在宅起訴とは?在宅起訴になる条件や在宅起訴の流れについて

在宅起訴とは?在宅起訴になる条件や在宅起訴の流れについて

監修
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

何かしらの犯罪を犯してしまい、起訴が免れない場合でも、身柄拘束を伴わない在宅起訴であれば、普段どおりの生活を送ることができます。

以下では、在宅起訴になりやすい場合や在宅起訴の流れについて解説していきます。

在宅起訴とは

在宅起訴は、逮捕、勾留といった身柄拘束をされていない状態で、起訴されることをいいます。

身柄拘束されると、外の世界と隔離され警察署の留置場内での生活を余儀なくされます。

自由を奪われることは、肉体的、精神的苦痛が大きいと思われますが、在宅起訴の場合は、そのようなことはありません。

また、逮捕勾留されていると、当然、仕事に行くことはできませんし、風呂に毎日入るといった当たり前の日常の生活もできません。

在宅起訴の場合、取調べ等、捜査に協力する時間が一定程度必要になるであろうこと以外、自由であり普段通りに生活できます。

逮捕された時の流れ 起訴とは?

在宅事件のデメリット

逮捕、勾留には時間制限があるので、捜査機関は、制限時間内に起訴するか否かを決定することになるでしょう。

在宅事件の場合、身柄事件の時のような時間制限があるわけではないので、起訴、不起訴が決まるまで数か月以上もかかることがあります。

ただ、そのようなデメリットがあったとしても、身柄拘束され自由を奪われる不利益の方が、比較にならないくらい大きいと思います。

在宅事件になる条件

軽微な事件

在宅事件として扱われるか、身柄拘束されるかについて、明確な基準はありません。

捜査を進める上で、被疑者の身柄拘束が必要と捜査機関が考えるか否かという点に尽きるのですが、殺人や放火のような重大事件であれば、捜査機関は被疑者の身柄拘束が必要と考えると思われますので、在宅起訴となるのは、比較的軽微な事件であることが必要であると思われます。

逃亡・証拠隠滅のおそれがない

在宅事件として扱われるのは、被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれが低い場合であることが多いと思われます。

被疑者に身元引受人がいたり、被疑者が容疑を認めていたりすることは、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断される要素となりえます。

身体拘束による影響が大きい

例えば、覚醒剤の所持や使用といった事件の場合、通常は、逮捕勾留され、身柄事件となることが多いでしょう。

通常は身柄事件として取り扱われる事件であっても、被疑者の足が不自由で常時車椅子が必要であるなど、被疑者が留置に耐えられないと判断される事情があれば、在宅事件になる可能性があります。

在宅起訴されるまでの流れ

例えば、飲酒の上で人身事故をおこしてしまったが、逮捕まではされず、その日は帰宅できた場合、後日、警察署に呼び出され取調べを受けることになるでしょう。

そして、警察による必要な捜査が終わった後、検察庁にて取調べを受け、在宅起訴されることになるでしょう。

書類送検

身柄拘束されていない被疑者の事件について、警察での捜査を終えた場合、事件記録、証拠書類等の捜査資料を検察官に送ります。

警察が捜査の結果収集した書類を検察官を送ることになるので、書類送検と呼ばれているのでしょう。

逮捕後72時間以内弁護活動が運命を左右します

刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。

在宅起訴された後の流れ

検察庁が懲役刑、禁固刑を求める場合は、正式起訴になり、法廷での裁判が開かれます。

それに対し、検察庁が罰金刑が相当と判断した場合、略式起訴となり、法廷での裁判は開かれず、書面審理で罰金刑が課されることになります。

正式起訴の場合

正式起訴された場合、裁判所から起訴状が自宅に郵送されてきます。

その後、裁判の日時が決まれば、裁判の日時、場所等が記載されている召喚状が裁判所から自宅に届きます。

裁判の日時までに弁護人と打ち合わせをして裁判所に臨みます。

裁判の結果、有罪となれば、懲役刑や禁固刑といった刑罰が科されることになります。

略式起訴の場合

略式起訴は、検察官が起訴した後、裁判官は書面審理のみで被告人に対して罰金を課す手続きです。

書面審理のみということは、公開の法廷で本人の言い分を聞かずに、刑罰を課すものであり、公開裁判を受ける権利を放棄するという面があります。

ですので、略式起訴をするには、被疑者本人の書面による同意が必要です。

そして、裁判所が課した罰金額については、被告人に対して送達される略式命令謄本に記載があります。

在宅起訴でも前科はつくのか

在宅起訴でも、起訴され刑事裁判を受けることになれば、身柄事件において起訴され刑事裁判を受けるのと身柄拘束の有無以外は変わりませんので、有罪になれば、当然に前科となります。

略式裁判では、罰金が課されることになりますが、罰金も刑罰の一種なので、前科となります。

  前科がつくとどうなる?

在宅事件の弁護活動について

警察は、取調べにおいて、被疑者の話に聞く耳をもたず、被害者の話すストーリーを押し付け、調書を作成しようとする場合があります。

捜査段階において、被疑者に不利な調書が作成されるのは、後々の裁判にも影響を与えかねません。

そのような事態を避けるため、取調べの際に弁護士を同行させることが有用です。

在宅事件であれば、取調べはあくまで任意なので、被疑者は、取調べの途中でも、何か疑問があれば、取調べの中断を求めて、取調べ室の近くで待機している弁護士のアドバイスを受けることができます。

弁護士に依頼するタイミング

刑事事件をおこしてしまった場合、弁護士に依頼するのは、早ければ早いほど良いです。

なぜなら、依頼するのが早ければ早いほど、有効なアドバイスが可能となること、できることが多いからです。

例えば、警察での取調べを受ける前に相談していれば、取調べの際のアドバイスを受けることができたり、弁護士を取調べに同行できたりして、自分の意に反した調書が作成されるのを防ぐことができるでしょう。

在宅起訴される前に、早期に弁護士へ相談を

刑事事件の被疑者となった場合、自己の言い分を警察や検察官といった捜査の専門家に正確に主張したり、調書にサインすべきかどうかの判断等、弁護士の助力を受けなければ、適切に対応することは難しいでしょう。

また、被害者が存在する場合、被害者と示談することが不起訴処分を得るために非常に重要ですが、被害者と示談したいと思っても、弁護士がいなければ、被害者の連絡先すら教えてもらえないことが多いでしょう。

刑事事件の被疑者となった場合、できる限り早く、弁護士に相談してください。

逮捕後72時間以内弁護活動が運命を左右します

刑事弁護に強い弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。

監修

監修 : 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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