場合はすぐに弁護士にご相談ください
盗撮・のぞき行為で逮捕される可能性は、十分にあります。
後に判断される刑事処分を有利なものとするためには、逮捕後なるべく早めに弁護士に相談して、直ちに弁護活動を開始することが大切です。
また、限られた時間の中で効率かつ適切に弁護活動を行うためには、刑事事件を得意とする弁護士に相談する必要があります。
弁護活動に早く着手できれば、行える活動の幅が広がり、よい結果へと繋げられます。
弁護士法人ALGには、刑事事件の知識と経験を豊富に持った弁護士が多数在籍しております。これまで培ってきたノウハウをもとに、高品質なサービスを提供できるよう尽力いたします。
盗撮・のぞき行為で自分自身またはご家族が逮捕されてお困りの方は、お気軽に弁護士法人ALGへご相談ください。
