公然わいせつ罪になる行為とは?罰則と逮捕後の流れ


以下では、公然わいせつ罪になる行為や罰則、逮捕後の流れ等について解説します。
目次
公然わいせつ罪とは
公然わいせつ罪は、社会の善良な風俗を乱す罪であり、性犯罪の1種ですが、被害者が存在しません。
公然わいせつ罪の典型的な態様は、路上で下半身裸になることです。
計画性の無い一度限りの犯行なのか、常習的に繰り返している犯行なのかで、罪証隠滅のおそれの有無が異なり、勾留されるか否かの結論も異なりえます。
公然わいせつ罪の刑罰
公然わいせつ罪の刑罰は、6月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料です。
拘留や科料となることはほとんどないため、懲役刑か罰金刑の選択となると考えてよいでしょう。
公然わいせつ罪の構成要件
公然わいせつ罪における「公然」
公然わいせつ罪における「公然」とは、不特定または多数の人が認識することのできる状態を言います。
公然わいせつ罪における「わいせつな行為」
公然わいせつ罪における「わいせつな行為」を定義すると、いたずらに性欲を興奮または刺激せさせ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反する行為を言います。
過去、公然わいせつ罪で取り扱った事例のほとんどは、路上や公園等での性器の露出です。
故意
公然わいせつ罪は、故意犯ですので、公然性及びわいせつ行為に該当する事実を認識していることは必要です。
例えば、性器を露出させたことに加え、性器を露出した場所が路上であることも行為者が認識していることが必要で、泥酔者が自宅内と勘違いして路上で性器を露出した場合、故意が否定され、公然わいせつ罪が成立しない可能性があります。
身体露出の罪との違い
軽犯罪法では、身体露出の罪が規定されており、「公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者」(軽犯罪法1条20号)は処罰される可能性があります。
性器の露出や性行為は、公然わいせつ罪で規律され、尻、もも、乳房等、通常、人が衣服で隠している部分の露出が身体露出の罪で規律されます。
逮捕後の流れ
公然わいせつ罪は、路上や公園で下半身裸になっていることを目撃、通報され、現行犯逮捕されることも多いです。
また、下半身裸になっている男が近所でしばしば目撃されているというような場合、警察が犯人を特定し、犯人の自宅で通常逮捕するといったこともあります。
逮捕後、勾留されるか否かですが、酔っぱらって羽目を外して下半身を露出させたなど、常習性が無い等比較的軽微な事案の場合、勾留されないこともありうるでしょう。
逮捕後72時間以内の弁護活動が運命を左右します
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逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。
公然わいせつ罪で逮捕された場合の弁護活動について
逮捕されてしまった場合、勾留を防ぐ活動が重要となります。
逮捕されただけならば、勤務先に知られずに済むということは多々ありますが、10日間の勾留が決定してしまうと勤務先に言わざるを得なくなるケースが多いでしょう。
公然わいせつ罪は、同居の家族等の身元引受人を準備する、勾留の必要性がないことを検察官や裁判官に主張するなどして、勾留されることを防ぐための弁護活動に全力を尽くします。
実質的な被害者がいる場合
公然わいせつ罪は、特定の人を傷つける罪ではなく、社会の善良な風俗を乱す罪であり、被害者は存在しません。
ただ、特定の人に露出した陰部を見せつけた場合のように、目撃者が実質的な被害者と言える場合もありえます。
そのような実質的被害者に慰謝料を支払い、示談することにより、被疑者、被告人に有利に考慮される可能性はあるでしょう。
公然わいせつ行為をしてしまったら、弁護士へ相談を
公然わいせつ罪は、身柄拘束されることも多く、早期の身柄釈放のため弁護士の助力が必要です。
また、逮捕されるまでに、公然わいせつ行為を繰り返しているような場合、性依存症であることが疑われます。
そのような場合、再犯防止のため、専門の医療機関に通院するということも重要となり、弁護士が専門の医療機関と被疑者とを繋げる役割を果たします。
公然わいせつ行為をしてしまった場合、できるだけ早く弁護士にご相談ください。