クレジットカードの不正利用で逮捕される?刑罰や対処法などを解説

クレジットカードの不正利用で逮捕される?刑罰や対処法などを解説

監修
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
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クレジットカードを不正利用した場合、逮捕や勾留される可能性があります。

不正利用したクレジットカード会社や警察の捜査によって犯人が特定され、逮捕に至るケースは決して少なくありません。

また、逮捕後は起訴され、有罪判決を受ければ刑罰を受けるおそれもあるため、不正利用してしまった場合は早めに適切な対応を取ることが重要です。

この記事では、クレジットカードの不正利用に着目し、不正利用で成立する罪や不正利用をしてしまった場合の対処法などについて、詳しく解説していきます。

クレジットカードの不正利用で逮捕される?

クレジットカードの不正利用でも、警察が犯人を特定して「逃亡や証拠隠滅のおそれがある」と判断すれば、逮捕される可能性があります。

クレジットカードの不正利用で逮捕されやすいのは、以下のようなケースです。

  • 不正利用の金額が高額である場合
  • 短期間に繰り返し不正利用している場合
  • 明らかな悪質性が認められる場合 など

明らかな悪質性とは、「高額かつ計画的な被害」や「偽造カードの作成・海外利用」などが該当します。

高額な商品の購入に加えて、偽名を使用するなどの悪質な計画性が認められると、逮捕される可能性が高まるでしょう。

また、組織犯罪の可能性がある場合も、証拠隠滅を防ぐために逮捕されやすいです。

逮捕された場合の流れ

クレジットカードの不正利用で逮捕された場合、以下のような流れで手続きが進んでいきます。

  • 1. 逮捕
    警察から取り調べを受け、逮捕後48時間以内に事件の資料と身柄が検察に引き継がれます。
    その後は検察から取り調べを受け、引き継がれてから24時間以内に、検察官によって勾留請求を行うかどうかの判断が下されます。
  • 2. 勾留
    検察官が「引き続き身柄を拘束する必要がある」と判断した場合、裁判官に対して勾留請求がなされます。裁判官が請求を認めると、まず10日間の勾留が行われ、必要に応じてさらに10日間勾留が延長されます。
  • 3. 起訴・不起訴の決定
    検察官は、勾留が終了するまでに起訴・不起訴の決定を下します。
  • 4. 刑事裁判
    検察官が起訴すると、刑事裁判が開かれます。
  • 5. 判決
    刑事裁判が進むと、裁判官から有罪・無罪の判決が下されます。

逮捕された時の流れを図で詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

逮捕された後の流れは?

クレジットカードの不正利用は何罪になる?

クレジットカードの不正利用は、不正利用の内容に応じて複数の罪に問われる可能性があります。

問われる可能性がある罪は、主に以下のとおりです。

  • 詐欺罪
  • 窃盗罪
  • 遺失物横領罪
  • 支払用カード電磁的記録不正作出罪
  • 電子計算機使用詐欺罪
  • 不正アクセス禁止法違反

詐欺罪

詐欺罪は、刑法246条に定められており、人を欺いて財物や財産上の利益を得ることで成立する罪です。この罪を犯した者は、10年以下の拘禁刑に処されます。

他人名義のクレジットカードを利用することは、「名義人と利用者が同一である」という重要な事実を偽って商品やサービスの提供を受ける行為です。

そのため、店舗や加盟店を欺いて利益を得たとして、詐欺罪が成立する可能性があります。

窃盗罪

クレジットカードそのものは財物であるため、他人からクレジットカードを盗んだ場合は「窃盗罪」に該当する可能性があります。

また、盗んだカードを使用すると「窃盗罪」と「詐欺罪」が成立し、単なるカードの不正利用よりも罪が重くなります。

窃盗罪は、刑法235条に定められており、他人の財物を窃取した者に成立する罪です。この罪を犯した者は、10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処されます。

窃盗罪の構成要件や刑事処分については、以下のページをご覧ください。

窃盗罪とは?

遺失物横領罪

落ちている他人のクレジットカードを拾い、自分のものにしてしまうと、遺失物横領罪に問われる可能性があります。

遺失物横領罪は刑法254条で定められており、持ち主の手を離れた他人の物を、勝手に自分のものとする行為に適用される罪です。

こうした行為は「占有離脱物横領罪」と呼ばれることもあります。

遺失物横領罪が成立すると、1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金、もしくは科料が科されることがあります。

支払用カード電磁的記録不正作出罪

スキミングをした場合、支払用カード電磁的記録不正作出罪に問われる可能性があります。

スキミングとは、他人のクレジットカードやキャッシュカードの磁気ストライプから、カード情報を不正に読み取る行為です。

盗んだ情報を使って偽造カードを作成すると、支払用カード電磁的記録不正作出罪が成立します。法定刑は10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

なお、情報を読み取っただけの場合は「支払用カード電磁的記録情報取得罪」にあたり、偽造カードを作った時点で「不正作出罪」が成立します。

電子計算機使用詐欺罪

他人のクレジットカード情報を不正に入手し、無断使用した場合は、電子計算機使用詐欺罪が成立するおそれがあります。

電子計算機使用詐欺罪は、PCやスマートフォンなどのコンピューターに虚偽の情報を入力し、財産上の利益を得る行為です。

たとえば、他人のクレジットカード情報を不正に入手し、通販サイトで商品を購入する行為が該当します。

また、商品購入だけでなく、電子マネーをチャージする行為なども該当するため、注意が必要です。

なお、罪が成立すると10年以下の拘禁刑に処される重罪ですので、早めに刑事事件に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。

不正アクセス禁止法違反

フィッシング行為をした場合、不正アクセス禁止法違反(不正取得罪)に問われる可能性があります。

フィッシング行為とは

偽サイトを作成し、カード情報やID・パスワードなどの個人情報を盗み取る行為です。

フィッシング行為によって他人の識別符号(ID・パスワードなど)を不正に取得すると、不正取得罪が成立する可能性があります。

不正取得罪の法定刑は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。

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クレジットカードの不正利用はどうやってバレる?

クレジットカードの不正利用は、カード会社や決済システムによる自動検知と名義人による確認で発覚するケースが多いです。

カード会社や決済システムによる自動検知

銀行やカード会社は、AIや機械学習などを搭載したリアルタイム監視システムを運用していることが多く、不審な利用があるとすぐにフラグが立つのが一般的です。

その後は名義人に即時通知が送信され、本人が確認することで不正利用が発覚するケースが多いです。

名義人による確認

カードを利用した際に、名義人にメールやプッシュ通知が届き、本人が利用明細を確認することで不正利用が発覚するケースです。

また、漏洩事件から不正利用が発覚するケースや、警察による捜査で発覚するケースなどもあります。

クレジットカードの不正利用は初犯でも逮捕される?

はい、クレジットカードの不正利用は、初犯であっても逮捕される可能性があるため注意が必要です。

特に、被害額が大きい場合や計画的な犯行である場合など、悪質性が高いと判断されたときは、初犯であっても逮捕に至る可能性があります。

一方、被害弁償が済んでおり、逃亡や証拠隠滅のおそれもない場合には、身柄拘束を伴わない在宅事件として捜査が進められることもあります。

在宅事件の詳細は、以下のページをご覧ください。

在宅事件とは?

クレジットカードの不正利用で前科はつくのか?

はい、クレジットカードの不正利用で起訴され、有罪判決が確定した場合には前科がつきます。

前科がつくと、資格取得や就ける職業に制限が生じる場合があり、将来の生活に影響を及ぼすおそれがあります。

また、再び罪を犯した場合、前科が不利な事情として考慮されることも少なくありません。対人関係にも影響が及ぶ可能性があるため、前科の回避に向けた対策が重要です。

前科の影響については、以下のページをご覧ください。

前科がつく影響は?

クレジットカードを不正利用してしまった場合の対処法

他人のクレジットカードを不正利用してしまった場合は、以下の対処法を検討する必要があります。

  • 自首をする
  • 被害者と示談交渉する

早い段階で適切に対処できるかどうかで、刑事処分の結果が左右される可能性があります。

自首をする

刑事事件では、自首によって逮捕を避けられたり、刑が軽くなったりする可能性があります。

自首とは、警察や検察がまだ事件の発生や犯人を特定していない段階で、自分から犯罪事実を申告する行為です。

刑法第42条には、自首した場合は刑が減軽される可能性があると定められています。

自首のメリットは、減軽だけではありません。逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されやすくなり、被害者との示談交渉でもプラスに働くことがあります。

ただし、自首をすれば必ず刑が軽くなるわけではなく、最終的な判断は裁判官の裁量に委ねられることに注意が必要です。

被害者と示談交渉する

被害者との示談成立は、被疑者・被告人にとって有利な情状として考慮されやすく、逮捕回避や不起訴処分の獲得につながる可能性があります。

クレジットカードの不正利用の被害者は、「カード会社」であるケースが多いです。

カードの名義人が被害者だと勘違いされる方もいますが、一般的に名義人本人はカード会社から補償を受けられるため、実質的な金銭的損失は基本的にありません。

不正利用の決済代金は、最終的にカード会社が加盟店に立て替え払いを行うため、金銭的損失を負うのは主にカード会社となります。

示談交渉では、カード会社に対して謝罪の意思や示談金の支払いを提示するのが一般的です。

しかし、示談の成立は決して容易ではないため、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

刑事事件における示談について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

刑事事件における示談とは?

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クレジットカードを不正利用した際に弁護士に相談するメリット

クレジットカードの不正利用について弁護士に依頼すると、次のようなメリットがあります。

  • 刑事事件化や逮捕を回避できる可能性がある
  • 逮捕後の接見・早期釈放に向けて対応してもらえる
  • 不起訴処分の獲得や保釈を目指した弁護活動を行ってもらえる

刑事事件化や逮捕を回避できる可能性がある

弁護士がサポートすることで、刑事事件化や逮捕を回避し、比較的スムーズに問題を解決できる可能性があります。

被害弁償や謝罪対応、示談交渉などについてアドバイスを受けることで、適切に対処できる可能性が高まるためです。

また、被害者に示談を拒否されても、弁護士が交渉にあたることで話が進み、示談成立につながるケースもあります。

被害者の心情に寄り添い、感情的な対立を防ぐためにも、弁護士のサポートは有効でしょう。

逮捕後の接見・早期釈放に向けて対応してもらえる

弁護士であれば、逮捕直後から接見(面会)できるため、早期釈放に向けた対応を迅速に進めることが可能です。

具体的には、検察官や裁判所に意見書を提出するなどして、身柄拘束の必要性が低いことを主張します。

逮捕から勾留が決定するまでの72時間は、捜査の初期段階に当たるため、原則として弁護人以外との面会は認められていません。

一方、弁護士には「接見交通権」が保障されているため、面会の制限を受けずに状況に応じた弁護活動を行うことができます。

「接見」や「逮捕後の釈放」については、以下の各ページをご覧ください。

接見とは? 逮捕後はいつ釈放される?

不起訴処分の獲得や保釈を目指した弁護活動を行ってもらえる

弁護士は、被害者との示談交渉や有利な事情の主張、意見書の作成など、不起訴処分の獲得や保釈を目指した弁護活動を行うことが可能です。

初犯であることや反省の姿勢を示すことは、処分を判断する際に有利な情状として考慮される可能性があります。

日本では、起訴されると有罪判決に至るケースが多いため、不起訴処分の獲得を目指すことが重要です。

また、起訴された場合でも、弁護士は保釈請求を行い、身柄拘束からの解放を目指すことができます。

早い段階から適切な弁護活動を行うことで、不起訴処分の獲得や身柄拘束期間の短縮に大きくつながります。

「不起訴処分」や「保釈」について、さらに詳しく知りたい方は、以下の各ページをご覧ください。

不起訴処分とは? 保釈が認められる条件とは?

クレジットカードの不正利用に関するよくある質問

カード名義人の許可を得れば不正利用にあたりませんか?

クレジットカードの名義人から利用の許可を得ていても、名義人ではない者が利用した時点で、不正利用に該当します。

カード会社の規約では、基本的に名義人ではない者のカード利用が禁止されているためです。

カードの利用は「名義人の信用力」に基づいて成り立っているため、原則として他人が利用することは認められません。

家族のクレジットカードを勝手に使ったら不正利用になりますか?

家族のクレジットカードを勝手に使った場合、不正利用となり「詐欺罪」が成立するおそれがあります。

たとえば、子供が親のカードを勝手に使い、オンラインゲームやネットショッピングなどの支払いを行ってしまうケースです。

また、浪費癖のある親が、子供のカードを勝手に使ってしまうケースも発生しています。

どちらの場合でも、カード会社の規約に反し、名義人以外の者がカードを利用しているため、詐欺罪の構成要件を満たす可能性があります。

クレジットカードの不正利用の疑いで警察から呼び出しを受けたらどうすればいいですか?

クレジットカードの不正利用の疑いで警察から呼び出しを受けた場合は、その場で対応を決めずに弁護士に相談することが大切です。

正当な理由なく出頭を拒み続けるなどの対応をすると、刑事処分に影響が及ぶ可能性があります。

また、逮捕の可能性も高まるため、自己判断で行動せずに、まずは刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。

警察から呼び出しを受けた場合の対処法などについては、以下のページをご覧ください。

警察から呼び出しを受けたら?

クレジットカードの不正利用の示談金相場はいくらですか?

クレジットカードの不正利用の示談金相場は、被害額に加えて、慰謝料や解決金として数万~数十万円程度を支払うケースが一般的です。

具体的な示談金の額は、被害額や事件の悪質性、被害回復の状況などによって大きく変動します。

そのため、「いくら支払えば必ず示談が成立する」という明確な基準はありません。

クレジットカードを不正利用してしまった場合は早急に弁護士へご相談ください

クレジットカードの不正利用は、さまざまな罪に問われる可能性のある犯罪行為です。起訴され、有罪判決が下されれば、重い刑罰が科せられます。

逮捕の回避や早期釈放、不起訴処分の獲得を目指すためには、専門的な知識と経験を兼ね備えた弁護士の力が不可欠です。

弁護士法人ALGは、刑事事件の経験と知識が豊富な弁護士が、逮捕直後から裁判まで一貫してサポートします。

事案に応じて被害者との示談交渉を進めるだけでなく、早期釈放や不起訴処分の獲得に向けた働きかけも行っています。

法的な観点から適切なアドバイスができるため、クレジットカードを不正利用してしまった方は、ぜひお早めにご相談ください。

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