公然わいせつ罪とは?該当する行為・刑罰・逮捕された場合の対処法
人目につく場所、つまり、公共の場でわいせつな行為をした場合は、公然わいせつ罪に問われる可能性があります。
具体的にどんな行為が公然わいせつ罪にあたるのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。
また、逮捕される可能性があるのかどうかも注目されやすいポイントです。
この記事では、公然わいせつ罪に該当する行為や刑罰、逮捕された場合の対処法などについて、詳しく解説していきます。
目次
公然わいせつ罪とは
公然わいせつ罪とは、「不特定多数の人から見られる可能性のある状態」で、「一般社会の性的羞恥心を害する行為」をする犯罪です。
具体的には、公園や商業施設など公共の場で、下半身を露出するような行為が挙げられます。
実際に誰かに見られたかどうかは必ずしも問われず、見られる可能性のある場所で行うと公然わいせつ罪が成立します。
「見られなければ問題ない」と誤解しないようにしましょう。
また、公然わいせつ罪には「公の性風俗を取り締まる」という目的があるため、たとえその場にいる人全員が行為に同意していても成立します。
公然わいせつの可能性がある行為
公然わいせつ罪が成立する可能性があるのは、以下のような行為です。
- 公園や路上で下半身や性器を露出する
公共の場での不適切な露出行為は、公然わいせつ罪に問われます。 - 車の中やベランダでの性行為を外から見える状態で行う
外部から視認できる状態であれば、成立する可能性があります。 - 公共の場で自慰行為をする
他者の目に触れる可能性のある場所で性的な振る舞いをすることは、不適切と評価されるでしょう。 - わいせつな行為をライブで配信する
わざとわいせつな行為を見せるような行動は、「故意」があったと判断されやすいです。 - ストリップ劇場や性風俗店で陰部などを露出する など
人前での不適切な露出行為に該当します。
公然わいせつ罪は、「室内であれば問題ない」というわけではありません。
また、実際に見られなくても、見られる可能性があれば成立するおそれがあります。
公然わいせつにあたらないと考えられる行為
以下のような行為は、公然わいせつ罪の成立要件を満たさないため、罪に問われないのが通常です。
- カーテンの内側や個室など、外部から見られる状態にない場所での性行為
- カップルが路上でキスする行為
- 風にあおられて衣服がめくれた
- 医師による診療行為
- 外部から見えない状態で衣服の上から陰部を触る など
カップルが路上でキスする行為は“わいせつ”とはいえないため、公然わいせつ罪は成立しないと考えられます。
ただし、途中で衣服を脱ぐなど行為が過激化した場合は、わいせつ行為とみなされて罪に問われる可能性があります。
また、意図せず性器や胸などを露出してしまった場合も、故意が認められないため、罪に問われることはありません。
公然わいせつ罪が成立する3つの要件
①公然性があること
公然とは、不特定または多数の人が認識することのできる状態、つまり、「いろんな人から見られる可能性のある状態」を指します。
実際に見られたかどうかではなく、見られる可能性があるかがポイントです。
車内などの閉鎖的な空間でも、通行人が見ることのできる状態であれば、公然性が認められるでしょう。
不特定少数(家族や友人など)や特定多数(乗客や来場者など)の場合も、「公然性がある」と評価されます。
②わいせつな行為をすること
公然わいせつ罪における「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反する行為をいいます。
公然わいせつ罪で取り扱った事例のほとんどは、路上や公園などでの性器の露出です。
③故意であること
公然わいせつ罪は「故意犯」なので、公然性やわいせつ行為に該当する事実を認識していることが必要です。
例えば、性器を露出させただけでなく、「性器を露出した場所が路上である」と行為者が認識していなければなりません。
泥酔者が自宅内と勘違いして性器を露出したようなケースでは、路上だと認識していなかった可能性が高いため、公然わいせつ罪が成立しない可能性があります。
公然わいせつ罪の刑罰
公然わいせつ罪の刑罰は、刑法第174条で以下のように定められています。
刑法第174条(公然わいせつ)
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
刑事裁判が開かれて有罪判決を受けた場合は、上記のうちいずれかの刑罰が適用されます。
公然わいせつ罪で逮捕された場合の流れ
公然わいせつ罪で逮捕された場合は、主に以下のような流れで手続きが進みます。
- ① 逮捕後48時間以内に検察に送致される
警察は、逮捕してから48時間以内に捜査資料と被疑者の身柄を検察に引き継ぎます。 - ② 検察官が勾留請求を行い、裁判官が認めると勾留が実施される(最長20日間)
検察官が「被疑者の身柄拘束を継続すべき」と判断した場合、勾留請求が行われます。勾留請求が認められると、まずは10日間の勾留が行われ、必要に応じてさらに10日間延長されます。 - ③ 検察官によって、起訴・不起訴の判断が行われる
勾留満了日までに、被疑者を起訴するか、不起訴とするかが判断されます。 - ④ 起訴された場合は、刑事裁判が開かれる
起訴された場合は刑事裁判が開かれ、裁判官から判決が言い渡されます。
さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
逮捕された後の流れは?逮捕後72時間以内の弁護活動が運命を左右します
刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。
公然わいせつ罪で逮捕された場合の対処法
弁護士に相談する
公然わいせつ罪で逮捕されると、長期間身柄を拘束される可能性があるため、早急に弁護士に相談することが大切です。
逮捕直後の面会は禁止されていますが、弁護士は接見として面会できます。
逮捕後の取り調べについても具体的なアドバイスがもらえるため、安心してのぞめるでしょう。
公然わいせつ罪は、特定の人を傷つけずに社会の善良な風俗を乱す罪なので、被害者が存在しないケースも多いです。
しかし、特定の人に露出した陰部を見せつけた場合は、その人が実質的な被害者となるでしょう。
被害者がいるときは、弁護士に示談交渉を行ってもらうことで、早期釈放や不起訴の獲得が期待できます。
詳しくは、以下のページをご覧ください。
刑事事件では示談成立を目指すべき!反省の態度を示す
反省の態度を示すことは、情状面で有利に働く可能性が高いです。反省文を書いたり、釈放後は家族がしっかり監視する旨の誓約書を提出したりすると効果的です。
これらは単独でもできますが、弁護士を通じた方が適切かつスムーズに行えるでしょう。
反省の態度が認められれば、「捜査に協力的だ」「今後の手続きも誠実に応じるだろう」と評価され、勾留(身柄拘束)の必要性が低いと判断されやすくなります。
早期釈放を目指すためにも、具体的に行動して反省の態度を示すことが大切です。
言葉だけの反省は、あまり効果的ではありません。
冤罪の場合は徹底的に戦う
身に覚えのない公然わいせつ罪の容疑をかけられた場合は、安易に認めず、法的に正しい手続きと戦略によって無実を明らかにする必要があります。
冤罪になりやすいのは、「ズボンのチャックを閉め忘れたまま外を歩く」「裸のままベランダに出てしまった」などのケースです。
捜査機関から厳しい取り調べを受けても、「反省しています」「認めます」と虚偽の自白をすれば、取り返しのつかない不利益につながるため、絶対にしてはいけません。
できる限り早く、弁護士に相談することが大切です。
公然わいせつ罪に関するQ&A
わいせつ物頒布等罪とは何ですか?
わいせつ物頒布等罪(わいせつぶつはんぷとうざい)とは、わいせつな画像や動画、音声などを不特定多数に広めたり見せたりする犯罪行為です。
成立すると、「2年以下の拘禁刑若しくは250万円以下の罰金若しくは科料、又は拘禁刑及び罰金の併科」が科せられます(刑法第175条)。
例えば、裸の写真をSNSのメッセージで不特定多数に送信するなどの行為が対象です。
自分の性欲を満たすため、単にわいせつな画像や動画を所持する行為は、わいせつ物頒布等罪には問われません。
あくまで、不特定多数に配布や販売、公開した場合に限られます。
公然わいせつ罪と身体露出の罪の違いは何ですか?
公然わいせつ罪と身体露出の罪は、露出の程度に大きな違いがあります。
公然わいせつ罪
性器を見せるなど、明確にわいせつといえる行為
身体露出の罪
臀部や太ももなど、本来隠すべき場所の露出により、周囲に不快感を与える行為
例えば、「下着姿で公共の場をうろつく」「上半身裸で商業施設に入る」といった行為は、身体露出の罪に問われる可能性があります。
性的な意図があるかどうかにかかわらず、周囲に不快感を与えれば、身体露出の罪に問われる可能性があるでしょう。
性的な意味合いの強さから、刑罰は公然わいせつ罪の方が重いです。身体露出の罪が成立した場合は、「拘留または科料」のみが科せられます。
公然わいせつ罪にあたる行為をしてしまったら、すぐに弁護士へご相談ください
公然わいせつ罪は、「どのような意図でわいせつ行為をしたのか」「見られた可能性」など細かい事情によって、成立の可否が大きく変わります。
目撃者が警察に通報し、現行犯逮捕となるケースも少なくありません。決して一人で抱え込まず、まずは専門家に相談することが早期解決への一歩です。
弁護士法人ALGは、豊富な知識と経験を持つ弁護士が、捜査機関への対応や今後の生活への影響を見据えたさまざまな法的サポートを行います。
少しでも不安を感じたら、どうか迷わずに私たちにご相談ください。
