痴漢で逮捕される?問われる罪や逮捕後の流れ、弁護士に依頼するメリット
痴漢行為は、現行犯逮捕されるケースが多く、駅構内や電車内で行うと、その後警察に身柄を引き渡されるのが一般的です。
性犯罪は、社会的注目度が高いため、逮捕されれば、社会的影響を大きく受けます。状況次第では、解雇や退学などにもつながるため、適切に対応しなければなりません。
この記事では、痴漢で逮捕された場合の流れやリスク、弁護士へ依頼するメリットなどについて、詳しく解説していきます。
目次
痴漢で逮捕される場合とは?
痴漢行為により逮捕された場合、その多くが現行犯逮捕または後日逮捕によるものです。
特に痴漢事件は、現行犯逮捕が圧倒的に多いのが特徴です。しかし、証拠が揃えば後日逮捕もあり得るため、現行犯逮捕されなかったからといって安心するのは危険です。
痴漢は現行犯逮捕が多い
加害者が痴漢行為を行った際に、被害者や目撃者、駅員、駆けつけた警察官らによって、その場で逮捕される場合があります。
このようなケースが現行犯逮捕です。
現行犯逮捕であれば、逮捕状は必要ありません。
なお、警察官等の司法警察職員でない者が犯人を逮捕する場合のことを「私人逮捕」といいます。
これは、現行犯の場合にのみ認められる逮捕であり、罪が軽い犯罪では認められないケースがある等、一定の制約があります。
痴漢で後日逮捕もあり得る
防犯カメラの映像やDNA鑑定によって犯人が特定され、後日逮捕されるケースもあります。
この場合、警察が被疑者を逮捕するためには、必ず逮捕状が必要です。
軽微な痴漢事件で在宅事件となったものの、明らかな証拠があるにもかかわらず加害者が犯行を否認し、不合理な供述を繰り返しているようなケースでは、逃走のおそれがあるなどの理由で後日逮捕されることがあります。
逮捕されないケース
痴漢事件の加害者であっても、「逃亡や証拠隠滅のおそれがない」と判断されると、逮捕されない可能性が高いです。例えば、接触の度合いが軽微であるなど、あまり悪質でないと考えられ、かつ加害者が犯行を認めているケースが該当します。
被害者や目撃者の証言が曖昧な場合など、冤罪のリスクがあるケースも、逮捕されない可能性が高いでしょう。ただし、逮捕されなくても、在宅事件として捜査が進められる場合もあるため、注意しなければなりません。
痴漢で問われる罪は?
痴漢で問われる罪は、行為の態様や悪質性によって異なりますが、主に次の3つのいずれかに問われるのが基本です。
- 迷惑防止条例違反
- 不同意わいせつ罪
- 不同意性交等罪
迷惑防止条例違反
迷惑防止条例とは、各都道府県が公衆に迷惑をかける行為を防止し、住民の平穏な生活を守るための条例です。条例には、規制対象となる主な行為や科される刑罰の内容が記載されています。
迷惑防止条例の正式名称は、各都道府県によって異なり、東京都だと「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」です。
また、科される刑罰の内容も各都道府県によって若干異なります。痴漢行為の刑罰は、東京都の場合であれば「6ヶ月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」です。
迷惑防止条例違反についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
迷惑防止条例違反になる行為や罰則は?不同意わいせつ罪
不同意わいせつ罪は、2023年7月13日に法改正により新設された性犯罪で、従来の「強制わいせつ罪」と「準強制わいせつ罪」を統合したものです。
不同意わいせつ罪に問われるケースは、迷惑防止条例違反よりも悪質な場合で、認められると「6ヶ月以上10年以下の拘禁刑」に処せられます。
例えば、衣服の上からの悪質な接触や執拗な接触、衣服の中に手を入れて触る行為、衣服を脱がして身体を触る行為などは、不同意わいせつ罪に該当する可能性が高いです。
不同意わいせつ罪について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
不同意わいせつ罪とは不同意性交等罪
不同意性交等罪は、2023年7月13日に法改正により新設された性犯罪で、従来の「強制性交等罪」と「準強制性交等罪」を統合したものです。
不同意性交等罪に問われるケースは、不同意わいせつ罪よりも犯行態様が悪質な場合で、認められると「5年以上の有期拘禁刑」に処せられます。
例えば、暴行や脅迫を用いて、無理やり性交等(性交や肛門性交、口腔性交など)をする行為は、不同意性交等罪に問われる可能性が高いです。
不同意性交等罪について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
不同意性交等罪とは痴漢で逮捕された後の流れ
痴漢で逮捕されると、主に以下のような流れで手続きが進んでいきます。
- ①警察での取り調べ
逮捕後は、警察で取り調べを受けて、その後48時間以内に事件の資料と身柄が検察に引き継がれます(送致)。 - ②検察へ送致・取り調べ
送致後は、検察で取り調べを受けて、その後24時間以内に検察官によって勾留請求を行うかどうかの判断が下されます。 - ③勾留
検察官が引き続き身柄を拘束する必要があると判断した場合は、裁判官に対して勾留請求がなされます。裁判官が勾留請求を認めた場合、まずは10日間の勾留が実施され、必要に応じて延長されます(勾留は10日間延長できるため、最大で20日間行えます)。 - ④起訴・不起訴の判断
検察官は、勾留が終了するまでに起訴・不起訴の判断を下します。 - ⑤刑事裁判
検察官が起訴した場合は刑事裁判が開かれ、裁判官によって有罪・無罪の判決が下されます。
逮捕された時の流れをさらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
逮捕された後の流れは?痴漢で逮捕されるリスク・生活への影響は?
痴漢で逮捕されると、法律上の処罰を受けるだけでなく、生活にも悪影響が及ぶ可能性があります。
例えば、逮捕によって身柄拘束が長期に渡れば、職場や学校に逮捕されたことを隠し通せなくなる可能性が高まります。職場や家族に逮捕を知られてしまうと、懲戒解雇や離婚されるおそれもあるでしょう。
また、起訴後に有罪判決が下された場合、経歴に前科がつきます。前科がつくと、就職活動や資格取得の場面で制限を受けるなど、今後の生活に大きな影響が出ることがあります。
前科をつけたくない場合の対処法について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
前科がつくとどうなる?痴漢で逮捕された場合の注意点
実際に痴漢行為を行った場合は否認せず認める
魔が差して痴漢行為を行ってしまった場合、逮捕されると否認したくなるかもしれません。
しかし、実際に痴漢行為を行ったのであれば、微細物鑑定やDNA鑑定、防犯カメラの映像、あるいは被害者本人や目撃者の証言等、様々な証拠によって犯行が立証されることになるため、否認を続けると長期間勾留されてしまうおそれがあります。
痴漢行為が事実であれば、素直に認めることで早期釈放につながります。
冤罪であればしっかり否認する
痴漢行為をしていない場合は、「していない」と否認を貫き通すことが大切です。
自白は強力な証拠となるおそれがあるため、安易に自白をしてしまうと、起訴・有罪率が高まる要因になりかねません。否認すれば、警察や検察は、防犯カメラの映像や目撃証言などの客観的な証拠を確認する必要が出てきます。
冤罪を立証するには、早期段階で弁護士に弁護を依頼し、無罪の証明に向けて動いてもらわなければなりません。逮捕後は、想像以上に早いスピードで手続きが進んでしまうため、なるべく早めに弁護士に相談しましょう。
逮捕後72時間以内の弁護活動が運命を左右します
刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。
痴漢で逮捕された場合に弁護士へ依頼するメリット
勾留阻止・早期釈放の可能性が高まる
弁護士であれば、逮捕直後から接見(面会)できるため、早期に弁護活動が行え、勾留阻止・早期釈放の可能性が高まります。逮捕され、勾留による身柄拘束が長引けば、仕事や学校を長期間欠勤・欠席せざるを得なくなり、解雇や退学のリスクが生じます。
弁護士は、被疑者にとって有利となる事情を主張・立証し、「勾留請求をせずに釈放するように」と意見書を提出するなどして検察官に働きかけることができます。
接見について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
接見とは?ご家族の方の不安を弁護士が取り除きます示談交渉で不起訴を目指す
被害者との示談が成立すると、有利な事情として検察官や裁判所に考慮され、早期釈放や不起訴の可能性が高まるため、刑事事件では優先すべき弁護活動です。特に痴漢事件は被害者がいる刑事事件ですので、示談は最重要事項といえます。
しかし、性犯罪の被害者は、加害者との接触を拒む傾向にあり、名前や連絡先を捜査機関に聞いても、教えてもらえないことがほとんどです。被害者本人が個人情報の開示を捜査機関に許さない限り、聞き出すのは困難となるため、弁護士に依頼して示談交渉を進めてもらう必要があります。
弁護士が第三者として適正な条件で手続きを進めることで、被害者も安心して示談交渉に応じやすい環境が整うでしょう。
不起訴獲得や前科回避を目指したい方は、以下のページも併せてご覧ください。
不起訴処分とは?無罪との違いや不起訴獲得のポイント起訴された場合も減刑に向けて対応できる
弁護士に依頼すれば、起訴後でも減軽に向けた対応(示談交渉の継続や情状弁護に向けた活動)が可能です。特に示談成立の有無は、量刑を判断する際に重視され、成立すると有利な事情として考慮される可能性が高いです。
被害者と示談できない場合には、謝罪文の作成や更生プログラムの利用などで、反省の姿勢を示す必要があるでしょう。弁護士であれば、裁判で「反省の姿勢」や「再犯防止策」を適切に主張・立証できるため、減軽を目指せます。
痴漢に関する裁判例
当該事例は、被告人が夜間の路上で、当時20歳の被害者の両胸を着衣の上から鷲掴みにした事例です。
接触は着衣の上からですが、強制わいせつ罪が成立しています。
また、被告人はこの種の事案を繰り返していたと供述しており、常習性もうかがわれると認定されています。
被告人は事件当時、警察官であったこと、ジョギングを装う等の計画性があったこと、被害者の処罰感情が強いこと等から刑事責任は重いとされましたが、懲戒免職されていることや前科前歴が無いこと、父親が今後の監督を誓っていること等は被告人の量刑について有利に考慮されています。
また、示談は成立していないものの、被害弁償金として70万円が交付され、被害者がこれを受け取っていることも考慮されたため、執行猶予がつけられました。
当該事例は、被告人が駅の通路上で、当時49歳の被害者の臀部(お尻)を着衣の上から触った事例です。
このケースでは、東京都の迷惑防止条例違反が成立しています。
なお、被告は否認しましたが、裁判では有罪であると認定されています。
被告人は、過去に同種事案で罰金刑を2回も受けており(それぞれ罰金5万円、罰金30万円)、信用性の高い目撃証言があるのに不合理な弁解に終始したことから、厳しい非難は免れないとして懲役刑とされましたが、先述の罰金刑以外の前科が無いこと等が考慮され、執行猶予がつけられました。
痴漢で逮捕されてしまったら刑事事件に強い弁護士へすぐご連絡ください
痴漢行為は、態様によって適用される罪名や刑罰が変わります。衣服の上から触る程度であれば、比較的軽微な態様として迷惑防止条例違反が適用される可能性が高いです。
しかし、下着の中に手を入れる、暴行や脅迫を用いて無理やり性交等をするなどの場合は、悪質な態様として不同意わいせつ罪や不同意性交等罪が適用されるでしょう。
弁護士は、態様内容や状況に応じて速やかに弁護方針を構築し、適切な弁護活動を進められます。痴漢行為により逮捕され、勾留が長期間に及ぶと、社会的影響を大きく受けるおそれがあります。
弁護士法人ALGには、刑事事件の知識や豊富な経験を持つ弁護士が複数名在籍しており、充実した法的サポートの提供が可能です。
痴漢で逮捕されお困りの方は、お気軽にご相談ください。
