違法ダウンロードで逮捕される?バレる理由や逮捕を回避する方法
「違法ダウンロード」を行うと、著作権法違反として逮捕され、刑罰を受ける可能性があります。
違法ダウンロードは、著作権法の改正によって刑罰の対象行為となりました。犯行の態様次第では、重い刑罰が下される可能性もあるため注意しなければなりません。
この記事では、違法ダウンロードに着目し、違法ダウンロードで逮捕される基準や刑罰の内容、逮捕されないための対処法などについて、詳しく解説していきます。
目次
違法ダウンロードとは?
違法ダウンロードとは、著作権を侵害してアップロードされた動画や音楽、漫画などを、違法であると知りながらダウンロードする行為を指します。
違法ダウンロードに該当する行為をした場合、著作権法に抵触し、処罰を受ける可能性があります。
違法ダウンロードで逮捕される可能性はある?
違法ダウンロードを常習的に行っていたり、悪質性が認められたりする場合には、逮捕される可能性があります。ただし、刑罰の対象となるのは、以下の要件を満たすケースに限るとされています。
- 違法にアップロードされた著作物であること
- 対象著作物が有償著作物であること
- 違法にアップロードされたものと知りながらダウンロードすること
- 違法ダウンロード行為を継続的または反復的に行うこと(漫画や書籍の場合)
- 違法ダウンロード行為を1回でも行うこと(音楽や動画の場合)
よって、「違法ダウンロードを行えば必ず処罰される」というわけではありません。
特に重要な要件は、故意が認められるかどうかです。違法ダウンロードは、行為者に故意が認められなければ成立しないためです。
著作権法改正により違法ダウンロードも刑罰の対象に
著作権法では、もともと違法アップロードのみが刑罰の対象でしたが、平成24年10月1日の法改正により、違法ダウンロードも刑罰の対象に追加されました。
法改正の時点では、「違法に配信された音楽や映像を違法と知りながらダウンロード(録音・録画)する行為」のみが禁止されましたが、規制対象は徐々に拡大されています。
例えば、令和3年の法改正では、漫画・書籍・論文・コンピュータープログラムなども規制対象に追加され、処罰対象の範囲が大幅に拡大しました。
規制対象が増えた現在では、軽い気持ちで行ったダウンロード行為でも、故意の有無や犯行の態様次第では刑事事件として扱われる可能性があるため、注意が必要です。
違法ダウンロードに該当する行為とは?
違法ダウンロードに該当するのは、以下のような行為です。
- 有料で販売、配信されている音楽や動画を違法サイトから無料でダウンロードする
- ダウンロードしたものをSNSやYouTubeなどで公開、共有する
- ダウンロードしたものを販売、貸し出しする
- ダウンロードしたものを編集して改変を加える
- ファイル共有ソフトを利用し、ダウンロードすると同時にアップロードも行う など
これらの行為は著作権者の利益を侵害するため、処罰される可能性があります。
「バレなければ大丈夫だろう」と深く考えずに行動すると、違法ダウンロードに該当し、逮捕や刑罰につながるおそれがあるため十分注意が必要です。
もっとも、適法にダウンロードする分には問題ありませんので、違法となる基準をしっかり理解しておくことが重要です。
違法ダウンロードに該当しないケースとは?
ダウンロードが軽微な場合
ダウンロードしたものがコンテンツのごく一部である場合や、画像精度が低く鑑賞に耐えない場合は、「軽微なもの」と判断され、違法にならない可能性があります。
例えば、以下のようなケースは違法化の対象から除外されることがあります。
- ページ数が少ない漫画の数コマだけをダウンロードした場合
- スクリーンショットを撮った際、違法にアップロードされた画像が写り込んでしまった場合
ただし、ダウンロードの分量が少ないからといって、必ず軽微と判断されるわけではありません。
軽微かどうかの判断は、ダウンロードされた部分が「全体の何割を占めるのか」「表示精度はどれくらいなのか」といった客観的事情を総合的に考慮して行われます。
違法にアップロードされたものだと知らなかった場合
著作権法で刑罰の対象となるのは、「違法にアップロードされた著作物であることを知っていた場合」に限られます。
違法にアップロードされたものと知らずにダウンロードした場合や、著作者本人がアップロードしたものだと誤解していた場合などは、故意がなかったと判断され、違法とならない可能性があります。
ただし、「客観的証拠が乏しい」と判断された場合は、故意の有無について争われやすいため、疑われている場合は早めに弁護士に相談することが大切です。
ダウンロードした内容が二次創作やパロディーの場合
ダウンロードしたものが二次創作やパロディー作品である場合は、元の著作者・著作権者との関係で違法にはなりません。
ただし、著作者・著作権者ではない者(二次創作者)が創作し、第三者が違法にアップロードしていたものをダウンロードした場合は注意が必要です。
この場合は、二次創作者の著作権を侵害したとして、処罰の対象となる可能性があります。
著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合
著作権法では、著作権者の利益を不当に害しないと認められる「特別な事情」がある場合は、違法ダウンロードと判断されない可能性があります。
「特別な事情」に該当するかは、著作物の種類や用途、経済的価値、ダウンロードの目的や態様といったさまざまな事情を考慮したうえで、総合的に判断されます。
例えば、著作物悪用による権利侵害を防ぐため、証拠保全として該当の著作物をダウンロードする行為は、特別な事情と評価される可能性が高いです。違法にダウンロードした場合でも、目的に正当性があれば処罰されない可能性があるでしょう。
ただし、特別な事情が認められるかはケースバイケースなので、自己判断するのは危険といえます。判断に迷われるときは、弁護士にご相談されることをおすすめします。
常習性がない場合
違法ダウンロードに常習性(繰り返し行うこと)が認められない場合は、処罰されない可能性があります。
特に、漫画や書籍の違法ダウンロードは、反復・継続して行うことで罪に問われやすくなります。
音楽や動画は、1回の違法ダウンロードでも処罰対象となる可能性があるため、注意しなければなりません。
違法ダウンロードで逮捕者が出た事例はある?
違法ダウンロードが原因で逮捕された事例は、あまり多くないのが実情です。
摘発の中心となっているのは、違法ダウンロードではなく「違法アップロード」の方で、昨今問題視されています。
しかし、著作権法の改正により、規制は強化され続けているため、今後は違法ダウンロードも厳罰化される可能性があるでしょう。軽い気持ちで違法ダウンロードを行えば、逮捕につながるおそれがあります。
違法アップロードによる逮捕について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
違法アップロードで逮捕されたら何罪が成立する?罰則や対処法など逮捕者数が少ない理由
違法ダウンロードで逮捕者が少ない理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 親告罪であるため、権利者側からの告訴がなければ捜査できない
- 違法ダウンロードの立証が難しく、捜査に時間とコストがかかる
- 取り締まりの重点が違法アップロードに置かれている
違法ダウンロードを立証するには、「ダウンロードした事実」や「故意があった」ことなどを証明しなければなりません。
現状、逮捕事例は少ないですが、法改正や技術の進歩によって違法ダウンロードを立証しやすくなれば、摘発数も増えると考えられます。
将来的に厳罰化される可能性も大いにあるため、軽い気持ちで行うのは大変危険です。
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違法ダウンロードをした場合の罰則
違法ダウンロードで著作権法違反が成立した場合は、「2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金またはその両方」が科せられる可能性があります(著作権法第119条3項)。
初犯でいきなり実刑判決を受けるケースは少ないですが、違法ダウンロードに常習性や悪質性が認められる場合、初犯でも実刑判決が下される可能性はあります。
実刑判決が下されると、前科がつき、社会的影響を大きく受けるおそれがあるため、早めに対応することが重要です。
なぜ違法ダウンロードはバレるのか?
著作権者からの開示請求によりバレる
違法ダウンロードは、著作権者からの開示請求によって発覚することがあります。
サイトにアクセスすると、IPアドレスやアクセスログが残るため、著作権者はこれらの情報を開示するよう、サイト管理者に開示請求を行います。
その後、プロバイダ(インターネットに接続する役割を担う事業者)に「発信者情報開示請求」を行い、個人情報を取得するというのが基本的な流れです。
この流れは、法的手続きに基づいて行われるため、匿名性は保たれません。つまり、プロバイダが開示請求に応じれば、契約者の氏名や住所が特定されることになります。
「違法ダウンロードは痕跡が残りやすい」ということを十分理解しておきましょう。
著作権者からの刑事告訴によりバレる
違法ダウンロードは親告罪であるため、著作権者からの刑事告訴によって発覚する可能性があります。
親告罪とは、被害者などの告訴権者が告訴(捜査機関に犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示)をしなければ、検察官が起訴できない犯罪のことです。
告訴が受理されると、捜査機関は捜査を開始し、発信者情報の特定やダウンロード履歴の押収を進めます。
違法ダウンロードの事実が確認され、被疑者特定に至ると、捜査機関から取り調べを受けることになるでしょう。
また、違法アップロードの捜査過程で違法ダウンロードの事実が発覚するケースも少なくありません。
告訴されると、匿名性が完全に失われるため、「バレないから安全だ」と考えるのは危険です。
違法ダウンロードで逮捕されてしまった後の流れ
違法ダウンロードで逮捕されると、主に以下のような流れで手続きが進みます。
- 1.逮捕
逮捕後は警察からの取り調べを受け、逮捕から48時間以内に、事件の資料と被疑者の身柄が検察に引き継がれます(送致)。 - 2.送致
送致後は検察からの取り調べを受け、送致から24時間以内に、検察官は勾留請求を行うかどうかを判断します。「身柄拘束を継続する必要がある」と判断した場合、裁判官に対して勾留請求が行われます。 - 3.勾留
裁判官が勾留請求を認めると、まず10日間の勾留が実施され、必要に応じてさらに10日間延長されます(勾留は最大で20日間可能です)。 - 4.起訴・不起訴の決定
検察官は、勾留が終了するまでに起訴・不起訴の決定を下します。 - 5.刑事裁判
検察官が起訴すると、刑事裁判が開かれ、裁判官によって有罪・無罪の判決や量刑が言い渡されます。
逮捕された時の流れを図で分かりやすく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
逮捕された時の流れを図で分かりやすく解説します違法ダウンロードで逮捕されないためにすべき6つの方法
違法ダウンロードによる逮捕を避けるには、次の6つの対策を行うことが重要です。
- 正規の方法でコンテンツを取得する
- 違法にダウンロードしてしまったものを削除する
- 違法ダウンロードしたコンテンツを共有しない
- 出頭要請を無視しない
- 被害者と示談交渉する
- すぐに弁護士に相談する
正規の方法でコンテンツを取得する
違法ダウンロードによる逮捕を避けるには、正規のサービスを利用するのが最も確実です。
公式サイトや認定プラットフォームから購入・視聴すれば、違法ダウンロードに問われることはまずありません。
著作権侵害のリスクがゼロになるだけでなく、支払った料金は著作権者やクリエイターに還元されるため、健全なコンテンツ制作を支えることにもつながります。
違法にダウンロードしてしまったものを削除する
違法にダウンロードしてしまった場合は、速やかにファイルを削除することで、逮捕を回避できる可能性があります。
ファイルを削除すれば、今後の利用や再配布などを防げるため、違反行為が追加されることはないでしょう。
ただし、削除しても「違法にダウンロードしてしまった」という事実は消えないため、刑事責任を完全に免れるわけではありません。
あくまで、逮捕のリスクを減らすだけであることを念頭に置いておきましょう。
違法ダウンロードしたコンテンツを共有しない
違法ダウンロードしたコンテンツを他人に共有したり、SNSや動画サイトにアップロードしたりすることは、「違法アップロード」に該当します。
違法アップロードは、違法ダウンロードよりも重い刑罰が定められているため、著作権侵害のなかでも重大な行為といえます。
事態を悪化させないためにも、コンテンツの共有などは行わないようにしましょう。
10年以下の拘禁刑もしくは1000万円以下の罰金または併科
出頭要請を無視しない
違法ダウンロードに関して警察から呼び出しや出頭要請が来た場合は、無視・放置せずに応じることが大切です。
「面倒くさい」など、正当な理由なく拒否すると、逃亡や証拠隠滅の疑いをかけられて逮捕される可能性があります。
逮捕されれば、長期間に渡って身柄を拘束されたり、前科がついたりするリスクが生じます。
警察から呼び出しや出頭要請が来たら、速やかに応じて適切な対応を取りましょう。
どのように対応すべきか分からず不安な方は、弁護士に事情を伝え、アドバイスを受けるのもひとつの方法です。
警察からの呼び出しについて、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
警察から呼び出しがきたらどうする?逮捕の可能性や対処法、今後の流れなど被害者と示談交渉する
違法ダウンロードは被害者がいる刑事事件なので、被害者との示談成立が刑事処分の判断に影響を与える可能性があります。
著作権者から発信者情報開示請求が行われると、「意見照会書」が自宅に届くことがありますが、この段階で弁護士を介して示談交渉を行うのが得策です。
早い段階から対処すれば、示談交渉が円滑に進み、早期に示談が成立する可能性もあります。
無事に示談が成立し、著作権者が刑事告訴を取り下げた場合、逮捕や起訴を回避することも可能です。
すぐに弁護士に相談する
違法ダウンロードによる逮捕を回避するため、早急に弁護士へ相談することも有効です。
逮捕を回避したり、早期釈放や不起訴処分を目指したりするには、専門的な知識が必要となります。
自己判断で対応するのはリスクが大きいため、弁護士に相談のうえ、行為の違法性やその後の戦略について法的に検討することが重要です。
法律の専門家である弁護士が介入することで、逮捕されずに在宅事件(身柄拘束が伴わない刑事手続き)として処理される可能性もあります。
特に、ITや著作権侵害に詳しい弁護士から法的サポートを受けられれば、逮捕を回避できる可能性が高まり、早期釈放にもつながりやすくなります。
違法ダウンロードをしてしまった場合は早急に弁護士にご相談ください
違法ダウンロードに関する規制は、法改正を重ねて強化され続けています。現時点では比較的問題視されていなくても、今後注目され、さらに厳罰化が進む可能性もあります。
逮捕や起訴を回避するには、刑事事件の対応だけでなく、ITや知的財産、著作権法について豊富な知識をもつ弁護士の存在がますます不可欠となるでしょう。
違法ダウンロードを疑われた際、自己判断で対応を誤れば、長期間の身柄拘束や前科がつく可能性が高まり、日常生活にも大きなダメージを与えます。
弁護士であれば、状況を速やかに把握し、弁護方針を構築したうえで、被疑者・被告人にとって有利な事情を主張・立証することができます。
違法ダウンロードについてお悩みの方は、お気軽に弁護士にご相談ください。
