拘置所で面会する際のルールとは?面会時間・回数・差し入れについて
大切な家族や恋人、友人が拘置所に収容された場合、心配で1日でも早く面会したいと思われる方は多くいらっしゃるはずです。予期せぬ収容に驚き、真実を確かめたいと面会を希望される方も少なくありません。しかし、拘置所には面会するためのルールが設けられているため、理解していないと面会できない可能性があります。
そこで本記事は、拘置所で面会する際のルールに着目し、面会する際の手続きや差し入れなどについて、詳しく解説していきます。
目次
拘置所で面会する際のルール
拘置所とは、「起訴された被告人や死刑確定者が収容される法務省が管轄する刑事施設」です。留置所との違いは、下表のとおり、収容対象となる人物と管轄が異なる点にあります。
| 留置所 | 拘置所 | |
|---|---|---|
| 収容対象者 | 被疑者 | 被告人、死刑確定者 |
| 管轄 | 警察が管轄する身柄拘束施設 | 法務省が管轄する収容施設 |
刑事裁判で刑が確定していない者が収容される拘置所に死刑確定者が収容されるのは、死刑自体が刑であるためです。
死刑確定者は受刑者を収容して更生に向けた処遇を行う刑務所ではなく、拘置所に収容されます。
拘置所の面会には、被告人の逃亡や証拠隠滅を防止するために、さまざまなルールが設けられています。収容されている拘置所によってルールの内容に若干違いがありますが、一般的なルールを次項で詳しく解説していきます。
面会できる人物
拘置所で面会できる人物に制限はないため、被告人の家族や恋人、友人など、基本的に誰でも面会できます。
収容されている被告人に対して接見禁止の処分が下されている場合は、弁護士以外の人との面会が禁止されます。接見禁止処分は、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合、特に家族に証拠隠滅を依頼する可能性が高いケースや共犯者がいるとされるケースなどで下されやすいです。
面会できる日時
面会できる日時は拘置所によって異なりますが、平日8時半~16時までとしているところが多いです。
土日祝日は基本的に面会できません。
また、被告人が取り調べを受けている最中は面会できませんので、予め拘置所に確認しておく必要があります。
面会できる時間・回数
面会できる時間は、1回あたり30分程度が多く、拘置所によって決められます。ただし、面会室の関係上、ほかの被告人と面会が重なった場合には 、5分~30分に調整される可能性があるため、必ずしも30分間面会できるわけではない点に注意が必要です。
被告人が面会できる回数は、多くの拘置所で1日1回までと制限されています。先着順になってしまうため、事前に拘置所へ連絡しておくとよいでしょう。また、遠方から面会に来た際には、面会時間を長めにとってもらえるなどの配慮がなされる場合があります。
一度に面会できる人数
一度に面会できる人数は3人までと決めている拘置所が多いため、家族揃って面会しに行く場合には、人数に注意しなければなりません。面会に年齢制限はないため、子供であっても被告人に面会できます。
拘置所で面会する際の手続き
拘置所で面会する際の手続きは、以下の流れで進められます。
- 面会窓口で受付
- 面会時の持ち物
- 面会を行う
次項で流れを詳しく解説していきますので、面会を希望されている方はぜひご参考になさってください。
面会窓口で受付
まずは、収容されている拘置所に直接赴いて面会受付を行います。
面会は事前予約ができないため、このとき「被告人が取り調べを受けている」「他に面会希望者がいる」などの場合には、面会できない可能性があります。事前に拘置所に確認するなどして、対策する必要があります。
面会受付では、窓口で申込用紙を渡されるため、記入して提出します。その際には、身分証の提示を求められますので忘れないように持参しましょう。
面会時の持ち物
面会時の持ち込みは原則禁止されており、事前にロッカーの鍵を渡されます。
次のような持ち物は持ち込み不可でロッカーに入れる必要があるため、気を付けましょう。
- 携帯
- ボイスレコーダー
- カメラ
- たばこ
- ライターやカッターなどの危険物 など
これらの持ち込みは禁止されていますが、メモと筆記用具は持ち込めます。
被告人にメモを見せる行為は禁じられているため、メモを見せたい場合にはその場で読み上げなければなりません。
面会を行う
面会は、刑事ドラマでもよく見る穴の開いたアクリル板で仕切られた部屋に入り行われます。面会中は刑務官が同席するため、会話は終始チェックされ、会話の内容も記録されます。このとき、もし事件に関する会話や行為があったと判断された場合には、面会は一時中断もしくは強制終了されます。
弁護人に関しては一般の方とは異なり、被告人の擁護・弁護のために秘密接見が刑事訴訟法で認められているため、刑務官の同席なしに面会できます。
拘置所で面会したいときは弁護士に相談すべき?
拘置所での面会を希望する際に弁護士に相談すると、より安心感を得られます。弁護士が就くことで以下のようなメリットを得られるため、できる範囲を広げるためには弁護士への相談が有効です。
- 弁護士から被告人(被疑者)が犯した罪について詳しく知れる
- 弁護士であれば、いつでも・時間制限なく面会できる
- 弁護士は立会人なしで接見できる
- 弁護士であれば、接見禁止処分が下されていても面会・差し入れできる
- 弁護士であれば、円滑かつ適切に弁護活動ができるため、早期釈放が期待できる など
一般の方では制限される部分も、弁護士であれば制限を受けません。特に刑事事件に精通した弁護士であれば、流れを熟知しているため、各段階における対策を適切に講じられます。どのように進んでいくのか分からない状況は不安で仕方ありません。弁護士は、そのようなときに安心感を与えてくれる大きな存在となるはずです。
拘置所の面会で差し入れする際のルール
差し入れのルールは、拘置所によって若干異なる場合があるため、注意しなければなりません。
差し入れは原則誰でもできますが、まだ刑事裁判で刑が確定していない未決拘禁者の収容先である拘置所では、差し入れできるものが厳しく制限されています。
差し入れの方法は、直接拘置所に持っていく方法と郵送する方法の2つあります。拘置所に直接持っていく場合は、所定の差し入れ申込書を記入して刑務官に預けます。郵送する場合は、収容先の拘置所宛に送ります。
では次項にて、差し入れできるものを詳しく解説していきます。
差し入れできるもの
拘置所で差し入れが認められているのは、主に以下のものです。
- 衣類
- 現金
- 切手・手紙
- 本・雑誌
被告人の自傷や自殺防止、拘置所内の安全を確保するために、危険性があると考えられるものは基本的に差し入れできません。
また、差し入れの品目や量に制限をかけている拘置所もあるため、確実に差し入れしたい場合には拘置所へ事前に確認する必要があります。
衣類
衣類は基本的に差し入れ可能ですが、紐がついたズボンやネクタイ、タオルなどは差し入れできません。
これらは、被告人の自殺を防止するために差し入れが制限されています。相手が女性である場合は、ノンワイヤーのブラジャーを選択するなど、金属部品がついていない衣類を差し入れる必要があります。
拘置所では、週に1~2回のペースで洗濯をしてもらえますが、毎日してもらえるわけではないため、衣服は少し多めに渡すとよいでしょう。
現金
拘置所では食べ物や日用品を購入できるため、何を差し入れたらいいのか分からない場合には現金を差し入れるのが得策です。
被告人が所持できる現金は3万円までと定めている拘置所が多いため、3万円を超える現金の差し入れは基本できないと考えてよいでしょう。
現金は被告人本人が管理するのではなく拘置所が管理するため、盗まれる心配もありません。
切手・手紙
拘置所に行けない人もいるため、手紙のやり取り用として切手の差し入れが認められています。
また、内容はチェックされますが、手紙そのものを差し入れることも認められています。
切手自体の購入は、拘置所内の売店でもできるため、現金さえあれば被告人自身での購入も可能です。しかし、切手を販売しなくなった拘置所内の売店も一部ありますので、そういった場合には切手の差し入れが喜ばれます。差し入れできる切手の枚数が制限されている場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
本・雑誌
拘置所では、取り調べを受けていないときに本や雑誌を読むことができるため、書物の差し入れが認められています。
「1日1人3冊まで」「官能的・政治的内容のものは差し入れできません」などのルールが設けられているため、注意が必要です。
差し入れできないもの
拘置所で差し入れが認められていないのは、主に以下のものです。
- 紐のついた服や靴
- タオル・シャンプー類
- 拘置所の外で購入した飲食物
- 趣向品・娯楽品
紐のついた服や靴
紐がついた衣服は、自殺防止の観点から紐を抜いて差し入れる必要があります。
また、拘置所内の移動は靴ではなくサンダルで行われるため、靴を差し入れても受け取ってもらえないのが基本です。出所するとき以外の差し入れは基本的に認められませんので注意しましょう。
拘置所では、部屋ごとに冷暖房が設置されているわけではないため、靴下の差し入れは認められています。冬季の防寒対策として差し入れると喜ばれるでしょう。
タオル・シャンプー類
拘置所では、自殺防止の観点からタオルが、中身の確認が難しいなどの理由からシャンプー類の差し入れが禁止されています。
中身の確認が行えなければ安全を確保できないためです。これらは、拘置所内にある売店にて購入が可能です。
拘置所の外で購入した飲食物
飲食物の差し入れは、基本的に拘置所内で購入したものに限られます。
手作りの弁当やお菓子などを持参しても、被告人には差し入れできないため、持参しないようにしましょう。被告人にどうしても飲食物を差し入れたい場合には、現金を差し入れて拘置所内の売店で購入してもらう他ありません。拘置所の外で購入した飲食物および手作りの物は差し入れないことを念頭に置いておきましょう。
嗜好品・娯楽品
たばこや飲食物などの嗜好品の差し入れは、基本的に認められていません。
また、ゲームなどの娯楽品も差し入れが禁止されているため、注意しましょう。特にたばこは、拘置所内が全面禁煙である理由だけでなく、火災防止の意味も含めて差し入れが認められていません。
ゲームの代わりとなるものとしては、本や雑誌を差し入れるとよいでしょう。
逮捕後72時間以内の弁護活動が運命を左右します
刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。
拘置所で面会ができないケースもある?
以下のようなケースでは、拘置所に行っても面会できませんので注意が必要です。
拘置所で面会できないケース
- 接見禁止処分が下されている
- 取り調べを受けている
- 他に面会希望者がいる
特に、接見禁止処分が下されていると、弁護士以外の人との面会が禁止されます。
接見禁止処分は、被告人が容疑を否認し続けている場合や証拠隠滅のおそれがある場合に下されやすいです。詐欺罪や薬物犯罪は、組織犯罪であるケースが多いため、接見禁止処分が下される可能性が高い犯罪です。
接見禁止処分中でも、被告人の弁護人だけはいつでも面会できます。被告人の様子を知りたい場合には、弁護士を通して教えてもらうことで安心できます。
拘置所の面会に関するQ&A
拘置所では誰でも面会できますか?
拘置所での面会は、家族や恋人だけでなく、仕事の関係者など基本的に誰でも行えます。
事件の関係者と思われる人物や接見禁止処分が下されている場合には、面会が制限されるため、注意が必要です。
被告人と直接やり取りする方法は、手紙を郵送するもしくは直接拘置所に赴くしかありません。拘置所の大半が、平日8時半~16時までを面会可能時間と定めていますので、その時間帯に訪れるようにしましょう。
他の面会希望者がいなければ、面会できる時間は30分程度もらえます。遠方から面会に来た場合には、面会時間を長めにとってもらえるなどの配慮がなされるケースもあります。
拘置所の面会で話した内容を録音できますか?
拘置所の面会で話した内容は、基本的に録音できません。
拘置所の面会では、録音・録画行為が禁じられていますので、ボイスレコーダーやカメラを持参しても面会前にロッカーへ預けることになります。面会室内にメモとペンが用意されている場合やこれらの持参が認められた場合には、被告人と話した内容をメモできます。
被告人と話した内容を家族に伝えたい場合には、メモを取り伝えるか、直接手紙でやり取りする他ないでしょう。
拘置所で家族や友人と面会したい場合、まずは弁護士にご相談ください
拘置所に収容されている家族や友人と面会したい場合は、拘置所での面会ルールを事前に確認することが大切です。
面会するまでの流れや差し入れできるもの・できないものを確認しておくと、手続きをスムーズに進められます。
取り調べを受けている最中や他に面会希望者がいる場合には、面会ができない可能性があるため、予め拘置所に確認されることをおすすめします。特に、接見禁止処分が下されている場合には、弁護人以外の面会が禁じられます。
弁護士であれば、接見禁止処分中に限らず、いつでも面会できます。弁護士を通して事件や被告人の状態を随時把握できるため、より安心を感じられるはずです。
拘置所での面会を希望されている方は、ぜひお気軽に弁護士にご相談ください。
