訴えられたらどうなる?刑事告訴された場合の流れや対処法を解説

訴えられたらどうなる?刑事告訴された場合の流れや対処法を解説

監修
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

刑事事件で「訴えられる」とは、一般的に被害者から刑事告訴された状態を指します。

告訴されると、捜査機関が本格的な捜査を開始するため、警察からの出頭要請や事情聴取、場合によっては逮捕に至る可能性もあります。
突然の事態に不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、刑事告訴の意味や訴えられた場合の流れ、とるべき対処法などについて、詳しく解説していきます。

刑事事件で訴えられたらどうなる?

被害者が「告訴」によって被害を申告することで、警察による捜査が開始されます。

また、告訴があった場合、警察は当該事件についての書類や証拠を速やかに検察官へ送付しなければなりません(刑事訴訟法第242条)。

捜査の結果によっては、逮捕起訴される可能性もあるため注意が必要です。

起訴の流れや行うべきことについては、以下のページをご覧ください。

起訴とは?

刑事告訴とは

刑事告訴とは、犯罪の被害者や法定代理人などの告訴権者が、警察や検察に対して犯罪の事実を申告するとともに、加害者の処罰を求める意思表示をする手続きです。

単に被害を申告する被害届とは異なり、「加害者の処罰を求める意思」を明確に示す点に特徴があります。

告訴できるのは原則として被害者本人ですが、被害者が未成年である場合は”法定代理人”が、被害者が亡くなった場合は”配偶者や一定の親族”が行うことも可能です。

告訴が受理されると捜査が開始され、警察や検察による捜査が進められることになります。

この過程で、被疑者は任意出頭を求められることがあり、場合によっては逮捕される可能性もあります。

親告罪は告訴がないと起訴されない

親告罪の場合、告訴がないと検察官は起訴できず、刑事裁判も開かれません。

親告罪とは、被害者側からの告訴がないと、検察官が起訴できない犯罪類型をいいます。例えば、名誉毀損罪や侮辱罪、器物損壊罪、過失傷害罪などが該当します。

これらの犯罪は被害者の意思が重視されるため、告訴がない限り、刑事裁判は開かれないのが基本です。

また、親告罪の告訴には期限があり、告訴期間は原則として「犯人を知った日から6ヶ月以内」です。

それ以降は、被害者側が加害者の処罰を求めても、基本的に受理されません。

刑事事件で訴えられたら家族や会社にバレる?

刑事告訴後に逮捕・勾留された場合は、身柄拘束によって長期間自由に行動できなくなるため、家族や会社に知られる可能性が高くなります。

逮捕・勾留されない場合でも、起訴されれば裁判所から起訴状などの郵便物が届くため、同居家族に知られるおそれがあるでしょう。

原則として、警察が直接家族や会社に連絡することはありませんが、重大事件の場合は実名報道される可能性があります。

実名報道されやすいケースとしては、殺人事件や強盗事件といった重大事件や社会的関心が強い事件が挙げられます。

刑事事件で訴えられた場合の流れ

刑事事件で訴えられた場合は、主に以下のような流れで手続きが進んでいきます。

  1. ① 警察が刑事告訴を受理
  2. ② 捜査の開始
  3. ③ 逮捕後検察へ送致
  4. ④ 勾留して取り調べ
  5. ⑤ 検察官が起訴・不起訴を判断
  6. ⑥ 起訴された場合は刑事裁判が開廷

①警察が刑事告訴を受理

告訴権者が「告訴状」を警察に提出し、受理されると刑事手続きが開始されます。

ただし、警察が告訴を必ず受理するとは限りません。
証拠不十分な場合や犯罪事実が特定されていない場合、告訴期限を過ぎている場合などは受理されにくく、告訴の受理はハードルが高いのが実情です。

告訴が受理されると、捜査機関による本格的な捜査が開始されるため、場合によっては、警察から出頭要請や事情聴取に協力するよう求められる可能性があります。

②捜査の開始

警察が告訴を受けた場合、事件に関する書類や証拠物を速やかに検察官に送付する義務があるため、本格的な捜査が開始されます。

刑事訴訟法第242条 司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。

告訴による捜査は、被害届がきっかけで行われる捜査よりも積極的に進められ、事情聴取や証拠収集が本格化する傾向があります。

③逮捕後検察へ送致

捜査により加害者が特定され、「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」と判断された場合、逮捕に至る可能性があります。

逮捕後、警察は48時間以内に被疑者の身柄と事件の資料を送致するかどうか判断します。この段階で犯罪の嫌疑が弱い場合や被害が軽微な場合は、早期に釈放されるケースも少なくありません。

例えば、万引きで逮捕されたが、初犯で被害額も低く、真摯に反省している場合は、釈放される可能性が高いでしょう。

④勾留して取り調べ

送致後、検察が「被疑者の身柄拘束を継続する必要がある」と判断した場合、裁判官に勾留請求を行います。

裁判官が請求を認めると10日間の勾留が実施され、必要に応じてさらに10日間延長されます。つまり、勾留は最大で20日間に及ぶということです。

勾留の詳細は、以下のページをご覧ください。

勾留とは?

⑤検察官が起訴・不起訴を判断

検察官は、勾留期間が終了するまでに、被疑者を起訴するか、不起訴とするかを判断します。

「起訴」とは、被疑者を刑事裁判にかける手続きです。
裁判官が有罪判決を下すと刑罰が科され、前科がつきます。

一方、「不起訴」となれば、刑事裁判は開かれずその時点で刑事手続きが終了し、前科もつきません。

起訴・不起訴の判断は、証拠の状況や被害者との示談の有無、反省の態度といった事情が大きく影響します。

「初犯かどうか」「悪質性は認められるか」といった被疑者の情状も考慮し、総合的に判断されるため、この段階までに不起訴処分の獲得に向けた対応をとることが重要です。

被疑者にとって有利な情状を客観的に証明し、説明できれば、不起訴処分の獲得に大きくつながります。

起訴と不起訴の違いについては、以下のページもご覧ください。

起訴と不起訴、それぞれの違いや生活への影響について

⑥起訴された場合は刑事裁判が開廷

起訴された場合は、刑事裁判が開かれ、被疑者から「被告人」という立場に変わります。

被告人は、指定された期日に裁判所へ出廷し、審理に協力しなければなりません。
刑事裁判は、冒頭手続→証拠調べ手続→弁論手続といった流れで進み、最終的に裁判官から判決が言い渡されます。

有罪判決が言い渡されると、罰金刑や拘禁刑などの刑罰が科され、前科がつきます。

前科は、「過去に有罪判決を受けたことがある」という経歴です。
前科がつくと、資格や職業が制限されるなどのデメリットを受ける可能性があるため、起訴を回避するための対応が重要となります。

特に、被害者のいる刑事事件では、被害者との示談成立が起訴を回避するための重要なポイントです。

そのため、できる限り早く被害者との示談交渉を開始することが大切です。

刑事事件で訴えられても身柄拘束されない場合がある

刑事告訴されても、必ず逮捕されるとは限らず、逮捕されないまま捜査が進められることもあります。

捜査機関が逮捕の必要性がないと判断した場合は「在宅事件」として扱われ、日常生活を送りながら、捜査機関の呼び出しに応じて取り調べを受けることになります。

在宅事件では、被疑者の身柄は拘束されないため、検察への送致は捜査書類のみで行われる(書類送検となる)点が特徴です。

ただし、在宅事件であっても、検察官が起訴すれば刑事裁判が開かれます。

在宅事件の詳細は、以下のページをご覧ください。

在宅事件とは?

逮捕後72時間以内弁護活動が運命を左右します

刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。

刑事事件で訴えられたときにとるべき対処法

早めに弁護士に相談する

刑事事件で訴えられた場合、早めに弁護士へ相談することで以下のようなメリットが得られます。

  • 警察の取り調べでの対応について、具体的なアドバイスを受けられる
  • 逮捕・勾留された場合は、早期釈放に向けた働きかけをしてもらえる
  • 不起訴処分の獲得を見据えた弁護活動を受けられる

警察の取り調べで不用意な発言をすると、不利な内容の供述調書が作成されるおそれがあります。

供述調書は、裁判で採用されることもある重要な証拠の一つです。弁護士から事前に対応方法のアドバイスを受けられれば、不利な供述を避けることができるでしょう。

弁護士による法的サポートは、刑事手続きを有利に進めるうえで必要不可欠といえます。

被害者と示談交渉する

被害者との示談が成立し、賠償金や慰謝料の支払いを行うことで、告訴が取り下げられる可能性があります。

告訴の取り下げや示談成立は、逮捕の回避や不起訴処分につながる可能性を高める有利な事情です。

ただし、加害者本人が直接示談交渉を行うのは難しく、交渉自体を拒否されるケースも少なくありません。

また、被害者が加害者に対して強い処罰感情を抱いている場合には、示談交渉の過程で感情的な対立が生じやすくなります。

弁護士が介入することで、被害者側も安心して示談交渉に応じやすくなり、円滑な解決が期待できます。

刑事事件に精通した弁護士であれば、被害者の気持ちに十分配慮したうえで、交渉を進めることが可能です。

刑事事件における示談については、以下のページをご覧ください。

刑事事件における示談とは?

不起訴を目指す

日本の刑事裁判における有罪率は99%以上といわれているため、起訴されないことが極めて重要です。

有罪となり前科がつくと、資格制限や職場での立場など、社会生活全般において大きな不利益を受けるおそれがあります。

こうした不利益を回避または最小限に抑えるためには、早期に弁護士へ相談し、示談交渉や適切な弁護活動を通じて不起訴処分を目指すことが重要です。

特に、捜査の初期段階から適切な対応をとれれば、より有利な結果につながる可能性もあります。

刑事事件に精通した弁護士から法的サポートを受けることが、今後の人生への影響を最小限に抑えるうえで重要なポイントです。
早期の相談と的確な対応で、より良い結果につながる可能性が高まるでしょう。

不起訴を目指し、前科をつけたくない方は、以下のページをご覧ください。

不起訴処分とは?

訴えられたらすぐに刑事事件に強い弁護士へ相談しましょう

被害者から訴えられた場合、その後の対応によって結果が大きく左右されます。
適切な対応をとらなければ、逮捕や起訴に至る可能性も否定できません。

早期に弁護士へ相談することで、被害者との示談交渉や取り調べの対応を適切に進められる可能性が高まります。

また、弁護士は状況に応じた的確なサポートの提供が可能です。

被害者との示談成立を目指す場合は、処罰感情の緩和を図るためにも刑事事件に精通した弁護士へ相談し、適切な対応を講じることが重要です。

弁護士法人ALGは、刑事事件に精通した弁護士が迅速に対応し、ご依頼者様の不安を軽減しながら早期解決をサポートいたします。

少しでも不安を感じる方は、早めにご相談ください。

逮捕後72時間以内弁護活動が運命を左右します

刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。

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監修 : 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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