財産目録とは?目的や作り方・注意点を解説【テンプレート付】
この記事でわかること
財産目録は、遺言書の作成や相続人同士の話し合い、相続税の申告に役立つ重要な書類です。
財産の内容を整理して目録にまとめておけば、相続人の負担を減らせるだけでなく、財産の見落としによる問題も防止できます。
この記事では、相続の場面で役立つ財産目録について、作成する目的やメリットを紹介します。作成方法やテンプレートも紹介しますので、ぜひお役立てください。
財産目録とは?
財産目録とは、保有するすべての財産を一覧表にした書類です。
現金や不動産などのプラスの財産(積極財産)と、借金やローンなどのマイナスの財産(消極財産)が対象です。
目録には、ある特定の時点で、どのような財産がどれだけあるのかを種類ごとに整理して記載します。
財産目録の作成は義務ではなく、目録そのものに法的な効力はありません。
しかし、「遺産分割調停」や限定承認といった裁判所の手続きにおいて、財産目録の提出が必要となる場合があります。また、あらかじめ財産を整理しておけば、相続手続きを円滑に進めることにも役立つでしょう。
相続税にも強い弁護士が豊富な経験と実績であなたをフルサポートいたします
相続に関するご相談
24時間予約受付・年中無休・通話無料
0120-523-019来所・オンライン法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
来所・オンライン法律相談30分無料
24時間予約受付・年中無休・通話無料
※注意事項はこちらをご確認ください
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
財産目録を作成する目的やメリット
財産目録は、所有する財産を整理し、全体像を把握する目的で作成されます。
また、遺言書の作成や相続手続きでも役立つため、「財産を残す方」(被相続人になる方)と「相続で財産を受け取る方」(相続人になる方)の双方にメリットがあります。
以下、財産目録を作成するメリットについて詳しくみていきましょう。
遺言書の作成が簡便になる
財産目録を作成しておくと、自分の財産をひと目で把握でき、遺言書に何を書くべきか整理しやすくなります。
財産目録があれば漏れや重複を防げるので、「どの財産を誰に託すのが適切か」を判断するのに役立ちます。
遺言書の書き方について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
遺産分割協議がスムーズになる
財産目録があると、遺産分割協議がスムーズに進む可能性があります。
目録によって財産の全体像が明確になれば、相続人同士の認識のずれや思い違いを防ぎやすくなるためです。「知らない財産があった」「評価額の認識が違っていた」などのトラブルも未然に防げるでしょう。
また、目録があれば一から財産調査をする必要がないため、相続人の負担軽減にも役立ちます。
遺産分割協議について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
相続放棄を検討できる
財産目録にはマイナスの財産も記載されるため、相続放棄を検討しやすくなります。
相続放棄をする場合、「自分のために相続が開始されたことを知った時から3ヶ月以内」(いわゆる「熟慮期間」)に裁判所で手続きを行わなければなりません。
財産目録で「マイナスの財産がどれくらいあるのか」を確認できれば、相続放棄すべきか迷っている方も判断しやすくなるでしょう。
相続放棄について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
相続税の申告に役立つ
財産目録があれば、相続税の申告漏れや過少申告による不利益を防ぐのに役立ちます。
遺産総額が、相続税の「基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)」を超える場合、基本的に相続税の申告・納税が必要です。
ただし、相続税の申告には、原則「被相続人の死亡の日の翌日から10ヶ月以内」という期限があります。期限内に必要な手続きを行うためにも、財産目録は重要な役割を持ちます。
相続税の基礎控除については、以下の記事をご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
財産目録の作り方と流れ
財産目録は、財産を調査・確定し、全財産を把握したうえで作成します。
具体的な作成手順は、以下のとおりです。
- 相続財産を調査する
- 必要書類を集める
- 財産目録を作成する
①相続財産を調査する
財産目録を作成する際は、まず相続財産の調査を行います。
プラスの財産とマイナスの財産をすべて洗い出し、整理しましょう。
※プラスの財産:預貯金や不動産など「価値のある財産」のこと
※マイナスの財産:借金や未払金など「支払義務があるもの」のこと
| 主なプラスの財産(積極財産) | 主なマイナスの財産(消極財産) |
|---|---|
|
・現金、預貯金 ・不動産 ・有価証券、保険 ・自動車 ・貴金属、宝石、美術品 |
・借入金 ・保証債務 ・住宅ローン、自動車ローン ・未払いの医療費 ・滞納した税金 |
相続財産の調査について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
②必要書類を集める
整理した相続財産の具体的な情報を把握するため、必要書類を集めます。
以下のような書類から、どの財産がどこに、どれくらいあるのかを把握しましょう。一覧表を作成して進めるとスムーズです。
| 財産の種類 | 必要な書類 |
|---|---|
| 預貯金 | 通帳 |
| 不動産 | 登記事項証明書(登記簿謄本) 固定資産税納税通知書 |
| 有価証券、保険 | 残高報告書、保険証券 |
| 自動車 | 自動車税納税証明書など |
| 貴金属、宝石、美術品 | 鑑定書など |
| 各種ローン、クレジットカード | 残高証明書、クレジットカード明細書 |
③財産目録を作成する
集めた書類をもとに、財産目録を作成します。
財産の種類ごとに内訳や評価額を記載するほか、「どの時点のものか」を明確にするため、忘れずに評価日や作成日も記載することが重要です。
不動産や自動車など、評価額が変動する財産については、「評価日=作成日」で統一すると混乱を防げるでしょう。
財産目録の書き方・記入例
財産目録は、財産を一目で特定できるよう分かりやすく作成します。
「預貯金」「不動産」「有価証券」「自動車」「負債」といった種類ごとに、保管場所や金額などを詳しく記載しましょう。
預貯金
財産目録に預貯金を記載する際は、以下の情報を盛り込むことが重要です。
- 金融機関名
- 支店名
- 口座種別
- 口座番号
- 被相続人の死亡時の残高(被相続人が生前に作成する場合は作成時点のもの)
- 現在の残高
同じ金融機関に複数の口座がある場合は、すべての口座情報を記載します。
情報を漏れなく把握するため、預金通帳だけでなく、パソコンやスマートフォンでも契約状況・取引履歴などを確認しておくとよいでしょう。
不動産
不動産については、土地と建物を区別して記載する必要があります。なお、一戸建て住宅の場合も同様です。
| 記載事項 | |
|---|---|
| 土地 |
|
| 建物 |
|
必要な情報は、各不動産の「登記情報」を取得すれば確認できるため、その内容を転記しましょう。
有価証券
有価証券とは、主に投資信託や株式などを指します。
例えば「株式」の場合、財産目録には以下のような事項を記載するのが一般的です。
- 銘柄
- 所有している株式数
- 証券会社と口座番号
- 一株当たりの単価
- 評価額
上場株式の評価額は、死亡日の最終価格のほか、死亡した月、その前月や前々月の終値平均額も指標とし、このうち最も低い価格を適用するのが基本です。
自動車
被相続人が所有する自動車を相続する場合、財産目録には以下のような情報を記載します。
- 車名
- 年式
- 車両番号
- 車台番号
- 用途
- 自家用車なのか事業用車なのか
これらの情報は、主に車検証などで確認できます。
評価額については、走行距離なども踏まえて業者に査定してもらうと安心です。
なお、宝石や絵画など、自動車以外の動産についても詳細な記載が必要ですが、具体的な記載事項は財産によって様々です。そのため、財産の種類や写真などをもとに、専門家に相談するのがよいでしょう。
借金やローン等の負債
負債については、以下のような情報が必要です。
- 種別(住宅ローンや借入金など)
- 債権者の氏名や企業名
- 借入日
- 相続開始時の負債残高
毎月の返済額や完済予定日なども記載しておくと、相続人が相続放棄するべきかどうかの判断にも役立ちます。
ただし、負債については、被相続人が主たる債務者でないもの(連帯保証人となっているものなど)もあります。その場合、契約書などが残ってないこともあるため、慎重な調査が必要です。
負債内容を明らかにすることは、遺産分割の判断をするうえで必要不可欠といえるでしょう。
相続放棄すると借金がどうなるのか気になる方は、以下の記事をご覧ください。
合わせて読みたい関連記事
財産目録のテンプレート・書式
財産目録に、決まった形式はありません。手書きだけでなく、パソコンで作成しても問題ありません。
裁判所のホームページには「遺産分割調停用の雛形」が掲載されているので、参考にするのもよいでしょう。また、相続税申告用の書式を参照するのも有効です。

財産目録の作成に関する注意点
財産目録を作成する際は、以下の点に注意しましょう。
- 財産が特定できるように記載する
- すべての財産を漏れなく記載する
- 定期的に見直しをする
- 不動産の評価額に気を付ける
財産が特定できるように記載する
同じ種類の財産が複数ある場合などは、細かく情報を記載し、それぞれの財産を特定できるようにしておくことが大切です。
預貯金であれば、「金融機関名・支店名・口座種別・口座番号」などを記載します。
不動産は、土地と建物に分けて、「所在・地番・地目」や「家屋番号・種類」などを具体的に記載します。
すべての財産を漏れなく記載する
財産目録には、すべての財産を漏れなく記載することがポイントです。
記載漏れがあると、相続人が改めて財産調査を行わなければならず、余計な手間や負担をかけてしまいます。
また、遺産分割協議後に新たな財産が判明した場合、協議のやり直しが必要となるおそれもあるでしょう。特に、一部の相続人が自身の取り分に不満を持っている場合、記載が漏れていた財産の取得を強く主張してくる可能性があります。
記載漏れがあった場合に備え、遺言書では「記載のない財産が判明した場合、〇〇が受け取ることとする」などと受取人を指定しておくとよいでしょう。
定期的に見直しをする
財産の所有者本人が財産目録を作成する場合は、定期的に見直すことも重要です。
定期預金を解約したり、不動産や自動車を売却したりして、内容に変動が生じる場合があるためです。
状況に応じて財産目録を見直さないと、相続が発生したときに問題が生じかねません。
財産目録をもとに必要書類を取得して、定期的に内容の精査・更新を行いましょう。
不動産の評価額に気を付ける
相続財産の中でも、不動産の評価額には特に注意する必要があります。固定資産税や相続税の申告に用いる金額と、実際の取引価格には違いがあるためです。
不動産の評価額を記載する場合は、評価方法についても明確に記載しましょう。
また、相続人は、被相続人が亡くなったときの不動産の市場価格についても確認しましょう。
相続税にも強い弁護士が豊富な経験と実績であなたをフルサポートいたします
相続に関するご相談
24時間予約受付・年中無休・通話無料
0120-523-019来所・オンライン法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
来所・オンライン法律相談30分無料
24時間予約受付・年中無休・通話無料
※注意事項はこちらをご確認ください
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
財産目録は自分で作成できる?
財産目録は、自分で作成することも可能です。
決まった書式はないので、パソコンや手書きで作成できます。
ただし、すべての財産を漏れなく記載し、それぞれを特定できる内容で作成しなければなりません。
財産目録に間違いがあると、相続手続きが無効になったり、やり直しが必要になったりするおそれがあります。
財産が多い場合などは調査に時間や手間がかかるため、自分で作成するよりも弁護士などの専門家に依頼する方が安心です。
財産目録の作成を弁護士に依頼するメリット
財産目録の作成を弁護士に依頼すると、次のようなメリットがあります。
- 相続財産の種類が多い・特定が難しい場合も調査を任せられる
- 見落としや記載漏れを防ぎ、財産を正確に把握できる
- 法的に適切な形で財産目録を作成できる
- 弁護士が作成した財産目録は信用性が高く、相続人同士のトラブルも防げる
- 遺言書の作成もサポートしてもらえる
- 弁護士が遺言執行者になれる
- 相続放棄や遺産分割協議などの手続きもサポートしてもらえる
相続財産の調査や財産目録の作成に不安がある方は、早めの段階で弁護士に相談・依頼すると安心です。
財産目録に関するよくある質問
財産目録は誰が作るのですか?
通常、財産目録は相続人が作成します。遺言書で「遺言執行者」が指定されている場合は、遺言執行者が作成するのが一般的です。
一方、財産を残す本人(被相続人)が遺言書やエンディングノートを作成する際に、あらかじめ財産目録を作成しておくことも可能です。
以下、財産目録が必要な場面ごとに「誰が作成者になるのか」をまとめました。
| 財産目録が必要な時 | 作成者 |
|---|---|
| 遺言書作成時 | 被相続人 |
| 限定承認・相続放棄の選択時 | 相続人 |
| 遺産分割調停の申立て時 | 相続人 |
| 相続税申告時 | 相続人 |
| 遺言執行手続き時 | 遺言執行者 |
財産目録がない遺言書は無効ですか?
財産目録がなくても、遺言書は無効になりません。
遺言書への財産目録の添付は、法律上の義務ではないためです。
ただし、財産目録がない場合、相続人が相続財産を把握しにくく、遺言書に記載されていない財産がないかどうか調査する必要があります。
「隠し財産があるのでは」と、相続人間で揉め事に発展する可能性もあります。
相続手続きを円滑に進め、トラブルを防ぐためにも、遺言書と一緒に財産目録を作成しておきましょう。
財産目録の作成のサポートは弁護士にお任せください
財産目録の作成については、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士であれば、正確な財産目録を作成できるだけでなく、すべての財産を適切に継承させるための方法なども相談できます。
財産目録を作成することは、相続財産の分配について判断するための第一歩となります。適切な内容で作成するためにも、正確な情報や適正な評価の記載が必要です。
しかし、財産の内容は一律ではないので、どのような情報が必要なのか、どう評価するのが適正なのかを判断するのは容易ではありません。
被相続人が作成する場合も、相続人が作成する場合も、疑問や不明点が多く発生するでしょう。
相続手続きを円滑に進めるためにも、財産目録の作成については弁護士へご相談ください。
相続税にも強い弁護士が豊富な経験と実績であなたをフルサポートいたします
相続に関するご相談
24時間予約受付・年中無休・通話無料
0120-523-019来所・オンライン法律相談30分無料
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。
※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
来所・オンライン法律相談30分無料
24時間予約受付・年中無休・通話無料
※注意事項はこちらをご確認ください
※事案により無料法律相談に対応できない場合がございます。※法律相談は、受付予約後となりますので、直接弁護士にはお繋ぎできません。※国際案件の相談に関しましては別途こちらをご覧ください。
保有資格 弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)









