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カスハラ発生時の対応フロー|カスハラ対策の義務化なども解説

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監修 | 弁護士 家永 勲 弁護士法人ALG&Associates 執行役員

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、従業員のメンタル不調や離職などを招き、企業経営に深刻な影響を及ぼします。

2026年10月からは、法改正により事業主へカスハラ対策が義務付けられるため、今までよりも対応を強化しなければなりません。マニュアルの整備や相談窓口の設置などを行う必要があります。

この記事では、カスハラが発生したときの対応や、カスハラの具体例、適切に対応するためのポイントなどについて解説します。

カスハラ(カスタマーハラスメント)発生時の対応フロー

カスタマーハラスメントが発生した場合、特に重要なのが初動対応です。ハラスメントの被害を担当者だけで抱え込まないように、速やかに上司や対応責任者へ報告できる体制を整えておきましょう。

報告を受けたら組織として段階的に対応することによって、被害の拡大や対応の長期化を防げる可能性があります。

企業として毅然とした姿勢を示しつつ、従業員を守るために、基本的には以下のような流れで対応しましょう。

  1. 従業員の安全を確保する
  2. 事実関係を確認する
  3. カスハラに該当するかを判断する
  4. 会社の対応方針を決定して顧客に通知する
  5. 必要に応じて警察・弁護士などの外部機関と連携する
  6. 対応内容を記録し、従業員へのフォローを行う
  7. 再発防止に努める

①従業員の安全を確保する

カスタマーハラスメントが発生した場合、企業は、従業員や周囲の利用者の安全を最優先に対応しなければなりません。

暴言や威嚇、暴力行為などにより危険が生じるおそれがある場合には、無理に対応を続けず、速やかに対応を中断して安全な場所へ避難させましょう。また、担当者が被害を抱え込まないように、責任者へ引き継げる体制を整えておき、複数人で組織的に対応することが重要です。

企業には、従業員の心身の安全を守る責任があるので、迅速かつ冷静に対応できる体制を構築しておきましょう。

②事実関係を確認する

カスタマーハラスメントに適切な対応をするためには、顧客の要求内容や言動、発生状況を客観的に確認する必要があります。

当事者だけでなく、同席者などの関係者からも事情を聴取しましょう。
また、録音や録画、対応記録などの証拠を保存することで、カスハラに該当する言動であったかの判断や再発防止に役立ちます。

正確な事実確認は、従業員の保護と適切な企業対応の基礎となります。記録した内容を踏まえて、冷静に対応しましょう。

③カスハラに該当するかを判断する

カスタマーハラスメントを受けたと考えられる場合には、正当なクレームとカスハラとの区別をつけるために、カスハラの定義や判断基準を確認しましょう。

カスハラの判断基準は会社ごとに異なることも考えられますが、厚生労働省は以下のような判断基準を挙げています。

  • 顧客等の要求内容に妥当性はあるか
  • 要求を実現するための手段・態様が社会通念に照らして相当な範囲か

相手方が要求した内容だけでなく、要求した方法や継続時間、頻度などを総合的に判断する必要があります。

カスハラを受けたかについて判断に迷う場合や、これからトラブルに発展しそうな場合などでは、現場で判断せずに管理職や責任者、本社等と連携して対応することが必要です。

④会社の対応方針を決定して顧客に通知する

カスタマーハラスメントを受けて、現場で判断できない案件については、法務部やカスタマーサポート部門など関係部署と連携しながら会社としての対応方針を決定し、後日顧客に通知しなければなりません。

通知する内容は、新たなトラブルの引き金とならないよう十分に検討しなければなりません。
正当な要望には誠実に対応して、不当な要求には毅然と対応しましょう。

現場では、状況に応じて対応を終了して、責任者へ引き継ぐための体制を整えておく必要があります。

⑤必要に応じて警察・弁護士などの外部機関と連携する

カスタマーハラスメントが発生した場合において、暴力行為や脅迫、執拗なつきまといなどの犯罪に発展するおそれがあるケースでは、ためらわずに警察へ相談・通報することが必要です。

さらに、警告書の送付などの法的対応が必要なケースでは、なるべく早く弁護士へ相談し、適切な助言やサポートを受けることをおすすめします。

カスタマーハラスメントは企業だけで抱え込まず、警察や弁護士などの外部機関と連携しながら組織的に対応することで、従業員を守り、問題の長期化や深刻化を防げる可能性が高まります。

⑥対応内容を記録し、従業員へのフォローを行う

カスタマーハラスメントが発生した場合には、その場の対応だけで終わらせず、次のような事項を記録して事実関係を正確に残しましょう。

  • 発生日時
  • 場所
  • 相手方の言動
  • 対応経過

残した記録は、事実関係の検証や再発防止策の検討、将来的な法的対応などにおける重要な資料となります。

併せて、被害を受けた従業員の心身の状態に十分配慮して、上司による面談や相談窓口の案内、必要に応じた産業医との連携など、継続的なフォローを行うことが求められます。

個別事案として適切に処理・終結させることで、従業員が安心して働ける職場環境の維持につながります。
カスハラによるメンタル不調者への対応については、以下の記事をご覧ください。

さらに詳しくハラスメントで従業員がメンタルヘルス不調になったら?

⑦再発防止に努める

カスタマーハラスメント事案への対応が終了したら、当該事案の経緯や対応内容を振り返り、初動対応や判断が適切であったかを検証しましょう。

そのうえで、対応上の問題点や改善点を整理し、マニュアルや社内ルールの見直し、従業員研修の充実などに反映することが求められます。

個別事案で得られた教訓を全社で共有することで、組織全体の対応品質向上につながります。
再発防止の取組を継続することは、企業として適切なカスタマーハラスメント対策体制を構築するために不可欠です。

カスハラの具体例

顧客による言動がカスタマーハラスメントに該当するおそれがあれば、企業として対応しなければなりません。カスハラのおそれがあるケースとして、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 暴言・侮辱・人格否定
  • 長時間拘束・居座り
  • 過剰・不当な要求
  • 脅迫・威圧・暴力
  • プライバシーの侵害

暴言・侮辱・人格否定

カスタマーハラスメント(カスハラ)になる代表的な言動として、従業員の人格や尊厳を傷つける精神的な攻撃が含まれます。

例えば、店舗で対応しているときや電話をしているときに、大声で怒鳴り続ける行為や、人格を否定する発言を繰り返す行為などが典型例です。
また、人種や性別、年齢などに関する差別的・侮辱的な発言や、過剰な叱責により精神的苦痛を与える行為もカスハラに該当します。

これらの行為は、内容や態様によって侮辱罪や名誉毀損罪、脅迫罪、威力業務妨害罪などが成立する可能性があります。

長時間拘束・居座り

カスタマーハラスメント(カスハラ)の代表例として、従業員に対して長時間にわたり説明や謝罪を求め続ける行為が挙げられます。

また、回答を受けたのに電話を切らず話し続ける行為や、執拗に連絡を繰り返す行為、閉店後も店舗や事務所に居座って業務を妨害する行為なども、社会通念上許容される範囲を超える言動としてカスハラに該当する可能性があります。

これらの行為は、態様によっては威力業務妨害罪や、退去要求に応じない場合の不退去罪に該当する可能性があります。

過剰・不当な要求

カスタマーハラスメント(カスハラ)の代表例として、企業の責任範囲を超える過大な金銭補償の要求や、従業員に対する土下座や過度な謝罪の強要、対応できないと説明しても実現困難な要求を執拗に繰り返す行為が挙げられます。

これらは、正当なクレームの範囲を超え、従業員の就業環境を害する不当な要求としてカスハラに該当する可能性があります。

土下座や謝罪を強制する行為は強要罪、脅しを伴う場合は脅迫罪、長時間の居座りや退去拒否があれば不退去罪などに該当する可能性があります。

脅迫・威圧・暴力

カスタマーハラスメント(カスハラ)の代表例として、危害を加える旨を告げて従業員を脅す行為が挙げられます。

また、従業員を殴る・蹴る、商品や備品を故意に壊すといった暴力的な行為も典型的なカスハラです。
さらに、大声で怒鳴り続けたり、机を叩いたりするなど、威圧する言動によって従業員を萎縮させる行為も該当します。

これらは単なるクレームの範囲を超え、労働者の就業環境を害する悪質な行為です。言動の内容によっては、脅迫罪や暴行罪、傷害罪、器物損壊罪、強要罪などの刑事責任が問われる可能性もあります。

プライバシーの侵害

カスタマーハラスメント(カスハラ)には、SNS等を利用した悪質な行為も含まれます。

例えば、企業や従業員に対する誹謗中傷をSNSへ投稿する行為は、内容によって名誉毀損罪や侮辱罪に該当する可能性があります。
また、従業員の氏名や住所、顔写真などの個人情報を無断で公開する行為は、プライバシー侵害となり、内容によっては名誉毀損等の責任を負うおそれがあります。

事実に反する口コミやレビューを拡散して企業の信用を低下させた場合は、信用毀損罪や偽計業務妨害罪が成立する可能性があります。

カスハラ対応を適切に行うためのポイント

カスタマーハラスメント(カスハラ)に企業として適切に対応するためには、主に以下のような点に注意しましょう。

  • 対応内容を記録する
  • 従業員を一人で対応させない
  • 組織として統一した対応を徹底する
  • 場面に応じて柔軟に対応する

対応内容を記録する

カスタマーハラスメントへの対応を適切に行うために、どのようなやり取りをしたかについて客観的に記録しておきましょう。

録音や録画、対応メモなどは、後に事実関係を確認するための有力な証拠となり、企業や従業員を守ることにつながります。また、対応内容を録音する旨を伝えれば、相手が自身の言動を意識し、過度な要求や暴言が収まるケースもあります。

記録するときには、相手の氏名や発言内容に加えて、日時や場所、対応した従業員などの情報をなるべく残しましょう。

従業員を一人で対応させない

カスタマーハラスメントへの対応は、現場の担当者だけに任せないことが重要です。

担当者が一人で対応すると精神的な負担が大きくなり、適切な判断が難しくなるおそれがあります。
複数人で対応する体制を整えて、発言内容や経緯を客観的に記録できるようにしておきましょう。

一定の基準に達した場合には、管理職や責任者が対応へ加わるルールを設けることによって、従業員の保護と組織的な対応が可能になります。

組織として統一した対応を徹底する

カスタマーハラスメントへの対応は、組織として統一しなければなりません。
担当者によって判断や対応内容が異なると、顧客とのトラブルが長期化したり、過度な要求を招いたりするおそれがあります。

企業は社内ルールや対応マニュアルを整備し、どのような行為をカスハラと判断して、どのように対応するのかを共有しておくことが重要です。

組織として一貫した対応をすれば、従業員が安心して対応できる環境の整備にもつながります。

場面に応じて柔軟に対応する

カスタマーハラスメントへの対応では、店舗・窓口、電話、メール、SNSなど、それぞれの手段に応じた適切な対応方法を理解しなければなりません。
対応を誤ると、被害の拡大や証拠の散逸につながるおそれがあるため、周囲への影響や証拠の確保も踏まえて判断する必要があります。

例えば、店舗や窓口などの対面対応では、相手の言動がエスカレートすると従業員や他の利用者に危険が及ぶリスクが生じます。そのため、安全確保を最優先として、担当者一人で対応させず、複数人で対応する体制を整えることが重要です。

電話対応では録音機能を活用し、メールでは送受信履歴を保存するなど、証拠としての活用を意識した対応が有効です。

SNS上の誹謗中傷や過度な要求は拡散されやすく、一度広まると信用回復が困難になるため、早期の削除依頼や発信者情報開示請求などの法的対応を検討しましょう。

【2026年10月施行】企業のカスハラ対策が義務化

2026年10月1日施行の改正労働施策総合推進法により、企業にはカスタマーハラスメント(カスハラ)対策を講じることが義務づけられました。

対象は大企業だけでなく、中小企業や個人事業主を含む、従業員を1人でも雇用するすべての事業主です。
企業には、従業員をカスハラから守るために、相談窓口の設置や相談対応体制の整備などが求められます。

カスハラ対策は、従業員の安全確保や離職防止などのために重要です。施行までに社内ルールや対応マニュアルを整備して、適切な運用体制を構築しておきましょう。

カスハラ対策を怠った場合のリスク

会社がカスハラ対策を行うことは、社員の安全と健康を守り、会社の持続的な発展につながるなど、あらゆる観点から重要です。

会社には、社員が安全で健康に働けるよう配慮すべき安全配慮義務があります(労働契約法5条)。
カスハラへの対応が不適切であった結果、社員が体調不良や精神疾患に陥った場合には、安全配慮義務違反として社員から損害賠償請求されるおそれがあります。

また、カスハラ対策を怠ると、従業員の離職や企業イメージの悪化による採用難などで人材を確保できなくなることにより、会社経営に悪影響を与えるおそれもあります。

顧客が、利用環境の悪化により来店しなくなることも考えられます。
カスハラを放置せず、適切なカスハラ対策を講じることが重要です。

ハラスメントによる企業のリスクや労災申請、慰謝料請求について知りたい方は、以下の各リンク先で解説しています。

さらに詳しくハラスメントによる企業のリスク・影響とは? さらに詳しくハラスメント(パワハラ)で労災申請されたら? さらに詳しくハラスメントの慰謝料を請求されたら?

企業のカスハラ対応に関する裁判例

カスハラ被害に対する会社の対応が不十分であったとして、従業員が会社を訴えた一般財団法人NHKサービスセンター事件をご紹介します。

【令和2年(ワ)第284号、横浜地方裁判所川崎支部 令和3年11月30日判決】

事件の概要

本件は、Y社が運営するコールセンターに勤務するXが、視聴者から電話でわいせつ発言や暴言などを受けたとして、会社がカスハラについての安全配慮義務を怠った旨の主張によりY社に損害賠償を請求した事案です。

裁判所の判断

裁判では、Y社は視聴者の著しく不当な要求からコミュニケーターの心身の安全を確保するための具体的なルールを策定しており、本件についてもそのルールに沿った対応を実施したことが認められました。

また、Xが訴える不適切な電話についても、直ちに刑事・民事等の法的措置をとる義務があるとまでは認められず、Y社のカスハラ対応に不適切な点はみられないと判断しました。

カスハラ事件の事後対応として、Y社ではメンタルヘルス相談やカウンセリング対応を行っており、必要に応じて産業医の面談指導の体制も整えていました。

裁判所はY社の初期対応および事後対応を総合的に判断し、Y社がXに対する安全配慮義務を怠ったとは認められないと判示しました。

ポイント

Y社は具体的なルールを定めて、そのルールに沿った対応を行っており、カスハラへの対策が行われていたことが認められたと考えられます。

ルール自体が従業員を守れないものであったり、ルールが形だけのものであったりすれば、カスハラ対策が行われていたと認められないおそれがあります。

カスハラに関する裁判では、使用者の安全配慮義務違反を理由とする慰謝料などの損害賠償請求が一般的です。また、精神障害の労災認定基準にカスハラが追加されたことから、今後は労災問題に発展するケースも出てくるおそれがあることに注意しましょう。

カスハラに備えて企業がすべき対策

カスタマーハラスメント(カスハラ)に備えて企業が行うべきカスハラ対策として、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 対応方針を明確にする
  • カスハラ対応マニュアルを作成する
  • 従業員への周知・教育を行う
  • 相談窓口の設置や体制を整備する

カスハラ問題は対岸の火事ではなく、どのような企業であってもいつ起こるか分からない重要な課題です。
初期対応が非常に大切なので、会社が対応できる体制をあらかじめ構築しておくことが重要です。

対応方針を明確にする

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策として、企業の方針により対策する方針や姿勢を、組織のトップが明確に示すことが重要です。

組織としてカスハラに対応していくことは、従業員の安心感へ繋がり、離職防止への効果も期待できます。
まずは、社内マニュアルや経営者のメッセージなどとして、従業員に向けてメッセージを発信しましょう。

そして、企業としての方針は、社内だけでなく社外にも公表しなければなりません。顧客向けのポスターなどによって注意喚起する方法が考えられます。

カスハラ対応マニュアルを作成する

カスタマーハラスメント(カスハラ)への対策として、対応フロー等のマニュアルを作成しておき、組織としての対応を徹底しましょう。

顧客からの迷惑行為や不当な要求があった場合、その対応を個々の従業員の判断に委ねてしまうと、会社として一律の対応ができなくなってしまいます。

マニュアルは企業によって内容は異なりますが、以下のような項目を含めて作成するとよいでしょう。

  • カスハラか否かの判断基準
  • カスハラにあたる可能性がある場合の対応方法
    • 相談窓口について
    • 対応プロセス
    • 事案の記録、証拠化
    • 報告と社内での情報共有について
  • 社内で起きたカスハラ事例とその対応
  • Q&A集

対応プロセスでは、業態ごとに法的責任の判断が異なる可能性もあります。
社内周知の前に、弁護士にリーガルチェックを依頼すると安心です。

従業員への周知・教育を行う

カスハラの認知度は急速に高まっていますが、パワハラ等の代表的なハラスメントに比べると正確な情報が浸透しているとはいえません。

従業員がカスハラとクレームの違いを見極め、適切に対応するためにも、カスハラ対策に関する研修は必須です。カスハラから社員を守るという基本方針やカスハラの定義、対応方法を社員に周知・教育しましょう。

正確な知識をもとに、マニュアルに従った対応ができれば、カスハラ対応の精度は格段によくなるはずです。

もっとも、カスハラ対策は一度行えば万全とはいきません。
定期的に研修を行い、カスハラ対策の知識のアップデートを促すことも重要です。

研修は全従業員を対象として行い、経営層にもカスハラの理解を深める取組みを行えばより有効です。

相談窓口の設置や体制を整備する

企業は、カスタマーハラスメント(カスハラ)被害に遭った従業員が相談できる窓口や体制を整備しなければなりません。相談対応者は、上司や現場責任者、人事部門の担当者、法務担当者などが一般的です。

業種によって、カスハラの手段が異なる場合もあるため、相談体制も適したものにしましょう。
相談対応者には、相談者の心身の状況などに配慮しながら、慎重に相談に応じることが求められます。

カスハラの被害は、内容によって社内の人間には相談しにくいケースもあり得ます。
社内窓口だけでなく、弁護士などの専門家による社外窓口も設置することが望ましいです。

カスハラ対応に関するQ&A

障害のある方や認知症の方による言動もカスハラになりますか?

障害のある方や、認知症の方からカスハラのような言動を受けたときには、障害特性や認知症の症状を踏まえながら、合理的な配慮や丁寧な説明、建設的な対話などによって解決する必要があります。

暴言・暴力や長時間の拘束など、従業員の就業環境を著しく害する行為についてはカスハラのリスクが高いので、状況に応じて責任者が対応しなければなりません。

従業員や他の利用者の安全確保は最優先であり、なるべく組織的な対応を行うことが重要です。

電話でのカスハラ対応を録音しても良いですか?

電話によるカスタマーハラスメントへの対応を録音することは、基本的に問題ありません。
ただし、新たなトラブルを招かないように、録音していることを相手方に伝えるようにしましょう。

通話の録音自体は違法となるものではなく、厚生労働省もカスハラ対策の一例として顧客とのやり取りの録音・録画を挙げています。

録音データには個人情報が含まれる場合があるため、利用目的を明確にして、適切に管理することが重要です。録音していると伝えることには、カスハラの抑止効果も期待できます。

カスハラを受けた従業員が休職を希望した場合、会社はどう対応すべきですか?

カスハラを受けた従業員が休職を希望している場合、まずは従業員の心身の状態を確認し、必要に応じて医師の診断書の提出を求めましょう。

会社には従業員の安全や健康に配慮する義務があるため、被害状況の調査やメンタルヘルスケアを行うことが重要です。

休職制度がある場合には、就業規則などに基づいて休職手続きを進めます。
休職制度がない場合であっても、年次有給休暇の利用や欠勤措置、配置転換などを検討して、無理な就労を避けるべきです。

休職命令については、以下のリンク先で解説しています。

さらに詳しく休職命令とは?

カスタマーハラスメントの対応については弁護士へご相談ください

カスタマーハラスメントは、近年トラブルとなる事例が増えてきたハラスメントです。
2026年10月には改正法が施行されますが、どのような対応が必要なのかが分からず、企業の担当者も戸惑ってしまうことでしょう。

カスハラは、社内だけの問題ではなく、顧客という第三者も含めて発生するトラブルであり、クレームの内容についての判断なども必要なので複雑な事案となりがちです。

弁護士法人ALGでは、労務に精通した弁護士が、様々なカスハラ事案に対応しています。
全国展開しておりますので、貴社の近くにある事務所でご相談いただくことも可能です。

カスハラ対策のマニュアルの作成が進んでいないなど、少しでもご不安があれば、まずはお気軽にご相談ください。

この記事の監修

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弁護士 家永 勲
弁護士法人ALG&Associates 執行役員

保有資格
弁護士(東京弁護士会所属・登録番号:39024)

執行役員として法律事務所の経営に携わる一方で、東京法律事務所企業法務事業部において事業部長を務めて、多数の企業からの法務に関する相談、紛争対応、訴訟対応に従事しています。日常に生じる様々な労務に関する相談対応に加え、現行の人事制度の見直しに関わる法務対応、企業の組織再編時の労働条件の統一、法改正に向けた対応への助言など、企業経営に付随して生じる法的な課題の解決にも尽力しています。

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