教師が盗撮・のぞきで逮捕されたら?懲戒免職や教員免許の剥奪について

教師が盗撮・のぞきで逮捕されたら?懲戒免職や教員免許の剥奪について

監修
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

教師が盗撮・のぞき行為により逮捕された場合、懲戒免職や教員免許の剥奪といった重大な処分を受ける可能性があります。このような事態に陥ってしまえば、復職は困難となるでしょう。しかし、早期段階で適切な対応を行うことで、重大な処分を受けるリスクを回避できる可能性があります。

本記事では、教師が盗撮・のぞき行為で逮捕された場合の刑罰や受ける処分などについて、詳しく解説していきます。逮捕後の流れや盗撮・のぞき行為をしてしまった場合の対処法についても解説していきますので、ぜひご参考になさってください。

教師が盗撮・のぞきで逮捕された場合の刑罰

教師が盗撮・のぞき行為により科される刑罰は、適用される法律や条例によって内容が異なります。一般的に盗撮・のぞき行為は、以下の罪や違反に抵触する可能性があります。

  • 撮影罪(性的姿態等撮影罪)
  • 迷惑防止条例違反
  • 児童ポルノ禁止法違反
  • 住居侵入罪・建造物侵入罪

では、それぞれの刑罰について、以下で詳しくみていきましょう。

撮影罪(性的姿態等撮影罪)

撮影罪(性的姿態等撮影罪)とは、令和5年7月13日に施行された「性的姿態撮影等処罰法」により新設された犯罪で、主に以下のような行為を処罰の対象としています。

処罰の対象となる行為

  • 人の性的姿態を被写体の同意なく密かに撮影する
  • 人の性的姿態を被写体が拒否できない状態にさせ撮影する
  • 人の性的姿態を誤信させて撮影する
  • 16歳未満の子供の性的姿態を正当な理由なしに撮影する

教師が校内で盗撮を行った場合は、撮影罪として処罰される可能性があります。

撮影罪の刑罰は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金と定められており、逮捕や起訴されれば、社会的信用の失墜や職場への影響は避けられないでしょう。そのため、早期に弁護士へ相談し、適切な対応を取ることが重要です。

迷惑防止条例違反

迷惑防止条例違反とは、各都道府県が公共での迷惑行為を防止する目的で定めている「迷惑防止条例」に違反する行為を指します。迷惑防止条例では、主に以下のような行為が処罰の対象となります。

処罰の対象となる行為(盗撮・のぞきの場合)

  • 人の通常衣服で隠されている下着または身体を撮影する、カメラを差し向ける、設置する

迷惑防止条例では、盗撮・のぞき行為だけでなく、つきまといや不当な客引きなども処罰の対象とされています。また、迷惑防止条例違反となる行為の具体的な内容や罰則は、各都道府県によって若干異なっています。

たとえば、東京都の場合、罰則は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金となります。教師が校内で生徒や同僚を盗撮した場合は、迷惑防止条例違反として処罰される可能性があります。

児童ポルノ禁止法違反

児童ポルノ禁止法違反は、18歳未満の児童の性的な画像や動画を撮影・所持・提供・販売する行為を処罰する法律である児童ポルノ禁止法※に違反する行為を指します。

盗撮で児童ポルノ禁止法違反となる可能性があるのは、以下のような行為です。

処罰の対象となる行為(盗撮の場合)

  • 自己の性的好奇心を満たす目的で盗撮した児童ポルノを所持・保管する
  • 盗撮した画像や映像で児童ポルノを製造する など

教師が校内で児童を盗撮し、その画像が性的な内容を含む場合、児童ポルノの所持・保管として1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。児童ポルノ禁止法では、行為によって科される刑罰が異なるため、注意が必要です。

※法改正後の正式名称は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」

児童ポルノ禁止法の禁止行為と罰則について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

児童ポルノとは?所持でも罪になる?児童ポルノの禁止行為と罰則

住居侵入罪・建造物侵入罪

住居侵入罪・建造物侵入罪は、正当な理由なく他人の住居や看守している建物に立ち入る行為を処罰する法律です。教師がこれらの罪に問われる可能性があるのは、主に以下のような行為をした場合です。

処罰の対象となる行為

  • 児童の性的姿態を盗撮する目的で校内の更衣室やトイレなどに無断で立ち入る など

勤務先の学校であっても、立ち入った目的が不法であれば処罰の対象となります。両罪の罰則は、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金と定められていますが、具体的な内容は、裁判官が犯行態様や被害程度などのさまざまな事情を考慮し判断します。

教師による盗撮事件は近年増加傾向にあり、いずれの事件も犯人は逮捕されています。

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教師が盗撮・のぞきで逮捕されたら懲戒免職になる?

教師が盗撮・のぞき行為で逮捕された場合、教育者としての信頼性が著しく損なわれるため、懲戒免職(懲戒解雇)を含む厳しい処分を受ける可能性があります。

民間企業の懲戒処分の種類と内容を下表にまとめました。

種類 内容
懲戒解雇 雇用契約を一方的に終了させる最も重い処分で、退職金が支給されない場合があります。
諭旨解雇 自主退職を促す形での解雇で、懲戒解雇よりは軽いですが事実上の退職処分となります。
降格 職位や役職を下げる処分で、管理職から一般職への変更などが含まれます。
出勤停止 一定期間、就労を禁止する処分です。
減給 一定期間、給与の一部を差し引く処分です。
譴責 始末書を提出させる処分です。
戒告 口頭または書面による注意で、比較的軽い処分となりますが、再発時に重い処分へ発展する可能性があります。

教師を含む公務員の懲戒処分は、民間企業とは異なり、もっとも重い免職から順に停職・減給・戒告の4種類があります。どの処分が下されるのかは、教育委員会や学校法人の判断によって決定されます。特に盗撮事件は、教育現場における信頼性を大きく損なうため、厳罰化される傾向があります。

懲戒処分は誰が決めるのか

教師の懲戒処分を決める「懲戒処分権者」は、勤務先の学校の種別によって異なります。

公立学校の場合

都道府県教育委員会が決める

私立学校の場合

学校法人が決める

公立学校の教師の場合は、地方公務員法に基づき懲戒処分が下されます。一方、私立学校の教師の場合は、学校法人が定めた就業規則に基づき懲戒処分が下されます。

教師は、教育者として高い倫理性と社会的責任が求められるため、盗撮・のぞき行為に対しては厳重な処分が下される傾向があります。逮捕された事実が報道などで公になれば、処分はより重くなる可能性があるため、早期に対応しなければなりません。

懲戒処分を避けられるケース

盗撮・のぞき行為で逮捕された場合でも、職場がその事実を知らなければ、懲戒処分を受けずに済む可能性があります。逮捕されたことを職場に報告する義務はないため、報道や被害者からの告訴がなければ、犯罪事実が公にならず、職場に事実が知られない可能性が高まるでしょう。

しかし、そもそも校内で罪を犯した場合には、学校側が警察による取り調べを受けるため、犯罪事実が知られてしまいます。

また、校内でなくても、逮捕による勾留が長期間になれば、学校側から怪しまれてしまうため、いずれ犯罪事実が明らかになる可能性が高いです。

教師が盗撮・のぞきで逮捕されたら教員免許は剥奪される?

教師が盗撮・のぞき行為で逮捕された場合、公立私立に関係なく、拘禁刑以上の刑罰を科されるまたは懲戒免職処分を受けると教員免許剥奪となります。

逮捕だけでは、直ちに教員免許を剥奪されませんが、拘禁刑以上の有罪判決が確定した場合や学校側から懲戒免職処分を受けた場合は、教員免許状の効力を失います。効力を失うタイミングは、いずれも処分を受けた日となります。

教員免許の再取得は、法律上だと「処分の日から3年経過後」に可能となりますが、教育現場への復帰は極めて困難です。特に盗撮事件は社会的非難が強く、再就職先の確保も難しくなるため、免許の維持を望む場合は、逮捕後の対応が重要です。

教員免許の剥奪を回避するには、弁護士による示談交渉や不起訴処分の獲得が鍵となります。

国公立の場合

国立・公立学校に勤務する教師が盗撮・のぞき行為で懲戒免職処分を受けた場合は、教育職員免許法第十条に基づき、教員免許状(教師となるのに必要な資格)が失効します。また、教師が教員免許状の失効・取り上げをされた情報は、官報に公告されます。

教員免許は、法律上では処分を受けた日から3年が経過すれば再取得可能です。しかし、学校側は官報で教員免許状の失効・取り上げ情報を確認することができるため、教師として復帰するのは困難でしょう。

教員免許の維持を望む場合は、逮捕後の対応が重要となるため、弁護士による法的サポートを受ける必要があります。

私立の場合

私立学校に勤務する教師が盗撮・のぞき行為で懲戒免職処分を受けた場合は、教育職員免許法第十一条に基づいて、教員免許状が取り上げられます。

国公立の場合は、教員免許状の失効または取り上げ処分が行われますが、私立の場合は原則取り上げ処分が行われます。

なお、教員免許状の効力が失うのは、免許管理者から取り上げ処分が行われることを通知された日となります。

私立に勤める教師は、その学校から直接雇用されているため、一般企業の従業員と同じ扱いを受けますが、責任の重さは国公立の教師と変わりません。そのため、教員免許が剥奪されれば、教育現場への復帰は難しいといえます。

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教師が盗撮・のぞきで逮捕された後の流れ

教師が盗撮・のぞきで逮捕されると、以下のような流れで手続きが進みます。

  • ① 逮捕:警察により身柄を拘束され、取り調べが行われます。
  • ② 勾留:引き続き身柄を拘束する必要があると認められると、最大20日間の勾留が行われます。
  • ③ 起訴・不起訴:検察官が証拠やさまざまな事情を踏まえ、起訴・不起訴の判断を下します。
  • ④ 裁判:起訴された場合は、刑事裁判が開かれ、裁判官から有罪・無罪の判決が下されます。

社会的ダメージを最小限に抑えるには、犯行後早期に弁護士へ相談し、被害者との示談交渉や不起訴処分の獲得を目指した弁護活動を開始する必要があります。

教師が盗撮・のぞき行為をしてしまった場合の対処法

盗撮・のぞき行為をしてしまった場合でも、適切に対処すれば、懲戒処分や教員免許剥奪を回避できる可能性があります。具体的な対処法は、次のとおりです。

  • 弁護士に依頼する
  • 被害者と示談交渉する

以下では、上記対処法を具体的に解説していきます。

弁護士に依頼する

盗撮事件にかかわらず、刑事事件では弁護士の力が逮捕や不起訴処分を獲得するうえで重要となります。

犯行後または逮捕直後に弁護士に依頼することで、弁護士による充実した法的サポートを受けられます。弁護士に依頼するメリットには、具体的に以下のようなことが挙げられます。

  • 自首する際に同行してもらえる
  • 逮捕直後から接見(面会)が可能なため、早期段階から弁護方針を構築できる
  • 被害者との示談交渉や有利となる事情を証明するための証拠を収集してもらえる
  • 起訴された場合は、保釈請求の手続きを進めてもらえる など

特に盗撮事件では、示談の成立や不起訴処分の獲得が、懲戒免職や教員免許剥奪の回避につながるため、専門的な交渉力が必要です。職場や報道への影響を最小限に抑えるためにも、刑事事件に強い弁護士への相談は不可欠です。

被害者と示談交渉する

盗撮・のぞき事件は被害者がいる刑事事件であるため、被害者との示談成立が刑事処分の判断に大きな影響を与えます。示談が成立すれば、勾留を避けられたり、起訴されずに済む可能性が高まったり、職場に事件のことが知られずに済む場合もあります。

示談は、加害者本人が直接交渉するのではなく、弁護士を通じて冷静かつ法的に適切な形で進めることが重要です。被害者の心情やプライバシーに配慮しながら謝罪文や損害賠償の提示を行い、示談交渉を円滑に進められれば、早期段階で被害者と示談成立できる可能性があります。

しかし、加害者に強い怒りや悲しみを抱いている被害者との示談成立は、決して容易ではありません。そのため、弁護士の力を借りて示談交渉に臨む必要があります。

教師の盗撮・のぞき事件に関しては、早急に弁護士法人ALGにご相談ください

教師による盗撮・のぞき行為は、刑事罰だけでなく、懲戒処分や教員免許の失効・取り上げも伴います。しかし、犯行が校内外である場合は、適切な対応により職場に知られずに済む可能性があります。

職場に知られずに済めば、懲戒処分や教員免許の剥奪を回避できる可能性が高まります。教師による盗撮・のぞき事件は、犯行後または逮捕直後に迅速かつ適切な対応を取ることで、勾留の回避や不起訴処分の獲得に大きく近づけます。

弁護士による示談交渉や不起訴処分の獲得に向けた弁護活動の開始は、再起に向けた重要な一歩となります。特に刑事事件に精通した弁護士に依頼することで、より充実した法的サポートを受けられます。

弁護士法人ALGには、刑事事件に精通した弁護士が複数名在籍していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修 : 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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