盗撮で任意同行されたらどうなる?拒否できる?逮捕の可能性など解説

盗撮で任意同行されたらどうなる?拒否できる?逮捕の可能性など解説

監修
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
書類送検されたら前科がつく?前科と書類送検の関係

盗撮は、盗撮しているところを取り押さえて逮捕に至るケースが多いため、現行犯逮捕されやすい犯罪といえます。
しかし、現行犯逮捕ではなく、後日警察署から任意同行を求められるケースもあります。

任意同行は、文字どおり「任意」であるため、これを拒否することも可能です。
ただし、対応を誤ってしまえば取り返しのつかないことになるおそれもあるため、注意が必要です。

そこで本記事では、盗撮における任意同行に着目し、任意同行は拒否できるのか、拒否した場合は逮捕されるのか、という点をはじめ、盗撮による逮捕の対処法などについて、詳しく解説していきます。

盗撮で任意同行されたらどうなる?

任意同行とは、捜査機関、基本的には警察官が被疑者の所在する場所に訪れ、警察署への同行を求めることをいいます。
任意同行を承諾した場合は、警察署内で警察官による取り調べを受けます。

なお、盗撮事件は、盗撮を裏付ける証拠の収集が難しいことから、現行犯逮捕されやすい犯罪といわれています。
そのため、盗撮で任意同行を求められるケースは少ない傾向にありますが、被害者から盗撮についての被害届が提出され、盗撮を裏付ける証拠が十分に揃っているのであれば、任意同行を促される可能性が高いです。
まずは、収集した証拠をもとに、盗撮行為についての事実確認が行われるでしょう。

任意同行・出頭の違い

任意同行と類似する言葉に任意出頭があります。
任意出頭とは、「警察官などの捜査機関が被疑者自ら警察署に出頭するように求めること」をいい、任意同行との違いは、警察署へ出頭する際に、警察官が同行しているか否かという点にあります。

任意出頭は、被疑者自ら警察署に出頭するため、任意同行とは異なり、時間の融通が利きます。
そのため、警察などの捜査機関から任意出頭を求められた際は、早急に弁護士へご相談されることをおすすめします。

弁護士に相談することで、これから行われる捜査機関の取り調べについてのアドバイスを受けることができ、適切に対応することができます。
取り調べの際に記録される供述調書は、1度署名してしまうと、後から取り消すことはできません。

盗撮における任意同行は拒否できる?

任意同行は、あくまで任意で警察署への同行を求めることであるため、拒否することができます。
逮捕とは違い、強制力を有していないため、任意同行に承諾して捜査機関の取り調べを受けたとしても、いつでも退出や帰宅を求めることができます。

しかし実際には、拒否することが難しいとされるケースがほとんどです。正確には、「拒否しづらい」でしょう。
というのも、任意同行を求める際には複数の警察官で訪れることが多く、拒否しづらい状況に陥りやすいからです。

また、拒否することでさらに疑いの目を向けられるおそれもあります。
ただし、拒否することは可能ですので、まずは正当な理由を述べて拒否する意思を示しましょう。

任意同行を拒否すると逮捕される?

実際に盗撮行為を行っている場合は、任意同行を正当な理由なく、繰り返し拒否すると逮捕される可能性が高まります。

そもそも、逮捕するには、「逃亡や証拠隠滅のおそれがあること」などの逮捕の必要性を満たすことが必須ですが、正当な理由なく任意同行を繰り返し拒否するということは、逮捕の必要性である逃亡や証拠隠滅のおそれを高めることにつながります。

そのため、盗撮事件について身に覚えのある場合は、任意同行を拒否せずに、なるべく応じるようにした方が望ましいでしょう。
また、警察官を突き飛ばすような行為は、公務執行妨害として逮捕される可能性があるため、注意しなければなりません。

盗撮事件で後日逮捕されるケースとは

盗撮事件で後日逮捕されるケースには、任意同行後に行った取り調べで自供した内容が証拠となる場合や、任意同行を求めると同時に進めていた捜査の結果、盗撮を裏付ける証拠が見つかり後日逮捕に至る場合など、様々です。

捜査機関が後日逮捕へと踏み切るのは、「盗撮した事実は明らかである」と決定づけるに値する証拠が見つかった場合です。
そのため、次のようなケースでは、後日逮捕される可能性がきわめて高いといえるでしょう。

  • 防犯カメラで犯人が特定された場合
  • 盗撮データを復元して立証された場合

では、それぞれのケースについて、次項でもう少し掘り下げて解説していきます。

防犯カメラで犯人が特定される

盗撮事件について、被害者や目撃者からの通報を受けた警察は、まず犯行現場付近の防犯カメラを確認して犯人の特定を行います。
犯行現場がコンビニやスーパーなどの店舗内や駅構内であれば、各所に設置されている防犯カメラから犯人特定へと至る可能性は非常に高いです。

また、路上などの街中であっても、付近の防犯カメラをはじめ、近隣住民や通行人への聞き込みなどから、犯人が特定できる場合もあります。
防犯カメラの映像は、盗撮行為を裏付ける強い証拠となるため、後日逮捕される可能性がきわめて高いです。

盗撮データを復元して立証される

近年の盗撮事件では、昔と異なり、電子機器の普及によって携帯電話のカメラや小型カメラなどを使用して盗撮を行う事件がほとんどです。
警察は電子機器の調査・解析に力を入れているため、盗撮データを削除しても復元される可能性が非常に高いです。

また、盗撮データを削除すること自体は罪に問われませんが、その行為が「証拠隠滅を図った」と判断され、逮捕される可能性を高めます。
そして、量刑の判断をする際の情状に不利にはたらく可能性もあるため、むやみに盗撮データを削除することはしないようにしましょう。

逮捕後72時間以内弁護活動が運命を左右します

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盗撮で任意同行された家族が帰ってこない場合はどうする?

盗撮の疑いでご家族が警察から任意同行を求められた後、帰ってこない場合は、逮捕された可能性があります。

任意同行はあくまで任意であるため、任意同行後に受ける警察からの取り調べについても、途中で退出することができます。
退出が可能であるにもかかわらず、帰ってこないという状況は、取り調べの最中に「ご家族の身柄を拘束しなければならない理由」ができたと考えるのが自然です。

このような場合には、まずは弁護士に相談してご家族の状況を確認してもらいましょう。
弁護士であれば、初回接見でご家族と面会することが可能です。

盗撮で逮捕され前科が付くのを回避するには

すぐに弁護士に相談する

盗撮で警察から任意同行・出頭を求められた場合は、すぐに弁護士に相談することで以下のようなメリットを得ることができます。

弁護士に相談するメリット

  • 取り調べについてのアドバイスを受けることができる
  • 違法な取り調べがあった場合に、警察へ抗議することができる
  • 逮捕による身柄拘束の可能性を低くすることができる
  • 弁護士を通じて、家族や職場などに連絡することができる など

とはいえ、任意同行の際に弁護士がパトカーに同乗して取り調べに同席することはできません。
しかし、警察署まで付添うことはできます。
法的知識を備えたうえで取り調べを受けることで、適切に対応でき、不当逮捕を回避できる可能性が高まります。

被害者との示談成立を目指す

被害者が存在する事件では、被害者との示談交渉がもっとも重要となります
事件の当事者同士が和解することは、被害者に処罰感情がないことを意味し、不起訴の判断や量刑の減軽に大きく影響します。
身柄拘束されている際に示談成立となれば、「身柄拘束する必要がない」と判断され早期釈放が望めます。

刑事事件は、起訴するかどうか判断されるまで想像以上のスピードで手続きが進んでいきます。
残されている僅かな時間の中で被害者との示談交渉を成立させるためには、早期段階で弁護士に相談することが大切です。

また、被害者の大半は、加害者側と関わることを避けます。
示談に応じない姿勢を示されることも多いため、いずれにしても弁護士への相談は欠かせないでしょう。

盗撮で任意同行を求められた場合はなるべく早く弁護士にご相談ください

「任意同行は任意だから」と、軽い気持ちで同行して取り調べを受けることは、大変危険です。

捜査機関が任意同行を求めるということは、少なくとも何かしらの証拠があることを意味します。

被害者や目撃者の供述など、犯人だと決定づけるものが少なくても、「犯人かもしれない」という嫌疑をかけられていることに違いありません。
そのため、誤った対応を行うと、そのまま逮捕される可能性があります。

弁護士であれば、取り調べに対するアドバイスを事前に伝えることができ、逮捕されたとしても、早期釈放に向けた弁護活動を行うことができます。
十分な弁護活動を行うためには、早期段階から着手する必要があるため、盗撮で任意同行を求められた際は、なるべく早めに弁護士へご相談ください。

逮捕後72時間以内弁護活動が運命を左右します

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逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。

監修

監修 : 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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