盗撮・のぞきで不起訴の可能性は?獲得するためにすべき3つのことなど
盗撮・のぞき行為で逮捕され有罪判決が下されると、前科がつきます。
前科をつけないためには、不起訴処分を獲得しなければなりません。
しかし、不起訴処分の獲得は、決して容易ではありません。誤った対応を行うと、不利に扱われるおそれがあります。
前科を回避するためには、「弁護士に相談・依頼する」「被害者と示談する」などの対応を早期に着手して、適切に進める必要があります。
そこで本記事では、盗撮・のぞき事件における不起訴処分の種類や不起訴処分を獲得するためにすべきことなどについて、詳しく解説していきます。
目次
盗撮・のぞきで不起訴になる可能性は?
盗撮・のぞき行為で不起訴になる可能性は、十分にあります。
盗撮・のぞき行為は、れっきとした犯罪行為に違いありませんが、比較的軽微な犯罪として扱われています。そのため、殺人事件や強盗事件などと比べると、逮捕されてもかならず有罪判決が下されるわけではありません。
ただし、盗撮・のぞき行為に、「悪質性・常習性」「被害範囲が広い」などが認められる場合には、不利な情状として働くため、実刑判決が下される可能性が高まります。
犯行態様次第では実刑判決の可能性があるとはいえ、刑法上では軽微な犯罪として扱われているため、不起訴処分の獲得は十分に狙えます。
そもそも不起訴処分とは
不起訴処分とは、簡単にいうと、「検察官が被疑者を刑事裁判にかけなくてよいと判断する刑事処分」のことをいいます。
不起訴処分が決定すると、被疑者は直ちに釈放され、逮捕される前の日常に戻れます。一方で、不起訴処分ではなく起訴された場合は、刑事裁判が開かれます。
盗撮事件の場合は、略式起訴により罰金刑が科せられるケースが多く、身柄拘束を受けない在宅事件として手続きが進められる傾向にあります。身柄拘束を受けないため、被告人にとっては多くのメリットが得られます。
ただし、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合や犯行態様が悪質な場合には、身柄拘束を受ける身柄事件として手続きが進み、通常起訴されます。
盗撮・のぞきで不起訴になるメリット
盗撮・のぞき行為で不起訴となれば、さまざまなメリットを得られます。
特に、早期の身柄釈放や前科がつかない点は、大きなメリットといえるでしょう。捜査機関の捜査対象となった履歴である前歴は残りますが、有罪判決を受けた経歴である前科は残らないため、以前と変わらない日常を過ごせます。
不起訴処分を獲得するには、盗撮事件に強い弁護士による弁護活動を早期段階から開始することが有効的です。弁護士への相談・依頼が早ければ早いほど、弁護士による弁護活動が幅広く行えるため、不起訴処分の獲得に大きく近づけます。
盗撮・のぞき事件における不起訴処分の種類
不起訴処分には、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」など、さまざまな不起訴理由の種類があります。
なかでも、主な理由とされるのは、以下の5種類です。
<不起訴処分となる主な理由>
- 嫌疑なし
- 嫌疑不十分
- 起訴猶予
- 親告罪の告訴取り下げ
- 罪とならず
盗撮やのぞき行為をした事実が明白な場合は、起訴猶予での不起訴処分を目指します。一方で、盗撮やのぞき行為が冤罪である場合には、嫌疑なし・嫌疑不十分での不起訴処分の獲得を目指します。
では、盗撮・のぞき事件において、特に多く判断される①~③までの理由を次項にて詳しく解説していきます。
起訴猶予
起訴猶予とは、「被疑者が罪を犯したという事実が明白な場合に、被疑者の年齢や性格、境遇などのさまざまな情状や犯行後の情況を考慮して起訴しないこと」をいいます。
被疑者の犯罪事実が明白である盗撮・のぞき事件では、起訴猶予と判断されるケースが多いです。なぜなら盗撮やのぞきは、比較的軽微な犯罪とされているため、被疑者に有利な情状が認められれば、考慮されて起訴猶予となりやすいからです。
起訴猶予を理由として不起訴処分となれば、前科がつきません。被疑者の盗撮やのぞき行為が証拠等で明白な場合には、起訴猶予での不起訴処分を目指していく必要があります。
嫌疑不十分
嫌疑不十分とは、「被疑者が罪を犯したという事実や犯罪の成立を裏付ける証拠が不十分であるため、起訴できないこと」をいいます。
犯罪を裏付ける証拠が不十分の場合は、裁判をしても有罪判決が下される可能性が低いため、検察は起訴せずに事件を終了とします。このときに下される不起訴処分の種類が、嫌疑不十分です。
なお、嫌疑不十分で不起訴処分と判断された場合は、再び逮捕されることはありません。しかし、「嫌疑不十分で処分保留」とされた場合には、再び逮捕される可能性があるため、注意が必要です。
嫌疑なし
嫌疑なしとは、「被疑者が罪を犯したという事実や犯罪の成立が明らかに認められないため、起訴できないこと」をいいます。
嫌疑なしでの不起訴処分は、被疑者にアリバイがある場合や真犯人が見つかった場合に下されます。
盗撮・のぞきで不起訴を獲得するためにすべき3つのこと
盗撮・のぞき事件で不起訴を獲得するためには、次の3つの行動が大切です。
- 弁護士に相談する
- 被害者と示談する
- 贖罪寄付をする
証拠があるにもかかわらず自らの罪を認めない姿勢は、心証が悪くなり、不起訴の獲得を遠ざけるでしょう。
検察官や裁判官の心証を良くするには、自らの罪を認めて反省する姿勢を示す必要があります。そのためには、①~③の行動を行うことが有効的です。
では、それぞれの行動について、次項で詳しく解説していきます。
➀弁護士に相談する
不起訴を獲得するには、まず、弁護士に相談する必要があります。
特に刑事事件に精通した弁護士を選び、事件の弁護を相談しましょう。
弁護士であれば、被疑者や被告人にとって有利な情状となる要素の主張・立証を適切に行えます。捜査機関から受ける取り調べについても適切にアドバイスできるため、不利な供述調書の作成を回避できます。
また、逮捕による身柄拘束を受ける場合は、会社や学校、家族への連絡も禁じられます。身柄拘束が長期間に及ぶと、解雇や退学、離婚となるリスクが高まります。
弁護士がいれば、会社や学校、家族との架け橋となって代わりにやり取りしてもらえるため、このようなリスクを回避できます。
②被害者と示談する
不起訴を獲得するには、被害者と示談することが何よりも重要です。
被害者との示談成立は、事件の当事者同士の和解を意味するため、有利な情状となります。盗撮・のぞき行為にかかわらず、被害者の存在する犯罪では、被害者との示談成立が刑事処分の判断においてもっとも重要です。
「加害者の犯した罪を罰してほしい」という処罰感情が被害者にないため、不起訴の獲得に大きく近づけます。
ただし、示談成立に応じてくれる被害者はそう多くありません。被害者の大半が、加害者に対して処罰感情を抱き、加害者側との接触を拒みます。
そのため、刑事事件に精通した弁護士に依頼し、被害者の心情に配慮した丁寧な示談交渉を行う必要があります。なお、盗撮・のぞき事件の示談金の相場は、10万~50万円程度とされています。
③贖罪寄付をする
不起訴を獲得するには、贖罪寄付が有効的です。
盗撮やのぞきをした被害者が特定できない場合や、被害者が示談に応じてくれない場合には、被害者支援を行う団体などに寄付する方法が取れます(これを、「贖罪寄付」といいます)。
被疑者が贖罪のために寄付したからといって、かならず不起訴が獲得できるわけではありませんが、「贖罪寄付をした」という事実は有利な情状になります。
なお、贖罪寄付の寄付先は、弁護士会や日本財団など複数あります。
盗撮・のぞきが初犯の場合は不起訴になる?
初犯は、有利な情状として考慮される要素に含まれるため、不起訴処分を獲得できる可能性を高めます。
特に盗撮・のぞき行為は、常習性の高い犯罪行為で再犯率が高いのが特徴です。そのため、刑事処分の判断を行う際に、常習性が認められるかどうかが重視されます。
このとき、常習性が認められず、初犯であった場合には、そのことが有利な情状として考慮され、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなります。
なお、常習性の有無を判断する際には、「盗撮した回数、期間、間隔、手口、目的、前科前歴の有無」などが考慮され、総合的に判断されます。
逮捕後72時間以内の弁護活動が運命を左右します
刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。
盗撮・のぞきの余罪や再犯の場合、不起訴になるのは難しい?
他人の住居に無断で侵入して盗撮・のぞき行為をするなどの余罪がある場合や再犯の場合は、そのことが不利な情状として考慮されるため、不起訴処分の獲得が遠ざかります。
無断で住居に侵入すれば、住居侵入罪についても罰を受けなければならないため、刑が重くなります。また、盗撮・のぞきの再犯で逮捕された場合も同様に、刑が重くなります。
余罪や再犯が認められると、不起訴処分の獲得がより難しくなるため、どのような弁護活動を行うかが重要となります。
では、どのような弁護活動を行えばよいのか、次項にて解説していきます。
盗撮・のぞきの余罪がある場合
盗撮・のぞきは、捜査が進むにつれて、盗撮に使用したスマートフォンや電子機器に記録された盗撮画像や動画データから複数の余罪が発覚することも多いです。
しかし、盗撮場所や日時の特定が難しいケースが多いため、立件されにくい実情があります。
しかし、過去にも盗撮を繰り返していたことは事実ですので、本罪の刑事処分を判断する際に、常習性があるとして不利に扱われる可能性はあります。
なお、盗撮の余罪は立件されたとしても被害者が特定できないことも多いため、被害者弁償に代わって贖罪寄付や専門家による治療・カウンセリングなどを行い、再犯防止措置を講じる必要があります。
このような行動を弁護士に適切に主張・立証してもらうことで、余罪がある場合でも不起訴処分となる可能性を高められます。
盗撮・のぞきの再犯で逮捕された場合
盗撮・のぞきの再犯で逮捕された場合は、初犯と比べて起訴される可能性が高いです。
執行猶予期間中の再犯であれば、執行猶予が取り消されて直ちに刑が実行されます。また、再犯による被害者が複数存在する場合は、被害届が提出される可能性が高まるため、立件される可能性も高くなります。
この場合は、複数成立した盗撮・のぞき行為の罪が併合罪として処理される可能性があります。併合罪の量刑は、成立した罪のうちもっとも重い罪の刑に1.5倍が加重されます。
□併合罪とは?
確定裁判を経ていない2つ以上の罪または過去に禁錮以上の刑の確定裁判があった場合にその罪とその裁判が確定する前に犯した罪のことをいいます。
再犯が通常の盗撮・のぞきの罪もしくは併合罪として問われても、いずれにせよ不利に扱われることには変わりありません。
この状況で不起訴を獲得するには、まず被害者との示談を成立させることが大切です。被害者が特定できない場合には、贖罪寄付や再犯防止措置を講じてその旨を適切に主張・立証するとよいでしょう。
盗撮・のぞきの不起訴処分に関するよくある質問
盗撮・のぞきをしたとしても自首すると不起訴になりますか?
自首が成立すれば、不起訴となる可能性が高まります。
捜査機関に知られる前に自らの罪を申告する自首は、「事件について反省している」と評価されます。その評価は、刑事処分の判断を行う際に有利な情状として働くため、不起訴となる可能性が高くなります。
ただし、自首を成立させるためには、いくつかの要件を満たさなければなりません。自らの罪を捜査機関に申告する行為が、いかなるときも自首として処理されるわけではないため、注意しましょう。
自首を成立させるには、犯罪事実が捜査機関に発覚する前に自らの罪を申告して処分を委ねる必要があります。
盗撮・のぞきで不起訴処分になれば前科がつくことはないですか?
それは、逮捕されても同様です。前科は、過去に有罪判決が下された経歴ですので、刑事裁判で有罪判決が下されない限り、前科がつくことはありません。
ただし、捜査機関の捜査対象となった履歴である「前歴」は、不起訴処分と判断された場合もつきます。前歴は、あくまで捜査機関に犯罪の疑いをかけられた事実に過ぎないため、日常生活に悪影響を及ぼすことはありません。
前科のように、社会的信用を失う、資格の取得が制限される、家族関係にひびが入るなどの悪影響が生じるおそれはなく、これまで過ごしてきた日常に戻れます。
盗撮・のぞき事件で示談しなければ不起訴処分は難しいですか?
盗撮・のぞきの被害者と示談できなくても、不起訴処分と判断されるケースはあります。
ただし、被害者との示談成立が不起訴処分の獲得にもっとも有効的であることに変わりはありません。被害者との示談成立が難しければ、有利な情状となるその他の要素を主張し立証していく必要があります。
間違った主張は、不利な扱いを受ける可能性を高めるため、不起訴処分の獲得を目指す場合は、弁護士の力を借りる必要があるでしょう。
弁護士に依頼する際は、なるべく早めに相談して早期段階から弁護活動を開始するのが望ましいです。そうすることで、弁護活動の幅が広がり、有利な情状となる要素の主張と立証のための準備を行えます。
盗撮・のぞきで不起訴処分を獲得するためも早めに弁護士にご相談ください!
盗撮・のぞき行為で逮捕されても、不起訴処分を獲得できる可能性は十分にあります。
ただし、実現するには、「初犯である」「悪質性や常習性が認められない」「被害者と示談成立済み」といった有利な情状となる要素を適切に主張し立証する必要があります。
検察官による起訴・不起訴の判断までに残されている時間は少ないため、円滑に進められなければ、不起訴処分の獲得が遠ざかります。
弁護士であれば、着手した瞬間から円滑に弁護活動を進められます。刑事処分の判断にもっとも有効となる被害者との示談成立も、弁護士が間に入ることで被害者側から拒否されにくくなり、示談成立となる可能性を高められます。
盗撮・のぞきで不起訴処分の獲得を目指されたい方は、充実した弁護活動を行うためにも、なるべく早めに弁護士にご相談ください。
