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産休・育休時に会社側が行う手続き一覧・スケジュールを徹底解説!

    労務管理

    #出産手当金

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    #育休

    #育児休業給付金

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監修 | 弁護士 家永 勲 弁護士法人ALG&Associates 執行役員

企業における人材の定着と、仕事と育児の両立支援において、産休・育休制度の適切な運用は必要不可欠です。

産休(産前産後休業)は労働基準法に基づき、女性労働者が出産前後に取得できる休業制度であり、育休(育児休業)は育児・介護休業法に基づき、原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者が取得できる休業制度です。

これらの休業期間中は出産手当金や育児休業給付金などの給付金を受けることができますが、その申請には会社の協力が必要となります。

しかし、制度を正しく理解していなければ申請を適切に行うのは難しいでしょう。

本稿では、産休・育休に関する具体的な手続きや最新の法改正まで幅広く解説していきます。

産休・育休時に会社が行う手続き一覧【スケジュール】

産休・育休に関する会社の手続きは、従業員から妊娠報告を受けてから復職するまで、多岐にわたります。手続きが必要となるタイミングは以下の通りです。

  • 従業員から妊娠報告を受けたとき
  • 従業員が産休に入るとき
  • 従業員から出産報告を受けたとき
  • 従業員が育休に入るとき
  • 従業員の育休を延長するとき
  • 従業員が育休から復職するとき

以下では、タイミングごとに手続きを整理していますので、チェックリストとしてもご活用ください。

従業員から妊娠報告を受けたとき

従業員から妊娠の報告を受けた際、会社が行うべき主な手続きや確認事項は以下のとおりです。

  • 産休・育休の取得希望の確認:従業員に産休・育休に関する制度説明を行い、休業する意向や希望期間を確認し、今後のスケジュールをすり合わせます。
  • 未使用分の定期券の返金:通勤定期券の未使用分がある場合は、返却や返金手続きを案内します。
  • 住民税等の徴収方法の確認:産休・育休中は給与が支給されないこともあるため、給与から控除されている住民税などの納付方法について本人と話し合いましょう。
  • 給付金の説明:出産手当金、出産育児一時金、育児休業給付金など、公的給付金の内容や申請方法、必要書類について説明します。
  • 社内申請手続きの案内:「産前産後休業届」や「育児休業届」など、社内規定に基づく必要書類と提出期限等を案内します。

産前産後休業届の受理

従業員から妊娠の報告を受けた場合、まず「産前産後休業届」など、社内規定で定められた必要書類を提出してもらい、その内容を受理します。

提出期限の法的定めはありませんが、産前休業開始日の1ヶ月前を目安としておくと、会社側の手続きをスムーズに進められます。

書類の提出が遅れると、手続きや業務の引継ぎに支障が生じるおそれがあるため、早めの提出を促しましょう。

届出を受付した後は、申請内容を確認の上、産休期間中の社会保険料免除の申請や、出産手当金などの各種申請書類の作成準備にとりかかります。

従業員にとっても重要な制度であるため、制度については丁寧に説明し、期日管理を徹底しましょう。

従業員が産休に入るとき

産休期間中は従業員本人と会社側の両方の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が免除されます。

これは、産前産後休業期間中、従業員と会社の双方の保険料負担をなくし、経済的負担を軽減させるための制度です。自動的に免除されるわけではありませんので、従業員が産休に入る際には、社会保険料の免除手続きを必ず行いましょう。具体的な手続きとしては、以下の通りです。

  • 従業員から産前産後休業の開始日と終了日を確認します。
  • 「産前産後休業取得者申出書」に必要事項を記入し、管轄の年金事務所または健康保険組合に提出します。提出方法は、郵送または窓口持参が一般的です。電子申請が可能な場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
  • 提出後、年金事務所または健康保険組合から手続き完了の通知が届きます。
    提出期限は、産前産後休業開始日から1ヶ月以内を目安としましょう。期日を過ぎてしまうと、社会保険料の免除が遅れる可能性がありますのでご注意ください。
提出書類 提出先 提出期限
健康保険・厚生年金保険
産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届
日本年金機構
または健康保険組合
産前産後休業をしている間
または産前産後休業終了後の終了日から起算して1ヶ月以内の期間

従業員から出産報告を受けたとき

従業員から出産の報告を受けた際には、必要書類を案内し、両立支援制度の各種申請を進めましょう。通常、以下のような手続きを行う必要があります。

  • 出産手当金の支給申請
  • 出産育児一時金の申請案内(通常、会社から申請せず病院経由で行います)
  • 子の社会保険の扶養手続き
  • 社会保険料の免除手続き
  • 子の税務上の扶養手続き

各手続きは、対象従業員から出産日、復職の予定等を丁寧にヒアリングし、住民票や子のマイナンバーなど必要資料を揃えたうえで行います。各手続きについて、次項で解説していきます。

提出書類 提出先 提出期限
健康保険出産手当金
支給申請書
全国健康保険協会(協会けんぽ)、または健康保険組合 出産のため労務に服さなかった日ごとに、その翌日から2年以内
健康保険出産育児
一時金支給申請書
全国健康保険協会(協会けんぽ)、または健康保険組合(病院経由で行う直接支払制度が一般的) 出産した日の翌日から2年以内
健康保険被扶養者(異動)届 日本年金機構または健康保険組合 事由が発生した日から5日以内
健康保険・厚生年金保険
産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届
日本年金機構または健康保険組合 産前産後休業をしている間
または産前産後休業終了後の終了日から起算して1ヶ月以内の期間
給与所得者の
扶養控除(異動)申告書
税務署および市区町村 その年の最初に給与の支払を受ける日の前日まで

出産手当金の申請手続き

出産手当金とは、従業員が産前産後休業中の無給期間に、健康保険から支給される給付金です。

申請には「健康保険出産手当金支給申請書」の作成と提出が必要となります。

従業員から医師や助産師に証明欄の記入を依頼し、その後、会社が事業主欄を記入したうえで、加入している健康保険組合または協会けんぽへ提出します。

申請期限は出産日から2年以内ですが、無給期間の収入を補填する目的でもあるため、早めに申請するべきでしょう。

手続きの際は、記入漏れや医師欄の未記入に注意し、必要添付書類の有無も確認のうえ提出しましょう。

不備があると支給が遅れるため、従業員と連携を取りながら行うことが大切です。

出産育児一時金の申請手続き

出産育児一時金は、健康保険の加入者が出産した際に一児につき原則50万円が支給される給付金です。

申請は「健康保険出産育児一時金支給申請書」を作成し、加入している健康保険組合や協会けんぽに提出します。

ただし、出産費用の支払いを簡便にするため、医療機関が健康保険に直接請求できる「直接支払制度」を活用し、個別申請を不要としている場合が多いでしょう。

ただし、医療機関が制度を利用しない場合は、申請書や添付書類を準備し、個別に申請しなければなりません。

申請期限は出産翌日から2年以内ですが、できるだけ速やかに行うことをおすすめします。

健康保険への扶養追加の手続き

従業員が出産した場合、新たに生まれた子供を健康保険の被扶養者とするには所定の手続きが必要です。

手続きには「健康保険被扶養者(異動)届」を作成し、会社から健康保険組合または協会けんぽへ提出します。

書類には子供のマイナンバーも必要となるため、事前に従業員へ案内しておきましょう。法律上は出産から5日以内とされていますが、期限後であっても手続きは可能です。ただし、子供の1ヶ月検診などもあるため、出産後、遅くとも1ヶ月以内には申請しましょう。

書類内容の不備や提出の遅延があると医療費の自己負担が発生することもあるため、書類内容や添付書類は事前にしっかり確認して申請しましょう。

産休中の社会保険料免除の手続き

産休中の社会保険料免除期間に変更が生じた場合には、会社が「健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書」を年金事務所や健康保険組合へ提出する必要があります。

産休開始直後の申請内容はあくまでも、出産予定日に基づいた免除期間ですので、出産日によっては免除期間の変更となります。

そのため、出産予定日よりも前や後に出産となった場合には、変更(終了)届を速やかに提出し、正確な産前産後休業期間を申告しましょう。

申出書の提出は出産日が分かり次第、早めに行うのが望ましいでしょう。

届出に遅れがあったり、届出を失念してしまうと保険料の免除が適用されない場合もあるため、期日管理と正確な休業期間の確認に注意しましょう。

給与所得者の扶養控除(異動)申告書の手続き

従業員が子供を税務上の扶養に入れる場合、「給与所得者の扶養控除(異動)申告書」に新たな扶養家族情報を記入し、会社へ提出する必要があります。

この申告書の内容は年末調整に反映され、扶養家族の有無や人数によって所得控除額が変わるため、正確な情報を記入することが重要です。

たとえば、すでに年末調整用の書類が提出済みで、12月に子供が生まれた場合は、年末調整の訂正や再手続きが必要になるケースもあります。

その際は、従業員から異動申告書を改めて提出してもらい、会社側は給与システムへ変更内容を反映させ、最新の情報を踏まえて年末調整を行いましょう。

従業員が育休に入るとき

従業員が育休に入る際は、以下の手続きが必要となります。

  • 社会保険料の免除
  • 育児休業給付金の支給申請
  • 出生時育児休業給付金の申請

育児休業制度については、2022年10月から出生時育児休業という新たな制度がスタートしました。主に男性従業員が産後休業にあたる期間に取得する育児休業ですが、この出生時育児休業についても、通常の育休と同様に給付金制度が設けられました。

それぞれの手続きについて以降で解説していきます。

提出書類 提出先 提出期限
健康保険・厚生年金保険
育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届
日本年金機構または健康保険組合 育児休業をしている間
または育児休業終了後の終了日から起算して1ヶ月以内の期間
育児休業給付金支給申請書 ハローワーク 育児休業を開始する日から4ヶ月が経過する日が属する月の末日まで
出生時育児休業給付金 ハローワーク 出生時育児休業の終了日の翌日から起算して2ヶ月を経過する日の属する月の末日まで

育児休業給付金の申請手続き

育児休業給付金とは、雇用保険の被保険者である従業員が、1歳未満(最長2歳まで延長可能)の子を養育するために育児休業を取得した場合に、雇用保険から支給される給付金です。

育児休業中の生活を支援し、職場復帰を促進することを目的としています。初回申請の場合は、育児休業開始から4ヶ月以内に行う必要があり、2回目以降の申請は原則として2ヶ月毎に申請します。 申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 育児休業給付金支給申請書
  • 休業開始時賃金月額証明書(初回のみ)
  • 育児休業申出書
  • 賃金台帳、出勤簿など
  • 母子健康手帳のコピー(出生証明のページ)

これらの書類を準備し、事業所の所在地を管轄するハローワークへ提出します。

ただし、育児休業給付金を受給できるのは、支給要件を満たした従業員だけですので、要件に不明点があれば事前にハローワークへ確認しておきましょう。

出生時育児休業給付金の申請手続き

出生時育児休業給付金(産後パパ育休給付金)とは、男性従業員が子の出生後8週間以内に4週間まで取得できる出生時育児休業(産後パパ育休)を取得した場合に、雇用保険から支給される給付金です。

出生時育児休業給付金の申請書類は以下の通りです。

  • 出生時育児休業給付金支給申請書
  • 休業開始時賃金月額証明書(初回のみ)
  • 出生時育児休業申出書
  • 賃金台帳、出勤簿など
  • 子の出生を証明できる書類(母子健康手帳のコピーなど)

申請書類等を準備し、事業所の所在地を管轄するハローワークへ提出します。

提出期限は、原則として出生時育児休業の終了日の翌日から起算して2ヶ月を経過する日の属する月の末日までとなっています。

出生時育児休業給付金を受給するためには、一定の要件を満たす必要がありますので、事前にハローワークへ確認しておくと安心です。

なお、出生時育児休業給付金は、通常の育児休業給付金とは別に申請できますので、出生時育児休業と育児休業の両方を取得予定の従業員であっても受給可能です。

育休中の社会保険料の免除手続き

育休中の社会保険料の免除を受けるためには、会社が「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)」を年金事務所や健康保険組合へ提出する必要があります。 社会保険料免除は、育児休業期間中にも適用されます。

申出書は、育休を開始後、できるだけ早く提出し、育休期間満了時や育休期間に変更があった場合には「終了届」も提出する必要があります。

添付書類は通常不要ですが、育休期間ついては事前に対象従業員と面談等でしっかり確認しておきましょう。

届出を失念してしまうと、保険料が免除されない場合もあるため期日管理に注意が必要です。

従業員の育休を延長するとき

従業員が育休中に保育園に入れないなどの理由によって、育休を延長する場合があります。育児休業は、対象となる子が2歳になるまでであれば、特定の理由がある場合に限り、延長することが法的に認められています。

従業員から育休の延長の申出があった際には、以下の手続きを行いましょう。

  • 社会保険料の免除手続き(延長)
  • 育児休業給付金の申請

それぞれの手続きの詳細について以降で解説していきます。

提出書類 提出先 提出期限
健康保険・厚生年金保険
育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届
日本年金機構または健康保険組合 育児休業をしている間
または育児休業終了後の終了日から起算して1ヶ月以内の期間
育児休業給付金支給申請書 ハローワーク 育児休業を開始する日から4ヶ月が経過する日が属する月の末日まで(2回目以降は原則として2ヶ月ごと)

育児休業給付金の支給延長手続き

育児休業給付金の支給延長手続きは、子供が1歳や1歳半を迎えても保育園に入園できないなど、特定の理由で育休を延長する場合に必要です。

延長を希望する場合は、「育児休業給付金支給申請書」を作成し、必要書類(保育園の入園不可証明書など)とともに管轄のハローワークへ提出します。手続きの際は、延長に該当する要件を満たしているかを事前にハローワークへ確認し、必要書類についても確認しておきましょう。

申請が遅れると給付金が受け取れなくなる可能性があるため、従業員と定期的に連絡をとりながら育休延長の可能性があるのであれば、早めに準備を進めることが大切です。

社会保険料免除の延長手続き

育児休業期間が当初予定していた期間から延長となる場合、社会保険料免除の延長手続きを行わなければなりません。

これは、育休期間中の社会保険料免除の適用を継続するためには、申告している育休期間を修正する必要があるからです。手続きとしては、「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書」を延長として作成し、年金事務所または健康保険組合へ速やかに提出します。

通常、添付書類は不要ですが、そもそも育休延長が認められる法定要件がクリアできているか等は事前に確認しておきましょう。
保険料の免除は自動的に延長されませんので、手続きが遅れると延長期間中の保険料が免除されなくなるおそれもあります。延長が正式に決まった時点ですぐに届け出ることをおすすめします。

従業員が育休から復職するとき

従業員が育休から復職する際にも、会社が対応すべき手続きは複数発生します。

主な手続きは以下の通りです。

  • 社会保険料免除の終了手続き(予定日よりも早く終了した場合)
  • 社会保険の標準報酬月額の改定手続き(報酬に変更がある場合)
  • 子が3歳になるまでの年金に関する特例措置の申出手続き

各手続きについては以降で詳しく解説していきます。

提出書類 提出先 提出期限
健康保険厚生年金保険
育児休業等取得者
申出書(新規・延長)/終了届
日本年金機構
または健康保険組合
育児休業等終了後の
終了日から起算して1ヶ月以内の期間中
健康保険厚生年金保険
育児休業等終了時
報酬月額変更届
日本年金機構
または健康保険組合
速やかに
厚生年金保険
養育期間標準報酬
月額特例申出書
日本年金機構
または健康保険組合
被保険者から
申し出があったとき

標準報酬月額の変更手続き

標準報酬月額の変更手続きとは、育児休業から復職した従業員の給与が以前と比べて大きく変動した場合に行う手続きです。

通常、社会保険料の計算基準となる標準報酬月額は、毎年7月の定時決定か、給与変更後の3ヶ月平均が従来と2等級以上の差がある場合の随時改定でしか変更されません。

しかし、育休復帰後については随時改定とは異なり、従来との差が1等級であっても実際の報酬額に即して標準報酬月額を見直すことができます。

具体的には、「健康保険・厚生年金保険 育児休業等終了時報酬月額変更届」に育休復帰後の3ヶ月の報酬実績を記載し、管轄の年金事務所や健康保険組合へ提出します。

添付書類は不要ですが、給与明細や賃金台帳等で報酬変動を正確に確認して記載することが大切です。

提出が遅れると、社会保険料の計算に誤りが発生し従業員の負担が増すおそれがあるため、速やかに手続きを進めるようにしましょう。

年金の給付額の変更手続き

年金の給付額の変更手続きとは、育児のため時短勤務等によって賃金が一時的に下がった場合でも、将来受け取る年金額が減少しないようにするための特例措置です。

具体的には、「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を作成し、管轄の年金事務所に提出します。

この申出によって、3歳未満の子を養育するために賃金が減少したとしても、養育前の標準報酬月額が年金計算の基礎として適用されます。

提出期限に明確な定めはありませんが、育休が終了した後、従業員へ制度を説明し、速やかに提出することが望ましいといえます。

育休終了日の翌月を目安にしておくと、社内手続きもスムーズに進められるでしょう。

申請漏れがあると将来の年金額に差が出るため、必要書類をよく確認し、従業員へ丁寧に説明した上で手続きを進めましょう。

社会保険料免除の終了手続き

社会保険料免除の終了手続きは、従業員が育児休業を終えて職場復帰した際、保険料免除の適用を解除し、通常の保険料徴収に戻すために必要となります。

手続きとしては、「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(終了)」を作成し、育休終了日から1ヶ月以内に管轄の年金事務所または健康保険組合へ提出します。

添付書類は原則不要ですが、復職日や育休終了日が書類と一致しているかは必ず確認しましょう。

復職日が決まったら速やかに手続きを行い、手続きの遅延や漏れがないように注意しましょう。

産休・育休手続きに関する会社側の注意点

産休・育休の申し出は、法律で労働者に認められた権利であるため、会社側が勝手に拒否することは許されません。

また、産休・育休を取得する従業員に対して、不利益な取り扱いや解雇・減給などを行うマタニティハラスメント(マタハラ)についても法律で厳しく禁止されています。

もし、従業員間でマタハラが発生した場合等は、会社の責任が問われる可能性もあります。

産休育休にあたって会社には、休業前後の業務見直しや業務内容の調整、また代替要員の確保、休業中も従業員と必要な連絡をとるなど、配慮ある対応が求められています。

そのほか、産休・育休を取得しやすい雰囲気作りや円滑な職場復帰ができる職場環境を整備することが、人材の定着に重要となってくるでしょう。

マタハラ防止のための事業主の具体的な対応については、下記リンク先にて詳しくご案内していますので、ぜひ一度ご確認ください。

さらに詳しくマタニティハラスメントとは?事業主が行うべき6つの防止措置

【2025年4月~】産休・育休にかかわる法改正

2025年4月から育児休業に係わる制度が改定されています。

具体的には、以下の3点が法改正の内容となります。

  • 出生後休業支援給付の開始
  • 育児時短就業給付の開始
  • 育児休業給付金の延長申請手続きの厳格化

各制度内容について以降で確認していきましょう。

出生後休業支援給付の開始

出生後休業支援給付とは、2025年4月より新設された制度で、出産後の一定期間、両親ともに14日以上の育児休業を取得した場合、育児休業給付金に追加して行う経済的な支援制度です。

給付金の対象となる日数は最大28日間分とされていますので、対象時期に両親ともに育休等を取得していても、28日を超える日数については出生後休業支援給付の対象外となります(通常の育児休業給付金は支給されます)。

支給額は、休業開始時賃金日額×休業期間の日数×13%で算出されます。

申請手続きは、従来の「出生時育児休業給付金」や「育児休業給付金」と同じ支給申請書を使用し、配偶者が育休を取得しているか等を確認する項目への追記が必要となります。

出生後休業支援給付は、従業員または会社が申請書を作成し、管轄のハローワークへ提出することで申請が完了します。

育児時短就業給付の開始

育児時短就業給付とは、2025年4月より導入された新しい制度で、2歳未満の子供を養育しながら時短勤務を選択した従業員に対し、賃金減少分を補う目的で支給される給付金です。

給付の対象になるには、一定の要件(時短勤務の期間や雇用保険への加入など)を満たすことが必要です。

申請手続きは会社が行い、必要な申請書類を作成して従業員の状況を記載し、所轄のハローワークへ提出します。

提出期限は最初の支給対象付の初日から起算して4ヶ月以内となっています。

なお、この制度は賃金が減少していることが要件の1つとなっていますので、時短勤務をしても社内制度等によって賃金の減少が発生していない場合には支給の対象外となります。

育児休業給付金の延長申請手続きの厳格化

2025年4月の法改正により、育児休業給付金の延長申請手続きが厳格化されています。

育児休業の延長理由や状況の確認をより厳しく行うため、追加の添付書類が求められるようになりました。

追加の添付書類は以下の通りです。

  • 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書
  • 市区町村に保育所等の利用申込を行ったときの申込書の写し

なお従来より必要とされている、保育所等への入園保留通知など客観的な証明書類も引き続き添付しなければなりません。

特に申込書の写しは後から入手することが困難な場合も考えられます。

育休を取得する従業員へ必要書類を丁寧に説明し、不足が生じないよう徹底しましょう。

従業員の産休・育休の手続きについては弁護士にご相談ください

会社は、従業員が安心して産休・育休を取得できるよう、各種手続きをスムーズかつ正確に進めなければなりません。

しかし、産休・育休手続きには期限が設けられているものもあり、従業員に事前に渡すべき書類なども多く対応は複雑化しているといえます。

さらに、頻繁に法改正が行われており、最新の制度を正しく理解することも容易とはいえません。

手続きだけでなく企業には、産休・育休取得者に対する不利益な行動が為されないよう、ハラスメント対策を十分に行うことも求められています。

産休・育休制度に関して不安や疑問があれば弁護士へ相談することをおすすめします。

弁護士法人ALGでは、最新の法令に基づいた実務上のアドバイスや法的サポートメニューを提供しています。

就業規則の改定や雇用環境の整備、さらにトラブル発生時の対応など幅広く対応しておりますので、少しでも不安があればお気軽にご相談ください。

この記事の監修

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弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

保有資格
弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

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