盗撮・のぞきで逮捕されると前科はつく?対処法を弁護士が解説

盗撮・のぞきで逮捕されると前科はつく?対処法を弁護士が解説

監修
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

盗撮・のぞき行為の疑いで逮捕され、刑事裁判へと発展し、有罪判決が下されれば、前科がつきます。

前科がついてしまうと、社会生活上でさまざまな不利益を受けるため、逮捕後は前科の回避に向けた対処が必要です。

そこで本記事では、盗撮・のぞき事件で前科を回避する方法について着目し、盗撮・のぞきで前科がつくデメリットや前科をつけないための対処法などについて、詳しく解説していきます。

盗撮・のぞきで逮捕されると前科がつく?

「盗撮・のぞきを行えば、かならず前科がつく」というわけではありません。
前科がつくかどうかは、起訴されて有罪判決が確定するかどうかで決まります。

ただし、逮捕されると、起訴されない=不起訴処分を獲得しても、前歴は残ってしまいます。

前歴とは、警察や検察などの捜査機関から刑事事件の捜査対象となった経歴のことです。前歴は有罪判決を受けていませんが、前科は有罪判決を受けた事実を示します。

そのため、盗撮・のぞきで逮捕されても、不起訴処分を獲得できれば、前歴は残りますが前科はつきません。

盗撮・のぞきで起訴されやすいケース

有利な情状として捉えられる初犯であっても、盗撮・のぞき行為に悪質性が認められると、起訴されやすくなります。

たとえば、以下のような犯行態様などが挙げられます。

<悪質な犯行の具体例>

  • 盗撮した画像や動画をネット上に公開しているケース
  • 盗撮した画像や動画を他者に販売しているケース
  • 盗撮やのぞきを継続的に繰り返しているケース
  • 不特定多数に対して盗撮・のぞきを大量に行っているケース
  • スマートフォンではなく、ペン型カメラ等(盗撮専用機器)を使用しているケース など

悪質性が認められるだけでなく、このような常習的や余罪の疑いがある事件の場合も、起訴されて前科がつく可能性が高いです。

盗撮は、住居・建造物侵入罪や児童ポルノ禁止法違反などの余罪が成立するおそれが高い犯罪ともいえます。

盗撮・のぞきで前科がつかない、不起訴処分になるケース

一方で、盗撮・のぞきで前科がつかない=不起訴処分となるケースもあります。
不起訴処分を獲得できれば、前科がつかないため、社会生活上で不利益を受けるおそれはありません。

では、どのようなケースが不起訴処分と判断されやすいのか、次項で詳しく解説していきます。

早い段階で示談が成立している

盗撮・のぞき事件の被害者と早期に示談成立している場合は、不起訴処分と判断されやすいです。

既に被害者と示談済で、犯行態様に悪質性や常習性なども認められない場合には、「微罪処分」となるケースも少なくありません。

微罪処分とは、比較的軽微な犯罪に限り警察だけで事件を終わらせることです。微罪処分となった場合には、警察の取り調べを受けた後に身柄を釈放されます。

基本的には、検察に送致される前に釈放されるため、当然前科もつきません。

微罪処分の可能性が高まるなど、被害者が存在する犯罪において被害者との示談成立は、もっとも有利な情状として捉えられます。

証拠が揃っていない

捜査機関が集めた証拠が不十分である場合も、不起訴処分と判断されやすいです。

被疑者が犯人だと示す証拠が乏しく、人違いである可能性が認められる場合に、起訴と判断されることは通常ありません。冤罪や不当な逮捕を避けるためにも、この点は厳しく判断する必要があります。

盗撮した画像や動画は、盗撮・のぞき行為の決定的な証拠となるでしょう。これらが、被疑者が所持するスマートフォンやパソコンに記録されている場合は、被疑者が犯人だと裏付ける有効な証拠となります。

なお、証拠を隠すために記録した写真や動画を消去しても、警察によってデータを復元される可能性が高いです。

盗撮・のぞきは何罪にあたる?

盗撮・のぞき行為は、基本的に以下の罪名で処罰されます。

  • 各都道府県の迷惑防止条例違反
    (東京都の場合)「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」
  • 軽犯罪法違反
    「1日以上30日未満の身柄拘束」または「1000円以上1万円未満の罰金」
  • 撮影罪
    「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」

令和5年7月の法改正までは、迷惑防止条例違反もしくは軽犯罪法違反で処罰されていましたが、法改正後は撮影罪が適用されることになります。

ただし、犯行態様によっては、従前適用していた迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反で処罰されるケースもあります。

また、盗撮・のぞきを目的に他人の住居や看守する建造物に侵入した場合には、住居・建造物侵入罪に問われる可能性があります。

その他にも、撮影した被写体が未成年者であった場合は、児童ポルノ禁止法違反に抵触する可能性もあります。このように、盗撮は余罪が成立しやすく、刑罰が重くなる可能性のある犯罪といえます。

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盗撮・のぞきで前科がつくデメリット

盗撮・のぞきで前科がつくデメリットには、主に以下のようなことが挙げられます。

  • 欠格事由として就職ができない
  • 解雇・懲戒処分の可能性がある
  • 家族との関係に影響がある

前科は、社会生活上だけでなく、家族とのつながりにまで悪影響を及ぼす可能性があります。
では、次項にて各デメリットについて、さらに詳しく解説していきます。

欠格事由として就職ができない

盗撮・のぞき行為で前科がついたことが欠格事由となり、一定の職業においては就職できなくなる可能性があります。

たとえば、医師や教員、税理士などは前科が欠格事由に定められているため、資格(免許)を取得できません。

資格が必要な職業に就きたいときには、前科が欠格事由に定められているかどうかを事前に確認する必要があります。

また、前科がつくことで、現在の職を失う場合もあります。たとえば、国や社会のために働く職業である国家公務員や地方公務員は、禁錮刑以上の前科がつくと欠格事由として公務員の資格を失います。

解雇・懲戒処分の可能性がある

前科を理由に、会社から解雇・懲戒処分される可能性があります。

労働契約法では、懲戒解雇が有効となる条件が定められており、この条件を満たしている場合には、会社から懲戒解雇される可能性が高いです。

特に会社内で盗撮して前科がついた場合は、企業の秩序を乱す行為として合理性と相当性が認められるため、懲戒解雇が有効となりやすいです。

場合によっては、減給処分や出勤停止といった解雇以外の懲戒処分を受けることもあります。

また、会社から解雇・懲戒処分されなくても、会社内で盗撮した事実が他の社員に知られ、噂などが広がり退職せざるを得ない状況に陥ることもあります。

家族との関係に影響がある

盗撮・のぞき行為は性犯罪であるため、家族との関係に悪影響を及ぼす可能性があります。

前科を理由に、配偶者から離婚話や別居話を切り出されることも少なくありません。前科の対象となった犯行態様が悪質である場合や性犯罪の場合は、特に離婚を切り出される可能性が高いです。

配偶者の前科が、直ちに離婚できる事由に該当するわけではありませんが、犯罪行為の性質や刑事処分の内容次第では、離婚事由として認められます。

また、配偶者の前科が理由で離婚した場合には、離婚の原因を作ったとして離婚に対する慰謝料を請求される可能性もあります。

盗撮・のぞきで前科をつけないための対処法

前科を回避するためには、早期釈放や不起訴処分の獲得に向けた防御活動をできるだけ早く進めることが大切です。

刑事事件の手続きは、非常に早いスピードで進んでいくため、防御活動を行える時間は僅かしかありません。

逮捕されてから起訴・不起訴の判断が下されるまでの最大23日間を有効かつ効率的に使用できるかどうかが今後を大きく左右します。

次項では、前科をつけないための対処法を解説していきます。

被害者と示談する

被害者との示談は、前科をつけないための対処法としてもっとも有効的です。
示談は、事件の当事者同士が和解したことを意味しますので、早期釈放や不起訴処分となる可能性が高いです。

この場合は、前歴はつくものの前科はつかないため、社会生活や家族の関係に影響が及ぶことは少ないでしょう。

高確率で有罪判決が下される刑事裁判へと発展させないためには、被害者との示談成立が重要です。被害者との示談を試みる際は、まず真摯に謝罪し、その後示談金について話し合っていくことになります。

盗撮・のぞきの犯行態様にもよりますが、示談金の相場は約10万~50万円程度といわれています。

早急に弁護士に相談する

被害者との示談成立が前科を回避するのに有効的とはいえ、被害者との示談交渉は決して容易ではありません。被害者の大半が加害者側との接触を拒み、示談交渉に応じない傾向にあります。

被害者が少しでも安心して接触できるためにも、法律のプロである弁護士へ早急に相談する必要があります。

「加害者を罰してほしい」という処罰感情を強く抱き、怒りや悲しみが消えない被害者の心情に配慮した示談交渉は、示談成立の可能性を高めます。そのため、刑事事件に精通した弁護士に相談するようにしましょう。

そうすれば、事件に対して的確なアドバイスとサポートを受けられ、早期解決が期待できます。捜査機関からの取り調べや、仕事・家族への対応なども行ってもらえるため、不利益の軽減に大きくつながります。

盗撮・のぞきの前科に関するよくある質問

盗撮・のぞきの冤罪で捕まると前科がつきますか?

身に覚えのない盗撮・のぞき行為の疑いで逮捕されても、有罪判決を受けなければ前科はつきません。

前科は、「過去に有罪判決を受けて処罰されたことがある経歴」を意味します。そのため、起訴されて刑事裁判で有罪判決が確定すると、その時点で前科がつきます。

冤罪による前科を回避するためには、無罪を証明する他ありません。身の潔白を証明するためには、むやみな謝罪や誤った内容の供述調書にサインするなどの行動は控える必要があります。

場合によっては黙秘権の行使が必要となるため、適切な対応を行うためにも、弁護士への相談は必要不可欠です。

盗撮・のぞきで前科がつかないよう被害者と示談したいです。どのように被害者と連絡を取れば良いですか?

まずは、事件を担当している捜査機関に連絡し、被害者と示談したい旨を伝えて連絡先を教えてもらいます。

このとき、捜査機関は被害者に連絡し、事情説明のうえ加害者に連絡先を提示してよいかどうかの確認を行います。ここで被害者が連絡先の提示を拒否した場合には、被害者の連絡先を知れません。

このような場合には、弁護士に相談して弁護士から再び捜査機関に被害者の連絡先の提示を求める必要があります。

弁護士が介入することで、被害者は直接加害者側と接しなくて済むため、連絡先の提示に応じてくれやすくなります。連絡先を手にした後は、被害者の心情に配慮しながら示談交渉を進めていきます。

盗撮・のぞき事件で前科を回避するためにもなるべく早く弁護士にご相談ください

盗撮・のぞき行為の事実があっても、適切な防御活動が行えれば、前科を回避できます。

特に、事件の被害者と示談し、処罰感情の否定ができれば、前科を回避できる可能性がより高まります。

また、適切かつ効率的に防御活動を行うには、刑事事件に精通した弁護士への相談が不可欠です。

弁護士に依頼することで、被害者との示談交渉だけでなく、取り調べに対するアドバイスや早期釈放・不起訴処分獲得に向けた主張・立証も行ってもらえます。

しかし、十分な弁護士のサポートを受けるためには、ある程度時間に余裕がなければなりません。時間に余裕があればあるほど、幅広く充実した防御活動が行えるからです。

そのため、盗撮・のぞき事件で前科を回避するためには、なるべく早めに弁護士にご相談ください。

逮捕後72時間以内弁護活動が運命を左右します

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逮捕直後から勾留決定までは弁護士のみが面会・接見できます。ご家族でも面会できません。

監修

監修 : 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates

保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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